まじっく快斗の第1話

蘇る怪盗の巻


金庫に入っていた宝石を、白マントとシルクハットを付け、仮面で顔を隠した男が盗もうとしている。
警備員「だっ、だれだ!!」
警備員が入ってくると、男はマントを翻す。すると、男の胴体は消え失せ。頭と両手だけが浮かんでいた。
警備員「わっ」「か、体がない!?

怪盗キッド再び現る!! 0時42分。カメラがとらえた不敵な笑み。


翌日。とある高校にて。
女子「ねぇ、しってる?怪盗キッド♡」
「しってる、しってる♡」
「ちょっとかっこいーと思わなーい♡」

男子「よぉ、快斗・・・・」
女子「あっ、黒羽君!」
「おはよ、快斗くん!」

2-B
女子「ね-、青子!今日の新聞みた?」
「怪盗キッドでしょ!?」
「「きゃ~♡」」「「すてき~~っ♡」」
青子「あれ、快斗・・・なによぉ~~~!!じろじろみないでよ!!」
快斗「おはよう、青子!!」
青子「お、おはよ・・・」
黒羽快斗は、青子の目の前に立っていた。
その首が回り出す。
青子「か、快斗・・・・・?」
快斗「今日は・・・なに色・・・・・」
女子「くっ、首が・・・」
快斗「かなっ?」
青子「へっ?」
180度回転した快斗の頭がびっくり箱の様に弾け飛んだ。
快斗「白か・・・」
快斗は逆立ちしていて、本当の快斗の頭は呆気に取られていた青子のスカートを覗いていた。
青子「えっ」
快斗「くっくっく、いやぁ、白はいいよ、清潔で♡うん!」
青子「快斗ぉ~~~、あなたねぇ・・・」
快斗「おっとお、気安く「あなた」なんてよぶなよな!!夫婦だと思われたら迷惑だっ!!」
青子「ふうふ・・・!?こっちも迷惑よ!!」
青子が投げつけた机が快斗の横に叩き付けられる。
快斗「やめろよ、青子!!」
先生「授業始まってるんだけど・・・」
青子「気安く青子なんてよばないでよ!!彼女だと思われたら迷惑よ!!」
快斗「うるせぇ!」
快斗とモップを構えた青子は追いかけっこを繰り広げる。
先生「黒羽快斗!!この数式を解いてみよ!!」
快斗「2XY!それに2乗!!」
快斗が出したピストルから、トランプのカード(♡の2)が撃ち出され、黒板に刺さった。
教師「正解・・・」
快斗「いーじゃねーか、パンツぐらいよぉ!」
青子「にゃにぃ~~~っ!」
快斗「動くな、青子!!そこまでだ!!」
快斗が突きつけたピストルからは、「青子は白パン」と書かれた紙が飛び出た。
教師「じゃあ、こっちの数式は?中森青子!!」
青子「√2分の3Xです!パンツぐらいとはなによお~~!!」
教師「正解・・・」

天井に張り付いた快斗に、青子はモップを伸ばすも届かない。
快斗「だいたいあんなマジックにひっかかるようなほうが悪いんだ!!まぁ、オレのマジックに勝てるヤツなんかいね-けどなぁ!!」
青子「いくら快斗でもね――怪盗キッドには勝てないわ!!」
快斗「怪盗キッドだぁ!?」
青子「手品を使うどろぼうよ!!しらないの!?」
快斗「ふっ、はっはっはっ、はっ」
快斗が手を滑らせ、天井から落ちた。
着地した快斗は眼鏡をかけていた。
青子「やっとおりてきたわね、快斗!!」
快斗?「ち、ちがう!ボクは快斗じゃない!!」
青子「ほほほ・・・なにがちがうのよ!?、メガネかけて変装したつもり?」
「そんな下手な手品じゃぁ・・・怪盗キッドの足もとにもおよばないわ!!」
快斗「悪かったなぁ、下手な手品でよ~~~!!」
本物の快斗は青子の後ろにいた。
教師「まったくあなた達は・・・」
快斗「おもしれー、そいつと勝負してやろーじゃん!!」

青子「あれー、山田くんだったの?」
山田「さっき、快斗がかぶせたんだよ!!」
メガネをかけた快斗は、マスクを被せられた別の男子だった。

教師「いいかげんに・・・」
快斗「先生!黒羽快斗、早退しまーす!」
快斗が教師の手にキスをした。
教師「まっ♡」
青子「〇×△♨☎卍」
快斗「ケッ、ケッ、ケッ、そんなヤツはオレがとっつかまえてやるぜっ!!」
快斗が姿を消した。
教師「お上手お上手♡」
青子「ふん、なによ、かっこつけちゃって・・・勝てっこないじゃない・・・・お父さんだって、手を焼いてるんだから・・・・」

警察署。
警察官「警部!中森警部!!4丁目で殺人事件です!!」
青子の父の中森警部は、マッチを点けて、パイプを吸おうとしていたが、誤って自分の
手を焼いてしまう。
中森「あっちぃ!手をやいてしまった・・・」
TV「なお怪盗キッドは・・・]
警察官「のんびりTVなんかみてる場合じゃあ・・・」
中森「うるせぇ、怪盗キッドはなぁ!オレのいきがいなんだっ!!」
TV[一時は死んだと噂されていましたが、8年ぶりのカムバックで・・・]
警察官「殺人なんですよ、警部・・・」
中森「やはり生きておったか、フフフ・・・まっていたぞ、この8年間!!」
TV[ただ今怪盗キッドから予告状が!!今日の23時54分、小野銀行の月の瞳をいただく・・・]
中森「てめぇなんか、こぉしてこぉしてなぁ~~~~~!!このワシが!!逮捕してやる!!」
警察官「警部、殺人・・・どこ見てんですか・・・」

TV[怪盗キッドはいったい、だれなのでしょう!?]
快斗「8年まえつーと、おやじが死んだ年じゃねーか・・・」
青子(怪盗キッドには勝てないわ!!)
快斗「ケッ、勝手なこといいやがって・・・・」
「オレのかなわない手品師は・・・世界でただ一人・・・・黒羽盗一・・・オレのおやじ・・・・」


黒羽盗一がシルクハットから多数のハトを飛ばす。
盗一はシルクハットを被るが、そのシルクハットが膨らむ。
盗一「おや?もう1ぴき・・・いたようです・・・」
盗一がシルクハットを外すと、頭に大きな鳥が乗っていた。
観客は大盛況。その中には、幼い快斗と青子がいた。
青子「きゃははっ♡」
快斗「へっへー、あれ、オレのおやじなんだよぉ~~ん♡」
青子「そんなの青子だってしってるよぉーだ!!」
盗一「こらっ!レディーをいじめちゃいかんなぁ・・・」
盗一が快斗を抱え上げ、ポーカーのテーブルに座った。
盗一「おまたせしました!」
相手「なかなか見事でしたよ!」
盗一「快斗・・・ポーカーフェイスってしってるか?」
快斗「ぽぉかぁふぇいすぅ?」
盗一「ポーカーはたとえ・・・いいカードがきても・・・悪いカードがきても・・・顔にだしちゃいけない・・・」
相手「ゲッ」
快斗「へ―――っ!」
盗一「マジックも同じだ・・・手品に失敗はつきもの・・・コール!」
快斗(ぽおかぁふぇいすっ!)
盗一「だが・・・けっして客には気づかせてはいけない・・・」
盗一が出した手札は、Aのフォーカードだった。

盗一(快斗・・・いかなるときにも・・・ポーカーフェイスを忘れるな!!)
快斗(おやじ・・・・・)
快斗が盗一のパネルに手をかけると、パネルが回転し、
快斗を後ろに引きずり込んだ。
快斗「おっ、おわっ」
回転したパネルの裏側は、怪盗キッドのパネルだった。

青子「ごめんくださぁ~~い!!快斗くんいますか―?」
快斗の母「あら、青子ちゃん♡」
青子「快斗くん、学校にカバン忘れてたんで・・・」
快斗の母「快斗なら2階よ!!」
青子「さっきから変な音しません?」
快斗の母「ね、ねずみでしょ?」
(まさか、あの部屋に・・・)

快斗はパネルの向こうの隠し部屋にいた。
快斗「な、なんだ、ここは!?」
置かれていたラジカセが盗一のメッセージを流し始めた。
盗一「久しぶりだな、快斗・・・・」
快斗「おやじの声だ・・・」
盗一「わたしの本当の正体を・・・・私は・・・怪・・・キ・・・なの・・・・」

快斗の母「どうしたの、青子ちゃん?元気ないわなぇ」
快斗(いいねぇ、白は清潔で、うん♡)
青子「青子一生のお願いです!快斗くんの弱点を教えてください!!」
快斗の母「弱点?嫌いなものならあるけど・・・」
青子「なんでもいいんです!!」
「ええっ!?こんなおいしいものが?」
快斗の母「そうよ、今日こそは食べさせようと、買ってきたんだから・・・」

青子「なぁんだ、あんなのが嫌いだったんだ・・・ぷぷぷっ、快斗ったら、ほほほ・・・」

快斗「うわ―、テープがわかめになってる!8年もたってるからな―」
「!」

快斗の母「快斗・・・あなたもしるときが・・・きたのね・・・・」

快斗「こ、これは!?マントとシルクハット!?まるでこれは・・・」


中森「怪盗キッドはマントにシルクハットだ!!よぉーく覚えとけよ!!」
「久しぶりに血が騒ぐぜ!!ふふふ・・・わっはっはっはぁ」


快斗(オレのおやじはいったい・・・?ヤツに会えばわかるかもしれない・・・)
快斗がマント、シルクハット、モノクルを付けていく。
快斗「このパネルは8年経つと開くようになってたんだ・・・黒羽盗一最後のマジックってわけか・・・ならば・・・最後のマジックを、解いてやるぜ!!おやじよォ・・・・」


中森「もうすぐ予告の時間だ!!各自、警戒態勢!!」
「あと8秒、7秒」

怪盗キッドは、警官を縛り上げて、変電室にいた。
怪盗キッド「6秒、5秒、4,3,2,1」

快斗「ゼロ!」

怪盗キッドがブレーカーを落とし、電気が消えた。
中森「非常燈だ!!非常燈をつけろ!!」
一人の警官が、月の瞳を入れたケースを割った.
警官「きさま、なにをしている!?」
その警官は、怪盗キッドの変装だった。
怪盗キッド「怪盗キッド!!」
中森「なに!?」
(ヤツだ!まちがいない!ヤツがもどってきたんだ!!)
「追え~~っ♡」
怪盗キッドは窓を割って、下へ飛び降りた。
中森「下だっ!!」
「フフフ、バカめ!下には警官がうようよおるわい!」

しかし、飛び降りたキッドは人形だった。
警官「中森警部!こいつは人形です!!」
中森「なんだとお?ヤツはどこに消えたんだ!?まだこの部屋にいるかもしれん!徹底的に捜してみろ!!」
その隙に、怪盗キッドは屋上に上がったが、そこには怪盗キッドと全く同じ格好をした快斗がいた。
怪盗キッド「うっ」
快斗「ダミーをおとして自分は上にか・・・・・古い手だぜ!これじゃあ怪盗の名が泣くぜ!!」
怪盗キッド「き、きさまはいったい!?」
快斗「まってたぜ、怪盗キッドちゃん♡」

警官「警部、もうここにはいません!!」
「今すぐ非常線をはりましょう!!」
中森(まてよ、ヤツはたしかに外に逃げたはず・・・・となると残りは・・・・・)

怪盗キッド「ならば、このマジック!!見破れるかな!?」
怪盗キッドがマントを翻し、自分の胴体を消した。
快斗(ゲッ)
盗一(おちつけ、快斗・・・!!いかなるときもポーカーフェイスだ!!)
快斗「・・・・・・」
怪盗キッド「どうだ・・・・私の体がみえまい・・・・」
快斗「ハッハッハァ、そんな子供だまし、笑っちゃうぜ!!」
怪盗キッド「なにっ?」
快斗(読めたっ!!)
怪盗キッド「覚悟!!」
怪盗キッドが快斗に向かっていき、
快斗がピストルからトランプを撃ち出す。
怪盗キッドと快斗が交錯した。
怪盗キッド「うっ」
快斗の頭が落とされるも、撃ち出したトランプは怪盗キッドの仮面に刺さっていた。
怪盗キッドの仮面、更に胴体を覆っていた鏡が割れ、老人の顔と隠れていた胴体が露わになった。
快斗「体を鏡ばりにして周りの風景と同化させ・・・あたかも体が消滅したかのごとくみせる・・・・・」
快斗は、朝の青子とのやり取りの時の様に、最初から逆立ちしていた。
快斗「初歩的なマジックだ!!」
怪盗キッド?「あなたはまさか!?とっ、盗一様!?いっ、生きておられたのですね!?お懐かしゅうございます!」
快斗「へ?」(なんでおやじの名を・・・あれ―――?このジジィ、どっかで・・・)
寺井「あなた様の付き人だった寺井でございますよ!たった8年間でお忘れですか!?」
快斗(ジイちゃん!?)
寺井「8年前のあのシューで殺されたとばかり思っていました・・・わたくしは8年間悔しくて悔しくて・・・・・だから盗一様の仮の姿である怪盗キッドになりすまして盗一様を殺したヤツらをおびきだそうと・・・」
快斗「なんだとお、おやじは殺されたのか!?だれだ!だれに殺されたんだ!?」
寺井「快斗ぼっちゃま・・・・・?」
快斗「もうひとつきく・・・正直に答えてくれ、ジイちゃん・・・」
「どろぼうだったのか?」
「おやじは・・・・怪盗キッドだったのか・・・・?」

中森「ヘリをよべ!!急げ!残るは屋上しかない!!続けぇ~~~!!」

寺井「はい・・・」
快斗「そうか・・・」
寺井「盗一様・・・寺井、一生の不覚でございます・・・ぼっちゃまにいってはならないことを・・・・」
中森「みつけたぞ、怪盗キッド!!」
快斗「しまった!オレがおとりになるから、ジイはそのすきに!!」
寺井「でも、ぼっちゃま!?」
快斗「オレがもうぼっちゃまじゃない!!」
キッド「怪盗キッドだ!!」
寺井「ぼっちゃま・・・・」
警官「追え!!」「逃がすな!!」
中森「まてい!」
キッド(ジイちゃん、このすきに・・・・)
快斗、いや怪盗キッドは一輪の薔薇を残して、姿を消した。
中森「消えた・・・・・!?」

翌日。
女子「ねえ、また出たんだって?」
「怪盗キッド♡」
「「かっこい~~~っ♡」
快斗(これが時価4億円の月の瞳かぁ―――・・・)
青子「おっはよ―、快斗♡」
快斗「よお、青子・・・・」
青子「ふふ―ん♡いいものみせたげよっか?」
「あなたの好きなものよ・・・・よいしょっ♡」
快斗「魚ぁ~~~っ!」
青子が出したのは、大きな魚だった。
驚いた快斗が手放した月の瞳が、魚の口に入った。
快斗「あ~~~っ」(月の瞳が・・・・)
「いっ、いけないんだぞぉ!!学校に魚なんかもってきちゃ!!」
青子「今日、父さんに料理してもらうんだもぉ―――ん♡」
(なによ、昨日は怪盗キッドと勝負するとかいきがってたくせに・・・)
快斗「こんにゃろ!こんにゃろ!」
快斗がピストルからトランプを連射する。
青子「なにすんのよ!この魚いくらすると思ってんの?」
快斗「きいて驚くなよ!!」
「時価4億円!」
青子「うそ・・・・・」
快斗「これほんと・・・・」


その後、中森が魚を捌いた際に月の瞳は出てきた。
中森「?」

(続く)

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最終更新:2017年03月25日 23:10