新戦力・ターボラガーで、ジンバに続きジャーミンも倒したターボレンジャー。
しかし、その戦いの隙を突いたヤミマルによって、太宰博士がさらわれてしまった。
ヤミマル「ターボレンジャー! ご対面だぜ」
太宰博士「ううっ……」
太宰博士がヤミマルに引き連れられてきた。
手錠と鎖で身動きを封じられ、ヤミマルに蹴倒される太宰博士。
ターボレンジャーの要塞基地・ターボビルダーで、力たち5人と妖精シーロンがその姿を見つめる。
力「博士が危ない!」
シーロン「博士!」
ヤミマル「早速だがビジネスに入ろう」
力「えっ?」
ヤミマル「太宰博士とターボラガーを交換したい」
大地「なんだと!?」
力「ターボラガーと!?」
太宰博士「いかぁぁんっ!! ターボラガーを渡してはならんぞ!! そいつを渡したらおしまいだ!!」
ヤミマル「黙れ!!」
太宰博士「うおっ!」
ヤミマルが太宰博士の腹に蹴りを入れる。
太宰博士「地球を、守るためなら…… 私の命など……」
気を失う太宰博士。
5人「博士っ!!」
ヤミマルが太宰博士の口に流星の刺繍がされた布を噛ませる。
そこへ、ターボラガーが来た。
ヤミマル「案外、素直な連中だぜ」
ヤミマルが太宰博士から離れて、ターボラガーの方に向かう。
太宰博士(やめろ…… それを渡してしまったら負けだ…… もう地球は守りきれんぞ…… やめろ、やめるんだ……!!)
ターボラガーを操縦していたのは、レッドターボ1人だった。
太宰博士(渡すな…… やめろ……!!)
残りのターボレンジャーは隠れて、太宰博士の後ろに近づいていた。
ブラックターボ「よし、今のうちだ」
ブルーターボ「OK」
ヤミマルが太宰の方に戻ってきた。慌てて隠れる4人。
ヤミマル「ハハハハ…… あれさえもらえば、地球は俺の物だ!」
ブラックターボ「ダメだ……」
ブルーターボ「ヤミマルの奴……!」
ヤミマル「よし、そこまでだ。止まれ」
ターボラガーが歩みを止める。
ブラックターボ「よし、今だ!」
ブルーターボ「おう!」
ブラックとブルーの飛び蹴りがヤミマルを吹き飛ばし、その間にイエローとピンクが太宰博士を助けた。
イエローターボ「博士!」
ヤミマル「おのれ、謀ったな!」
ブラックターボ「大人しくターボラガーを渡す俺たちと思ったのか!」
その時、先がハサミとなった巨大な槍が飛んできてターボレンジャーとヤミマルの目の前に突き刺さった。
同じ槍がもう1本飛んできて、ターボラガーに命中。
さらに岩山を崩して、巨大な暴魔獣が現れた。
ブラックターボ「なんだ、あれは!」
予想外の事態に驚きを隠せないヤミマル。そこへレーダが来た。
レーダ「ヤミマル! ご苦労だったな、前座はここまでだ。晴れ舞台は、暴魔博士レーダと、暴魔百族の守り神・超魔神ボーマが相務めよう!!」
巨大暴魔獣・超魔神ボーマがターボラガーに向かう。
ブラックターボ「ターボラガーに向かっていくぞ!」
ヤミマル「レーダめ、何を企んでいるんだ」
超魔神ボーマは刃がハサミとなった剣でターボラガーを切りつける。
さらにレーダがマントを脱ぎ捨て、ターボレンジャーとヤミマルの前に降り立った。
ヤミマル「レーダ! なんの真似だ!?」
レーダ「せいっ!!」
レーダが全身から光線を放ち、ターボレンジャーとヤミマルをまとめて攻撃した。
ターボレンジャー「うわあああっ!!」
ヤミマル「……ええいっ!!」
吹き飛ぶターボレンジャー。
ヤミマルはその場から撤退。
ブラックターボ「行くぞ!」
ターボレンジャー「ターボレーザー!!」
ブラックたちがターボレーザーでレーダを撃つが、戻ってきたマントがターボレーザーを防ぐ。
マントが落ちると、レーダの姿が消えていた。
ブルーターボ「ああっ、消えた!」
ブラックターボ「どうなってる!?」
レーダが上空から飛び降りてきて、杖でブラックたちを攻撃していった。
暴魔城──
ラゴーン「ついにレーダにも後のないことがわかったようだ。たとえ暴魔博士レーダといえども、生きて帰ってくることは許さん!!」
前回の戦いで傷ついたズルテンが、柱の陰に隠れて震えている。
ズルテン「えらいとこ帰ってきちゃったな~、もう……」
ラゴーン「これがお前の最後の戦いだ!!」
超魔神ボーマがターボラガーを振り回し、放り投げた。
ターボラガーからレッドターボが投げ出され、力に戻る。
イエローがレーダに杖で投げ飛ばされる。
ターボレンジャー「イエロー!!」
さらにレーダの杖からの光線でブラックたちも吹き飛ばされ、変身が解除された。
大地、洋平、俊介、はるな「うわああっ!!」
超魔神ボーマが倒れたターボラガーにとどめを刺すべく迫る。
力たち5人は身動きすらままならない。
太宰博士(ターボラガー……)
太宰博士がターボラガーに向かう。
5人「博士!!」
太宰博士がターボラガーに乗り込む。
手錠がかけられたまま操縦桿を動かし、ターボラガーを起こし、肩のラガーキャノンを発射した。
ラガーキャノンが撃ったのは、超魔神ボーマではなく力たちの前方にある岩壁。
岩壁に「TURBO ROBO」の文字が刻まれる。
5人「『TURBO ROBO』……」
太宰博士「大地、君はターボトラックで囮になって、ターボラガーを完成させてくれた。今度は、私とターボラガーが君たちのために戦う番だ!! 任せてくれ、ターボラガーは決して負けん」
大地「そうか…… 太宰博士は囮になってくれたんだ。俺たちを逃がし、ターボロボを復活させるために!」
力「博士! 待っていてください。必ず、ターボロボを修理してみせます。みんな、行くぞ!!」
大地、洋平、俊介、はるな「おう!!」
力たちがターボビルダーを目指して走り出す。
超魔神ボーマに迫るターボラガー。
レーダ「そうはさせるものか。大暴魔術・砂地獄!!」
レーダが杖から放った光線がターボラガーの足下に当たると、地面が陥没し、ターボラガーが埋まっていった。
太宰博士「うわっ、あぁ──っ!!」
はるな「ターボラガーが!!」
力「博士っ!!」
洋平「ああっ……」
俊介「博士!!」
はるな「博士ーっ!!」
太宰博士は手錠のせいで操縦桿を握ることができない。
ついにターボラガーが完全に沈む。
レーダ「ハハハハハハ!! 超魔神ボーマ、ターボレンジャーをやっつけろ!!」
超魔神ボーマが力たちを追う。
力「早く! 急げ!!」
大地「博士! 必ずターボロボで助けに行きます!!」
力「大地! 急げ!!」
超魔神ボーマが力たちを狙って剣を突き刺す。
その時、ターボビルダーからの砲撃が超魔神ボーマを襲った。
力「ああっ…… 誰だ!?」
この隙を突いて逃げる5人の目の前に、ターボビルダーが移動してきている。
力「みんな、ターボビルダーに急ぐんだ」
ターボビルダーを操縦していたのは、シーロンだった。
シーロン「みんな急いで、早く! ビルダーバルカン発射!!」
ターボビルダーは、連続砲撃で反撃の隙を与えない。
ターボビルダー内のターボマシン用ドック。
力たちがターボトラックに乗り込む。一度は修理を完了したはずのターボトラックの内装は、ヤミマルによって無残に破壊されていた。
俊介「こりゃひでぇ。アブソーバーチェックだ」
はるな「ターボチャージャーもチェックして」
洋平「OK! 力、俺はシリンダーを交換してくる」
力「頼む! バッテリーコードを繋いでくれ」
俊介「よし!」
大地「博士…… がんばってください……」
超魔神ボーマがターボビルダーに迫る。
シーロン「わぁ、来ちゃう、来ちゃうわ! ビルドアップ! ターボビルダー!!」
ターボビルダーが変形し、砲撃を続ける。しかし、超魔神ボーマは多少ふらつく程度のダメージしか受けていない。
力「ああっ、急げ!」
大地が修理していた箇所から火花が飛び散り、大地が弾き飛ばされた。
洋平「大地!!」
ターボラガーは完全に地面に埋まろうとしている。
太宰博士は懸命に操縦桿を動かそうとするが、うまくいかない。手錠が何度も食い込むせいで手首の皮に幾筋もの傷ができ、血が出ている。
とうとう太宰博士が弾き飛ばされ、意識を失った。
ターボビルダー内ターボマシン用ドックでは、ようやくターボトラックの修理が終わろうとしていた。
俊介「大地!」
大地「ああ!」
大地がスイッチを入れると、ターボトラックの運転席に明かりが点った。
大地「治ったぞ!」
力「よし。みんな、行くぞ!」
俊介「おう!」
はるな「ええ!」
洋平「おう!」
大地「博士、すぐ行きます!」
5人がターボレンジャーに変身し、各々のターボマシンに乗り込む。
レッドターボ「ターボマシン、発進!!」
ターボビルダーの下部のハッチが開き、レッドターボの乗るターボGT、ブラックターボの乗るターボトラック、ピンクターボの乗るターボワゴンの3台が姿を見せた。
ブラックターボ「発進!」
ピンクターボ「発進!」
3台のターボマシンが発進していった。
ブルーターボ「発進!」
イエローターボ「発進!」
ターボビルダー上方左右のスロープから、ブルーターボの乗るターボジープとイエローターボの乗るターボバギーがそれぞれ発進する。
レッドターボ「合体シフト・ターボロボ!!」
ターボGT、ターボトラック、ターボワゴンが上昇。ターボトラックが変形した上半身に、分離したターボワゴンが合体し脚部となる。
そこから降下し、地面を走っていたターボバギーとターボジープに合体。左足首と右足首になる。
そしてターボGTがターボトラックに合体。ターボGTの前部が展開し、胸部と背中になり、展開した部分から頭が出て、ターボロボが完成した。
ターボレンジャー「チャージアップ! ターボロボ!!」
レッドターボ「ダッシュ!!」
ターボロボが駆けつけた時、ターボラガーは片腕を残して完全に地面に埋まっていた。
レーダがターボロボを睨む。
ターボレンジャー「博士!!」
レーダ「大暴魔術・砂地獄!!」
レーダが杖から放った光線がターボロボの足下に当たると、地面が陥没し、ターボロボの左足が埋まった。
そこへ超魔神ボーマが剣を投げつける。
ターボレンジャー「うわあっ!!」
レッドターボ「みんな、ターボロボを頼む!」
ブラック、ブルー、イエロー、ピンク「OK!」
レッドが地上に降り、レーダと相対する。
レッドターボ「暴魔博士レーダ! 勝負だ!!」
レーダ「望むところだ!!」
レッドターボ「行くぞ! とあっ!!」
レッドがGTソードでレーダと切り結ぶ。
レーダ「かあっ!!」
レーダは口からガスを吐き、レッドを吹き飛ばした。
レッドターボ「うわぁっ!!」
超魔神ボーマは剣からロケット弾を撃ち、身動きの取れないターボロボを攻撃する。
レーダ「でやあああっ!!」
レーダがマントを投げつけ、レッドを黒一色の空間に飛ばした。
レッドターボ「うわっ、ここは!?」
そこにレーダが出現。
レーダ「湧け、ウーラー!!」
レーダによって呼び出されたウーラー兵が、レッドに襲い掛かる。
レッドはウーラー兵を倒していくが、突然ウーラー兵が消えた。
レッドターボ「ああっ!?」
今度は複数の触手が出てきた。
レッドターボ「なんだこりゃ! ……うわっ!!」
縦横無尽に伸びる触手に翻弄されるレッドターボ。
ターボロボは高速剣で超魔神ボーマの剣を防ごうとしたが、超魔神ボーマの剣で切られ、高速剣を落としてしまう。
暗黒空間では、レッドが触手を相手に攻めあぐねている。
レーダが杖と一体化した笛を吹くと、その音色にレッドが苦しむ。
レッドターボ「ぐあっ、ああっ…… 頭が! やめろ…… やめろっ!!」
地面から2つの火の玉が出てきて、レッドの周りを回った後、先に倒されたジンバとジャーミンの姿になる。
レッドターボ「ジンバ…… ジャーミン!!」
ジンバとジャーミンがレッドターボを攻撃する。
レーダ「レッドターボ! ジンバ、ジャーミンの呪いを思い知れ」
レッドターボ「うわあっ!!」
超魔神ボーマの剣の一撃でターボロボが吹き飛ばされたが、その拍子に埋まったターボラガーの手にターボロボの手が触れた。
すると、光が溢れ出した。
その光はレッドとレーダのいる空間にも及び、レーダが苦しみだし、ジンバとジャーミンが消える。
そしてレッドターボは、レーダのマントが宙に浮かんでいることに気づいた。
レッドターボ「あれだ!!」
レッドが飛び上がり、GTソードでレーダのマントを斬ると、暗黒空間が消滅。
レーダも投げ出されてきた。
レッドターボ「今だ!!」
レーダ「うおっ!」
レッドが飛び上がり、GTソードでレーダの胴を貫いた。
貫かれたレーダの胴から火花が飛び散る。
レーダ「つあっ!!」
レッドターボ「うわっ!」
レーダが杖でレッドを殴り飛ばした。
そこから杖から光のロープを出し、レッドを縛り放り投げる。
レーダ「おのれぇーっ!!」
レッドターボ「行くぞぉ、レーダーっ!!」
レッドターボがGTソードでレーダを切り裂く。そして──
レッドターボ「GTクラ──ッシュ!!」
レッドの必殺技・GTクラッシュがレーダに炸裂した。
レーダ「うあぁぁ──っ!!」
レーダが全身から火花を吹き出しながら、浮かび上がっていく。
レーダ「俺は死なんぞぉ──っ!! うおおおおっっ!!」
レーダが空中で大爆発──最後にレーダの顔の幻影が浮かび、消えていった。
レーダ「おのれ…… 決してこのまま死ぬ俺ではないぞ……」
ついに暴魔博士レーダは最期を遂げた。
その様子を、ヤミマルの人間としての姿である流星 光が見ていた。
流星「ああっ、みんな居なくなった…… まさに夢の通りだ……」
「お前こそ暴魔百族を背負って立つ男」
流星の学ランの背中にある、流れ星の刺繡が不気味に輝く。
流星「俺の時代だ…… いよいよ俺の時代が来るのだ!! ハハハハハハ!!」
ターボラガーの手から放たれる光は、ターボロボが手を放してもまだ止んでいなかった。
そしてターボラガーが地中から脱出する。
ブラックターボ「ターボラガー!」
レッドがターボロボのコクピットに戻った。
ブラックターボ「レッド、ターボラガーが動き出したぞ」
ターボラガーが上空に飛び上がり、それを追ってターボロボも飛び上がった。
レッドターボ「行くぞ、スーパーシフトだ!」
ブラックターボ「おう!!」
ブラック、ブルー、イエロー、ピンク「スーパーシフト!」
レッドターボ「スーパーターボロボ!!」
ターボラガーが足を分離し、そこからアーマーに変形。
ターボラガーの足がターボロボの足首に合体し、ターボラガーが変形したアーマーがターボロボの上半身に装着され、ターボラガーの頭にヘッドギアが合体した。
レッドターボ「完成! スーパーターボロボ!!」
スーパー合体を遂げたスーパーターボロボが地面に降り立った。
超魔神ボーマが、スーパーターボロボの巨大さに恐れおののく。
レッドターボ「行くぞ!!」
ブラック、ブルー、イエロー、ピンク「おう!!」
レッドターボ「スーパーミラージュビーム!!」
スーパーターボロボの両腕と頭が描く三角形から放たれた光線が超魔神ボーマに炸裂し、超魔神ボーマが大爆発した。
その頃暴魔城では、またも勝てなかったラゴーンが怒りを爆発させていた。
ラゴーン「ぬううっ、おのれターボレンジャー!!」
ラゴーンが辺り構わず光線を撃ちまくる。散った火花が柱の陰に隠れていたズルテンにも命中。
ズルテン「うわっ! あっち!」
ラゴーン「勝ったと思うなよ!? 暴魔百族の底知れぬ恐ろしさ、思い知るのはこれからだ!!」
ズルテン「あ~あ、ラゴーン様これ本当に怒ってるわ……」
戦い終わって、力たちが太宰博士に駆け寄った。
力たち「博士!」「博士!」
太宰博士が目覚める。
大地「博士!」
力「ああ……!」
安堵し、うなずき合う5人。
力「博士! やりましたよ…… スーパーターボロボで」
太宰博士「何?」
力たちと太宰博士の前に、ターボロボとターボラガーがそびえ立っている。
洋平「もうダメかと思った時、ロボット同士に奇跡が起きたんです」
はるな「本当にあれはなんだったのかしら……」
太宰博士「君たちが私を助けようとした気持ち、私が君たちを助けようとした気持ち…… それがお互いのロボットに乗り移ったのさ」
俊介「合体するってことは…… お互いに助け合うってことだったんですね」
うなずく太宰博士、力、大地。
洋平「……これからも、頑張ろうぜ!」
まるで兄弟のように固い絆で結ばれた、 この2台のロボットと共に、 ターボレンジャーは、戦い抜くことを 誓ったのであった。
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最終更新:2022年08月04日 01:40