烈車戦隊トッキュウジャーの最終回

キャッスルターミナルが闇の巨獣となり、街を闇で覆ってしまう。
ライトは闇の力を得ても、ゼットには敵わなかったのだ。

ライト「闇の力を使っても、駄目だった…… 勝利のイマジネーションも、見えない…… もう、どうにもできないのか!?」

汽笛が鳴り響き、振り向くライト。
やってきたのはレッドレッシャーだった。
そこからトカッチ、ミオ、ヒカリ、カグラが降りてライトの元に集まる。

ライト「皆…… なんで?」

4人はライトを起こして烈車に乗る。

ライト「なぁ、どうしたんだよ? なんでお前達がここに!?」

トカッチが写真の裏に書いた定期券を見せる。

トカッチ「闇には飲まれたけど、これのおかげで何とかここまで来れたよ……」
ライト「どうして?」
ヒカリ「どうしてって、わからない!?」
ライト「だって、せっかく街に帰れたのに……」
ミオ「全部忘れてね」
カグラ「そんなの酷いよ!」
ライト「それは…… 子供に戻る為には、しょうがないって……」

トカッチがライトの口を押さえる。

トカッチ「しょうがなくない! 僕は忘れたくないよ…… 皆で旅したこと、トッキュウジャーやったこと、楽しかったことも辛かったことも全部! 絶対になくしたくない想いだってある」
ライト「トカッチ……」
ミオ「ライトの事もだよ」
カグラ「ライトを忘れる事なんてできる訳ないよ……」
ヒカリ「全部忘れなきゃ子供に戻れないなら、全部持って大人のままでいる。俺達はそう決めたんだ…… だから」

トカッチたちが定期券を差し出す。

4人「絶対5人で助け合う事!」
ライト「皆……」

ライトは涙を拭う。

ミオ「ライト……」
カグラ「ライト……」

トカッチ達は泣き出したライトを抱き締めた。



終着駅
輝いているもの



一方、虹野明は、レインボーラインとつながっているレールを探していた。

明「どこかに、まだ繋がっているレールが! ……ここだ! このレールだ」

そこへネロ男爵が現れる。

ネロ「ザラム! しぶとい奴め」
明「ネロ……」
ネロ「そこだけかすかにレインボーラインとつながっているな?」
明「あっ!」
ネロ「そのレールごと貴様を潰す。今度こそな……」
明「させるか。このレールは……」
ネロ「また貴様の死に場所か!?」

(ライト『明!』)
(トカッチ『生きてた!』)

明「いや。レインボーライン…… 俺の…… 生きる場所だ!」

『変身いたします』

明「トッキュウチェンジ!」

『トッキュウ6号』


一方、闇の中にとどまる初期メンバーたち。

ヒカリ「さてと。問題はこの闇からどう出るか、だね……」

するとはライトは窓から小さな光を見つける。

ライト「何だあれ?」
トカッチ「ホントだ…… 何だろう!?」

光っていたのは、ライトの母、鈴樹優美が置いた灯篭だった。

ミオ「ねぇ…… あれ、灯篭じゃない?」
カグラ「あっ! そうだよ。星祭りの……」
ライト「母さん……」

回想

優美が星の絵を描いていた。

舞「なにそれ?」
優美「どうしてか、あともう1人いるような気がして。そのもう1人のために……」
舞「もう1人って、星なの?」
優美「ううん。ただ、舞達が『きらきらぼし』を歌うのを聴いて、思い出したから」
舞「会える?」
優美「どうかなぁ……」
優斗「僕、会いたい!」
剛史「じゃあ、灯篭にお願いするんだな。星祭りは、そういう夢や希望を星に願うお祭りなんだ……」
優美たちは、『きらきらぼし』を歌っていた。

すると他の灯籠が光り出し、天まで登っていく。
それをモルク公爵が見つける。

モルク「ん? あれは一体……」

闇の皇帝ゼットが立ち上がり、空を見上げる。

モルク「陛下!」

(『闇の中で見た。お前の目の前にあるキラキラによく似た奴だ……』)

ゼット「あれだ…… 俺が見たキラキラは……」

すると光は烈車の下に敷かれる。
烈車の灯が点灯。

カグラ「やった!」
トカッチ「やった!」


一方、6号はネロの猛攻を受け、明に戻ってしまう。

ネロ「終わりだ。ザラム……」

するとレールが光り出す。

輝「来る…… 烈車だ!」
ネロ「何!?」

『まもなく、トッキュウレッシャーが通過いたします。白線の内側に下がってお待ちください』

闇から烈車が脱出。
同時に闇も消え、静止していた人々も動けるようになる。
空から虹が出ている。

明「虹だ……」
モルク「あれは…… 陛下! 奴らめ、闇を……」
ゼット「ああっ。わかってる……」

5編成の烈車にビルドレッシャーやサポートレッシャー7編成が集まる。

総裁「闇とは常に巨大だ。あっという間に光を飲み込んでしまう…… それに対抗できる力は1つしかない! いや、1つでいい。夢、希望、想像、祈り。そのすべてに通じる」
3人「イマジネーション!!」

13編成の烈車が次々と連結。闇の巨獣の吐き出す闇を突き抜け、居住区を破壊。

モルク「陛下!!」

そして、上空から巨獣の体を貫通。巨獣は大爆発。
ゼットとモルクは脱出。

モルク「おのれ、トッキュウジャー……」
ネロ「陛下! ご無事で……」

烈車からライトたちが降りる。

ゼット「ライト。てめぇ……」
ライト「ゼット! 闇の力でお前を倒そうとしたけど、間違ってた…… どんなに闇の力が大きくても、俺達は俺達の力。イマジネーションで戦わなきゃいけなかったんだ! 最後まで……」
ゼット「ハッハッハ……」
ネロ「陛下」
ゼット「すげぇキラキラだ…… てめぇら見ろよ。やっぱりこうでなくちゃ、潰し甲斐がねぇ……」

ゼットが真の姿、ゼット・真へと変える。

ライト「皆、行くぞ!」
一同「おう!」

『変身いたします』

一同「トッキュウチェンジ! はぁ!!」

『白線の内側に下がってお待ちください』

最後のトッキュウチェンジを遂げる6人。

1号「トッキュウ1号!」

『トッキュウ1号』

2号「トッキュウ2号!」

『トッキュウ2号』

3号「トッキュウ3号!」

『トッキュウ3号』

4号「トッキュウ4号!」

『トッキュウ4号!』

5号「トッキュウ5号!」

『トッキュウ5号』

6号「トッキュウ6号!」

『トッキュウ6号』

一同「見えた。勝利のイマジネーション! 烈車戦隊トッキュウジャー!!」
1号「出発!」
一同「進行!!」
ネロ「クローズ!」
1号「よーし、はっ!」

トッキュウジャーの剣撃がクローズを一掃。
6号がネロを押していく。

ネロ「トッキュウジャーごときになぜワシが?」
モルク「あの巨獣だ! あれは、陛下の一部。あれを失ったせいで、闇が弱まっているのだ……」
5号「私は強い、私は強い。最強ガール!!」

5号のテッキョウクローが炸裂。
3号と4号のパワーが2号を押し飛ばす。
2号のトッキュウブラスターがモルクを突き刺す。

ネロがハットを投げるが、弾かれる。
6号のユウドウブレイカーがネロを切り裂いていく。
ユウドウブレイカーにドリルレッシャーをセット。

『オーライ、オーライ』

ネロ「ワシは負けん! 負けてたまるか!!」
6号「はぁーっ!!」
ネロ「うおーっ!!」

6号の連続切り、トルネードビームが次々と炸裂。


1号とゼットが剣を交える。
2号たちが1号の元に集まる。

一同「レンケツバズーカ!!」
6号「ユウドウブレイカー、セット!」

『烈車が発車いたします』

一同「ユウドウレインボーラッシュ!! はぁっ!」

『出発進行!』

ユウドウレインボーラッシュが炸裂。
ゼットは吹き飛び、人間の姿に戻る。
倒れそうになった瞬間、モルクとネロが支える。

モルク、ネロ「陛下!」
モルク「失った闇は、どうか妾の闇で……」
ネロ「このネロ、陛下の闇になれるならば、喜んで……」
ゼット「よせ…… てめぇら、この後に及んでキラキラすんじゃねぇ……」
モルク「これは心外……」
ネロ「では陛下、偉大なる闇で、再び……」
ゼット「ああ…… じゃあな」
モルク、ネロ「陛下!」
1号「やめろ!」

ゼットがモルクとネロを吸収。
再びゼット・真となって闇を放出。

ゼット「うおおおーっ!!」

これにより、1号以外のトッキュウチェンジが解除。

1号「ゼット……」
明「ゼットの奴、さらに力が増している……」
1号「行くぞ!」

1号とゼットがぶつかり合う。
しかし、ゼットの方が圧倒的有利だった。
1号はゼットの猛攻によって吹き飛ぶ。

ゼット「ライト…… てめぇだけは潰す」
トカッチ「みんな! 僕達もライトに力を……」
ミオ「うん」
ヒカリ「ああ……」
カグラ「うん……」
明「ああ!」
トカッチ「ライト!」
一同「イマジネーション!」

トカッチたちが1号にトッキュウレッシャーを投げる。

1号「サンキュー!」
ゼット「はぁっ!」

『トッキュウ1号レッド、乗り換えてブルー。乗り換えてイエロー。乗り換えてグリーン。乗り換えてピンク。乗り換えてオレンジ』

1号はゼットのキラーソードを交わしながら乗り換えチェンジを遂げる。
最後にハイパーレッシャーをセット。

1号「はぁっ!」

『トッキュウ1号レッド、乗り継いでレインボー』

1号の姿が虹色に輝いていた。
両手にはレールスラッシャーとユウドウブレイカーが装備されていた。
1号が猛スピードでゼットに斬りかかり、ゼットのキラーソードをへし折り、とどめの一撃を繰り出す。
そして元の姿に戻り、スーツから火花を散らしながらも、ダイカンテンキャノンを腹部に突きつける。

1号「おりゃあっ! うおーっ!」

トカッチたちが後ろから1号を支える。

1号「はぁーっ!! はあっ!」

至近距離からのハイパー5連結クラッシュにより、一同が吹き飛ぶ。
これにより1号がライトに、ゼットの姿が人間に戻ってしまう。
ゼットはふと空を見上げ、虹を見つめる。

ゼット「すげぇ…… 俺は…… あれを……」

ゼットは闇となり、ライトに襲いかかる。

ヒカリ「みんな、ライトを守れ!」
一同「ライト!」

そこへクライナーが現れ、ゼットの闇を回収。
乗っていたのは、グリッタ嬢だった。

グリッタ「陛下。闇は闇へ帰りましょう…… 陛下の欲しかったキラキラは、闇あってこそ……」

2人を乗せたクライナーは闇へと帰っていった。

ミオ「グリッタ…… 無事だったんだね」
ヒカリ「ゼットが消さなかったんだ……」

すると、ライトが目を覚ます。

一同「ライト!」「ライト?」
トカッチ「よかった……」
ライト「腹減った……」
トカッチ「ちょっと!」
ミオ「やだ……」


戦いを終えた初期メンバーは、海を眺めていた。

明「家に帰らないのか?」
トカッチ「もう子供には戻れないからね……」
ライト「明も、レインボーラインの保線員続けんだろ!?」
明「ああっ!」
ライト「だったら、一緒に旅続けようよ。な?」
明「……」


6人が烈車に乗ろうとすると、総裁が現れる。

ライト「あっ、おかず……」
総裁「別れを言いに来た」
ミオ「えっ? もう会えないんですか?」
ライト「へぇっ。じゃあ最後に、その頭取ってよ」
総裁「取れない!」
ライト「えっ?」
総裁「それに、なんでもすぐに答えを求めてはいけない。想像しなさい…… そのイマジネーションで我々は存在し、走っている……」
車掌「そうですよ…… いつでも皆さんのすぐ近くをね……」
ワゴン「だから、激しく忘れないでね……」
ヒカリ「どういうこと!?」

そこへ、トカッチたちの家族がやってくる。
彩香、恵美子「洸!」
公平「美緒!」
涼「晴!」
洋介、恵子「神楽!」
カグラ「なんで?」
チケット「お前達の家族のイマジネーションも、かなりの物だったんですよ!」
ワゴン「皆が書いた手紙、きっと激しく届いてたのよ!」

総裁が去る。

恵美子「おかえり、神楽」
カグラ「えっ? ママ…… パパ…… 私の事、わかるの?」
洋介「当たり前だろ?」
カグラ「パパ、ママ!」
公平「美緒、また弁当頼むな……」
ミオ「お父さん…… うん」
彩香「洸、たくましくなっちゃって…… んーっ!」
ヒカリ「ちょ、ちょっと母さん。おばあちゃん、止めて……」
涼「父さん母さん、待ってるぞ。ウチ帰ろう……」
トカッチ「いいんだ。帰っても……」
涼「ほかに帰るとこあるか?」
トカッチ「涼兄ちゃん!」

車掌たちはトカッチたちと家族の再会を見て泣いていた。

トカッチ「お前達……」
明「お前の家族はどうした?」
ライト「いいんだ。俺はちょっと特別だったからさ…… よし、行こう」
声「いた。来斗兄ちゃん!」

そこへライトの家族がやってくる。

ライト「舞…… 優斗……」
剛史「来斗! よく頑張ったな…… よく帰ってきた!」
ライト「じいちゃん…… 母さん」
優美「おかえり、来斗……」
ライト「ただいま……」

ライトが優美を抱きしめると、子供の姿に戻る。

ワゴン「激しくよかった……」

他の4人も子供に戻っていく。

涼「よかったな……」
公平「美緒!」
彩香「洸!」
洋介、恵美子「神楽……」

明も涙をこらえながら烈車に乗り込む。

チケット「出発進行!」

烈車が発車する。

ライト「あっ!」

初期メンバーが海岸から烈車に手を振る。

チケット「お前達、ありがとう!!」
ワゴン「激しく、またいつか……」
一同「バイバイ!!」「車掌さん、バイバイ!」「バイバイ、チケット」「ワゴンさん、さようなら!」「またな、明!」


俺には見える。いつかまた、あの烈車に会える。


番組テーマソングとともに一同のエピローグ。
カグラが家を出て登校しようとする。

カグラ「パパ、ママ、大喜。行ってきます」
恵美子「行ってらっしゃい!」
洋介「気をつけてな……」

交番前。

公平「ありがとう……」
カグラ「ミオちゃん、おはよう!」
ミオ「あっ、カグラ。行ってきます」
公平「行ってらっしゃい!」

ヒカリを連れた彩香がゴミを出していた。

ミオ「ヒカリ、おはよう!」
ヒカリ「おはよう。行ってきます!」
彩香「行ってらっしゃい!」

登校中の渡嘉敷兄弟。

ミオ「トカッチ、急ごう。早く行こう!」

ミオがトカッチの手を取り、走る。


鈴樹家。

ライト「今行く!」
一同「早く!」
優美「行ってらっしゃい!」
ライト「行こうぜ」
一同「うん!」
剛史「おい、気をつけてな」
ライト「うん。行ってきます!」


夕暮れの中、ライトたちは秘密基地にやってくる。
そこに、大人になった自分たちと明が現れる。

ライトがハイタッチ。
トカッチが互いの眼鏡をあげる。
ミオが抱きしめる。
ヒカリが手を取り合う。
カグラが手を合わせる。

ライトたちの上空を烈車が通過。
空には虹がかかっていた。



(終)

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最終更新:2023年12月02日 11:58