15歳の時。
 たった一日だけ。
 ある旅人と親しくなった。

 アメリカの片田舎に過ぎない町。
 私が幼き頃より生まれ育ち、祈りに身を捧げる日々を送ってきた町。
 そこで彼は、ごく普通の若者のように行き倒れていた。
 少なくとも彼は、この町の住民ではなかった。
 日課である慈善活動の帰り道に、私は彼を助けることになった。

 あの、大丈夫ですか――私はそんな風に声を掛けた。
 大丈夫です、と彼は手をふらふらと振って答えてくれた。
 勿論、行き倒れて横たわったままに。

 どう見ても大丈夫そうには見えなかった。
 力のない所作で、明らかに無理をしているようだった。
 ぐう、と間の抜けた音を鳴らしていた。
 ぐったりと疲れ果てて、お腹も空かせている様子だった。
 長旅の疲労が祟っていたのかもしれない。

 彼が行き倒れていたのは、修道院の近くだった。
 厳格なる生活を送る信仰の場へと、不用意に他者を運び込む。
 それは本来避けるべきことなのだが、かといって行き場のない人間を見過ごす訳にはいかない。
 他者への慈悲を忘れず、隣人を愛する。それこそが神の教えなのだから。

 そうして私は、彼を来客用の待合室まで連れていくことにした。
 修道院長には半ば強引に事情を話すことになったが、何とか納得させることが出来た。
 私の暮らす小さな世界に、あの旅人を招き入れた。

 まるで何かに引き込まれるかのようだった。
 それこそ運命か、宿命か――そういった不確かなものに。
 私はあのとき、無意識に導かれていたような気がする。

 彼を運ばねばならない、彼を連れて行かねばならない。
 そんな風に、私は誘われていたように思えた。
 何かに駆り立てられるように、私は旅人を助けていた。

 背徳感や、罪悪感のような。
 引け目にも似た感情が、心の奥底で顔を出した。
 けれど私は、それをすぐさま振り払った。

 食事でもてなしながら、私は旅人から事情を聞いた。
 彼は、ひどく“普通の雰囲気”をした青年だった。

 歳も自分とさほど変わらない。
 中肉中背。黒くて短い髪に、碧色の瞳。
 ありふれた外見をした、アジア系の少年。
 有り体に言うなれば、何処までも『普通』だった。

 彼は、世界中を旅していると語っていた。
 今は北米を渡り歩いており、いずれは中南米へと向かう予定だと。
 その途中で旅の駄賃が尽きて路頭に迷っていた、と。
 青年は恥じらいや申し訳なさを滲ませながら言っていた。

 私は彼の言葉を、静かに聞き届けていた。
 彼の事情を汲み、慈悲の心を以て接していた。
 彼が語る言葉に、穏やかな態度で耳を傾けていた。

 会話を重ねていくうちに。
 彼はぽつぽつと、自分の事情を話してくれた。
 来客用の座席で、私と彼はテーブル越しに向き合っていた。

 物心がついた時に、両親を亡くしていること。
 超力の暴発という、ありふれた事故によって引き起こされたこと。
 幼い頃から、様々な施設や里親の元を転々としていたこと。
 超力に関わる苦悩をきっかけに、若くして旅に出る道を選んだこと。
 自分の生き方を探すべく、世界中を見て回っていること。

 彼は、広い世界を識ることを望んでいた。
 旅を通じて、自分の得るべき答えを求めていた。
 自分の人生。自分の生きる道。自分の生きる意味。
 その旅人の青年は、葛藤という茨の中を歩んでいた。

 そんな彼に対して、私は不思議と親近感を抱いていた。
 超力にまつわる苦悩。不幸を招く異能に対する煩悶。
 それは私にとっても、覚えのあるものだった。

 自分が生まれ持った超力の意味。
 自分が真に歩むべき道筋。
 神に仕える身である私にも、拭えぬ疑念だった。

 だからこそ、だったのだろう。
 彼が語った身の上に共鳴するように。
 私もまた、自分の思いを静かに語り出していた。

 彼の名前を最後まで聞くことはなかった。
 “名乗るほどの者じゃない”と、彼は何度も言っていた。





 ――――“君は、思い悩んでいるんだね”。





 一体、何故なのだろう。
 私が、彼の話を聞いていたはずなのに。
 気が付けば、私が胸の内を打ち明けていた。
 まるで神父に懺悔を述べるかのように。
 私は知り合ったばかりの旅人に、自らの苦悩を告白していた。

 次々に、言葉を並び立てていた。
 私は救いを求めるように、想いを吐露していた。

 自分でも分からない内に、流れが変わっていた。
 抱え込んでいた葛藤を、私は必死に吐き出していた。
 神に救いを求めるかのように、私は無我夢中に語り続けていた。

 旅人は、私の告白を淡々と聞き届けていた。
 まるで超然とした教祖のように、私の言葉を受け止めていた。
 口元に微かな微笑みを浮かべ、瞳には微かな哀しみを湛えて。
 彼はただ、私の苦悩をありのままに受け止めてくれた。

 幾ら教養を称賛されようと。
 幾ら慈善を賛辞されようと。
 幾ら信仰を褒誉されようと。
 結局、自分の力は破壊にしか活かせない。

 神から賜った、ネオスという奇跡。
 それが何故、暴威の異能であるのか。
 その意義について、自分は今なお答えを見出せていない。

 ――――何故なのでしょうか。
 私は、問い続ける。

 ――――神は如何にして“これ”を授けたのか。
 私は、訴え続ける。

 ――――神は私に、何を望まれているのか。
 私は、祈り続ける。

 神に尽くす道に生きて、神に身を捧げて。
 人々の為に善行を重ねて、周囲から褒め称えられて。
 それでも尚、私は自分の目指すべき道を見出せていない。
 己の力に対する感情の落とし所を、捉えられていない。

 破壊と、殺傷の道具。
 他を巻き込み、蹂躙する暴力。
 敵を押し潰す、重圧の領域。
 この力の在り方など。
 そのようにしか、言い表せない。

 尽きぬ疑問と、癒えぬ苦悩。
 それはいつしか、心を穿つ風穴と化していた。
 神の慈悲には程遠い、暴威の術を生まれ持ち。
 答えのない迷宮の中を、私は幼き日から歩み続けていた。

 その想いの全てを、出会って間もない青年に訴えている。
 なるべくしてなったかのように。
 彼の穏やかな笑みに誘われたかのように。

 彼の微笑みには、慈悲が宿っていた。
 そして、私の苦悩を聞き届けるその姿は。
 不思議なほどに、何処か満足げだった。
 私に対して、何かを見出すような眼差しを向けて。
 ただ静かに、私を見守ってくれている。

 貴方は一体――何者なのでしょうか。
 まさか、神が遣わした天使なのでしょうか。
 そう思ってしまうほどの安らぎを胸に抱いて。
 私は只管に、彼の恩愛に身を委ねていた。

 彼は、本当に天使だったのだろうか。
 あるいは、私を誑かす蛇だったのだろうか。
 今となっては、その答えも分からない。
 思い返すこともできない。





 ――――“君の力は、世に蔓延る悪や神の敵を殲滅する為に有る”。





 脳裏に焼き付く、神の啓示。
 記憶の奥底に根付く、眩き道標。
 私の葛藤を振り払った、求道への指針。

 15歳のとき、私は神託を得た。
 神から与えられし使命を手に入れた。
 為さねばならぬことを、ようやく理解した。

 世界の悪を裁かねばならない。
 世界の歪みを糺さねばならない。
 世界の有るべき姿を取り戻さねばならない。

 神のお告げを、私はただ静かに飲み込んでいた。
 ゆっくりと、ゆっくりと――。
 喉の奥へと、薬を注ぎ込まれるように。

 今の世界は、誤っているのだ。
 人々は神の教えを忘れ、悪徳に耽っている。
 我欲と打算に塗れて、正しき信仰を見失っている。

 ――神の国と、神の義を求めるべし。
 ――神を愛し、人を愛するべし。

 困難に満ちた、この世界で。
 多くの者が、福音を忘れている。
 慈愛と救済の理を踏み躙る、忌まわしき悪が蔓延っている。

 ヤマオリ・カルト。
 否定せねばならないもの。
 世界の信仰を歪める者。
 誤った観念を“神格化”する悪。

 この破壊と暴力の異能は、何の為にあるのか。
 それはきっと、世界を変える為にあるのだろう。
 人々が犯す過ちを、この手で正す為に“力”を与えられたのだ。
 悪しき魔女を狩る為に、私は鉄槌を授かったのだ。
 私はようやく、己の道を悟った。

 ――“あの神の声は何だったのだろう”。

 そんな疑問が、ふと浮かぶ瞬間もあった。
 あの日のことを、うまく思い出せない。
 目を覚ますと、いつだって記憶が霞んでいる。
 この神託のきっかけを、夢の中でしか思い出せない。
 朝が訪れれば、心の奥底に仕舞われてしまう。

 けれど、その答えを探ることはしなかった。
 神の教えを疑う必要など、ありはしないのだから。

 神はただ、そこに在る。
 私は己の信仰を疑ったりはしない。
 祈りを捧げながら、神の示す道を歩み続け。
 己が至る結末は、神の意志に委ねる。
 それでいい。裁きは、神が下すのだから。

 私は、ドミニカ・マリノフスキ。
 魔女の鉄槌(マレウス・マレフィカールム)。
 審判の力を賜りし、神罰の代行者。


 ――――神への誓いを(コールヘヴン)。




 朝日の光が、静かに射していた。
 穏やかな輝きが、粛々と広がっていく。
 顔を照らす眩しさに、意識をくすぐられて。
 ドミニカはハッとしたように、目を覚ました。

 視界の果てには、青空が広がっていた。
 太陽は既に登り、静寂の中で白光が煌々と射す。
 冷えた空気が肌を撫でながらも、微かな暖かさが世界を覆っていく。

 そう、朝が来た。夜明けが訪れた。
 如何なる苦難も葛藤も飲み込むように。
 太陽はただ、粛々と空に照り続ける。
 看守長が告げた刑務は、まだ始まったばかり。

 ――青空と太陽を直に見たのは、何時ぶりだろうか。
 ――独房ではいつだって、冷淡な照明によって朝を迎えていたのだから。

 そんな物思いに耽る余裕もなく、ドミニカは認識を切り替えていく。
 どうやら自分は、岩陰で身を潜めるように横たわっていたらしかった。
 それを察した後に彼女は視線を動かし、すぐそばにいる他者の気配へと目を向けた。

 ドミニカの側で、プラチナブロンドの髪を持つ少女が腰掛けていた。
 何処か力無く疲弊した様子で、彼女はドミニカを見下ろしていた。
 ――ジェーン・マッドハッター。
 ドミニカにとって、暫し前から行動を共にしていた受刑者であり。
 そして先の戦闘で、共に辛酸を嘗めることになった相手だった。

 きっとこの岩陰にも、彼女が運んでくれたのだろう。
 そうして意識を取り戻すまで、見守っていてくれたのだろう。
 ドミニカはそのことを理解する。

「……早かったね、目え覚ますの」

 そう呟くジェーンの横顔からは、遣る瀬ない感情が滲み出ていた。
 屈辱と無力感。込み上げる悔しさを噛み締めるように。
 殺し屋の少女は、ただそこに在り続けている。

 そんな彼女の様子を暫し見つめてから、ドミニカは記憶を振り返った。
 つい先刻――ネイ・ローマンと呼ばれる男と対峙した。
 恩人と信仰を侮辱する彼を悪と断定し、神罰を下すことを選んだ。
 されどその圧倒的な超力を前に、自分は容易く制圧されて。
 せめてジェーン達を守るべく抵抗したものの、そのまま気を失い――。

 そう時間は経過していないようだった。
 身体機能の高いネイティブ世代であるが故か。
 あるいは、ドミニカの強固な意志が齎した結果か。
 ともかく彼女は、短時間で気絶から復活を果たしたのだ。

「メリリンさんは……?」
「私達を助けるために、あいつの元へと下った」

 ドミニカの問いかけに対し、ジェーンはそう告げた。
 その一言に籠る感情を前に、ドミニカは静かに沈黙をした。
 ジェーンが告げた言葉の意味を、彼女はすぐに理解したのだ。

 ――メリリンはネイ・ローマンの傘下になった。
 ――その見返りとして、ドミニカ達は見逃された。

 即ち、彼女の自己犠牲によって自分達は命を繋いだということだった。
 それを悟った瞬間から、ドミニカの胸中には深い負い目が込み上げた。

 神罰を下すための力が、あの男の前にはまるで及ばず。
 善人であり、恩人と認めた相手によって、逆に自分が守られた。
 神への信仰を果たすための巡礼で、このような失態を犯してしまった。

 神の啓示を授かった身であるのに。
 この地で善を為さねばならないのに。
 使命を果たすことが、己の道であるのに。
 自分は二人を守ることも出来ず、這いつくばっていた。

 ドミニカの心を、悲しみが突き刺す。
 そして己自身の不甲斐なさに、戒めを刻み込む。
 ――まだ、祈りが足りない。私はまだ、未熟者だ。
 自らの無力に対し、ドミニカは己を罰するように思い抱く。
 唇を噛み締めて、己への怒りを掌に握り締めた。

「ジェーンさん――」
「放送。さっき流れたよ」

 そうしてドミニカは、静かに身体を起こしながら声を上げたが。
 その言葉を遮るように、ジェーンが話を切り替えた。

 ジェーンは今だに、自らの感情に対する整理を付けられていない。
 自らの煩悶と苦悩に対し、納得を得られていない。
 故にドミニカとこれ以上の問答を行うことを避けたのだ。

 話を遮られて、ドミニカは少々不服な思いを抱きつつ。
 されどジェーンの胸中を察するように、放送について問いかけた。

 脱落者や禁止エリアに関しては、手持ちのデジタルウォッチにて随時更新される。
 例え気絶をしていたり、睡眠を取ってとしても、それらの情報は後々に参照することが出来る。
 それでも重要な情報開示であることに変わりはなく、看守長が別件の話をしている可能性もある。
 そのためドミニカは、聞き逃した第一回放送について話を聞くことにした。




 ――――12人。
 それがこの6時間で命を落とした受刑者の数だった。
 殆どが名前も顔も知らない相手とはいえ、既に数々の罪人が散っていた。
 恩赦を巡る争いは、早くも幕を開けているのだ。

 きっとこの地には、未だ数多の悪がのさばっている。
 善を守り、悪を挫く。
 ここから先も、己の使命を貫かねばならない。
 先のような失態を繰り返してはならない。

 アンナ・アメリナ。フレゼア・フランベルジェ。
 ドミニカも知る悪人達もまた、この朝を迎える前に裁きを受けていた。
 彼女らが地獄へと堕ちたのは良きことだが、他にも誅伐を与えるべき悪は蔓延っているだろう。
 今なお生き残っている魔女ジャンヌ・ストラスブールにも、いずれは天罰を下さねばならない。

 幸い、信を置く相手である夜上神父は今も生きている。
 地の底においても敬虔なる信仰を貫く、尊敬に値すべき人物だ。
 彼にもまた神の御加護が憑いておられるのだろうと、フレゼアは安堵する。
 それでも、このアビスにおいては何が起きても不思議ではない。
 可能であれば彼とも接触し、無事を確認したいところだが――。

「ジェーンさん」

 放送にまつわる情報共有を終えて。
 ドミニカは、ジェーンに対して呼びかける。

「短い間でしたが、ありがとうございます」

 立ち上がったドミニカは、そのままぺこりとお辞儀をする。
 唐突な礼に、ジェーンは少し戸惑いの顔を見せたが。

「ドミニカ?」
「貴女は、メリリンさんを追いたいのでしょう」

 真っ直ぐな瞳を向けられ、図星を突かれたことで。
 ジェーンは思わず、視線を逸らして沈黙した。
 そんな彼女をじっと見つめながら、ドミニカは言葉を続ける。

「けれど、貴女は私を見守ることを優先してくれた」
「……別に、ほっとけなかっただけよ」
「それこそが慈しみと呼ぶべきものです」

 メリリンがローマンと共にブラックペンタゴンへと踏み込んだのは明白だった。
 ならばジェーンは、何故すぐにメリリンを追わなかったのか。
 気を失ったドミニカを、放ってはおけなかったからだ。

 ドミニカは、メリリンとジェーンの間で交わされた契約を知らない。
 故にこれは、彼女の目線からの推測も混じる事柄ではあるが。
 本来ならばジェーンは、今すぐにでも此処から移動したかったのだと考えた。
 何故ならば目が覚めた直後、傍にいてくれたジェーンの表情や素振りからは。
 言い知れぬ喪失感のような想いが、滲み出ていたのだから。

 ――迷いを抱き、苦悩を背負う。
 かつての自分も、そうだったが故に。
 そうした感情に対して、ドミニカは敏感だった。

「ジェーンさん、感謝いたします。
 出会ったばかりの私に、此処までしてくださって」

 ドミニカは歪んでいる。酷く捻れている。
 しかし、その性根は善性の人間である。
 彼女は他者への恩を感じるし、義理を果たそうとする。

「メリリンさんもそうでしたが、やはり貴女も善き人です。
 私は気にせず、どうか彼女を追ってください」

 だからこそドミニカは、ジェーンに対して促した。
 ジェーンもまた、そんなドミニカの内面を薄々感じていたのか。
 互いに何かを察知する中で、視線を交わし合った。

 ジェーンは、沈黙を続ける。
 空気の変化を肌で感じながら、微かな迷いを抱く。
 ドミニカと別れて、メリリンと共に往く。
 それは当初の予定通りのことでしかない。
 故に此処で彼女と離別したところで、有るべき形に向かうだけだ。

 しかし、それでも。
 ジェーンは葛藤の渦中に立たされていた。
 ――自分は、留まらなくてもいいのか。
 迫り来るものを察知しながら、彼女は思う。

「ドミニカ」

 やがてジェーンは、口を開いた。
 目の前のドミニカを、真っ直ぐに見つめながら。


「本当に、任せていいのね?」
「善行こそが、私の本懐ですから」


 ジェーンが手向けた、懸念に対して。
 ドミニカは、清らかに微笑んでみせた。

「以前、私の恩人も仰っていました」

 ドミニカの脳裏に過ぎるのは、アビスの“神父”。
 夜上 神一郎。彼女が信頼し、尊敬の念を抱く受刑者。
 神に仕える生き方を選ぶ、敬虔なる聖職者。

「――――人はそれぞれの“神”に従うべきである、と」

 彼から伝えられた言葉を、ドミニカは口にする。
 己の信ずるものを見出し、その意志に従って前進すること。
 それこそが神に触れる術なのだと、彼は規定していた。

 ドミニカは、彼の信仰を汎神論の一種と捉える。
 自分とは祈りの術が違うだけで、神を信じていることには変わりない。
 故に夜上の語る哲学を、彼女はありのままに受け止めていた。

「ジェーンさん。貴女も、貴女の道を進むべきです」

 そして、かつて葛藤と煩悶を経ていたからこそ。
 ドミニカは、その言葉に対して思うところがあった。
 故に彼女は、ジェーンへの餞として告げた。
 足を止めねばならなかった彼女の善意に報いるために。
 ジェーンの背中を、ドミニカは押すことを選んだ。

 ドミニカの眼差しに射抜かれて。
 ジェーンは再び口を閉ざし、沈黙した。
 微かにでも、迷いを抱くように。
 彼女は僅かな時間の中で、思考を行なっていたが。

 ――――先刻。あの瞬間。
 あの屈辱が、再び脳裏をよぎった。

 地に這いつくばり、何も出来ずに奪われ。
 なけなしの矜持さえも踏み躙られて。
 結局、仲間の自己犠牲に守られるだけの自分がいた。
 無様でみっともない、無力な自分が横たわっていた。

 ジェーンは、あのときの感情を振り返る。
 再び彼女達と相見えたとして、自分には何ができるのか。
 疑念は拭えない。混迷は晴れない。
 答えは今なお、見出すことはできない。

 それでも、去りゆくメリリンが向けた眼差しが。
 ジェーンの脳裏に、静かに焼き付いていた。
 メリリンの望み。メリリンが託した思い。
 それを噛み締めるように、ジェーンは追憶していた。

 今もなお、迷いは胸の内でつかえ続けている。
 だが、それでも――。
 この後悔を拭えぬまま、虚しく彷徨い続ける。
 それだけは、あってはならないような気がした。

 自分は、生きる価値のない人間だ。
 ジェーンは己を卑下する。
 人殺しの才覚しか持たない自分を憎んでいる。
 自らの命を絶てぬまま、ここまで辿り着いている。

 だったら、せめて。
 一欠片の矜持くらい、貫けなければ。
 自分が今も立ち続けている意味すらない。
 そんなふうに、ジェーンは思っていた。

 ――――ふぅ、と。
 ジェーンは静かに、一呼吸を置く。
 自らの思考を整えて、気を引き締めて。
 ゆっくりと、自らの口を開いた。


「……わかった。でもね」

 そうしてジェーンは、承諾の意思を伝えた。
 それから矢継ぎ早に、言葉を続ける。

「もしもこの刑務で、会うことがあれば――」

 同じくこの刑務に参加している者。
 ジェーンの組織を壊滅させた特殊部隊の一員であり。
 裏の世界で必死に生きていたジェーンを捕縛した張本人。

「――“ソフィア・チェリー・ブロッサム”に、伝言は伝えておくから」

 超力を無効化する超力の持ち主。
 “迫り来る脅威”に対抗できる余地のある存在。
 ジェーンはかつての遺恨を振り払い、伝言役になることを引き受けた。
 ブラックペンタゴンは、多数の受刑者が入り乱れることが予想される。
 故にメリリンを追う過程で彼女と遭遇する可能性も高いと考えたのだ。

「ドミニカ。ありがとう」

 帽子屋(マッドハッター)。
 感謝の意を伝えて、彼女は不思議の国を後にする。
 自らの契約と矜持を取り戻す道へと向き合う。


「“神の御加護を”」


 そうして、ジェーンは最後にそう告げた。
 ドミニカの無事を祈るように、右手で十字を切った。
 見よう見まねの不格好な所作ではあったけれど。
 そんなジェーンの餞別に対し、ドミニカは微笑みで返した。

 ジェーンは背を向け、ブラックペンタゴンへと向かっていく。
 ドミニカは彼女を流し見た後、眼前に聳える岩山を仰いだ。

 青空を背負い、朝焼けに照らされ、其処に有り続ける。
 赤茶色、砂色に染まった岩や土に覆われた山。
 ドミニカを見下ろすように、物々しく沈黙していた。

 やがて、深呼吸をして。
 ドミニカは、静かに瞼を閉じた。
 胸の前で手を組み、祈りを捧げる。

 “天にまします我らの父よ”。
 “願わくは、御名を崇めさせたまえ”。
 心中で、神への信仰の言葉を述べた。
 これから迫り来る脅威へと立ち向かうために。

 例の“冒涜者”は、動き出している。
 この地へと、降り立たんとしている。
 その力に立ち向かう術は、未だ揃っていない。

 しかし――それは諦めの理由にはならない。
 神への信心と、神罰の力。
 己に宿る武器を手に取り、立ち向かうのみだ。
 あの脅威は、食い止めなければならない。


 ――――歌が、聞こえてくる。
 ――――無邪気な歌が、耳に入る。


「神への祈りを捧げなさい」


 ――――歌が、聞こえてくる。
 ――――空気が、大地が、震え始める。


「さもなくば、誅伐あるのみ」




「♪子猫もウサギも、おめかしして――――」


 夜明けを迎えた、目覚めの朝。


「♪すてきなお家に住んで、暮らしているわ――――」


 蒼い空と、太陽の下で。


「♪お花も、私に話しかけて――――」


 少女は、歌を口ずさむ。


「♪私が寂しいときは、なぐさめてくれるの――――」


 夢に見た“御伽噺”の旋律を唄う。


「♪ほら、聞こえるでしょう――――?」


 少女は、穏やかに微笑む。


「♪私の夢の国――――」


 新世界の幕開けを、感じ取るかのように。


「♪それは不思議の国よ――――」





 山岳の下層。岩場の影に身を潜める二人の受刑者。
 バレッジ・ファミリーの幹部、ディビット・マルティーニ。
 アビスの申し子、エネリット・サンス・ハルトナ。
 この刑務における最初の放送を、彼らは聞き届けていた。

 この6時間で、12人の受刑者が脱落した。
 “戦乙女”アンナ・アメリナや“炎帝”フレゼア・フランベルジェ。
 そして“鉄柱”呼延 光などの大台の犯罪者達が名を挙げられていた。

 キングからも名指しで標的とされた恵波 流都も落ちていた。
 キングの息が掛かった『イースターズ』の首領、スプリング・ローズの退場は都合が良いとはいえ。
 ヴァイスマンの口ぶりも含めて、既に各所で交戦が巻き起こっていることは明白だった。

 エネリットも一目置く氷月 蓮が生き抜いていることは予想通りとはいえ。
 先刻に交渉の場へと割り込んできたアイもまた生存中であった。

 キング相手に逃げ延びた、と考えるのは楽観と言う他ない。
 恐らくはあの“亜人の同行者”共々、アイは何らかの形でキングに絡め取られた可能性が高い。
 今後また接触することになれば、警戒が必要だろう。

 そして先の放送において、ディビット達を驚愕させた事柄があった。

「“あの”ドン・エルグランドが、此処まで早く退場するとは」
「ええ。この結果は、僕も流石に予想していませんでした」

 カリブ海を制した大悪党、ドン・エルグランド。
 アビスにおいても一目置かれ、多くの悪党から畏れられた程の怪物である。

「まさか……あの怪物がな」
「この刑務は、決して一筋縄では行かない……。
 それを証明するには、絶好の存在とさえ言えますね」

 ディビットもエネリットも、驚愕を抱きながら取り留めなく呟く。
 あの男が序盤に脱落するなど、一体誰が予想しただろうか。
 奴が朝日を拝めずに散るということを、一体誰が想像しただろうか。
 かの大海賊は、言ってしまえばそれほどの大物だった。

 既に乱戦が勃発し、その過程で奴が落ちたのか。
 徒党を組んだ集団が既に形成され、奴が怨敵や標的として狙われたのか。
 あるいは――奴を真正面から落とせる受刑者が、この刑務に存在するのか。

「……キングはまだ、落ちていないな」

 やがてディビットは、ぽつりと呟く。
 超力の蔓延る世界は、理不尽に満ちている。
 不可能という言葉はない。有り得ないものなど存在しない。
 故にいずれの可能性も十分に考慮できるものとして、ディビットは思考した。

 何より、怨敵であるルーサー・キングは未だ生き延びている。
 奴ほどの実力者がいるならば、ドン・エルグランドが落ちることも有り得るのだろう。
 ディビットはそうして思考を切り替えていく。

「思ったより持ち堪えた、と言っていいでしょうね」
「そうだな。痛み分けが多く生じたか、早い段階で受刑者間の結託が進んだか。
 あるいは、消極的な連中も少なくなかったか……」

 ――12人という人数に対し、エネリット達は“想定の範囲内”という印象を抱いた。
 決して少なくはないが、思った以上の炸裂は起きていない。

 恩赦ポイントの仕組み、そして時間制限まで持ち堪えれば生還は保証されるシステム。
 それらを考慮すれば、終盤になるにつれて刑務の膠着化が予想される。
 故に序盤から受刑者同士の激戦が勃発する可能性を視野に入れていたのだ。
 だが現状の脱落者数を鑑みるに、やはりそう簡単には行かないらしい。

 少なからず交戦は勃発しているが、今はまだ起爆し切っていない。
 現状に対し、ディビット達はそう判断する。
 状況が動き出すのは、寧ろこれからと考えるべきか。
 禁止エリアと、ブラックペンタゴン――この二つが要になるだろう。

「やはり、禁止エリアは多数に及ぶようですね。
 刑務における追加は三度のみと考えれば、妥当と言えるでしょうか」
「今回はまだ“僻地”が中心だが、このまま進めば受刑者の移動や潜伏に確実な影響が及ぶな」

 最初の放送のみで、計8つもの区画が禁止エリアと化した。
 今回は中央からは外れる、盤面に影響の薄い領域を中心に選抜されたものの。
 仮に単純計算で行けば、第三回放送の時点で24エリアが封じられる形となる。
 あるいは、それ以上の数に及ぶことも十分有り得る。

 この刑務はルール上、恩赦を巡る駆け引きや交戦を前提としている。
 故に禁止エリアの増加によって受刑者が分断される事態はアビス側としても避けたいだろう。
 今回のエリア指定においても、中央を起点に円を描くような形で選抜されている。
 よって今後もこのような形で“外堀”が埋められていく可能性が高い。

 恐らく終盤戦へと向かうにつれて、受刑者達は“一箇所”へと誘導されることになる。
 ブラックペンタゴンはその布石、刑務開始直後から受刑者を動かすためのギミックだろう。
 受刑者が集結する狩場、受刑者が籠城する拠点、そして受刑者を行動させる目印。
 意図的な密集地帯となり得る場を用意し、受刑者同士の接触を促すことは当初から推測できたものの。
 今回の放送によって、以後の禁止エリア指定を円滑に進めて盤面を誘導していく意図もまた読み取れた。

「例え“場に残された恩赦ポイント”に限りがあるとしても。
 終盤になればなるほど、受刑者同士の接触は余儀なくされるでしょうね。
 多数の禁止エリア指定によって“消極的な潜伏”が妨げられる可能性は高い」
「ああ、だからこそ今の内に“動く”受刑者も増えるだろうな。
 そしてブラックペンタゴンは、その起爆剤となる」

 消極的なスタンスを貫かない限り、この刑務はまず他者と接触せねばならない。
 自分に戦う意思がなくとも、他の受刑者からすれば“ポイント”という餌になる恐れがある。
 故に自らのリスクを削りつつ、今後のリターンを得る為の足掛かりは重要となる。
 他の受刑者との交渉や結託、恩赦ポイント稼ぎ、あるいは集団戦を防ぐ為の数減らし――。
 ブラックペンタゴンは“鉄火場”という形で、そうした場の役目を引き受けるのだろう。

 デイビットとエネリットは、意見を交わし合っていた。
 先程まで居た地点から距離を取って、岩陰に身を潜めて放送を聞き届けていた。
 そうして互いに何事もなく内容を聞き取り、それぞれの所見を述べた。
 脱落者について。禁止エリアについて。今後の刑務の動向への考察。
 少なくとも最低限語るべき事柄は、互いに伝え合った。


「さて、ディビットさん」
「ああ」


 故に彼らは、意識を切り替えるように言葉を交わす。
 “迫り来る気配”を共に察知し、視線を交錯させた。


「動き出しましたね」
「……そのようだな」


 空気が、震えていた。
 大地が、揺れていた。
 重力が、澱んでいた。

 じわり、じわりと。
 世界の法則が、物理の秩序が。
 静かなる歪みを伴い始めている。
 異質なる気配が、徐々に迫ってくる。

 ディビットは、視線を動かした。
 そうして、岩場の向こう側を見た。

 十数メートル離れた地点。
 土が、石が、ふわりと浮き始めている。
 岩盤に、ゆっくりと亀裂が入り始めている。
 斜面を伴った地面が、歪むように軋んでいく。

 その様子を目の当たりにした瞬間。
 ディビットとエネリットは、すぐさま駆け出した。

 超力は発動せず、自らの身体能力と瞬発力のみで動いた。
 そうして二人は迫り来る“領域”から距離を取るべく。
 全速力で駆け抜けながら、後方へと意識を向ける。

 先刻、エネリットが伝えた脅威。
 朝が来れば、彼女は目覚める。
 目が覚めれば、彼女は動き出す。
 地獄を引き連れて、彼女は降りてくる。

 暫しの猶予があったとはいえ。
 そんなエネリットが抱いた懸念の通りに。
 メアリー・エバンスは、進軍を始めていたのだ。




 ――――“僕は、君に想いを託した”。


「あなた、だあれ?」


 ――――“新時代の嬰児よ”。


「わからないけれど」


 ――――“どうか、世界を終わらせてくれ”。


「いけば、いいのね」


 ――――“君が、世界を糺してくれ”。


「おそらが、まぶしいわ」




 足場の悪い岩盤を物ともせず。
 二人の受刑者、ディビットとエネリットは機敏に躍動する。

 ブーツの靴裏で岩場を蹴り、跳躍するように動く。
 跳躍のような動作を繰り返しながら、彼らは移動する。
 付かず離れず。互いの行動を制約せず、しかし有事には即座に援護を行えるよう。
 二人は共に的確な距離を保ちながら、立体的な機動を行なっていた。

 迫り来る“領域”の性質は、既に推理していた。
 重力や感覚などの“法則の変化”は従来通り。
 しかし以前とは違い、明確な攻撃性を伴っていた。
 即ち、侵入者を排斥し、蹂躙する“支配域”と化しているのだ。
 更には“超力の封殺”へと特化する形での変質も見られた。

 疾走をしながら、ディビットは微かに振り返る。
 ――視線の先、後方では“破壊”が発生している。
 傾斜に迸る亀裂。打ち砕かれる岩石。澱む大気。

 岩陰に微かに咲いた花が、瞬きの合間に“破裂する”。
 花びらが宙を舞い、それらもすぐさま灰燼と化す。

 殺意に満ちた現象が、自分達へと迫り来る。
 この領域が、この世界が、“移動”を開始している。
 彼女は奔放に動き続け、そして拡大を繰り返す。
 六時間という猶予の中で、彼女は育ってしまった。

 さて――どうする。
 ディビットが、エネリットと視線を交わした。
 このまま放置すれば、領域は無尽蔵に拡大する。

 先程、様々な術を講じて“対策”を模索したが。
 メアリーを食い止めるための効果的な手段は得られなかった。
 少なくとも、今の自分達では打つ手はない。
 そう判断していたが、既に彼女は動き出している。
 故に、可能な限りの手は打たなければならない。

 このまま進撃すれば、恐らくブラックペンタゴンが領域の射程に収まることになる。
 敢えて彼女を誘導し、“爆弾”として投下することも考えはしたが。
 この際限の無い能力を利用すること自体に多大なリスクが生じる。
 立ち回りの全体が崩れることを防ぐためにも、下手な真似は避けたい。

 ディビットは思考する。
 この舞台を飲み込み、盤面を覆す前に。
 メアリー・エバンスは処理せねばならない。
 それこそ、始末を視野に入れるべきだろう。

「ディビットさん、あちらを」

 そうして疾走を続けていた矢先。
 傍で並走していたエネリットが、声を掛けてきた。
 彼の声に応えて、視線を動かすディビット。
 エネリットは自らの顔を動かし、“あるもの”を示す。

「別の受刑者か」
「ええ。あの領域に挑むつもりのようです」

 領域との距離を取った二人は、百数メートルほど離れた地点に立つ“受刑者”を見た。
 その受刑者はまだ二十も満たぬ、あどけなさを残す風貌の少女だった。
 岩場には似合わぬ佇まいの少女は、されど眼前の領域に対して一歩も臆さず。
 呼吸を整えながら、自らの超力を発動せんとしている。

「……なるほど」

 その少女を視界に収めて。
 ディビットは、合点が言ったように呟く。

 直接の面識はない相手だった。
 しかし、その悪名は刑務所においても耳に挟んでいた。
 地方都市に拠点を構えていた新興宗教に端を発する事件。
 犯人は、北米において“炎帝”に次ぐ殺戮者と語られる女――。

「奴は北米の“ヤマオリ・カルト”を潰した女だ」


 ――――“魔女の鉄槌”。
 ――――ドミニカ・マリノフスキ。


 迫り来る“領域”と対峙する受刑者。
 その存在を、デイビット達は視界に捉えていた。




 もしもし、聞こえますか。
 神さま、ここにいますか。

 私の世界ではね。
 ばかげたことが当たり前なの。
 すべてがとんちんかんで。
 妙ちきりんで、あべこべなの。

 私ね、皆からきらわれてるの。
 だれも私にさわれないし。
 だれも私とふれあえないの。
 パパとママだって、どこにもいないの。

 いつだって、ひとりぼっち。
 友だちは、夢の中にしかいない。
 目がさめたら、私はせまい“カゴ”のなか。

 でもね、でもね。
 私は、ここにいたいの。
 私は、せいいっぱい歩きたいの。
 私は、しあわせでありたいの。

 私の世界が、みんなを傷つけるとしても。
 私のいばしょは、どこにもないだなんて。
 そんなの、私はみとめたくない。
 むねがズキズキいたくて、かなしいから。

 私は、ここにいます。
 私は、生きています。
 私は、笑っています。

 お日さまみたいに明るく、たのしく。
 そんなふうに、いつだってすごしたいから。
 だから、私はまえを向きます。

 私は、メアリー・エバンス。
 ふしぎの国にまよいこんだ、女の子。


 ――――こんにちは、神さま(コールヘヴン)。




【E-5/ブラックペンタゴンの近く/一日目・朝】
【ジェーン・マッドハッター】
[状態]:全身にダメージ(中)
[道具]:デジタルウォッチ
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.無事に刑務作業を終える
1.メリリンを追う。
2.山頂の改変能力者を警戒。ソフィア・チェリー・ブロッサムを探す。
※ドミニカと知っている刑務者について情報を交換しました

【E-5/岩場/一日目・朝】
【ドミニカ・マリノフスキ】
[状態]:全身にダメージ(中)、全身に打撲と擦り傷
[道具]:デジタルウォッチ
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.善き人を見定め、悪しき者を討ち、無神論者は確殺する。
0.領域型の改変能力者(メアリー・エバンス)を食い止める。
1.ジャンヌ・ストラスブールは必ず殺す
2.神の創造せし世界を改変せんとする悪意を許すまじ
3.山頂の改変能力者について、ソフィア・チェリーブロッサムに協力を仰ぐ。
※夜上神一郎とは独房に収監中に何度か語り合って信頼しています
※メリリンおよびジェーンと知っている刑務者について情報を交換しました。
※ルーサー・キングについては教えて貰っていない為に知りません。

【エネリット・サンス・ハルトナ】
[状態]:衝撃波での身体的ダメージ(軽微)
[道具]:デジタルウォッチ
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.復讐を成し遂げる
0.メアリー・エバンスに対処。
1.標的を探す
2.ディビットの信頼を得る
※刑務官『マーガレット・ステイン』の超力『鉄の女』が【徴収】により使用可能です
 現在の信頼度は80%であるため40%の再現率となります。【徴収】が対象に発覚した場合、信頼度の変動がある可能性があります。

【ディビット・マルティーニ】
[状態]:健康
[道具]:デジタルウォッチ
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.恩赦Pを稼ぐ
0.メアリー・エバンスに対処。
1.恩赦Pを獲得してタバコを買いたい
2.エネリットの取引は受けるが、警戒は忘れない。とはいえ少しは信頼が増した。
3.ルーサー・キングを殺す、その為の準備を進める

【E-6/岩山/1日目・朝】
【メアリー・エバンス】
[状態]:少しご機嫌斜め
[道具]:内藤麻衣の首輪(未使用)
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.ここにいたい。
1.お散歩をする。
※『幻想介入/回帰令(システムハック/コールヘヴン)』の影響により『不思議で無垢な少女の世界(ドリーム・ランド)』が改変されました。
 より攻撃的な現象の発生する世界になりました。領域の範囲が拡大し続けています。
※麻衣の首輪を並木のものと勘違いして握っています
※メアリーがありすに助けを呼んだその時に、何が起こるかはご想像にお任せします


076.第一回定時放送 投下順で読む 078.Lunar Whisper
時系列順で読む
新世界の目覚め ディビット・マルティーニ 無垢なる祈りは少女の夢を壊せるか
エネリット・サンス・ハルトナ
メアリー・エバンス
ストリートの不文律 ドミニカ・マリノフスキ
ジェーン・マッドハッター ROULETTE

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最終更新:2025年06月04日 18:38