ロックマンエグゼ Streamの第1話

夜の町に空き缶を乗せた台車を押す老人がいた。
落ちていた空き缶を台車から出てきたアームが拾う。
横の道路から車が跳ねた泥が老人の顔にかかる。
台車に野良猫が頬を寄せているが、
その辺りからミサイルが出てきた。
老人の操作でミサイルが発射され、泥を跳ねた車を吹き飛ばし、
野良猫が逃げていく。
老人は流星群が流れる夜空を見上げている。



その頃、ネット警察の真辺刑事と貴船警視総監、科学省の光祐一郎博士は国立天文台を訪れていた。
天文台職員「この一週間観測されている流星群ですが、
現在、地球はこの彗星のちょうど尾の中にあります」
「今観測されている流星群は彗星の放出する宇宙塵によるものなのです」
貴船「その彗星は15年前にも地球に接近したということですが」
職員「そう、15年前です」
「この彗星は特別暗い特殊な彗星で最接近時でも10等級程度と肉眼ではほぼ見せませんが、当時も流星群は観測されました」
祐一郎「その彗星に何か変わった様子はありませんか?」
職員「と言うと?」
祐一郎「例えば、その・・・人工的に作られたとか」
職員「人工的?ははは、まさか」
「太陽風によるイオンの尾もこの通りですし、普通の彗星と何ら変わりませんよ」
祐一郎「そうですか、お忙しい所ありがとうございました」

祐一郎達は車で帰っていく。
真辺「昔、彗星は不吉な印として妖星ともよばれたそうですね」
「デューオは再び地球に来るんでしょうか?」
祐一郎「デューオが地球にとって不吉な存在かどうかは、今はまだ分からないが、地球を観察する目的でリーガルと大園ゆり子、2人のプローブを残していったんだ。恐らく・・・」
貴船「願わくば人類の敵でないことを祈るよ」
「我々はデューオに関してあまりにも情報が少なすぎる」
「が、その脅威の片鱗をデューオの科学を悪用したと思われるワイリーやリーガルで既に実証済みだからね」
祐一郎「15年前のデューオの接近と状況が似ているのでもしやと思ったんだが・・・」


デューオ

ネットシティのグラウンドでグライド達がサッカーをしている。

グライド「ロックマン!」
ロックマン「任せて!」熱斗「任せろ!」
熱斗「バトルチップ、エリアスチール! スロットイン!」
ロックマンが高速移動し、相手からボールを奪う。

相手ナビ「ファイヤーアーム!」
相手ナビがロックマンを攻撃しようとする。
透「アイスマン!」
アイスマン「ブリザード!」
相手ナビ「うわぁぁ!」
アイスマンの攻撃が相手ナビを凍りつかせ、ログアウトさせる。

ロックマン「グライド!」
ロックマンがグライドにパスする。
グライド「ナイスパス!ロックマン」
グライドに2体の相手ナビがスライディングしてきた。
やいと「バトルチップ、ドリームオーラ! スロットイン!」
グライドをドリームオーラが包み、相手ナビ2体を弾き飛ばした。


グライドが相手ゴールへボールをシュートした。
相手キーパー「ハリケーン!」
相手キーパーの撃ったハリケーンがシュートを押し返す

相手ナビ「ナイス!」
弾かれたボールを受け取った相手ナビがガッツマンの居るゴールへシュートした。
デカオ「メガガッツパンチ、スロットイン!」
ガッツマン「メガガッツパンチ!」
ガッツマンのパンチがシュートを相手ゴールまで押し返した。
キーパー「ぐわぁぁ!!」
シュートを受けた相手キーパーは倒れ、
ゴール間際で転がっているボールをロールが止めた。
ロール「えい」
ロールが軽く蹴ったボールがゴールに入る。

ホイッスルが鳴り、相手チームのナビは落ち込む。
喜ぶロックマン達と現実世界の熱斗達と日暮。


熱斗達がいたのは空港だった。
日暮「自家用ジェットでキングランドへご帰宅、優雅でマスなぁ」
透「途中ジャワイを経由するんだよね、デカオ君を送って」
やいと「そう」
メイル「二人が帰っちゃうとまだ寂しくなっちゃうわね」
デカオ「許してくれメイルちゃん。 俺は恋を捨て勝負に生きる男・・・」
メイル「えっ・・・」
デカオ「俺だって悲しいんだ!」
やいと「またぁ」
デカオ「忘れるな熱斗!お前を」チサオ「お前を倒すのはこの俺だぞ」
「兄ちゃん、聞き飽きたッチュ」
やいと「ホントワンパターンね、アンタって」
デカオ「ガクッ・・・」

熱斗「あぁそうだ、炎山がよろしくって。 あいつ今次世代PETの発売に向けて大忙しなんだよ」
やいと「別に、あんな奴の見送りなんて・・・期待してませんけどね。」
やいとのデコが光る。

IPC社にいる炎山が光を眩しがる。
炎山「うっ・・・」
社員「どうされました、副社長」
炎山「目に光が・・ブラインドを閉めてくれないか」
社員「は、はい」
炎山「い、いやいい。 開けてといてくれ」
社員「は、はぁ では」

やいとの自家用ジェットが離陸していった。
熱斗「MAHA弐番の連中によろしくな―!」
メイル「メールちょうだいね―!」

祐一郎は科学省の研究室に戻った。
名人「光博士、低レベルの電波障害が起きています」
祐一郎「電波障害?いつからです?」
名人「2分ほど前です」
科学省職員「博士、国立天文台から連絡が入ってます」
祐一郎「繋いでくれ」
天文台職員「光博士 突然で申し訳ございません」
祐一郎「いえ、こちらこそ昨日はお世話になりました」
天文台職員「実はその、昨日説明した彗星のことなんですが、2分40秒ほど前、突然奇妙な信号を発し始めたんです」
祐一郎「奇妙な信号?」


日暮「こんな所で渋滞なんて、参ったでマス」
透「あぁもう、だからこっちの道じゃなくて向こうを回った方が速いって言ったのに」
日暮「でも、こっちでも同じかもと言ったのも透君でマスよ」
透「だって、あの時は日暮さんが曲がり損ねたからこっちでいいって言ったんじゃない」
「多分事故だよ、この先は多いんだよ、ラジオつけてみよ」
カーラジオからは雑音しか流れてこない。
透「あれ変だな 日暮さん、このラジオ壊れてるよ」
日暮「何言ってるでマス、行く時はちゃんと聞こえてたでマスよ」
透「あっ、そうか 聞こえてたよね、行きは」 
ロックマン「熱斗くん、ウイルスの反応を感じる・・・」
熱斗「ウイルスだって!」
メイル「熱斗!見て!」
車の前で煙が巻き上がり、地響きが聞こえる。
熱斗「ええっ!」
日暮「うわ!何でマスか」

科学省でも異変が観測されていた。
職員「何!?光博士! デンサンタウンでウイルス反応です!」
この反応は電脳空間のものではありません!」


熱斗達の前に、ウイルス・メットールが巨大な姿で実体化していた。
熱斗「メットール!?」
透「まさか!あんなでかいウイルスいるもんか!」

名人「あり得ない!ディメンショナルエリアのない現実空間で何故ウイルスが実体化できるんだ・・・」
祐一郎「・・・デューオ!」

熱斗「ヤバイィ! 逃げろぉ!!」
メットールのショックウェーブが止まっていた車を破壊し、
熱斗達が逃げた直後に乗っていた車も破壊された

祐一郎がネット警察の貴船と通信している。
祐一郎「総監、無茶です。奴はウイルスというより、最早怪獣です!退治する方法と言われましても・・・」
貴船「ですが、博士。 このままでは町が大変なことに」 
祐一郎「分かりました。 被害を最小限に食い止めるため、奴をディメンショナルエリアに隔離します」
科学省からディメンショナルコンバーター車が発進した。

ビルを崩しながら進むメットールから逃げる熱斗達の前に炎山の車が来た。
炎山「早く乗れ!」
熱斗「炎山!」

熱斗達を乗せて車が発車した。
チサオ「助かったチュ・・・」
日暮「ああ私の車は、私の車はどうなったでマス!」
熱斗「くそぉ!どうなってるんだ・・・」
ブルース「炎山様」
炎山「どうした、ブルース!」
ブルース「 ウイルスを隔離すべくディメンショナルコンバーターが出撃した模様です」
熱斗「科学省が?」
炎山「コンバーターの到着まで時間を稼ごう!」


炎山と熱斗が車から降り、クレーンの置かれたビルの屋上へ向かう。
炎山「プラグイン!ブルース、トランスミッション!」
熱斗「プラグイン!ロックマンエグゼ、トランスミッション!」
ブルースとロックマンがクレーンにプラグインした。


熱斗「こっちの水は甘いぞ!」
ロックマンのいるクレーンの誘導を受けメットールがクレーンの方に向かう。

「いいぞ、ロックマン!」「うん!」
熱斗「おーい炎山!頼んだぞ!」
炎山「まかせろ!」 「今だ!ブルース!
ブルースのおるクレーンがメットールを横から殴りつける。
炎山「やったか!?」
しかしメットールは無傷だった。
炎山「石頭め・・・熱斗!」
熱斗「ロックマン、鉄骨を奴に落とせ!」
ロックマン「了解!」
ロックマンのクレーンが落とした鉄骨を受け、メットールがふらつく。

熱斗「今だ、ロックマン!炎山!」
炎山「ブルース、引っ掛けろ!」
熱斗「行っけえ!」
2台のクレーンがメットールを持ち上げる。

熱斗「やった!」炎山「コンバーターが到着したぞ」
現場にディメンショナルコンバーター車が到着した。

メットールが暴れ、クレーンが軋み出す。
熱斗「ロックマン!」
クレーンが外され、メットールが地面に叩きつけられる。

祐一郎「ディメンショナルエリア展開!」
ディメンショナルコンバーターが作動し、メットールと熱斗、炎山が居る場所を中心にディメンショナルエリアが展開された。

職員「成功です」
名人「博士!エリア内に熱斗君と炎山君です!」
祐一郎「何!」


熱斗「シンクロチップスロットイン!」
熱斗・ロックマン「「クロスフュージョン!」」
熱斗とロックマンがクロスフュージョンする。

炎山「シンクロチップスロットイン!」
炎山・ブルース「「クロスフュージョン!」」
炎山とブルースもクロスフュージョンする。

CFロックマンとCFブルースがメットールを攻撃する。
熱斗「ロックバスター!」
炎山「ソニックブーム!」
その戦いを『究極のナビ』フォルテが見ていた。

熱斗・炎山「「ダブルプログラムアドバンス!」」

熱斗「ハイキャノン!トリプルスロットイン!」
炎山「フレイム!エレキ!アクア!バンブーソード!スロットイン!」

熱斗「ギガキャノン!」 炎山「エレメントソード!」
ギガキャノンとエレメントソードを受けたメットールはデリートされる。
ディメンショナルエリアが解除され、フォルテも姿を消す。



クロスフュージョンを解除した炎山がPETを手に取る。
炎山「ご苦労、ブルース」
熱斗「ロックマン!おいロックマン!返事をしろ!」
ロックマン、ロックマン、ロックマ―ン!!」
熱斗が持つPETにロックマンはいなかった。

ロックマン「うわぁぁぁ・・・」
ロックマンは電脳空間を落ちていき、異様な空間に落ち込んだ。
ロックマン「う、うぅ、ここは・・・?」
フォルテ「ロックマン」
ロックマンの前にフォルテが本来の姿で現れた。
ロックマン「フォルテ!そうか、君がウイルスを!」
「メットールを実体化して現実世界へ送り込んだのか!」
フォルテ「違う」
ロックマン「違う?」 
フォルテ「だが地球が今未曾有の驚異に直面しているのは確かだ」
電脳世界をも巻き込む災厄にな」
ロックマン「未曾有の驚異?災厄・・・」
フォルテ「その結果人類がどうなろうと知ったことではないが
電脳世界が巻き添えを食らうのは不愉快だ」
ロックマン「何者なんだ!その相手は!」
フォルテがロックマンの背後に回り首を抑える。
フォルテ「ロックマン、お前の究極プログラムを頂く」
ロックマン「・・・う、何!?」

祐一郎「ロックマンが消えた?」
熱斗「クロスフュージョンを解除した後PETに戻ってないんだ!」
炎山「ブルース!ロックマンを探せ!」
ブルースが公衆電話からインターネットにプラグインされる。

フォルテ「迫る驚異と戦うため俺には力が必要なのだ」
俺とお前の2つの究極プログラムが合体することで俺は更に強い存在へと進化できる」
ロックマン「勝手な事言うな!」
ロックマンがフォルテを放り投げる。

ブルース「どこだ―、ロックマン!」

熱斗のPETにデータが送信される。
熱斗「ロックマンか?」
PETに表示されたのは、現実世界の地図だ。
炎山「地図だ」
熱斗「ロックマンがここにいるってのか・・・」

ロックマン「ロックバスター!」
ロックマンはバスターを連射するが、
フォルテは残像を残しながら回避する。
フォルテ「大人しく究極プログラムを寄越せ」
ロックマン「黙れ!」
やがて多数のフォルテの分身が現れロックマンを囲む。


熱斗と炎山が来たのは公園だった。
炎山「この辺りだが・・・ロックマンの反応は!?」
熱斗「全然・・・」
そこには冒頭に出てきた空き缶台車の老人がいた。
老人「デューオだ・・・デューオが地球抹殺の審判を下したのだ」
熱斗「誰だ、お前?」
老人「私の顔を忘れたか?光熱斗」
熱斗「?」
「最もこうして直接会うのは今日が初めてだがな、伊集院炎山」
炎山「!」
「では15年前、デューオが地球に残したプローブ、そう大園ゆり子の育ての親、と言えば分かるかな」

炎山「もしや・・・」
熱斗「まさか・・・」
熱斗・炎山「ドクターワイリー!!」
老人「違う!」
老人が帽子とマスクを取る。
その素顔はまさしく、元WWW首領ドクターワイリーだった。
ワイリー「悪の天才科学者、ドクターワイリーだ!!」

ワイリー「15年前彗星と共に飛来したデューオは
地球と地球人を観察する目的で、自分のプローブに適した二人を
飛行機事故の犠牲者から選び、再び命を与えた」
「私はプローブに改造された二人の遺伝子の解読に成功し、
デューオの超科学力を僅かだが垣間見ることができたのだ」

熱斗「デューオって何者なんだ!」
ワイリー「地球から数百光年、遥か彼方の惑星で作られた地球外ネットナビだ!」
炎山「地球外ネットナビ!?」
ワイリー「デューオの使命は宇宙に存在するあらゆる惑星を探査・観察し、宇宙に害を及ぼす危険な惑星を抹殺すること」
「そして15年後の今、デューオは地球抹殺の審判を下したというわけだ」
「プローブであるリーガルはいち早くその事実に気付き、地球全体をディメンショナルエリアで覆った」
熱斗・炎山「あっ・・・」
ワイリー「人類を戦慄と恐怖で蹂躙する野望とは別に、
デューオの接近を防ぐバリアの意味もあったのだ」
「デューオに地球を抹殺されては元も子もないからな」


ロックマン「うわぁぁぁ!!」
ロックマンはフォルテに追い詰められていた。
ブルース「! 究極プログラムが共鳴している・・・」

ブルース「炎山様、ロックマンの反応を感じました 現場に急行します」
熱斗「炎山」
ワイリー「どれ行くか、地球最後は近いんだ。ウマイものを嫌になるほど食わんとな」
熱斗「ワイリー!」
台車がジェット噴射で空中に飛び上がっていく。
ワイリー「光熱斗!光祐一郎にプレゼントだ!」
ワイリーが熱斗にジュースの缶を放り投げた。
熱斗「何だ・・・シュースかよ!」
ワイリー「必ず渡せよ・・・」
ワイリーの台車は飛び去っていった。

熱斗「何だったんだ・・・?」
炎山「行こう!」熱斗「おぉ!」

倒れたロックマンのもとへ向かうため、
電脳世界のブルース、現実世界の熱斗と炎山は走り続ける。
夜空にはデューオの彗星が浮かんでいる。
フォルテが微笑を浮かべる。

~次回予告~
熱斗『デューオの正体は宇宙から飛来した地球外ネットナビだ!』
ロックマン『僕とブルースはデューオの彗星にプラグインするため、宇宙開発局へ。 でもまたしてもフォルテの邪魔が!』
熱斗『アイツはデューオに戦いを挑むつもりなんだ!』
ロックマン『その時世界各地で巨大ウイルスが暴れだした!デューオの地球抹殺が始まったんだ!』
熱斗『デューオなんかに地球の未来を決められてたまるか!』
熱斗・ロックマン『次回、ロックマンエグゼストリーム『地球抹殺』』
熱斗『君も!』ロックマン『僕らと一緒に
熱斗・ロックマン『クロスフュージョン!』


(続く)

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最終更新:2017年06月01日 17:21