~次回予告~ 十兵衛『お兄ちゃん、ゆっきー、べーたさん、千姫様、半蔵さん、ぐつぐつさん』 『ぎったん、さっちん、まえだけさん、ニアさん、慶彦様』 『むっちゃん、小次郎さんに又右衛門さん』 『それからいんこちゃん』 『十兵衛はみんなに出会えてとても幸せだったよ』 『だから、どんな最後を迎えても後悔しない』 『最終回、剣妃(サムライブライド)、誕生』) |
慶彦のいる地下施設のモニターに
怨霊が集結し形成された骸骨の巨人・大剣鬼がそびえ立つ。
慶彦「怨霊め、ついに姿を現したか!」
大剣鬼に破壊された山に千と半蔵はいた。
半蔵「義仙さん・・ニアさんは・・・」
千「無事・・・だとは思えないわね」
千に波動霊視の術で幸村の意思が伝わってくる。
幸村「みんな無事か!」
千「ええ!」
幸村と又兵衛、兼続に猿の佐助が瓦礫の中から出てくる。
佐助「ウッキ!」
兼続「見逃してくれたんですの・・・」
又兵衛「もはや我々など眼中に無いのでしょう」
千(あいつの狙いはお兄様の結界よ!)
幸村(その結界はおそらく学園塾でもっとも安全な場所、本丸地下施設!)
(だからこそ慶彦はそこに陣を置き結界の修復作業を行っていた)
千「みんな、追うわよ!」
半蔵「はい!」
千「あいつを止めない限り、大日本の未来は無い!」
幸村「その通りじゃ!」
十兵衛と宗朗は前田慶次のバイクに乗り、仲間たちの元へ急いでいた。
宗朗(それで二人は・・・くっそぉ!)
十兵衛「ゆっきー、なんて・・・」
宗朗「ダルタニアンと義仙の行方が分からないと・・・」
十兵衛「え!?」
宗朗「あの怪物は結界を破壊しに城に向かってるらしい」
慶次「あの結界が最後の砦ってやつか・・・」
大剣鬼は町を破壊しながら本丸に向かっていた。
慶彦「やはり来たか、いくら化物といえど所詮は怨霊」
「結界さえ完成すれば・・・!」
「ここが破壊される前に何としても結界を修復するのだ!」
大剣鬼に千が挑む。
千「よくも千のお城を!」
半蔵「おひいさま、お待ちください!」
幸村「闇雲に向かって歯の立つ相手では・・・!」
千「雷皇牙!はぁぁぁ!」
千の奥義が大剣鬼に当たり、僅かに体勢を崩したが、
千「どう!・・・!」
大剣鬼「愚か者め!」
千「くっそーー!!」
千は大剣鬼の触手をかわしていくも、一本の触手に足を取られたところに
別の触手に殴りつけられ吹き飛ばされる。
千「きゃぁ!」
半蔵「おひいさま!」
幸村「待つのじゃ!半蔵!」
千「近づくことも出来ないなんて・・・」
起き上がろうとする千に触手が迫る。
千は目をそらすが、触手が貫いたのは庇った半蔵だった。
千「そ・・そんな、半蔵!」
倒れた半蔵に千が駆け寄る。
半蔵「おひいさま・・・お逃げ・・ください・・・」
千「うそ・・・半蔵!目を覚ましなさい!死んだら・・・許さないんだから!」
動きを止めていた千も触手に貫かれた。
千「ごめん・・・半蔵・・・千も・・・」
二人の体が黒い球体に包まれ、大剣鬼の中に取り込まれていく。
兼続「・・・ま、まさか・・・」
佐助「ウッキ・・・」
幸村「千・・・」
又兵衛「お二人の氣(き)が消えていく・・・」
宗朗(・・・そんな・・・)
十兵衛「どうしたの・・・お兄ちゃん・・・」
宗朗「二人の氣が・・」十兵衛「え!」
宗朗「半蔵さん!千姫様!頼む・・・応えてくれ!」
慶次「最悪の事態が起こったようだな・・・」
大剣鬼が触手を伸ばす。
兼続は触手から何とか逃げ回り、佐助は剣姫の姿である少女の姿になる。
又兵衛は幸村の前に立ち、破邪の筆で触手を弾く。
又兵衛「幸村様!ここは一時退却を!」
幸村「退却してどうする!」
「結界が破られたら大日本はおしまいなのじゃぞ!」
又兵衛「しかし!」
幸村「いまやつを止めることができるのはわらわ達しかおらぬのじゃ!」
「例えそれが万に一つ・・・億に一つの可能性であろうと!」
幸村は目に涙を溜めていた。
又兵衛「・・・お供します!」
幸村「わが全力の技をもってあの槍をくい止める!」
「超絶金剛防護陣!」
幸村が地面に陣を展開する。
又兵衛が破邪の筆で「氣」の文字を書き、幸村に送り込む。
幸村「はぁぁぁ!!」
地面から氣の柱が出てきて大剣鬼を覆うほどに巨大な防護陣が形成され、動きを封じる。
大剣鬼「邪魔をするな!」
大剣鬼の触手は防御陣を貫き、町を破壊する。
幸村に迫る触手を佐助が切り裂く。
佐助「ウッキー!」
動きを止めた佐助に触手が迫るが、兼続の喧嘩独楽が触手を切り飛ばす。
佐助「ウキ?」
兼続「休んでる暇はありませんのよ」
兼続がハンマーを構える。
兼続「あとは私に任せなさいですわ」
「幸村ばかりにいいカッコさせるわけにはいきませんですわ!」
兼続が空中に飛び、ハンマーで触手を切り裂くも、
その隙に別の触手が迫る。
兼続「しまった・・・え」
佐助が兼続を押し出し、自分が触手に貫かれた。
兼続「そんな・・・今助けますわ、おサルさん・・・」
佐助「・・・ウッキ・・・」
兼続「あなたを置いていけるわけ・・・」
兼続も触手に貫かれた。
兼続「私も・・・死ぬんですの・・・?」
佐助と兼続が球体に包まれる。
幸村「兼続!佐助!!」
幸村の防護陣にひびが入り、幸村に迫る触手を又兵衛が防ぐ。
又兵衛「幸村様!お逃げ下さい!ここはもう・・・」
又兵衛が触手に貫かれる。
幸村「又兵衛!」
幸村が又兵衛に駆け寄ろうとするも、
防護陣が解除され、そこを触手に襲われた。
大剣鬼を覆う防護陣も完全に砕かれ、
大剣鬼が再び本丸を攻撃しだした。
オペレーター「このままでは防護障壁が突破されます!」
慶彦「まさか・・・侍姫が時間稼ぎも出来ないのか!?」
宗朗達も大剣鬼の元に着いたが、
丁度又兵衛と幸村が大剣鬼に取り込まれるところだった。
宗朗「又兵衛さん・・・幸村・・・」
十兵衛「そ、そんな・・・・」
慶次「みんな・・・やられちまったのか」
宗朗「よくも・・・よくもみんなを!うおぉぉぉ!!」
宗朗が氣を滾らせ、大剣鬼目掛けて飛びかかる。
十兵衛「お兄ちゃん!」
慶次「宗朗!」
宗朗「みんなの敵だ!」
宗朗が刀で大剣鬼の触手を次々に切り飛ばしていくが・・・
慶彦「よせ、宗朗・・・お前まで死んでしまったら!」
宗朗の刀が触手に折られ、宗朗の体も触手に貫かれた。
十兵衛「お兄ちゃん!!」
慶次「ちぃ!させるかよ!」
慶次の投げた傘が触手を切り、宗朗が堀に落ちる。
オペレーター「そんな・・・全滅だなんて」
「最後の頼みの綱が・・・」
慶彦「何をしている・・・結界の修復を急げ!」
「彼らの死を無駄にしてはならん!」
「何としても大日本を守りぬくのだ!!」
慶彦が涙を流しながらも指揮をとる。
意識を失った宗朗を十兵衛が拾っていた。
十兵衛「よくもお兄ちゃんを・・・よくもゆっきー(幸村)を・・・!べーたさん(又兵衛)を!千姫さんを!半蔵さんを!ぐつぐつさん(兼続)を!さっちん(佐助)を!」
慶次「十兵衛!」
十兵衛が氣をたぎらせ、剣姫の人格になる。
十兵衛「許さぬ!」
慶次「よせ!今のお前に戦う力なんて残ってねぇ!」
十兵衛は大剣鬼に向かい、二本の三池典太で触手を切り裂いていく。
十兵衛「うおぉぉぉ!!」
大剣鬼「柳生十兵衛、武蔵との戦いで力を使い果たしたはずだが、
まだここまで戦えるとは」
さばき切れない触手が十兵衛を次々に傷つけていく。
大剣鬼「さては貴様、ただの人間ではないな!」
十兵衛が大剣鬼の中に自ら飛び込んだ。
慶次「十兵衛―――!!」
大剣鬼の槍がとうとう結界を砕き、本丸の建物まで届いてしまう。
オペレーター「第一防護障壁突破されました!
「目標到達まで残り13分!」「結界修復まで20分!」
「このままでは間に合いません!」
慶彦「あきらめるな!修復作業を急がせろ!」
?「十兵衛・・・十兵衛 」
元の人格に戻った十兵衛が無数の刀が浮かぶ空間に出ていた。
十兵衛「あ、あれは・・・お守り」
そこにはかって十兵衛が贈ったお守りが浮かんでいて、
四剣鬼の一人、胤舜が現れた。
十兵衛「いん子ちゃん・・・よかった、また会えたね」「一緒に遊ぼ♪」
胤舜「ダメ」
十兵衛「え?」
胤舜「私を殺して」
十兵衛「え・・・なんでそんなこと言うの・・・十兵衛たち、お友達でしょ!」
胤舜「そう、だからお願い。静かに眠りたいの、私を殺してみんなの魂を解放させてあげて。これ以上利用されるのは嫌だから」
十兵衛「 無理だよそんなの!それに・・・お兄ちゃんも・・みんなも死んじゃんだんだよ!もうおしまいだよ!」
胤舜「まだ終わってない」
十兵衛「え?」
胤舜「柳生宗朗はまだ生きてる」
十兵衛「お兄ちゃんが!?」
胤舜「怨霊達を止められるのは十兵衛だけ」
十兵衛「そんな・・・」
胤舜「待ってるから」
十兵衛「うわぁ!」
胤舜の赤い光が十兵衛を包む。
慶次「うぉぉぉぉ!死なせはしねぇ!あの怨霊を止められるのはもうおめぇと十兵衛しかいねぇんだからな!」
外では慶次が宗朗に氣を注いでいた。
十兵衛もその近くに戻ってきた。
十兵衛「・・・お兄ちゃん!死ななないで!」
慶次「・・・まだチャンスは残ってそうだな」
十兵衛「まえだけさん!お願い!お兄ちゃんを助けて!」
慶次「分かってる!もう少しだ!」
大剣鬼の中ではお守りが燃やされ、胤舜が苦しんでいた。
大剣鬼「余計なことを。だが、もうおしまいだ。あんな死に損ないの剣姫を救うために力を使い果たすとはなぁ」
お守りが燃え尽きると共に胤舜の意識も大剣鬼に取り込まれ、
その体が大剣鬼の中核となる。
慶次「うおぉぉぉ!」
慶次が出していた氣が消えた。
十兵衛「まえだけさん!」
慶次「大丈夫だ・・・それより宗朗は」
十兵衛「うん・・・」
慶次「俺の氣はすべて注いだ、あとはこいつの気力しだいだ・・・」
十兵衛「侍妃なら・・・侍妃ならやっけられるのかな?」
慶次「さぁ・・そいつはどうかな?」
十兵衛「え?」
慶次「みんなは侍妃が侍姫より遥かに強い怪物みたいに思ってたようだが、
俺は違うと思う」
「単に強いだけならキングとかグレードとかはったりの効いた名前付けりゃいいだろ?」
「それがブライト、花嫁と来た」
「きっと、花嫁の名にふさわしいだけの何かを持った存在だと思う」
十兵衛「花嫁にふさわしい・・・」
慶次「悪いが・・少し眠らせてくれ・・・」
十兵衛「そんな!十兵衛を一人にしないで!」
慶次「大丈夫だ・・・お前ならなれるさ、侍妃にな」
十兵衛「まえだけさん!」
慶次が去っていく。
オペレーター「第25号障壁突破されました!」
「残り3分!結界修復まで4分!」
慶彦「あともう少しなんだ・・・間に合ってくれ・・・」
十兵衛「止めて!もう止めてよ!お願いだからいん子ちゃんを眠らせてあげて!!」
十兵衛のこぼした涙が宗朗の顔にかかり、彼が目を覚ました。
宗朗「じ・・・十兵衛・・・」
十兵衛「お兄ちゃん・・・」
宗朗「十兵衛・・・よかった、無事だったか・・・」
十兵衛「うん・・・でもみんなが・・・」
宗朗「君だけでも逃げるんだ・・・僕たちの力ではもう・・・」
十兵衛「ううん、いん子ちゃんが教えてくれたの」
十兵衛が大剣鬼の胸の球体を指差す。
十兵衛「あそこまで行けば、いん子ちゃんを、みんなを自由にしてあげられるって」
「だからお願い!もう一度十兵衛にもお手伝いさせて!」
宗朗「分かった、一緒に行こう 最後の戦いへ」
十兵衛「うん!」
宗朗と十兵衛が忠(ちゅう)を交わす
オペレーター「第28号障壁突破されました!」「敵到達まで2分!」
慶彦「結界は!」
オペレーター「修復まで残り3分!」
慶彦「このままでは間に合わんか」
「怨霊は私が食い止める!お前たちは何があっても結界の修復を続けるのだ!いいな!」
オペレーター「「はい!」
オッドアイの『真の柳生十兵衛』となった十兵衛が宗朗を連れて大剣鬼のもとへ飛んでいた。
十兵衛「はっ!」
大剣鬼が左手を向ける。
十兵衛「お兄ちゃん!お願い!」
宗朗「はあぁ!」
二人が大剣鬼の左手を貫く。
大剣鬼「愚かな!そんなに死にたいか!」
大剣鬼が槍を叩きつけるも、二人はその槍をかわし、大剣鬼の中へ飛び込む。
大剣鬼「なに!」
宗朗「はぁ!」
十兵衛と宗朗はあの無数の刀が浮かぶ空間に戻ってきた。
宗朗「いた!」
十兵衛「いん子ちゃん!・・・さっきまでのいん子ちゃんじゃない」
宗朗「気をつけるんだ、十兵衛!」
胤舜「せっかく逃げ出せたというのに自ら戻ってくるとはな!」
十兵衛「いん子ちゃん!どうしたの!?」
宗朗「だめだ、怨霊に取り付かれてる!」
胤舜「今度は逃がさんぞ!柳生十兵衛!」
青い怨霊が出てくる。
宗朗「くそ!囲まれたか!」
胤舜「お前たちもこの国ももう終わりだ!」
大剣鬼「なに!」
外では大剣鬼の槍を慶彦が将のオーラで食い止めていた。
慶彦「まだ・・・終わってはおらん!私が最後の盾だ!!」
オペレーター「持ち場に戻れ!」「修復作業を再開するんだ!」
結界修復班「そうだ・・・慶彦さまが命を張ってるんだ!」
「我々が逃げてどうする!」
「結界修復に戻るんだ!」
胤舜「ふふ・・・ふふふふ・・・」
十兵衛と宗朗が触手に縛られていた。
胤舜「さぁ、我々と一つになるのだ! あ・・・」
千「そうはさせるもんですか!」
赤い光が触手を切り裂く、千と幸村だ。
千「大丈夫!二人とも!」
幸村「助けにきたぞ!宗朗!十兵衛!」
宗朗「千姫さま!」
十兵衛「ゆっきー!」
兼続「ここにいたんですのね!」
半蔵「やっと見つけました!」
佐助「ウッキ!」
兼続・半蔵・佐助・又兵衛も駆けつけた。
怨霊の中からは、四剣鬼の二人、
佐々木小次郎と又右衛門が現れた。
又右衛門「チェッ、こいつらまだ同化してなかったのかよ!」
小次郎「なんちゅう意志の強さ・・・」
宗朗「よし!反撃開始だ!」
十兵衛「待って、みんな! 十兵衛は戦いに来たんじゃないの」
「いん子ちゃんを、みんなを助けにきたの!」
「生きてる人も死んでる人も・・・だからお願い、みんな戦わないで!」
宗朗「戦わずに助けるなんて、どうやって・・・」
十兵衛「分からない・・でもこうしなきゃいけないの!」
宗朗「十兵衛・・・」
千「なんだか良くわからないけど、あんたらしいわね」
幸村「何の根拠もないが、お主ならやれそうな気がする」
半蔵「我々は一度死んでる身、怖いものなどありません」
又兵衛「十兵衛さんを、そして宗朗さんを信じてます」
兼続「こうなったらとことん付き合って差し上げますわ」
佐助「ウッキ!」
千達6人の気が流れ込む。
宗朗「す、すごい、みんなの気が一つになって入ってくる。間違いない、十兵衛。君こそ選ばれた者!」
宗朗「今こそ、侍妃誕生の時!」
十兵衛「お兄ちゃん・・・」
宗朗が白い服に身を包む。
宗朗「君を僕の侍妃に・・・」
十兵衛を淡い光が覆い、白髪・碧眼の姿になる。
十兵衛「百花繚乱!サムライブライド!!」
三池典太の柄にリボンが巻かれ、十兵衛と宗朗が互いに御池典太を握る。
小次郎「そんなんさせへん!」
又右衛門「させねぇっての!」
二人の前に小次郎と又右衛門が無数の怨霊を連れて立ちふさがる。
宗朗「いくよ十兵衛」
十兵衛「うん!」
宗明・十兵衛「「百花繚乱!」」
二人が構えた白い光が溢れ、小次郎と又右衛門を包み込む。
小次郎「な、なんどすか・・・このここちええ光は・・・」
又右衛門「なんだか分かんねえが、すげえ気持ちいいぜ・・・」
宗朗「二人の体から怨霊達が抜けていく・・・」
又右衛門「これが成仏するってことなんだな・・・」
小次郎「せやな、こんな結末、どっかで望んどったんかもしれん・・・」
又右衛門と小次郎が消滅した。
宗朗「行こう、十兵衛。胤舜はあそこだ」
十兵衛「うん!」
十兵衛の背中に装備されたブースターが稼働し、
二人は胤舜のいる内核目掛けて飛翔する。
宗明・十兵衛「「入刀!」」
二人が内核へ入り込む。
胤舜「やめろ!近寄るな!」
胤舜の放つ黒い光が二人を食い止める。
宗朗「これ以上近づけない・・・君だけでも・・・胤舜のところに!」
十兵衛「うん!」
十兵衛が血を流しながら、刀をよじ登っていく。
十兵衛「いん子ちゃん、今自由にしてあげる!」
十兵衛が近づくと、より強い光が溢れ出し、
内殻を砕き、胤舜を包み込む。
胤舜「そんな馬鹿な!我々の怨みと憎しみだけが消えていくぅ・・・・!!」
怨霊から解放された胤舜を十兵衛が抱き寄せる。
胤舜「やっぱり来てくれた・・・」
十兵衛「うん、お友達の頼みだもん」
胤舜「これでやっと眠れる・・・」
十兵衛「お休み、いん子ちゃん」
胤舜「ありがとう、十兵衛」
十兵衛「また会おうね」
胤舜「うん」
胤舜が消滅した。
白い光を吹き出しながら、大剣鬼が倒れる。
慶彦「・・・やってくれたか。まったく・・・手をわずらわせおって」
十兵衛と宗朗が脱出し、大剣鬼が消滅する。
オペレーター「怨霊の塊が消えてく・・・」
「やった・・・結界を守り抜いたんだ!」
「いや、まだ反応が完全に消えていない!」
「そんな!」
着地した十兵衛と宗朗の前に一つの怨霊が現れた。
怨霊「よくも・・よくもやってくれたな!」
宗朗「そんな!剣妃の光を浴びても成仏しない魂があるなんて・・・」
怨霊「こうなればお前たちだけでも道連れにしてやる!」
怨霊が四剣鬼最後の一人、宮本武蔵に姿を変える。
宗朗「あれは・・・」
十兵衛「むっちゃん!」
怨霊「最強の道具の力!思い知るがいい!」
宗朗「十兵衛、武蔵を成仏させるには」
十兵衛「わかってる。見守ってて、お兄ちゃん」
宗朗「思いっきり戦うんだ、十兵衛」
宗朗が十兵衛に三池典太を渡す。
十兵衛と武蔵が空と地上を行き来して激しく切り結ぶ。
武蔵の斬撃を十兵衛は後ろに飛ばされながらも防ぐが、
三池典太の片方が折れてしまった。
十兵衛「あっ・・・」
武蔵「ハッハハハ・・・」
宗朗「十兵衛!信頼と絆の力を見せてやれ!」
十兵衛「うん!」
十兵衛は折れた三池典太を腰に付けていた印籠に入れる。
すると、印籠が変化し、太刀となる。
十兵衛の右目に眼帯を模したスコープが装着される。
十兵衛「浄化昇天!」
武蔵「ナニ!?」
十兵衛「うおぉぉ!」
十兵衛が浄化昇天を振るい放った閃光が
武蔵の体を包み、怨霊を消滅させる。
武蔵「オ、ウオォォ・・・・」
落ちていく武蔵を十兵衛が受け止める。
宗朗「やった・・・」
武蔵「強いな・・・柳生十兵衛」
十兵衛「またやろうね、むっちゃん」
武蔵「ああ、今度は負けねえぜ」
武蔵が消滅し、空に白い光があがり、
光が雪の様に地上に降り注ぐ。
オペレーター「大日本の地脈が回復していきます」
「結界修復完了!」
慶彦「うむ、ご苦労。よくやってれた、これで囚われた魂も解放される」
義仙とダルタニアンは少し離れた場所に戻っていた。
義仙「さすがお姉様ですわ!こうでなくては!」
「・・・ですがいずれこの義仙が・・・」
ニア「また柳生宗朗の侍に助けられるとはな・・・」
慶次に十兵衛と宗朗が駆け寄る。
十兵衛「まえだけさん!」
宗朗「よかった、無事だったか」
慶次「無事だったのは俺だけじゃないみたいだぜ」
宗朗「あれは・・・」
空から大剣鬼に取り込まれていた人々が光に包まれてゆっくりと降りてくる。
千「千達生き返ったの?」
幸村「どうやらその様じゃな!」
半蔵「ほんとによかった・・・!」
兼続「おーほつほほほ!私不死身ですのよ!」
又兵衛「死んでたくせに」
佐助「ウッキキキ!」
十兵衛「やった~、みんなが帰ってきた!みんな~お帰り~」
宗朗「よかった・・・本当に・・・」
最後にスタッフロールを流しながら、鎮護石が映される。
一瞬、鎮護石のヒビが大きくなりかけたが、佐助が札を張ると収まった。
佐助「ウッキィ♪」
最終更新:2015年04月25日 18:30