「鋼鉄の巨人が住まう大陸 ドラドルエ」
セントラル・アイランドの南東に位置する大陸。三つの主な大陸の中では最も小さい。また、竜の壁、天国の山といった自然の壁に阻まれ、他の大陸との交流は困難を極める。
そんなドラドルエの最大の特徴は、人間の他に、巨大な鋼鉄の体を持つ機械種族「クリートレス」が存在している、ということだ。
彼等は痛みも快感も得ることなく、食事や睡眠など肉体に付随する喜びを知らない。それゆえに欲望や恐怖を抱くことなく、それらが満たされ退けられた時の幸福をも知らない。文字どおり機械として、心を揺らされることなく永劫の時をただ費やすのみであった。
それゆえに彼らはいつしか、喜怒哀楽に満ちそれらを表現できる人間を深く羨むようになり、「人間のような肉体を手に入れたい」という渇望から、人を襲うようになっていた。
ドラドルエに住まう人間達は、彼等に比べたら圧倒的に非力である。そんな人間に残された、たった一つの手段、「契約」。
酷く希少な相性の問題をクリアし、契約の儀式を行った人間と機械は、ごく短時間だけ互いの体を交換することが可能なのだ。
人間の能力者は、機械種族に己の体を貸し、その代わりに機械の体を借りて機械種族と戦うことができるのである。
しかし……人間の肉体を得た機械種族は好き放題に快楽の追求をするため、能力者たちは大きな負担を抱えているのだった……
用語説明
クリートレス(人種)
何時誰が何のために作ったのか、それともまさかの自然発生か…由来の分からない、巨大な機械種族である。
大昔は単に自分達の活動領域、活動個体数を増やす為に動いていたが、今では「人になりたい」という願望をかなえるために行動をするようになってしまった。が、その為の手段は知っておらず、無闇に人を襲うのみ、となってしまっている。
基本的には機械種族よろしく、合理的な行動をする。悪く言えば、単純である。
能力者(人種)
特定の機械種族の個体と相性の良い人間。「儀式」により、その個体と魂を置換する事ができる。人間達はこうして得た機械種族の体を用い、機械種族と戦うことが出来るのである。
人間側の能力者候補が見つかると、既に仲間にした機械種族の力を借りてペアとなる個体を特定、そして候補者が直接相手に会いに行き、契約の成功を以ってしてペア誕生となる。契約に失敗すればそのまま戦闘になる、危険な賭けである。(機械種族には仲間意識とかそういうのもないため、自分さえよければそれで良いというのが大半、契約が成功すれば確実に引き込める)
ただ、能力者は戦闘中「人の体で好きなことをされてしまう」訳なので、メンタルケア等がかなり大変である。また、あまりに長い時間交換状態を続けると、気が狂ってしまうので要注意。(耐えられる時間は人によります)
アクシデント・パーソン(人種)
魂を交換している際に、どちらかが死亡してしまった際の、生き残っている方を指す。
機械種族の体に人の魂が残った場合は、永久に元の体に戻れないという絶望から、自我が崩壊し、破壊衝動に駆られる事が多い。今クリートレス達のリーダーとして存在している機械種族は、100年近く前のアクシデント・パーソンだと言われている。
逆に人の体に機械種族の魂が残った場合は…完全に自堕落な廃人となり、早期に死んでしまう事が多く、ソコまで周りに迷惑は及ばない。まぁ、その機械種族の欲求にもよるのだが…
発電所(地形)
ドラドルエに大昔から存在する中核施設である。
この発電所は、機械種族のエネルギー補充に欠かせない場所であるため、人間と機械種族双方の戦力が集中する激戦地となっている。
どの地方も異常なまでに偏った気象を持つため、何らかの巨大な力の存在があると推測されている。
峡谷の地熱発電所(西)
活発な造山活動が今も続く山岳地帯にある、とびきり険しい山脈の谷間に建造された施設である。
身を隠すための遮蔽物が豊富にあるため、体の大きい機械種族が苦手な地形である。この拠点のみ人間が抑えている。
嵐の風力発電所(東)
常に嵐が吹き荒れている地帯に存在する施設。中でも施設の周辺は激しい乱気流に包まれている。
風に強い草が平たんな大地を覆っているだけであり、人はただ進むだけでも非常に困難である。この拠点は機械種族が抑えている。
熱砂の火力発電所(南)
火炎が大地から間欠泉のごとく噴きだす荒野に存在する施設。特に施設の周りは炎が壁の様に燃え盛っている。
当然人ではろくに近寄る事すら出来ず、機械種族が抑えている。
豪雨の水力発電所(北)
頻繁に大雨が振り、大氾濫となる熱帯性湿地帯にあるとされている、漂流する施設である。水に浮く構造の施設であり、太古の戦闘でアンカーが破損、無人のまま湿地帯を彷徨っている。
地熱発電所防衛連合(都市名)
地熱発電所のある山岳地帯を拠点とする勢力。携行火器や他の国家から買い入れた兵器を運用し、天然の要塞を利用したゲリラ戦術に長ける。
地熱発電所から安定して電力を供給されているため、小さな街を作って広く難民を受け入れることが可能となっている。その規模は部隊と言うより軍に等しい。
傭兵団とも深い関わりがあり、腕に覚えのある人間ならすぐに受け入れてもらえるだろう。
臨海都市同盟(都市名)
ドラドルエ北方の海岸沿いにある、数々の都市の連合体。通商によって得た財力を基に、機械種族と契約した人間を多く雇っている。
都市と都市の間に網の目のように水路を貼りめぐらせ、豪雨地帯から流れ込む濁流を水路に流して利用することで、猛烈な勢いの物資・兵員の輸送を可能としている。
また、ダムや波力発電所などを建造しており、それなりの発電能力を持つ。ただし、「発電所」に比べるとはるかに効率が悪く、そこを数で補っている為、景観はあまり良くない。
もともと水に弱い機械種族が豪雨地帯を苦手としていることもあり、比較的平和な場所であるといえる。
行方不明の水力発電所を手中に収める為、多くの傭兵を雇い入れて豪雨地帯の探索を盛んに行っている。
傭兵団(組織名)
激戦地の支援から物資輸送の護衛まで、幅広い任務を金で請け負う傭兵団。機械種族と契約した人間を中核に据えていることが多い。
火力発電所防衛線(組織名)
火力発電所を中心に展開しているクリートレス側の部隊である。遮蔽物の殆ど無い炎の荒野である為、砲撃装備の個体が多い。
風力発電所防衛線(組織名)
風力発電所を中心に展開しているクリートレス側の部隊である。暴風の中でも戦う為、風に流されないよう重量がある個体、もしくは体当たりに特化した個体などが多い。
侵攻部隊(組織名)
水力発電所を捜索したり、人を襲ったりする数体一組の部隊である。装備や個体特性は隊によってまちまちで、弱い部隊もいれば、鬼の様に強い部隊もいたりと幅が広い。
アトラス諸島/悟りの諸島(地形)
アトラス・ブリッジの中央から、さらに沖に延々と進んだ所にあるという、絶海の孤島である。
悟りを開いた人たちが集い、争うことなく平和に暮らしている。
その中にはクリートレスすらも幾分か混じっており、中央寺院に祭られている巨大な仏像は、クリートレスの即身仏だとか。(実は生きてる?)
ファンタジーエリア「ドラドルエ」
最終更新:2010年03月25日 01:22