対訳
訳者より
- ヴェルディ晩年の鮮烈な作品があまりにも有名な「ファルスタッフ」、原作のシェイクスピアの喜劇「ウィンザーの陽気な女房たち」の魅力でしょう、いろいろな人がオペラに取り上げています。その中で一番訳して見たかったのは本場イギリスのヴォーン=ウイリアムズが自ら台本まで書いた「恋するサー・ジョン」だったのですが、残念ながらもうしばらく著作権が生きていますので、やむなくこちらの方を見てみることにしました。ばりばりのドイツ語オペレッタに化けてしまいましたのでシェイクスピアらしさはちょっと薄まってしまったかも知れませんが、美しいメロディを散りばめたなかなかによくできた作品で、やむなくと書きはしたものの聴きながら訳すのもとても楽しい作業でした。作曲家の知名度からかあまり人気がないのがもったいないです。第3幕でのウィンザーの森で妖精たち(に扮した人間たち)が集うシーンなんかはメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」を彷彿とさせる幻想的なもの。そこでこんなヌルいコメディが展開するところなんかは実に面白いもので、シェイクスピアが創り上げた見事な人物設定を見事にドイツオペレッタの類型にはめ込んでいます。
録音について
- あまり人気が(少なくとも日本では)ない作品ですが、少々古いですけれども魅力的な3つの録音があります。
- ロベルト・ヘーガー指揮バイエルン国立歌劇場のもの(1963)は非常に芸達者な歌手たちに支えられて実に楽しい仕上がりです。台詞の部分もかなりたくさん録音に盛り込まれていますので、今回の対訳がそこそこお役に立つのではないかと思います。ファルスタッフを演ずるバスのフリックが実に良い味。第3幕で虫たち(に扮した群衆)にツネツネされるところの喘ぎ声なんかは艶めかしくて素敵です。フェントンを歌うヴンダーリッヒとアンナを歌うマティスのコンビのリリカルな美しさも特筆ものでしょう。個人的には一番好きな演奏です。
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ウィンザーの陽気な女房たちとは
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最終更新:2026年10月13日 09:46