ある日、オットー・スピノーラ卿はギルバート監督官による王宮からの呼び出しを受けた。
(王宮の門番)
「国王がお呼びです
謁見の間へお越し下さい」
(監督官ギルバード卿)
「何をぐずぐずしておったのだ
陛下に対し、無礼であるぞ」
(オットー)
「失礼ですが、今は急ぎます
お小言は謁見の後ででもおうかがいしましょう」
(監督官ギルバード卿)
「ちっ、生意気な小僧めが
だがな、笑っていられるのも今のうちだぞ」
(王宮の門番)
「さあ、お早く」
(ヘンリー8世)
「おお、よく来た
今日そちを呼んだのは他でもない、そちの腕を見込んで頼みたいことがある」
(オットー)
「何なりとお申しつけ下さい」
(ヘンリー8世)
「うむ
実は軍艦を指揮してもらいたいのだ」
(オットー)
「軍艦………
軍艦でございますか」
(ヘンリー8世)
「そうだ
そちも知っておろうが、我が神聖なるイングランド王国を脅かす大国がある」
(オットー)
「イスパニアのことでございますか?」
(ヘンリー8世)
「そのとおりだ
イスパニアは新大陸からもたらされる大いなる富を背景に欧州を席巻しようとしておる
我がイングランド王国としてもそれを黙って見過ごすわけにはいくまい
そこで王国発展のため強力な戦艦隊を組織しようと思う
ゆくゆくは王室海軍総司令としてそちを迎え入れよう
そのためにも今は海原に出て腕を磨いてくれることを望む」
(オットー)
「身に余る光栄、謹んでお受け致します」
(ヘンリー8世)
「では、そなたに武器と私掠許可書を与えよう
なお、任務遂行にあたってそなたが行動しやすいように爵位を授ける
今日からそちは士爵を名乗るがよい」
(オットー)
「格別のご配慮、謹んでお受け致します」
(ヘンリー8世)
「資金は好きなだけ請求するがよい
後のことはギルバートに任せてある
期待しておるぞ」
(オットー)
「はっ」
(王宮の門番)
「スピノーラ殿、ギルバート卿がお待ちですぞ」
(オットー)
「うむ」
(監督官ギルバード卿)
「船は造船所に用意した
お前にはもったいないくらいの船だ
それから優秀な人材を1人つけてやろう
何か質問はあるか?」
(オットー)
「資金を用意していただきたい」
(監督官ギルバード卿)
「優秀なお前のことだ
金貨300枚もあれば十分だろう」
(オットー)
「たったそれだけで何をしろというのです
それに陛下からは潤沢な資金を用意しているとうかがいましたが」
(監督官ギルバード卿)
「ぐだぐだぬかすな!
これでも多いくらいだ
そら受け取れ
陛下に腕を見込まれたぐらいだから、さぞや素晴らしい成果をあげてくれるのだろうな?
せいぜい、恥をかかぬようがんばることだ
はっはっは」
(造船所にて)
(オットー)
「船を受け取りに来たのだが」
(造船所のオヤジ)
「オットー様ですね?
お待ちしておりました
こちらでございます
しかし、このような船いったい何の目的に使われるのです?」
(オットー)
「イスパニアと一戦交える、といったらどう思うかな」
(造船所のオヤジ)
「ご冗談を!今どき商船だってもう少しましですよ
それから船名は頼まれていたように『シンプルトン』にしときましたが、良いんですかい薄のろなんて名前で」
(オットー)
「ギルバートめ、なんて野郎だ」
(出港所にて)
(航海士マシュー・ロイ)
「あんたかい?
俺を雇おうなんて考えている勇気のあるお偉いさんは?」
(オットー)
「お前がギルバート卿のいっていた航海士か」
(航海士マシュー・ロイ)
「おうおう、ずいぶんと偉そうにいってくれるじゃねえか
いいだろう、お前さんの歓迎会をやってやる
酒場で待っているぜ」
(酒場にて)
(航海士マシュー・ロイ)
「ずいぶんと遅いんで逃げ出したと思ったぜ」
(オットー)
「私の歓迎会はいつ始まるんだ?」
(航海士マシュー・ロイ)
「おい、みんな聞いたか?
こいつが歓迎して欲しいとよ
何か勘違いしているんじゃねえか?
俺がいつ、お前を提督と認めたってんだよ」
(オットー)
「では認めさせてやろう」
(マシュー・ロイと一騎打ちになるが負けてもよい)
(航海士マシュー・ロイ)
「けっ、口ほどにもねえな
でも尻尾を巻いて逃げ出さなかっただけ、ましかも知れねえな」
(オットー)
「………」
(航海士マシュー・ロイ)
「いやね、俺はあんたの前にも何人かの提督に決闘を申し込んだ事があるのさ
だが、俺とまともに戦ったのはあんたが初めてだぜ」
(オットー)
「それで?」
(航海士マシュー・ロイ)
「あんたを提督と認めようじゃないか
だが、イスパニアの野郎どもを相手にするときはもっと頑張ってくだせえよ」
(オットー)
「ならば、今日からお前は私の副官だ
いいな」
(航海士マシュー・ロイ)
「もちろんでさあ」
(出港し洋上にて)
(航海士マシュー・ロイ)
「提督!海に出たはいいが、いったいどこに行きなさるおつもりで?」
(オットー)
「ああ、私も今それを考えていたところだ」
(航海士マシュー・ロイ)
「どうです?ここはひとつ敵情視察といきませんか」
(オットー)
「いい考えだな
ではセビリアに針路をとるとするか
確かセビリアは南南西の方角だったな」
(航海士マシュー・ロイ)
「セビリアへの航路なら俺に任せて下さいよ」
(セビリアの酒場へ行くと下記のイベントが起こるが厳密には起こさなくてもよい)
(航海士マシュー・ロイ)
「提督ここですよ、ここ!」
(オットー)
「ずいぶん上機嫌じゃないか、マシュー」
(航海士マシュー・ロイ)
「久しぶりの酒なもんで………へへっ
まあ提督も呑みましょうや」
数時間後…
(オットー)
「提督~
一度聞きたかったんですが提督ともあろうお方がなんであんなボロ船に乗ってるんですかい」
(航海士マシュー・ロイ)
「ああ、どうやら監督官のギルバート卿に嫉まれているようなんだ
あいつの目には、私が国王に取り入ろうと画策しているように映るんだろう」
(オットー)
「ちっ、ギルバートの野郎の仕業だったんですかい
あの野郎見かけ通りに陰険な奴ですね」
さらに、数時間後…
(航海士マシュー・ロイ)
「おりゃ~
みなのもの、よく聞け~い
このオットー提督の船に乗りたい奴はいねぇか~」
おぉ~!
(航海士マシュー・ロイ)
「声が小さい!
もういちどぉ~」
おぉ~!!
(オットー)
「マシュー、お前の意気込みは嬉しいがこれだけの人数あのちっぽけな船には収まらんぞ」
(航海士マシュー・ロイ)
「そんならでっけえ船を手にいれてくだせえよ」
(オットー)
「待てよ、マシュー
これだけの人数、ガレオン級の船が必要だ」
(航海士マシュー・ロイ)
「よぉ~し!最新鋭艦を手に入れやしょう」
(オットー)
「最新鋭艦?」
(航海士マシュー・ロイ)
「あれ?
港で停泊している軍艦見なかったんですかい
すげぇ~軍艦ですぜ
あれだったらそこらの海賊なんか、一撃で撃沈ですぜ」
(オットー)
「面白い、イスパニアの船でイスパニアを叩くって訳か」
(航海士マシュー・ロイ)
「そう、その通りでさあ」
(オットー)
「しかし確かに面白い発想だがとても可能とは思えんな」
(航海士マシュー・ロイ)
「皆のものぉ~
ついて参れ!」
おぉ~!!
(オットー)
「おい、お前ら勝手にどこへいくんだ」
(出港所へ)
(航海士マシュー・ロイ)
「ヒック
オットー提督
いつの間にかいなくなっていまって
まったく人騒がせな」
(オットー)
「この酔っぱらいが、お前を捜していたんだ!」
(航海士マシュー・ロイ)
「それより、ヒック、みんな首を長くして待っていたんですぜ
提督、こいつが新しい旗艦でさあ」
(オットー)
「最新鋭艦……
お前たち、警護の兵士がいただろう」
(航海士マシュー・ロイ)
「さっきこの国の女士官が船を盗んだとかで、総出でどこか行っちまいやしたぜ
残った奴等は踏ん縛って船倉に転がしてやさあ
それにしても馬鹿な女でやすね
どうせならこっちの新しい方を盗みゃあいいのに」
(オットー)
「ううむ、酔っぱらいは侮れん
だが、絶好のチャンスだな
マシューご苦労だった」
(航海士マシュー・ロイ)
「ヒック……
全員乗り込めー」
(オットー)
「よし、今のうちに出港だ!」
(出港して夜が明ける)
(航海士マシュー・ロイ)
「ああ、頭がいてえ」
(オットー)
「マシューやっと目が覚めたか」
(航海士マシュー・ロイ)
「あれ、何ですかいこの船は
ちょっと見ない間に立派になって」
(オットー)
「お前、覚えてないのか
この船はお前が手に入れたのだぞ」
(航海士マシュー・ロイ)
「うへっ、そいつは本当ですかい」
(オットー)
「しかも船長室を捜してみると金貨が一万枚もあった
これでようやく行動に移れそうだ」
(航海士マシュー・ロイ)
「それならギルバートの鼻をへし折ってやりやしょう
あの野郎昔から気に入らなかったんです」
(オットー)
「それも面白そうだな」
(ゲーム本編開始)
最終更新:2021年05月22日 14:23