彼等はあらゆる種族で構成されており、あらゆる場所、あらゆる団体の中に自然と紛れ込んでいるとの事。
神殿では神の忠実な信徒の如く、善意と微笑を振る舞いながら。
商人ギルドではより先進的な商法を編み出し、国の発展に繋がるように。
冒険者ギルドでは運営、冒険者双方に紛れ込み。
王宮にあれば王の暮らしにささやかな刺激を与え。
正しき隣人の会の会員ならばより良き人族の世界を…。
そしてそれらの意識を少しずつ凄惨な方向へと誘導し、最後に暴発させるのである。
過去に起こった様々な出来事にも、人は自然と隠された陰謀や疑惑という仄暗い想像を抱いてしまうものである。
『金色の勇者アレックドゥ』も
メンバーに使徒が紛れ込んでおり、戦いに乗じて暗殺されたのではという疑念。
リクレシア精霊戦争の発端となった
エルフの少女による怨嗟の願いも教団による誘導だったのではという憶測。
だが黒竜教団の存在そのものが噂話の域を出ないモノである以上、それらの話も些細な空想でしかない。
―――――――筈である。
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最終更新:2024年10月04日 22:59