ロックマンX2(漫画版)の第1話

#1 REVIVAL(復活)


西暦20XX年―――Σ反乱より半年がたっていた・・・・世界は平和を取り戻したかにみえたが、イレギュラーによる犯罪は反乱前よりも確実に増加していた・・・

ビル火災の現場に、レプリロイドのレスキュー隊が出動していた。

ボーイ「離してくれっ、隊長を助けに行くんだ!!」
隊員「落ち着けボーイ!!」
ボーイ「隊長が中に戻ったんだぞ。助けに行かな・・・きゃ・・・」
ビルから、一つの影が出てきた。
ボーイ「た・・・」

ビルから出てきたボーイ達の隊長とは、エックスだった。
エックス「なにをあわててるんだよ、ボーイ!!」
ボーイ「隊長っ!何で戻ったんです?」
エックス「ああ、こいつがいたからね・・・」
エックスは猫を抱えていた。

エックス「俺達レスキュー隊は命を守るためにいるんだ。そのためなら何度でも火の中にもどるさ」

しかしビルの中から、もう一つ飛び出すものがあった。
エックス「!!イレギュラー!?このビルの爆破犯かっ!!」

ビルから飛び出してきたイレギュラーの爪がエックスの背中を掠めた。

エックス「く・・・ケガ人と安全なとこへ逃げろ!!」
ボーイ「で・・でも!」
エックス「お前達は非武装タイプだ!下がってろ!!」
ボーイ「隊長!気をつけて!!」

イレギュラーがエックスに向かって行く。
エックスはイレギュラーの爪をかわし、後ろから押さえ込んだ。
イレギュラー「ギィギギギィっ!!」
エックス「素直に修理をうけろ!そうすれば元にもどれる」
イレギュラー「キシャアアアッ!!!グオッホ――ッ」
エックス「くあっ!!」
イレギュラーの電撃を受け、エックスは手を離した。
その隙にイレギュラーが飛び上がった。

エックス「!?」

イレギュラーがエックス目がけて急降下する。
イレギュラー「ギャオオオオ」
エックス「!?」
(違う!!)
「あの目はただのイレギュラーの目じゃない!!邪悪なプログラムにのっとられてる様な目だ!!」

エックスが左の拳を振りかぶる。
エックス(倒さなければ、被害が増える。けど・・・けど・・・)

エックスのパンチが向かってきたイレギュラーの胴体を貫いた。
エックス(俺はもう・・・闘いたくないのに・・・・なぜ立ち向かってきたんだよ!?)

ボーイ「隊長っ!!」

エックス「ケガの容態はどうだ?」
隊員「大丈夫です」
エックス「よし!急いで病院へ運べ」
隊員「ハイ!!」

エックス(・・・・・一体なんでこいつはあんなに狂暴になったんだろ)
「ん!?」

エックスはイレギュラーから、一つのチップを見つけた。
エックス「これは・・・」
「Σマークの入ったチップ!!?」
(なんだ・・・このチップは・・・なぜΣのマークが!?Σ軍の残党の仕業か・・・それとも・・・まさか・・・まさか・・・やつが・・・・)


ネオ・イレギュラーハンターベース、エックス達の部隊の隊舎。
ヒール「怠慢だあっ!!!」
「甘いんだよ!!」
ボーイ「ケガ人は無事だったんだ。いいじゃないか、ヒール」
ヒール「俺達レスキュー隊は人命救助が任務だ、そのために迅速な行動が要求される。が!!隊長はバスターを使わなかった、武装タイプなのにだ!!!人命がかかってたんだぞ!!あれは判断ミスだ!!」
隊員たち「まあ・・・」
「そう・・・かな・・・・」
ボーイ「でも・・・それは・・・・」

エックス「ヒール!!言いたい事があるなら本人の前で言うんだな」
ヒール「隊長!!」
エックス「調査レポートを早く仕上げて整備をしておくんだ」
「ヒール、判断ミスと思うなら正式に上部へ申請するんだな」
ヒール「!?」
エックス「解析室にいる。用があるならそっちへきてくれ」

ヒールはキーボードをたたき壊した。
ヒール(くそっ)

ボーイ「隊ちょお―――――っ!!」
エックス「んっ、どうしたボーイ。レポートの書き方がわからんとかいうなよ」
ボーイ「あのその」

エックス「!」
ボーイ「自分は隊長を信じてます!!失礼します」

エックス(・・・・・ありがとうボーイ・・・・でも、俺はあの時決めたんだ・・・闘いの中へは戻らないと・・・)
エックスの左腕に、リングがはめられていた。
エックス(だからバスターは‘封印‘した・・・友を失わないために・・・同胞を倒さないために・・・)


その後、エックスは解析室でΣチップを解析したが・・・
エックス「なん・・・だ・・・なんなだこのデータはっ!?」
「人類に対する怒り、殺意、憎悪・・・ありとあらゆる嫌悪感で満たされている・・・しかもこのチップは付け足すだけで前のプログラムをすべて打ち消してしまう!!」
「ウィロン工場で製作・・・か。廃工場を使うとは考えたな!たたきつぶ・・・なに!?」

Σチップから煙が立ちこめていき―――それがΣの形となった。
Σ「おおおおおおおおお、エええええクスぅぅぅぅぅぅ」
エックス「シグマあぁぁ―――――っ!!」
?「・・・・う・・・ちょう・・隊長!!」

Σの姿が消えた。
エックス「!!」
「ハァ、ハァ、ハァ」
ボーイ「隊長?大丈夫ですか?」
エックス「ああ、どうした」
ボーイ「ハイ!!ポイントB―L―R―Xで事故発生!!出動要請が出ています!!」
エックス「わかった・・・」
(チップのもつ邪気にあてられたか・・・・)


エックス達が車両に乗って、事故現場に向かう。
ヒール「この先・・不安でしょうがないぜっ。バスターもっていても使わねぇ奴なんぞに命預けられんねぇもんなぁ」
ボーイ「まだ言ってるのか!!?」
エックス「やめろ」
ボーイ「でも・・隊長!!」
ヒール「とめなくてもいいんだぜ。リクリエーションの一種だよなぁ。心配すんなよ隊長さん・・・」
エックス「移動中も任務中だぞ。私語は・・・・」
隊員「隊長!!現場に到着します、総員準備にかかれ!!」

エックス達が現場に着いた。
エックス「なんてことだ・・・じ・・地獄だ」

ハイウエイが破壊され、多くの人間たちが瓦礫の下敷きになっていた。

エックス「急いで救出にかかるんだ!!」
「ヒール、待ってくれ。君は第七・九レスキューに応援を要請してくれ」
ヒール「おお」
エックス「そこ!そっとやれ!!」

ボーイ「しっかりして下さい・・・?」
怪我人?「う・・・ぐ・・・」
ボーイ「うわっ!!」

ボーイが抱えていた怪我人を放り投げたが、その顔面から機械が覗いていた。
ボーイ「こいつら人間じゃない!!」

隊員「罠だっ!!」
怪我人に偽装されていたメカニロイド達が光を放ち――――
エックスの前で大爆発し、隊員達が爆発に飲み込まれた。

エックス「そんな・・・そんな・・・ボーイ!!ロビン!!ビケノ!!イージー!!」
「いやだ・・・もう仲間を失いたくないんだーっ、うあああああぁ」
炎に飛び込んだエックスにしがみ付いたのは、傷ついたボーイだった。
エックス「え!?ボ・・ボーイ!?」
ボーイ「だめ・・・です・・もう遅いで・・逃げるんです・・」
エックス「ボーイ・・・」
ボーイ「大丈夫です、歩け・・ます・・逃げなきゃ・・・」

ヒールが車両から降りた。
ヒール「隊長っ」
ボーイ「ヒールぅ」
「やりましたよ隊長・・・っ!!これで助かります」

ボーイが振り向いて、エックスに笑顔を見せた。
――――そのまま、ヒールが放った光線に貫かれ、
エックスの横をすり抜け、炎の中へ吹き飛んでいった――――


ヒール「武器ってのはやっぱり使うもんだぜ。でないとストレスがたまっていけねぇや、隊長さんよぉ」
ヒールの右腕がバスターに変形していた。

エックス「ヒィイイルっ、うおおおおおおおおっっ!!」
エックスがヒールに向かって行った。

ヒール「無様だな隊長さんよォ!!」
エックス「ぐあ―――――っ!!!」
ヒールのバスターを受け、エックスも炎の中へ吹き飛んでいった。

ヒール「くくく・・・・・なんだったんだよあの腰ぬけはよお~~~~~まったく楽な仕事だったぜよォ~~~~~~!!」
「あの方に言われてレスキュー隊に潜りこんでチャンスをねらっていたが、あんな奴いつでも殺れたぜ!!」
「あの方に伝えれば俺も昇格だぜ」
ヒールのバイザーにΣの顔が映っていた。

ヒール「このシン気くせー車ともやっとオサラバだ」
不意にヒールが足を止めた。
ヒール「あ~~~~?何の音だ?」

ヒールの後ろで、炎が渦巻いていた。
ヒール「!!ま・・・まさか!?」

炎の中から放たれた閃光が、ヒールを飲み込んだ。

エックス(残念だったな・・・昇格は見おくりだよ!ヒール!!)
炎の中、エックスはバスターを封印していたリングを右腕で握り砕き、
左腕をバスターに変形させていた。


その後、エックスはライドチェイサー・チェバルに乗って、Σチップ工場に向かった。
エックス(次はチップ工場をぶっつぶしてやる!!)
「抵抗する者は敵とみなし応戦するぞ!!」

門の前に設置された砲台型メカニロイドがチェバルに砲撃を放ったが、
エックスはメカニロイドの頭上に飛んでいた。
エックス「よく狙いなよ!!おいおい、前方不注意だぜ!!」
チェバルがメカニロイドに激突し、メカニロイドが倒れた。

エックス「この程度でつぶれてちゃ・・・門番失格だぜっ!!」
エックスはメカニロイドを踏みつけ、バスターを撃ち、
メカニロイドの爆発を背にして、工場へ飛び込んだ。

エックスに警備のメカニロイドが向かってくる。
エックス「来るな!!」
エックスはバスターでメカニロイドを破壊していく。
エックス「聞こえなすかったのか?抵抗すれば撃つ!!」

エックスはΣチップの製造区画に辿り着いた。
エックス「ここか・・・ここで「悪魔の種」を造っているのか!!」

エックスはコンベアの前に立ち、コンベアを流れるΣチップを手に取った。
エックス「ゼロを・・・・マルス・・・アルマージ、イグリードを・・死なせ・・・・そして今日ボーイを殺したチップ・・・こんなものがあるからっ!!」
エックスが両手一杯に集めたΣチップを潰した。

エックス「今俺の怒りで!!すべてを浄化する!!!」
エックスのチャージショットが製造ラインを破壊した。

エックス「!?」
爆発の向こうから、超大型メカニロイドCF―0が現れた。
エックス「番人か?少し遅かったな」

CF―0がエックス目がけて、足を下ろし、腕の鉄球を振り回すが、エックスはかわしていき、CF―0の頭上に飛び上がった。
エックス「だだっ子みたいに・・・・手足をふり回すしか・・能がないのかっ!!?」
エックスのチャージショットがCF―0の頭に当たり、右の角を砕いた。

エックス「もうフラついてるのか!?その程度で俺をとめられるか・・・・・」
「よおおおおっ!!!」
エックスがCF―0の頭を破壊した。
そして、エックスが着地した後、CF―0は大爆発した。
エックス「これで・・・悪魔のチップはもう造られない・・・・・」
?「そして我らの闘いの始まりでもある」
エックス「!?今一度・・・地獄へ落ちたいのかっ」
「Σっ!!!」

Σの巨大な映像が出現していた。
Σ「あいかわらずの鼻息だな。貴様のそういうところきらいではないぞ」
エックス「Σああぁぁっ」
Σ「安心せい、もう貴様を誘ったりはせん・・・今のわしの目的は・・・人類の抹殺・・・・そして・・・貴様への・・」
「復讐だ!!!」

工場へ巨大な光線が降り注いだ。

エックス「くっ」
エックスは炎に包まれた工場の中を走る。

Σ「この程度で死ぬ貴様でもなかろう・・・そういう貴様のために先の戦いとくらべものにならぬ強者をそろえた。以前のような楽な戦いにはならんぞ・・・・はたしてわしのもとにたどりつけるかな?」
「ロックマンエックスよ!!」

エックスは脱出し、燃えさかる工場を見ていた。
エックス「いいとも・・・何度でも・・・何度でも戦ってやる。何度でも闇に還してくれる!!」

今、時は来た!!Xは闘いを開始する、‘運命‘にカタをつけるために――――



(続く)

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最終更新:2021年09月26日 08:14