ロックマンX(漫画版)の第1話

#1 AWAKEING(目覚め)


極秘ファイル#R
人類がいまだかつてない恐怖を迎える時のために私は史上最高最強の戦士(レプリロイド)を残す。

むろんこの世が平和であり彼が無益で悲惨な戦いに巻き込まれぬことを私は期待する。
しかしまことに残念ながら、そうした戦いが起こったとき、彼はもっとも必要とされる救世主になることだろう

強力な特殊装備(パワーアップパーツ)にくわえて、私は自らが考えうる最強の装備を与えた。
それは、彼にとって無敵に近い「究極の武器」となるはずである。
それは・・・・・
(以下年月を経ているため解読不可能)


そして世界は今「彼」を必要としている

町中で、レプリロイド・ピエロッドが暴走――イレギュラーとなって、
人々を襲い始めていた。
「イレギュラーだ―!」「ピエロットが暴走したぞ!」「殺されるぞ!」
ピエロット「さあ楽しい鬼ゴッコの始まりだ!!」
「次の鬼はだれかな!?」
ピエロットが逃げる人々に向かって右手を伸ばすも、
上からの攻撃で右手が撃ち抜かれる。
ピエロット「誰だ!?」

イレギュラーハンター・「ロックマン」Xが駆け付けていた。
エックス「イレギュラーハンター・エックスの名においてお前を‘処分‘する!!!」
ピエロット「処分!?俺が貴様をか?」
ピエロットは飛び上がり、エックスを建物から蹴り落した。
エックス「うあああああ!!ぐあっ!」
エックスは地上へ落ちていくが、イレギュラーハンターの先輩であるゼロの乗るエアカーに助けられた。
エックス「ゼロ先輩!?」

ピエロットは少女を襲おうとし、彼女を守ろうとした犬を殺してしまう。
戻って来たエックスが後ろから、バスターを向ける。
エックス「そこまでだ!もう観念しろ!」
ピエロットは顔だけをエックスに向ける。
ピエロット「・・ツノカ」
エックス「え?」
ピエロット「ウツノカ・・・・?同じレプリロイドをお前はウツノカ!?」
エックス「!」
エックスはバスターを下ろしたが、その横からのバスターの射撃がピエロットの頭を砕いた。
ゼロ「うつんだよ。お前がイレギュラーで・・・俺達がイレギュラーハンターだからな。これが「仕事」なんだよ」
エックス「ゼロ先輩!?」

ゼロ「俺達は飛べないんだ、気をつけろって言ったろ」
エックス「はい」
ゼロ「最も特A級を超えるような奴は壁を蹴って駆けあがるっていうが・・・
まっ「伝説」だな」
エックス「伝説、ね・・・」

あの少女は、殺された飼い犬に寄り添って泣いていた。
少女「パトラッシューーッ!!」
ゼロ「泣いたところで何も変わらないのに、人間ってのはムダなことをするな。
エック―」(!?)
エックスは涙を流していた。
ゼロ(こ、こいつ・・・泣く機能をもっているのか?)
エックス「その犬、パトラッシュっていうんだ・・・立派な犬だったね」
ゼロ(ま、まるで人間みたいだ・・・こいつは一体・・・)
ここで、ゼロに通信が入った。
通信「緊急事態発生!大至急基地に帰還せよ!」
ゼロ「了解・・・!」

イレギュラーハンター基地では、
特A級ハンター・カイルが、右手と両足を破壊され傷だらけになった状態で寝かされていた。
エックス「カイルさん!?いったいどうしたんだよ!?」
ゼロ「特A級ハンターのカイルがスクラップ寸前にされるとは、どれほどのイレギュラーがこんな・・・」
Σ「俺がやった」
そう言ったのは、イレギュラーハンター17部隊隊長・Σだった。
ハンター1「Σ!?俺がやったってどういうことです!」
ハンター2「カイルはΣに逆らったんだ。Σは目覚めたんだ。
我々より下等な人間に仕える必要に
知能・パワー・・・全てにおいて人間は劣っている!
劣った者が死に、優れた者が生き残るのは自然の法則なのだ!」
ハンターたち「そうだ・・・」「俺もそう思ってたんだ!」
「人間など取るに足らん存在だ!」「俺達が地球の王になるんだ!」
ハンター達がΣに同調しだした。
カイルも苦しみだす。
カイル「ぐあ!ぐあっ!!」
エックス「しっかりしてカイルさん!どうしたんだよ!みんなおかしいよ!!」
カイルがΣの指のマシンガンに撃ち抜かれ、事切れた。
Σ「そいつは仲間より人間をとった・・・裏切り者には死を!!」
Σはマシンガンの熱を使って、自分の両目に傷を付けた。

Σは賛同するレプリロイド達を率いて、人間に対する反乱軍を結成した。
Σ「わが同士たちよ、時は来た!
人間など不完全で弱いイレギュラーにすぎん!!!
真のイレギュラー、人間を抹殺しろ!」

Σ軍の攻撃で町が破壊されていく。
エックス「町中が戦場だ!」

3体のレプリロイド――イレギュラーが一人の少女を囲んでいた。
イレギュラー1「まだ生き残りがいたぜ・・・」
エックス「待て!やめるんだ、こんなことは!」
エックスがその場に駆け付けた。
イレギュラー2「寝ぼけてないで、お前がやれ!」
囲まれていたのは、冒頭に出てきたあの少女だった。
エックス(あの時の女の子!)
イレギュラー1「出来ないなら俺がやる・・・!?」
エックスがイレギュラーを止める。
エックスがΣと少女のことを思い返しながら、
バスターを撃つった。
エックスが撃ったのは2体のイレギュラーだった。
イレギュラー3「何をするエックス!」

エックス「違う、間違ってる・・・うおおおお!!」
エックスがバスターを撃つ。

エックスが少女を抱えて、歩き出した。
エックス(強い力を持っているからこそ・・・だからこそ守らなきゃいけないんだ!
命ある人間を!)

その後、エックスは町を破壊するΣ軍に敢然と立ち向かった。
エックス「どこだ―つ!どこにいるシグマっ―!!」
「ハイウエイが分断されてる!?こんなことが出来る奴もいるのか!?」
上空からの攻撃をエックスはかわす。
エックス「なんだ!?クラッシャー!?」
2体のメカニロイド・クラッシャーが分銅を落とし、道を破壊していた。
エックス「くっ!エックスバスター!!」
エックスバスターがクラッシャーを撃ち落とすも、蜂型巨大メカニロイド・ビーブレイダーが出てきた。
エックス「え?Σめ、こんな巨大メカまで!!」
「だが!でかいだけに下はガラ空きだぜ!!うわっ!」 
下に回ろうとしたエックスが待ち伏せしていた敵の攻撃を受ける。
メカニロイド・ボール・ド・ポーだ。
エックス「影に隠れていたのか!」
エックスはバスターを足元へ撃つも、弾かれる。
エックス「まるで効かない!?なら!頭脳を狙うまでだ!!!!」
エックスは車を足場にして飛び上がり、上空からのバスターでボール・ド・ポーの頭を撃ち抜いた。
エックス「無駄弾撃たずに・・・一撃(フルチャージ)で決める!」
フルチャージしたエックスバスターが、ビーブレイダーの首を撃ち抜いた。
ビーブレイダーは頭のマシンガンを撃つも、首が壊れたためにエックスに狙いを付けられなかった。
エックス「首がすわってないぜ!!とどめだ!!!」
フルチャージ・エックスバスターを再度受け、ビーブレイダーは破壊された。
しかし、ビーブレイダーの墜落によって足場が崩れ、エックスが落下していく。
エックス(落ちる・・・このまま死ぬのか、ボクは・・・このまま・・・)
(死!?)
「くそっ!!死んでたまるか!!死ねないんだっ!!」
「うおおおおおっ!!!」
エックスは、「三角蹴り」を発動させ、壁を駆けあがっていき、
足場まで昇った。

エックス「・・・今のはいったい、ゼロ先輩の言ってた伝説の技、それをおれが・・・?」
?「三角蹴りか・・・初めて見たな」
エックス(な、なんだ・・・この凄い殺気は・・・そして地獄から響くような声、間違いない、これは・・・)
「VAVA!?」
元イレギュラーハンター・VAVAが
ライドアーマーに乗って、エックスの後ろに立っていた。
エックス「うわああああ!」
エックスはVAVA目がけてバスターを撃つ。
エックス「やったか!?」
だが、VAVAは無傷だった。
VAVA「おわりか?」
エックス(!?)
VAVA「実につまらん」
ライドアーマーの拳の一撃でエックスが倒される。
VAVAは倒れたエックスに肩のキャノンを向けた――



(続く)

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最終更新:2021年09月26日 08:04