野原。黒騎士ブルブラックがゴウタウラスと話していた。
ブルブラック「ゴウタウラス行くぞ、最後の戦いだ。この星諸共バルバンを吹き飛ばす！」
「何を躊躇っている？復讐の為ならば手段を選ばない、そう決めただろ！」
「昔に戻りたい・・・・？」
今は無きブルブラックの母星、タウラス星。
ブルブラックの弟、クランツがブルブラックの元に来た。
クランツ「兄さ―――ん、兄さ―――ん」
ブルブラックはクランツに短剣、黒のナイフを渡した。
クランツ「ありがとう兄さん、僕もいつか兄さんと一緒に星を護る戦士になるよ！」
ブルブラック「ああクランツ、お前ならなれる」
しかし、タウラス星がバルバンに滅ぼされた際にクランツはゼイハブに殺された・・・
ブルブラック「クランツ！」
ブルブラックがクランツの形見となった黒のナイフを握りしめる。
ブルブラック「・・・ッ、昔の様な戦士に戻って何の意味がある！今の私に守るべきものは無い、行くぞ！」
歩き出したブルブラックだが、胸に感じた痛みで足を止めた。
ブルブラック「ッ、ウグッ！またこの痛みか！分かってるぞ、この痛み・・・貴様だな！」
ブルブラックに聞こえていたのは、あのヒュウガの声だった。
ヒュウガ「黒騎士、やめるんだ、考え直せ！」
シルバースター乗馬クラブ。馬場で眠っていたリョウマにもその声は聞こえていた。
リョウマ「兄さん・・・」
ブルブラック「黙れ！」
ブルブラックは胸の結晶に黒のナイフを突き立てた。
ヒュウガ「やめるんだ、黒騎士！」
リョウマが目覚めた。
リョウマ「兄さん！」
ハヤテ「何いってんだ？馬場の整備終わったのか？」
リョウマ「えっ・・・そうか！ごめん・・・」
サヤ「リョウマ！ヒュウガがいたら怒られるよ」
ヒカル「弛んでるぞ、リョウマ！なーんてな」
リョウマ「はははは・・・」
リョウマが馬場の整備を始めた。
リョウマ「よいっしょっと」
無敵荒くれ城。
ヤートットがワンガを叩く中、イリエス魔人族の魔人ワンガワンガがヤートットの石像の周りで踊っていた。
そこへシェリンダが入ってきた。
シェリンダ「何の騒ぎだこれは！」
プクラテス「シ――――ッ。船長にイリエス魔人族の魔力を見てもらっとるんじゃ。あれは魔獣ダイタニクス同様、封印が解けとらんかったヤートットじゃ。だが、奴の憎しみの槍を使えば・・・」
ワンガワンガ「ワワンガズワンガ！」
ワンガワンガが憎しみの槍をヤートットの石像に突き刺すと、ヤートットは元に戻った。
ゼイハブ「ほう、中々やるじゃねえか、イリエス」
イリエス「これくらい、このワンガワンガには何でもありませんわ」
シェリンダ「ならさっさとダイタニクス復活にかかれ！」
イリエス「せっかちねえ！ダイタニクスの封印を解くにはあの槍にもっとたくさんの魂を吸わせないと。憎しみの魂を吸って、魔力を発揮するあの槍にね」
男子学生たち「生意気なんだよ！」
「そりゃテメェだろ！」
「やんのかコラ！」
喧嘩している2人の男子学生の側にワンガワンガが隠れていた。
ワンガワンガ「憎しみの匂い、する・・・」
男子学生「あ、あれ・・・」
2人がワンガワンガを見つけて、逃げ出したが、
ワンガワンガは飛び上がり、片方の男子学生に憎しみの槍を突き刺した。
ワンガワンガ「憎しみの魂、もらう」
ワンガワンガが憎しみの槍を抜くと、男子生徒の腹に穴が開き、
すぐに塞がったが、男子生徒は倒れた。
モーク「みんな、バルバンが町に現れた！」
大勢の人が倒れている中、ワンガワンガは新たにタクシー運転手を襲おうとしていた。
ワンガワンガ「よこせ、憎しみの魂」
そこへ駆けつけたギンガマンの攻撃がワンガワンガを止めた。
レッド「やめろバルバン！」
ワンガワンガ「邪魔したな、許さない！ヤートット！」
ヤートット達が来て、ギンガマンはヤートット達が戦うも、
ギンガイエローはワンガワンガの槍の一撃を食らった。
ブルー「ヒカル！」
ワンガワンガは歩道橋の上に飛び上がり、去って行った。
レッド「ッ！」
イリエス「ところで、船長？ダイタニクスを復活させたら例の賞金、ちゃーんと頂けるんでしょうね？」
ゼイハブ「心配するな」
ゼイハブが開けた扉の向こうには、金貨が入った箱が無数にあった。
ゼイハブ「成功したら、こいつを1箱だ」
イリエス「ハーハッハ！何に使おうかしらね？」
ゼイハブ「だが、失敗したらブドーとサンバッシュと同じ目に会うんだ。気を抜かねえことだな」
リョウマ達はワンガワンガに襲われた人達を診ていた。
サヤ「しっかりして！」
ゴウキ「しっかりしてください！」
ハヤテ「ダメだ、完全に意識が無い」
その時、地震が起きた。
ゴウキ「何だ！またバルバンか？」
モーク「みんな！至急、金剛山へ向ってくれ。ブルタウラスが現れたんだが、様子が変だ」
活火山、金剛山。
ブルタウラスがツインブルソードから緑色のエネルギーを火口に注いでいた。
ブルブラック「でやっ！」
そこへギンガイオーが来た。
レッド「待て！黒騎士、何の真似だ？」
モーク「この火口は・・・・みんな！ブルタウラスはその火口から地球の中心に強いエネルギーを送っている。このまま続ければ・・・地球は膨張して爆発してしまう！」
グリーン「何！？」
レッド「やめろ黒騎士！はあっ！」
ギンガイオーがブルタウラスにしがみつく。
レッド「地球を破壊するつもりか！」
ブルブラック「そうだ！この星に潜むバルバンを潰すためにな！」
ブルタウラスはギンガイオーをはね除け、ツインブルソードで切りつける。
その場にワンガワンガが向っていた。
ワンガワンガ「チュクチュク、匂う、匂うぞ！極上の憎しみだ」
レッド「黒騎士！はあ！」
ブルブラック「これで終わりだ！」
しかし、ブルタウラスは動きを止めた。
ブルブラック「か、体が・・・」
レッド「？」
ブルタウラスの合身が解除され、ブルブラックが地上に投げだされた。
ギンガマンも降りてきた。
ブルブラック「ゴウタウラス・・・」
ブルー「分かってるんだ、ゴウタウラスには。復讐のためにこの星を滅ぼしてはいけないってことが」
ブルブラック「何故だ、ゴウタウラス！」
ゴウタウラスが去って行った。
ブルブラック「復讐を・・・復讐を忘れたのか！」
その時、ブルブラックの背後に回ったワンガワンガが憎しみの槍でブルブラックの背中を貫いた。
ギンガマン「「「！」」」」
ブルブラック「うっ・・・・」
ワンガワンガ「その憎しみ、強い、もらう！」
レッド「黒騎士！」
ギンガレッドが走り出す。
ワンガワンガが羽根を投げつけたが、ギンガレッドは羽根が起こした爆発に構わず向って行く。
レッド「星獣剣！」
ギンガレッドは星獣剣を抜き、ワンガワンガを斬りつけた。
他のギンガマンも黒騎士の前に立った。
ワンガワンガ「また、邪魔するか！」
グリーン「リョウマ、黒騎士を安全な所に！」
レッド「分かった！」
ギンガレッドがブルブラックを連れてその場から離れる。
ワンガワンガ「お前達、邪魔！」
ヤートット達がギンガレッドとブルブラックを追う。
ブルブラック「私を助けて、恩を売るつもりか？それとも、この私が改心するとでも思っているのか？」
レッド「今はそんなことを言ってる場合じゃない！」
ギンガレッドはヤートット達と戦う。
ブルブラック「ギンガレッド！貴様何処までその甘さを押し通すつもりだ？」
レッド「俺は誰だろうと見殺しに出来ないだけだ！」
ブルブラック「私が、お前の兄を利用していると知ってもか？」
レッド「ッ！」
最後のヤートットを斬り倒したギンガレッドがブルブラックに聞き返した。
レッド「今・・・何て言ったんだ」
ブルブラック「お前の兄、ヒュウガを利用していると言ったんだ」
レッド「兄さんを！？」
ブルブラック「そうだ」
三千年前、地球に来たブルブラックはサンバッシュに倒され、地割れに落ちた。
ブルブラツク「三千年前、地底に落ちた私は死んだも同然だった。
復活するには力が足りず、三千年もの間復讐だけを支えにしていた。
そこへ・・・」
リョウマ「兄さ――――ん！！」
ゼイハブにヒュウガが落とされてきた。
ブルブラック「お前の兄が来た」
ブルブラックはブルライアットを投げ、溶岩に落ちる前にヒュウガを止めた、
ブルブラック「私は最後の力を振り絞り、ヒュウガの体を取り込んだ」
ブルブラックが光となってヒュウガと一体になると、
ヒュウガがブルブラックの姿となって、地上に飛び出した。
ブルブラック「そのヒュウガのアースの力を使って、復活できたのだ」
レッド「まさか！」
ブルブラック「本当だ。でなければ何故、私がお前の兄の名前を知っているのだ？」
レッド「兄さんが生きてる・・・」
ブルブラック「生きていると言えるかどうか・・・貴様と同じように私の戦いを否定し、何度も邪魔するんでな。完全にその意志を封じ込めてやった」
レッド「何！？」
ブルブラック「ヒュウガが解放されるのは、私が死ぬ時だ」
ギンガレッド「・・・・・ッ」
ブルブラック「私を殺すか？ヒュウガを取り返すために」
レッド「・・・・・」
ブルブラック「見ろ。誰でも同じだ。憎しみと目的のために手段を選ばない」
ブルブラックがブルライアットを抜いた。
ブルブラック「しかし今殺される訳にはいかん。私は復讐を果たす！」
ブルブラックがブルライアットを振るい、ギンガレッドはかわしたが、花が斬り飛ばされた。
ギンガレッドはやがて星獣剣を納めた。
ブルブラック「貴様何故だ！ヒュウガを助けたくないのか！」
レッド「何かを守るために、戦うことを教えてくれたのは兄さんだ。貴方を殺して助け出しても兄さんは喜ばない！俺達は星を守るために戦っているんだ！」
ギンガレッドはブルブラックに背を向けて、走り出した。
ブルブラックが膝をついた。
ギンガレッドが一旦、足を止めた。
レッド「兄さん・・・っ！」
ギンガレッドはまた走り出した。
ブルブラックはギンガレッドの背中にクランツの幻を見た。
クランツ「僕もいつか、兄さんと一緒に星を守る戦士になるよ！」
ブルブラック「クランツ・・・」
4人のギンガマンはワンガワンガに苦戦していた。
そこへギンガレッドが来た。
レッド「星獣剣！」
ギンガレッドは星獣剣を抜き、ワンガワンガを切り裂いた。
ワンガワンガ「チュク――！」
レッド「みんな行くぞ！」
グリーン達「「「「おう！」」」」
ギンガマン「「「「「「うなれ！ギンガの光！」」」」」」
ギンガマンがギンガの光を発動させ、獣装光ギンガマンとなった。
レッド「はあ！」
ギンガマン「「「「「「獣装光！」」」」」」
ワンガワンガ「チュク――――！」
レッド「銀河の戦光！！」
獣装光ギンガマンが１つの光弾となり、ワンガワンガを貫いた。
ワンガワンガ「ドワアッ！」
ワンガワンガが火花を散らしながら、倒れた。
ワンガワンガ「イリエス魔人族・・・しぶとい・・・バルバエキス」
ナレーター「バルバンの魔人はバルバエキスを飲むことで巨大化する。
だが、それは自らの命を縮める、まさに最後の手段なのだ！」
そうして、ワンガワンガが巨大化した。
レッド「星獣合体！」
ギンガマンが乗り込んだ5体の銀星獣がギンガイオーに合体した。
レッド「超装光！ギンガイオー！！」
ギンガイオーがギンガの光を発動させ、超装光ギンガイオーとなった。
超装光ギンガイオーは噛みついてきたワンガワンガをはね除け、
金剛山の火口まで吹き飛ばした。
レッド「銀河大獣王斬り！！」
超装光ギンガイオーの一撃がワンガワンガをバラバラに粉砕した。
しかし、その拍子に投げ出された憎しみの槍は火口に落ち、
大地が震え出した。
グリーン「これは・・・・」
ギンガマンが地上に降りると、火口からエネルギーの奔流が溢れだし、ギンガマンが吹き飛ばされた。
レッド「ああっ！」
モーク「まずい！火口に落ちた魔人の槍からエネルギーが流れ出している。このままでは地球が爆発する！」
グリーン「何！止められないのか！」
モーク「君達5人のアースを火口に注げば、エネルギーは中和できるかもしれない・・・」
レッド「やってみる！」
ギンガマンは火口に向うも、溢れだした火炎の奔流を受ける。
イエロー「何て力だよ！」
ブルー「火口へ近づけない！」
そこへブルブラックが来た。
ブルブラック「終わりか・・・バルバンもこの星も・・・そして私も・・・」
レッド「うわあっ！」
ギンガマンが爆発に吹き飛ばされ、転生が解除された。
それでもリョウマ達は立ち上がり、火口に向う。
リョウマ（俺達は星を守るために戦っているんだ！）
クランツ「兄さん！戦って！星を守って！」
ブルブラック「これでいいんだ・・・これで復讐は終わる」
クランツ「兄さん・・・兄さん」
白い花を持ったクランツの幻が現れた。
ブルブラック「クランツ！」
クランツ「戦おうよ兄さん、あの人達のように」
ブルブラック「駄目だ、私にはもう守るべき星も、人もない。ゴウタウラスさえ去ってしまった・・・そして何より、お前がいない、クランツ！」
クランツ「星は一杯あるよ。人もたくさんいる。ね、兄さん。ゴウタウラスもきっと昔の兄さんが好きだよ」
クランツがブルブラックに白い花を渡した、
クランツ「星を守ろうよ、昔みたいに」
ブルブラック「クランツ！」
クランツの幻が消えた。
ブルブラック「クランツ・・・」
ブルブラックはしばし白い花を見つめ、それから岩陰に移り、
胸の結晶から黒のナイフを引き抜いた。
すると、結晶からヒュウガが出てきて、ブルブラックの体がボロボロになった。
ブルブラック「これ以上、私に付き合わせる訳にはいかないからな・・・」
リョウマ「地球は・・・絶対に守る！」
リョウマ達の元にブルブラックが来た。
リョウマ「黒騎士！」
ブルブラック「私なら、何とか出来る・・・火口のエネルギーを取り込んで、体内で爆発させればいい・・・」
リョウマ「そんな事をしたら貴方は！」
ブルブラックがリョウマ達の足元にブルライアットを投げると、
結界が形成され、リョウマ達を覆った。
ブルブラック「ヒュウガなら大丈夫だ。必ずお前達の元に帰ってくる」
リョウマ「待つんだ黒騎士！駄目だ！」
サヤ「黒騎士！」
ゴウタウラスが来た。
ブルブラック「ゴウタウラス！来るんじゃない！この星で仲間を見つけろ！一緒に戦う仲間を！いいな・・・」
ブルブラックが火口に向うも、火口からのエネルギーの奔流がブルブラックを襲う。
ブルブラック「うわあっ・・・」
ゴウキ「黒騎士！」
ブルブラックは炎に焼かれ、よろめきながらも進むが、
その心の姿なのか、クランツと手を取り合い、悠然に進む幻が映った。
ブルブラック「クランツ」
クランツ「兄さん」
そして、ブルブラックは火口に着いた。
ブルブラック「星を守るぞ、クランツ・・・・」
ブルブラックは白い花を置いて、火口の中に飛び込んだ。
リョウマ「黒騎士――――――！！」
ブルブラック「でやあああああっ！！」
ブルブラックは火口内のエネルギーをその体に取り込み――――
大爆発。
その余波は火口の外まで及んだが、リョウマ達は結界に守られた。
溢れ出たエネルギーも収まっていき、やがて金色の光の粒が降り注いだ。
ゴウタウラスが鳴いた。
ゴウキ「黒騎士の魂・・・」
ハヤテ「黒騎士の心は生きている、きっと・・・」
リョウマがブルライアットを抜いた。
ゴウタウラスが泣き続けている・・・
そして、リョウマ達の前にヒュウガが出てきた・・・
サヤ「ヒュウガ・・・本当にヒュウガなの・・・」
ヒュウガ「・・・・ああ」
サヤ「ヒュウガ！」
サヤ達がヒュウガの元に駈け寄った。
ハヤテ「ヒュウガ・・・」
ヒュウガ「・・・リョウマ！」
リョウマ「兄さん・・・！」
そして、リョウマもヒュウガの元へ駈け寄り、2人は抱き合った。
ナレーター「それは、リョウマ達に夢に描いた再会であった・・・」
最終更新：2018年09月01日 23:01
