闇の帝王の飽くなき挑戦に立ち向かう 科学要塞研究所ではあったが、 鉄也と甲児との間に わだかまりが生まれていた。 そしてまた、孤児の鉄也は 温かな兜一家、弓一家から はみ出していくような気がしていたのである。
歪んでしまったライバルの中へ 割り込むように戦闘を仕掛けてきたのは 地獄大元帥以下、闇の帝王の部下たちである。 その主要な戦力を完全に分断され、 今や敵の総力戦の前に、 すべてが葬り去られようとしていた
勝利の女神は正義を 見離してしまったのであろうか?
今、剣鉄也はグレートマジンガーと共に デモニカの下敷きになろうとしている──
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科学要塞研究所から、グレートブースターが射出される。
兜剣造博士、シロー、前作『
マジンガーZ』の一同の指導者である弓教授、その娘のさやかが、研究所から固唾を飲んで見守る。
剣造 (早く行け、早く。グレートブースターよ、グレートマジンガーを連れ戻せ!)
シロー「早く、早く!」
グレートマジンガーに、ミケーネ帝国の無敵要塞デモニカが迫る。
そのデモニカの下部に、グレートブースターが取りつく。
シロー「お父さん、あの要塞を追い抜かないと、鉄也お兄ちゃんがやられちゃうよ!」
剣造「いや、これでいいんだ。あそこなら、敵に見つからんからな。そのまま、まぁ見ていなさい。弓博士」
弓「何でしょうか?」
剣造「もしこの作戦が失敗したら、次の作戦にかからなければなりません。みんなと一緒に、地下の第2管制室の方へ行ってくださいませんか」
弓「それは構いませんが、その作戦とは一体、何ですか?」
剣造「今それを話している時間がありません。とにかく、早く地下へ!」
弓「……」
剣造「さぁ、早く!」
弓「わかりました。それじゃ、諸君!」
シロー「ねぇ、お父さん、あのブースター作戦は、失敗なんかしやしないよね?」
剣造「させないとも! ただ、万一のことを考えての第2作戦だ」
シロー「お父さん、がんばってね!」
剣造1人を管制室に残し、弓教授らが地下へ移動する。
グレートマジンガーは傷つき倒れ、鉄也も重傷を負っている。
鉄也「このままむざむざと殺されてたまるか。俺が死ぬときは、奴らも一緒だ!」
要塞デモニカが迫る。
中ではミケーネ幹部の地獄大元帥、ヤヌス侯爵がほくそ笑んでいる。
地獄「見ろ、あのザマを。我々を苦しめ抜いた英雄の、何とも無様な最期の姿だ。それ、奴を片づけるのだ。だがレーザーやミサイルでは駄目だぞ。このデモニカで、ジワリジワリと押し潰すのだ」
ヤヌス「承知いたしました」
剣造「ブースター、オート操縦装置!」
シロー「あぁっ! お父さん、グレートマジンガーが潰されちゃうよ!」
剣造「よし、今だ!」
地獄「あっ、あれは!?」
グレートブースターがデモニカから飛び立ち、グレートマジンガーに合体する。
鉄也は気絶しており、動かないグレートマジンガーを、ブースターが空へ運んでゆく。
シロー「やったぁ!」
地獄「ミサイルだ! ミサイルで撃ち落とせ!」
剣造がブースターを遠隔操縦して攻撃をかわすが、かわしきれずに被弾し、眼下の海に墜落してしまう。
剣造「しまった! これではまた、デモニカの方へ逆戻りだ!」
剣造のいる管制室が、科学要塞研究所本体から分離し、空へ飛び上がる。
弓「兜博士!?」
シロー「お父さん!?」
剣造「私は、鉄也くんを救いに行く。みんなは研究所を潜水させて、逃げるんだ」
シロー「お父さん、行っちゃ嫌だぁ!」
弓「私たちも一緒に行こう!」
剣造「いや、いかん。あなたはシローやさやかさん、そして職員の諸君を頼みます」
シロー「弓先生! 早く甲児兄ちゃんに連絡してよぉ!」
弓「シローくん、落ち着くんだ。すぐ連絡する」
大波が押し寄せ、海に落ちたグレートマジンガーが、デモニカの方へと運ばれて行く。
地獄「ハハハ! グレートマジンガー、自らやられに来るわい! それ、デモニカの口で噛み砕いてやれぃ!」
しかしグレートマジンガーは、海に突き出た岩に衝突して宙にはね上がり、砂浜に打ち上げられる。
地獄「ハハハ! うまくよけおったわい! 今度こそグレートマジンガーの最期だ!」
ヤヌス「あっ、あれは!?」
剣造の操る研究所管制室が接近して来る。
剣造「甲児、シロー。またお前たちを孤児にしてしまうな…… 今度はもう、生き返ることもできまい。2人でしっかり、生き抜いていくんだ」
研究所管制室がデモニカに体当たりし、大爆発──!
剣造が外に投げ出され、その体に瓦礫が降り注ぐ。
シロー「お父さぁん!?」
弓「兜博士……」
シロー「お父さぁん! お父さぁぁん!」
シローが泣き崩れ、弓博士たち一同も悲痛な雰囲気に包まれる。
剣造「うっ、うぅっ……」
シロー「お、お父さん!?」
さやか「甲児くん!」
甲児のマジンガーZは、戦闘獣グレートマンモスに苦戦を強いられている。
甲児「何だって!? さやかさん、もう一度言ってくれ!」
さやか「兜博士が鉄也くんを助けるために、管制室ごと要塞へ突っ込んで、重傷を負ってるの!」
甲児「お父さんが何だって、あいつのために!? くそぉ、鉄也なんかのために、お父さんが!?」
地中に埋められていたボスボロットが、顔を出す。
ボス「畜生! モグラじゃないぞ、ボロット様は! あらら、マジンガーZの一大事!」
甲児「お父さぁ──ん!!」
マジンガーZが渾身の力でグレートマンモスを放り投げ、その真下にいたボスボロットは再び、地面に埋められる。
甲児「思い知れぇ! ドリルミサ──イル!」「冷凍光線、発射ぁ!」
ボス「甲児、何てことすんのよ!? ボロット様に!」
甲児「アイアンカッタ──ッッ!」
マジンガーZの怒りの連続攻撃で、グレートマンモスは撃破される。
甲児「ジェットスクランダ──!」「スクランダー・クロ──ス!」
マジンガーZがジェットスクランダーと合体し、剣造のもとを目指す。
海岸に倒れている剣造のもとに、マジンガーZが降り立つ。
甲児「お父さん!?」
甲児がマジンガーZから降り、剣造のもとへ駆け寄る。
甲児「お父さん!」
剣造「おぉ、甲児……」
甲児「お父さん!」
剣造「シローを頼むぞ……」
甲児「どうして、こんな無茶なことをしたんです!?」
剣造「鉄也くんは、お前とのわだかまりを捨てて、飛び出して行った。まるで、兄弟のピンチを救おうとするようにな。彼は私にとって、本当の子供と同じなんだ。父親が、子供のピンチを見捨ててはおけんだろう」
甲児「お父さん……」
剣造「甲児…… 誰にも、温かな気持ちを持つんだ。忘れてはいかんぞ」
剣造が甲児に抱かれながら、息絶える。
甲児「あぁっ、お父さん!? お父さぁぁ──ん!!」
職員「あっ、要塞がまたやって来ます!」
さやか「お父様、私を出撃させて!」
弓「いかん。お前の手に負える相手ではない! それより、鉄也くんと兜博士を収容するんだ。甲児くんには、要塞を防いでもらおう」
さやか「お父様、そんな!? 甲児くんは今……」
弓「泣くことはいつでもできる! 今、甲児くんがしなくてはならないことは、二度とあのような悲劇が起こらぬようにと、災いの元を断つことだ! それが、兜博士の死を無駄にしないことになるんだ」
シロー「お兄ちゃん、仇を討ってぇ!」
弓「甲児くん、要塞がそっちへ向かっている! 食い止めてくれ! 兜博士と鉄也くんは、ジュンに収容させる」
甲児「……見ていろ、要塞め! 鉄也くん、しっかりするんだ! もうすぐ助けが来るからな」
鉄也「く、くそぉ…… 俺も一緒に行くぞ!」
甲児「そんな体では無理だ。ここは鉄也くんの分まで、がんばるぜ!」
一方で、ジュンの乗るビューナスA。
弓「ジュンくん、ジュンくん! いやぁ、気がついたか。鉄也くんと兜博士を、海岸から救出してくれたまえ!」
ジュン「兜博士ですって?」
弓「詳しいことは後で話す。とにかく、早く!」
ジュン「わかりました!」
要塞デモニカは剣造の体当たりにより、大きなダメージを負っている。
地獄「鉄也と兜剣造を救出させるな! 我々は空から科学要塞研究所へ、とどめを刺す!」
ヤヌス「しかし、こんな状態でどうするおつもりですか!?」
地獄「そのくらいで怯むな、馬鹿者!」
デモニカが飛び立つ。
甲児「待てぇ! 逃げる気か、要塞!? 待てぇぇ!!」
マジンガーZがデモニカを追って、飛び上がろうとする。
猛獣将軍ライガーンと魔魚将軍アンゴラスがマジンガーZにしがみつき、追撃を阻む。
甲児「離せ、離せぇ!」
そこへ、ビューナスAが飛来する。
ジュン「光子力ビ──ム!」
ビューナスAがアンゴラスを撃ち落とし、ライガーンも振り落される。
甲児「ジュン、よく来てくれた! 逃がすものか、光子力ビ──ム!」
退却しようとするライガーンを、マジンガーZが撃破する。
甲児「さぁ、ジュン。鉄也くんとお父さんを救出してくれ。僕は要塞を片づける」
ジュン「わかったわ」
甲児「あっ、科学要塞研究所が!?」
科学要塞研究所がデモニカの攻撃を受けている。
バリアが破られ、研究所が大きく揺れ、さやかが身を挺してシローを守る。
さやか「シローちゃん!?」
職員「光線砲、発射!」
マジンガーZが、科学要塞研究所のもとに飛来する。
ヤヌス「あっ、マジンガーZめ!」
地獄「えぇい、奴を片づけろ!」
甲児「光子力ビ──ム!」
マジンガーZがビームでデモニカの外壁を破り、一気に要塞内に突入する。
妖爬虫将軍ドレイドウが、ジェットスクランダーの翼で真っ二つとなる。
そのままマジンガーZが、スクランダーの翼で要塞内を斬り裂きつつ、突進する。
気絶している鉄也は、夢の中をさまよっている。
鉄也「ここはどこだ? 戦いは終わったのか?」
足元から死神が出現し、鉄也の脚をつかむ。
鉄也「うわっ! だ、誰だ!?」
死神「お前に取り憑いている死神だ──」
鉄也「死神!?」
死神「お前も兜剣造と同じく、俺の手元に来たというわけだ──」
鉄也「兜博士が!? 馬鹿を言うな! 俺は死ぬもんか! 死んでたまるか!」
死神「死ぬんだ──」
鉄也「死ぬもんかぁぁ!!」
声「鉄也、鉄也!」
鉄也が目を覚ますと、目の前にビューナスAがいる。
ジュン「鉄也、しっかりして!」
鉄也「あ…… ジュン!?」
ジュン「鉄也。私、所長を光子力研究所に収容するから、一緒に行って傷の手当てを」
鉄也「兜博士が…… どうしたんだ?」
ジュン「あなたを助けるために、研究所ごと要塞に突っ込んで、亡くなったの」
鉄也「何!?」
グレートマジンガーが、無理に起き上がろうとする。
ジュン「あっ!? 鉄也、駄目よ!」
鉄也「それじゃ、あの夢は正夢だったのか…… ジュン、早く博士を頼む」
ジュン「わかったわ。博士……」
戦闘兵たちが、2人を狙う。
ジュン「あっ!? 光子力ビ──ム!」
ビューナスAが、戦闘兵たちを一掃する。
鉄也「さぁ、早く行ってくれ!」
ジュン「OK!」
要塞デモニカから、マジンガーZが飛び出す。
ヤヌス「前進エンジンがやられて、コントロールできなくなりました!」
地獄「は、早く修理しろ!」
甲児「さぁ、とどめだ! ブレストファイヤ──!」
地獄「ハーディアス! ハーディアス、奴を倒すのだ!」
悪霊将軍ハーディアスが出撃する。
甲児「来たな、化け物め!」
地獄「さぁ、今の内にデモニカの修理を急げ!」
シロー「お兄ちゃん!?」
さやか「シローちゃん、しっかりするのよ! 私も出撃するわ」
弓「さやか! 無理だ。とてもダイアナンAでは、太刀打ちできない!」
さやか「みんなが命がけで戦っているのに、ここでノホホンと見物してることなんてできないわ!」
シロー「待って、さやかさん! 僕も光子力研究所の、お父さんのところに連れてって!」
さやか「……」
シロー「お願い!」
さやか「……わかったわ、シローちゃん。一緒にいらっしゃい」
シロー「さやかさん!」
さやか (甲児くん、死なないで! 甲児くん)
甲児「ルストハリケ──ン!!」
マジンガーZが、ハーディアスを倒す。
甲児「要塞め、今度こそやっつけてやる! ブレストファイヤ──!!」
デモニカが熱線を浴びて赤熱化し、大昆虫将軍スカラベスが苦悶の声を上げる。
スカラベス「うぅっ……」
地獄「怯むな、スカラベス! ここが正念場だぞ。こちらも苦しいが、奴も苦しいのだ。弱音を吐くな! それよりデモニカの修理を急がせろ!」
マジンガーZの方も、操縦機器が煙を吹き始めている。
甲児「くそぉ、メカが過熱してきた…… (お父さんを殺した貴様たちを、地獄の底へ叩き落とすまで、死んでたまるか!)」
剣造はビューナスAにより、光子力研究所に運び込まれている。
さやかとシローが到着する。
シロー「さやかさん、ありがとう!」
さやか「ダイアナンA、ゴ──!」
研究所内では、剣造の亡骸にジュンが付き添っている。
ジュン「シローちゃん……」
シロー「お、お父さん! お父さぁん! お父さぁ──ん!」
シローが父の亡骸に、泣きながらすがりつく。
ジュンが涙を拭い、立ち上がる。
ジュン「シローちゃん、私も仇を討ちに行くわ」
ジュンが研究所から出ると、さやかがすでにダイアナンAに乗り込んでいる。
さやか「あっ、ジュンさん! 甲児くんがピンチなの。私も甲児くんのところへ連れてって!」
ジュン「お安いご用よ!」
地面に埋まっていたボスボロットが、ようやく抜けだす。
ボス「くそぉ! よくもよくも、このボロット様を!」
ジュン「さやかさん、脚につかまるのよ」
ボス「あっ、ジュン!? 俺も! 俺も行く、行く!」
ビューナスAが飛び立ち、その脚にダイアナンAがつかまり、さらにその脚にボスボロットがつかまる。
マジンガーZはデモニカにブレストファイヤーを撃ち続け、全身から煙を吹いている。
地獄「修理はまだかぁ!?」
甲児「くそぉ、もう限界だ……」
ジュン「甲児くん、もうしばらくの辛抱よ! がんばって!」
甲児「みんな、早く来てくれ!」
グレートマジンガーのもとに、ミケーネの兵士たちが出現し、攻撃を浴びせる。
満身創痍のグレートマジンガーは、反撃もままならない。
鉄也「くそぉ、なんてザマだ。こんな奴らに手こずるグレートマジンガーではなかったのに……」
その頭上に、ビューナスAらが飛んでくる。
ボス「あっ、グレートマジンガーの一大事!」
ジュン「ボス、グレートマジンガーを頼んだわよ!」
ボス「任しとけぃ! ジャンジャジャ──ン!」
鉄也「おぉ、ボス!」
ボス「ザコは俺に任せておけよっ! このぉ!」
ボスボロットが降り立ち、怪力に物をいわせ、兵士たちを一掃する。
ボス「やったぞ! ボスボロットの底力を思い知ったか!」
鉄也「ボス、何とかあの要塞をやっつけたいんだ。俺のために大事な命を賭けてくれた所長への、せめてもの贈り物にするんだ! さぁ、早くあの丘に連れてってくれ!」
ボス「よし、任しとけ!」
マジンガーZのもとに、ビューナスAたちが到着する。
ジュン「甲児くん、ダイアナンAとビューナスAが手を貸すわ」
甲児「よぉし、2人とも頼むぞ!」
ジュン「光子力ビ──ム!!」
さやか「オーロラ光線、発射!!」
ボスボロットが丘の上で、グレートマジンガーを担ぎ上げる。
鉄也「さぁ、ボス、全速力で走ってくれ!」
ボス「よし来た! そりゃあ! ジャンジャジャ──ン!」
鉄也「スクランブルダ──ッシュ!」
グレートマジンガーが、ボスボロットの助力で加速を得て、空へ飛び立つ。
デモニカはマジンガーZらの攻撃で痛烈なダメージを負い、内部で爆発が始まっている。
地獄「どうしたのだ!?」
ヤヌス「最後のエンジンが、高熱のために爆発しました!」
地獄「くそぉ、なんとかするのだ!」
グレートマジンガーも、そこへ参戦する。
さやか「鉄也さん!?」
ジュン「大丈夫、鉄也!?」
甲児「俺に掴まるんだ、鉄也くん」
鉄也「ありがとう、甲児くん」
マジンガーZが、グレートマジンガーに肩を貸す。
甲児「さぁ、もう一息だ!」
鉄也「よし! ブレストバ──ン!!」
地獄「わああぁぁ──っっ!!」
4大ロボの光線を受け、ついに要塞デモニカが大爆発──!
地獄大元帥はデモニカとともに最期を遂げ、ミケーネ帝国は滅び去った。
ボス「やった、やった! ついにやっつけたぞぉ!! ハハハハハ!」
鉄也は重傷を負って入院し、ジュンが尽きそう。
鉄也「兜博士…… どうか、俺の至らなさを許してください。所長は俺に、甲児くんやシローに劣らない愛情を示してくれた。所長は俺に命を賭けて、大きな愛を教えてくれたんだ」
ジュン「鉄也…… 早く治って、所長の愛に応えなければいけないわ」
鉄也「まったく、俺はどうかしていた。孤児の境遇を怨みながら、シローや甲児くんを孤児にしてしまったんだ…… 俺の浅はかな、みなしご根性が!」
鉄也が顔を背け、目に涙を浮かべる。ジュンも涙する。
ジュン「鉄也、もう一度やり直しましょう。甲児くんたちと手をつなぎ合って、兜博士の大きな愛に応えるのよ」
鉄也「ジュン、正直に言ってくれ。俺は、再起できるのか?」
ジュン「鉄也…… あなたはどんな苦しみにも耐え抜いてきた人じゃないの。絶対に再起するのよ。絶対に」
鉄也の差し出した手を、ジュンがしっかりと握り返す。
鉄也「ジュン……!」
ジュン「鉄也……」
後日。教会で、剣造の葬儀が厳かに行われる。
甲児、シロー、弓教授、さやかが、涙ながらに祈りを捧げる。
甲児「お父さん…… もう、すべてが終わりましたよ。静かに眠ってください」
シロー「もう、泣かないよ。僕。お父さんと暮した日々は短かったけど、とても楽しかった。お父さんを困らせてばかりいて、ごめんなさい……」
甲児「シロー……」
涙を拭うシローの肩を、甲児が優しく抱き、笑顔を交わす。
戦いは終わった。
幾多の悲劇を乗り越えて、ついに平和が
我々の手に戻った。
グレートマジンガー、マジンガーZ、
そしてビューナスA、ダイアナンAは、
平和のシンボルとして、
ロボット科学博物館へ残された。
4大ロボの勇ましい雄姿。
ビューナスAとダイアナンAが、ボスボロットを引っぱりだす。
ジュン「ボスボロットもいらっしゃいよ」
ボス「いいよ、いいよ。どうせ俺は、のけもんなんだからよ」
さやか「そう拗ねない、拗ねない!」
笑顔になったボスボロットが、ビューナスAとダイアナンAを両肩に担ぎ上げる。
彼らは人々に、平和の重みを 無言の内に語り続けるであろう。
我らが戦士・剣鉄也は、重傷の身ではあるが いつの日か必ず再起するであろう。
一方、兜 甲児は、 アメリカ航空宇宙局へ提出する 円盤に関する論文をまとめるために、 1人旅立つこととなった。
さようなら、グレートマジンガー。 さようなら、マジンガーZ。
君たちはいつまでも、我々の心の中で 生き続けていくことであろう!
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最終更新:2019年06月03日 03:56