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「――――お願い」

 メリリン・“メカーニカ”・ミリアン。
 あの死闘を生き延びた、ひとりの悪党。
 あの激闘を乗り越えた、ひとりの女。

「少しだけ、時間が欲しい」

 彼女の頼みは、ただそれだけだった。
 それだけが、何よりも必要だった。
 だから彼女、皆へと頭を下げる。





『ひとつ、聞かせて』

 この刑務が始まった直後のこと。
 紺色の宵空と、満月の光の下。
 山沿いの岩場を、二人の女が歩く。

『アンタの親友……』

 片割れの受刑者――。
 黒いメッシュが入った、プラチナブロンドの髪を持つ女囚。
 ジェーン・マッドハッター。彼女は同行者へと問いかける。

『サリヤ・K・レストマンは、どんな人だったの?』

 直々に殺人を依頼された、一人の“死者”について。
 メリリン・“メカーニカ”・ミリアンへと、彼女は聞く。

 ジェーンの問いかけに対し、メリリンは意外そうに流し見る。
 少しの沈黙を伴ってから、口を開いた。

『殺しの標的に、興味持ったりするんだ』
『そういう訳じゃないけど』

 どこが罰が悪そうに、ジェーンは一瞬口篭る。
 自らの頭の中で、言葉を噛み砕くように。
 それから少しの間を置いて、彼女は語り出す。

『……これまではさ。
 “仕事だ”って割り切って、誤魔化して。
 淡々と作業みたいに、人を殺してきた』

 これまでの過去。これまでの人生。
 何かを繰り返して、何かを失い続けてきた。
 数多の死を乗り越えて、数多の命を踏み躙ってきた。
 それが彼女という受刑者であり。

『そんな自分が、もう嫌になっただけ』

 ジェーンは、そんな自分が大嫌いだった。
 この刑務を生き延びて、あくまで死刑囚として裁かれる。
 自らの罪への罰を求めるジェーンにとって。
 かつてのような“割り切り”は、もう耐えられなかった。

 そんなジェーンを、無言のまま横目で見て。
 それからメリリンは、虚空へと視線を向ける。
 何か思うところが少しあったように、夜空を見上げて。
 暫しの沈黙を経て、メリリンは語り出す。

『サリヤはね。不思議な女だった』

 記憶の中に残る、親友の姿。
 その残響を、メリリンは静かに手繰り寄せる。

『冷静で、私よりずっと頭が良くて。
 たまに天然というか、ぼけっとしててね』

 後の“メルシニカ”となる組織の首領であり。
 メリリンをその組織へと誘った張本人。

『思えば、ずっと一緒だった。
 私とあの子で、組織を引っ張っていた』

 彼女と共に過ごした日々が、脳裏に蘇る。

『……あの子はね。
 時おり、哀しい目をして。
 此処じゃない、遠くを見つめてた』

 その記憶の傍に、焼き付くもの。
 それは、悲壮の匂いであり。
 遠い過去に心を囚われたような。
 深い因果に足を掴まれたまま、生きているような。
 そんな儚げで、やるせない匂いだった。

『あの子は、寂しそうで……――』

 メリリンは、そんな彼女に薄々気付きつつも。
 踏み込むこともできずに、ずっと共に過ごしてきた。
 親友として、相棒として、同胞として。
 ラテンアメリカの犯罪者として、共に生きてきた。
 彼女のことを振り返りながら、メリリンは言葉を詰まらせる。

 そんなメリリンの言葉を、ジェーンは無言で聞き届ける。
 神妙な面持ちのまま、ただ粛々と咀嚼する。

 暫しの沈黙の中で、何処か気まずい空気になったのを感じ取り。
 それからメリリンは、気持ちを切り替えるように親友との記憶を思い起こす。
 彼女との日常の中――他愛のない出来事を、ふいに思い出す。

『あとは……あんまり趣味とかもなかったけど……』

 ふっ、と。メリリンは微かに笑みを浮かべる。
 少しだけ、何気ない記憶を思い出したから。

『あの子、ボブ・マーリーの曲が好きだった。
 馴染みの酒場でよく流れてて、気に入ったみたい。
 家で飲んでる時も、よくレコードで流してたっけな……』

 趣味と呼べる趣味も無さそうなサリヤだったけれど。
 それに関しては、珍しく拘りを見せていた。
 寂しげな表情には似つかわしくない、どこか陽気な旋律。
 家で酒を飲み交わしている時も、彼女は何気なく曲を流していた。

 ――Could you be loved and be loved?
 (君は愛されること、愛することができたかい?)

 サリヤを失ってから、もう聴かなくなったけれど。
 “彼の曲”を、メリリンは今でも口ずさむことができる。
 サリヤとの記憶の中に、音色が焼き付いている。

『……ボブ?誰?』
『……ボブ・マーリーわかんないの……?』

 きょとんと問いかけるジェーンに、メリリンは愕然とする。
 1970年代のレゲエ歌手は、開闢以降において文字通り古典である。
 懐古趣味者ならまだしも、ティーンエイジャーのジェーンが知る訳もないのである。

 そんなやり取りを交わしてから、何処かおかしな気持ちになって。
 その口元から、思わず苦笑を零すメリリン。
 そんな彼女を見つめて、ジェーンも思いを馳せる。

 これから自らが殺すことになる相手。
 依頼者の親友だった、ひとりの女について。

『ほんとに、友達だったんだね』

 ぽつりと、ジェーンが呟いた。
 どこか切なげな声色を宿して。

 ――友達。
 その言葉を受け止めて。
 その言葉を噛み締めて。
 メリリンは、胸を穿たれるような感覚を抱いた。

 喪失と後悔が、静かに押し寄せてくる。
 けれど、その感情を無言のまま押し殺し。

『うん。“友達”だった』

 そうしてメリリンは、寂しげに微笑んだ。
 ――“魔女の鉄槌”と出会う前の、ほんのささやかな一幕。





 五人の悪党は、死線を乗り越えた。
 生と死の狭間を踏み越える、激闘の果てに。
 地の底の番人が送り込んだ刺客を打ち倒した。

 被験体:O。
 ブラックペンタゴンからの脱出を阻む門番。
 世界の支配者達が差し向けた生体兵器。
 “究極の兵士”の成れの果て――任務を遂行する怪物。

 エネリット達の足止め。
 征十郎やギャルの不在。
 戦線を揺るがす、致命的な事態の数々。
 それでも彼らは、被検体を超えた。
 一欠片の奇跡、勝利を掴み取った。

 静寂の果てに、全員の身体に疲弊がのしかかる。
 未だ状況は動き続けている。まだ予断は許さない。
 しかしそれでも、僅かな時間でも休息を取るべきであることは明白だった。
 中でも被験体と正面から戦闘を行なった仁成やローマン、ジョニーの消耗は特に大きい。
 これ以上の継戦を行う為にも、一呼吸を置く必要があった。

 故に仁成たちはローマンが開けた風穴を通じて、一旦中庭に退避した。
 その片隅で腰を下ろし、傷の手当てを行うこととなった。
 交換リストから“治療キット”は既に確保している。

 ――仕留められてはいないだろうが。
 ――被検体Oは数キロ先まで吹き飛ばした。
 ――確実な手ごたえがあった。当分は動かないだろう。

 先ほど撃破した被験体Oに対し、ローマンはそう見立てた。
 そのことについて、仁成達は何の異論も挟まなかった。

 その理由は単純。
 現状の集団において、ローマンこそが誰よりも暴力に長けているからだ。
 直接戦闘に関しては、彼が最も正確に状況を見積もることが出来る。

 そんな暗黙の了解が、悪童達の間には存在していた。
 だからこそ彼らは、被検体の脅威を一旦隅に置くことができた。

 周囲の警戒はエンダの黒靄によって行われ、危機に対してはすぐさま察知できる。
 そうした状況の中で、彼らは僅かな休息と治癒の猶予を得られたのだ。

 ――仁成達が、中庭で傷を癒している最中。
 ――メリリンは、エントランスに残っていた。

 つい先ほどまで戦場と化していた空間。
 その片隅で、メリリンは沈黙のままにしゃがみ込んでいた。 
 細めた瞼は、ただ目の前の情景を見つめて。
 その瞳には、悲壮と遣る瀬なさを宿していた。

 ――メリリンの眼前に横たわるもの。
 袂を分ち、再び結びつくことも叶わなかった、かつての仲間。
 別れの言葉を告げる間も無く、死別したかつての親友。

 その死を見つめるのは、二度目だった。
 思えば、あの時も同じだった。
 何かを選び取れないまま失って、後悔を抱えて。
 ただ彼女を喪ったという現実に、打ち拉がれるしかない。

 メルシニカは、いつだって失ってから思い知らされる。
 機会を取り逃したまま、可能性という道が消えてゆく。
 今回も同じ。最期というものは、唐突に訪れる。

 サリヤ・K・レストマン。
 自らの魂を弾丸へと変えた女の亡骸。
 否――それは、赤黒い残骸だった。

 もはや人の形は遺されておらず。
 液体とも固体とも言い切れない、血肉のような“何か”。
 それらは血痕のように、無機質な床へと染み付いている。

 ヒトをヒトたらしめるものとは、到底程遠い。
 そんな肉塊だけが、彼女の遺骸として存在していた。
 形を残していたものは、身に付けていた首輪や装備品のみ。

 それは数多の魂を取り込み、個としての在り方を失った“群体型超力者”であるが故の現象なのか。
 あるいは、多くの犠牲を踏み越えてきた彼女に与えられた末路の形なのか。
 その答えは、メリリンには分からない。
 確かなのは、サリヤは今度こそ終わりを遂げたということだ。

 ――投獄されるまでの人生でも。
 ――この刑務の始まりでも。
 メリリンはずっと、サリヤの影を抱え続けていた。

 死んだはずの親友。死に別れたはずの相棒。
 彼女が今も“ここにいる”と、知ってしまったとき。
 メリリンはその存在に終止符を打つべく、ジェーンに依頼した。
 サリヤを、今度こそ終わらせてほしい――。
 そうしてメリリンは、この刑務で奔走し続けた。

 全ての真相を知り。サリヤとの再会を果たし。
 自らの“友人”となったジェーンを失い。
 サリヤと共に在ることも、決着を付けることも出来ず。
 そして今、メリリンは眼前の現実をただ見つめ続けている。

 胸中に押し寄せてくるものは、喪失感。
 そして、深い夕焼けのような悲しみ。
 静寂の中で、メリリンは沈黙する。

「お前も、分かってただろ」

 メリリンの後ろに、ローマンが佇む。
 第二段階へと到達し、更なる威風を宿したギャングスター。
 精悍なる風格を纏いながら、彼はそこに立つ。
 そうして顔を俯かせる彼女を見下ろしながら、言葉を紡ぐ。

「“オレでさえ”手に負えるか分からない。
 戦う前からそう思わされる相手だった。
 お前に背中叩かれた時は、助けられたさ」

 神妙な表情を浮かべながら。
 ローマンは、粛々と語り続ける。
 メリリンへの寄り添いと、シビアな目線を重ね合わせて。

「ストリートでの抗争と同じだ。
 誰が死んでも可笑しくはなかった」

 こんなものは、珍しいことではない。
 欧州のストリートでは、酷く日常茶飯事だった。

「力が足りなかった。身の程を知らなかった。
 駆け引きを見誤った。ただ運が悪かった。
 命を落とす理由なんざ、幾らでもある」

 互いに睨み合い、喰らい合い。
 血で血を拭いながら、生存競争を繰り広げていく。
 その果てに立つ勝者の足元には、常に敗者の残骸が横たわる。

「ただ、それだけの話だ」

 サリヤ・K・レストマンも、同じであると。
 ローマンは淡々と受け止め、言葉を吐く。

 誰が散っても不思議ではない死闘。
 全員が命を掛け金にした総力戦。
 その博打に負けたのが、彼女だった。
 ただ、それだけのことだと――ローマンは告げる。

 ローマンが紡ぐ言葉を、メリリンはただ無言で受け止め続ける。
 逆上する訳でも無ければ、悲嘆に暮れる訳でもなく。
 沈黙を噛み締める中で、ただただ彼の言葉を聞き届けている。

「……こいつと同じ目を、オレは何度も見てきた」

 そして、ローマンが言葉を続ける。
 僅かに声色を穏やかに沈めながら。

「“王の子供達”に、この女と同じ目をした奴らが何人も居た」

 かつて辿ってきた戦いを、ローマンは追憶していた。
 王の子供達。ストリートから出でし新時代の怪物たち。
 巨悪に飲まれ、罪を重ねて生きることを余儀なくされた、惨めな悪童たち。

「クソッタレな世界で、クソッタレな道を選ぶしかなかった。
 そんな世界を憎み、恨みながら、血眼で駆け回るしかない。
 ――――そういう奴らが居た」

 この壊れた世界で、誰もが選択を迫られた。
 生きるために。抗うために。あるいは、誇りのために。
 誰も彼もが世界に翻弄され、悪徳という武器を手に這い回っていた。

「世界は間違ってる。これからも間違い続ける。
 ……この女は、誰よりも聡かったんだろうよ」

 そんな間違った世界に、間違った法則に。
 誰よりも耐えられなかったのが、この女なのだろうと。

 過ちの根源、その腸から生まれてきたが故に。
 罪の深淵を、何より理解していたが故に。
 世界を否定するしかなかったのが――この“悪人”なのだろうと。
 ローマンは、静かに総括する。

「だから、自分一人で筋を通すしかなかった。
 大きすぎる賭けに出て、“選ぶ”しかなかった」

 ローマンは語り続ける。
 ――世界とは、選択の連続だ。
 過ちだらけの世界では、尚のこと“選び続けなければならない”。

 それに失敗したのが、ストリートの敗残者たちであり。
 この刑務で散っていった、ハヤト=ミナセであり。
 そしてサリヤ・K・レストマンという、この地に現れた51番目の罪だった。

「そんなヤツにも神は微笑まねえ。
 神なんざ、何処にもいやしない」

 都合のいい奇跡など起こらない。
 誰もが藻掻き続け、惨めに零落していく。
 神は冷淡に、沈黙を繰り返す。
 生きる者達に、神は何も与えやしない。


「本当に、クソ喰らえだ」


 だからこそ、ネイ・ローマンは吐き捨てる。
 この狂った世界の“仕組み”を、忌々しげに唾棄する。
 そして、その怒りの傍らで――彼は思案する。

 ――――サリヤが、本条清彦を隠れ蓑にしてまで。
 ――――この深淵へと、敢えて放り込まれたのだ。
 ――――そこには意味がある。間違いなく。

 彼女は賭けに出て、賭けに負けた。
 世界を相手取り、破壊を成し遂げようとした。
 ならば、此処に“敢えて”潜り込んだことにも意味があるのではないか。
 科学者であるサリヤが身を投じるだけの“何か”が確実に存在するのではないか。


「……私も、あの子も」


 静寂の中で、思案に耽っていたローマンに対し。
 それまで沈黙していたメリリンが、ぽつりと呟き始める。


「きっと、間違えたんだろうね」





『なあ。メカーニカ』

 空になったジョッキ。
 微睡みの中。酩酊の中。
 私へと呼び掛けてくる声。
 親しい男が、私を諌める。

『やめとけよ、こういうのさ』

 薄汚れた小さな酒場。
 使い古された木製のカウンター。
 疎らな喧騒が転がる片隅で。
 私と男は、隣合せに座っていた。

『もう、無理するなよ』

 親しい男は、私を見ていた。
 傍のジョッキを退かして、もう酒を飲むこともせず。
 私を案じるような眼差しを向けていた。
 酒に酔い潰れようとする私を宥めていた。

 その人は、“メルシニカ”の幹部だった。
 組織に入った頃から、それなりに交流があって。
 友人と呼べる程ではなかったけど、付き合いも長くて。
 そんな彼が、遣る瀬無さを抱えながら、私を諫めていた。

『え……』
『あいつのこと、引きずってんだろ』

 泥酔していた私は、思わず呆気に取られて。
 何か言い返そうとして、けれど言葉は出てこなくて。
 その図星の指摘に対して、ただ動揺することしか出来なかった。

『いや……その』
『“心此処にあらず”って感じだよ、お前』

 彼を飲みに誘って、しこたま酒を呷って。
 自分を忘れる勢いで、酔いに呑まれようとして。

 ここ最近、同じようなことを繰り返していた。
 組織の親しい知り合いとかを誘って、一緒に飲んで。
 自暴自棄の勢いで酔い潰れて、たまに一夜を共に過ごしたりして。
 そうやって、憂さ晴らしばかりしていた。

 自分が何をしたいのか、どうしたいのか。
 その形を掴むことも出来ず、心は彷徨い続けていた。
 自分自身を傷つけるように、その場凌ぎの快楽に身を委ねていた。

『……だって、』
『メカーニカ』

 彼は、そんな私をじっと見つめる。
 私がなんでそんなことをするのか。
 私が何を思って自分を傷つけるのか。
 その意味を、彼からは見抜かれていた。

『俺は歌えねえぞ。ボブ・マーリー』

 気が付けば、サリヤを失ってから。
 もう一月の時が過ぎていた。





「あの子はね。欲しかったんだと思う」

 ぽつりと、メリリンは呟く。
 残骸へと成り果てた“親友”を見下ろして。
 遣る瀬なさを抱えて、言葉を紡ぐ。

「ほんとうの“家族”ってものを」

 メリリンが与えられなかったもの。
 サリヤが求められなかったもの。
 ――“家族”という言葉は、二人の胸に突き刺さっていた。

 あの男のことを、メリリンは振り返る。
 “多重人格超力犯”――本条清彦。
 家族を求め、家族を得ようとする殺人鬼。

 当初のメリリンにとっては、サリヤの仇でしかなかった。
 サリヤの命を騙る、異形の怪物でしかなかった。
 けれど、今となっては。

「あの男が、きっと一つの形を与えていた」

 たとえ偽りだとしても、歪だとしても。
 彼はきっと、サリヤの“家族”になっていたのだろう。
 だからこそ彼女は、本条清彦と共に在り続けていた。
 きっとそこには――思惑や目的以上の何かがあった。

 メリリンは、半ば直感のようにそれを悟る。
 そして彼女との思い出を、再び振り返る。

 未練を抱えて、友情を忘れられなくて。
 それでも取り返しが付かなくて、割り切ることしかできなくて。
 思い出を手放して、今を受け入れるしかなくて――。

 サリヤを失った日から、メリリンの心は宙に浮いたままだった。
 屈折と悲嘆に絡め取られたまま、茫然と歩んでいくしかなかった。

「あの子の手を掴めなかった。
 あの子に言ってあげられなかった」

 あの酒場。最後のやりとりを交わした、あの瞬間。
 あのとき、何かを言っていれば。
 あのとき、何かを伝えていれば。
 あのとき、共に歩み寄っていれば。


「私たちは“家族”だ、って」


 私たちの結末は、変わっていたのだろうか。
 そんな可能性に、メリリンは思いを馳せる。
 言葉すら与えられずに踏みとどまり、メリリンはサリヤを失った。

「……あの子も、一人で歩むことを選んだ。
 一人で全部背負って、この結末になった」

 ――流れ星のアクセサリー。
 サリヤに渡したプレゼントを、彼女は今も身につけていた。
 サリヤは今もメリリンとの繋がりを手放していなかった。
 そのことが、ひどく遣る瀬無くて。胸を締め付けられる思いに駆られて。

 そんな未練の形を抱いていたのに。
 サリヤもまた、メリリンに手を伸ばさなくて。
 共に歩んでいく道を、自ら拒んでしまった。
 そうして二人は、家族としての未来を失った。 

 矜持も平穏も捨てて、深淵まで堕ちた。
 此処が終着点であり、始発点である。
 あの中庭で、サリヤはメリリンにそう告げた。

 振り返ることは、今まで奪ってきた全てへの冒涜となる。
 引き返すことは、この道を選んだ自分には許されない。
 そうしてサリヤは、罪を背負う孤独へと突き進んでいった。

 ――自分一人で筋を通すしかなかった。
 ――大きすぎる賭けに出て、“選ぶ”しかなかった。

 先ほどローマンの言った言葉が、脳裏をよぎる。
 サリヤは、自らの悪に対する筋を通すしかなかった。
 だからこそ、たった一人で“選択”するしかなかったのだ。

「私達は、最後まで通い合えなくて。
 通い合う機会すら失って、全部取りこぼした」

 そうして二人は、メリリンとサリヤは。
 分かり合うことも出来ず、全てを失った。
 引き返すことも、手を取り合うことも出来ず。
 無情な結末によって、物語に終止符が打たれた。

 引き止められず。通じ合えず。
 分かり合えず。また寄り合うことも叶わず。
 自分達の選択の失敗――その結末を突きつけられる。

「きっと、それが……」

 それこそが、彼女たちの罪であり。

「私達(メルシニカ)に与えられた、罰だから」

 それこそが、下された罰であると。
 ――メリリンは、悟っていた。

 彼女の胸には、風穴が開く。
 一発の弾丸に穿たれた、癒えぬ傷跡が。
 致命の弾痕が、心に刻み込まれる。
 消える日は決して訪れない、罪の形。
 後悔と苦悩は、いつまでも纏わり続ける。


 だが、それでも。
 それでも、メリリンは。
 ここで屈することを拒む。


 ――――“契約……したでしょ、メリリン”。
 ――――“私もちゃんと付き合うよ、あんたの依頼に”。

 あのとき、自分の手を取ってくれた悪党がいた。
 親友に終止符を打つ。親友を終わらせる。
 その依頼を引き受け、共に歩んでくれた少女がいた。

 かつてのメリリンには出来なかった。
 でも、ジェーン・マッドハッターは手を差し伸べた。
 彼女は、この地の底で得たひとりの友人は。
 最期までメリリンと共に居続けていてくれた。

 メリリンは、ふたりの親友を失った。
 サリヤ・K・レストマンと
 ジェーン・マッドハッターだった。

 そして今、彼女の傍には――。
 運命を切り開く力を持つ、一人の青年がいる。
 運命を奪うことを約束した、一人のギャングスターがいる。

 それが、今の彼女に遺されたよすが。
 それこそが、今の彼女の道しるべ。

 だからメリリンは、立ち上がる。

「――――ネイ」

 振り返って、ネイ・ローマンへと視線を合わせる。

「罪への贖いが、また歩き出す為にあるというのなら」

 メリリンとローマンの視線が、交錯する。
 毅然とした眼差しが、互いを捉える。

「私が選ぶことになるのも、きっと必然なんだと思う」

 ローマンは、無言のまま聞き届けていた。
 喪失を経たメリリンの決意を、見届けていた。
 静謐な表情のまま、彼女を見据えていた。


「だったら」


 そうして、一呼吸を置き。
 メリリンの瞳が、真っ直ぐにローマンを射抜く。
 強い意志と覚悟を、胸に携えて。
 彼女は、自らの言葉を吐き出す。


「腹括ってやる」


 ――そして、メリリンが。
 ――ローマンの胸倉を掴んだ。
 ――その瞳に、静かな決意を宿しながら。
 ――か細い右腕に、精一杯の力を込めた。





『――――ばん』


 私の心を、撃ち抜いた女がいた。
 あの女は、指先の銃口を向けて。
 私の脳天へと、静かに突き付けて。
 どこか切なげに、微笑んでいた。

 “I shot the sheriff”――――。
 あの女が、歌を口ずさむ。
 酒場で何度も聴いた、あの曲を。
 彼女が愛していた、古き歌手の旋律を。

 この歌を紡げる女は、きっと他にいない。
 この先、誰と心を通わせようとも。
 あの歌を愛する女とは、きっと二度と出会えない。

 私の親友。私の相棒。
 そして、私の半身だった。

 けれど、手を繋げなかった。
 手を差し伸べられなかった。
 思いをぶつけられなかった。
 本音を打ち明けられなかった。

 だから私達は、平行線を辿って。
 再び結びつくことも出来ず、終わってしまった。

 どこで間違えたんだろう。
 どうすれば良かったんだろう。
 答えは返ってこない。
 神は語り掛けてくれない。

 ただ失敗と挫折が、目の前に横たわる。
 それだけが、私達に与えられた答え。

 喪失。後悔。失恋。
 あるいは、癒えぬ痛み。
 私の胸に、深く、深く――。
 銃痕のように、刻み込まれている。

 致命の一撃(キルショット)。
 この傷は、きっと生涯消えない。 

 だから、私も。
 指先を、銃の形に構えて。


『ばん』


 あの子の頭に、撃ち返してやった。
 ――最後の一撃(ラブコール)を。
 地獄に堕ちても、私を忘れられないように。
 永遠の傷跡を、彼女にも刻み付けるために。





 ――その瞬間。
 世界は静止した。

 熱が、重なっていた。
 温もりが、触れ合っていた。
 体温と吐息が、絡み合っていた。

 ほんの一瞬。ほんの数秒。
 ほんの僅かな、刹那の合間。
 時間が止まったような感覚が訪れた。

 沈黙が、風のように吹き抜ける。
 静寂が、雨のように滴り落ちる。
 無音の世界で、二人が交錯する。

 ローマンは、目を見開いていた。
 意表を突かれたように、動揺を見せた。
 ――何が起きたのか。
 そのことを理解するまで、コンマ数秒ほど。

 眼前に迫るのは、仄かな暖かさ。
 褐色の肌と、凛とした眼差し。
 連れ添っていた女が、そこにいる。
 その時、ローマンは悟った。

 メリリンが、唇を重ねてきたのだと。
 彼女に、口付けを交わされたのだと。
 ローマンは、気付かされた。

 胸倉を掴んで、強引に顔を近付けさせて。
 そのままメリリンが、ローマンの唇を奪ったのだ。

 数秒。たったの数秒間。
 その時間が、永遠のように流れて。
 やがてメリリンが、ローマンから顔を離す。

 はぁっ、と息継ぎをするように呼吸をしながら。
 メリリンは乱れた息を整えて、口を開く。

「私は、あの子達を置いていかない」

 メリリンは、ローマンを見据えていた。
 確固たる意志を秘めた眼差しを、向けていた。

「ジェーンもサリヤも、私は振り返る」

 決して、置いていかない。
 付いていけなかった誰かも、また掴み取る。
 この胸に刻み込んで、絶対に忘れやしない。

「“家族”が生きた証を、私が紡いでいく」

 せめて、“家族”で居られるために。
 生前に果たせなかったことを、繋ぎ止める為に。
 その左手には、サリヤの耳飾り――“流れ星のアクセサリー”が握られていた。

「それが私の……“悪党”としての生き方」

 メリリンは、己の決意を示す。
 この地の底に堕ちた、悪童であるからこそ。
 貪欲であることに、堂々と胸を張る。

「ネイ。私をものにするんでしょ」

 だからこそ。
 メリリンは、ローマンを見つめる。

「私はサリヤ達を連れて、生きていく」

 傲岸不遜なるギャングスターへと。
 己の意志を叩きつける。

「だから、あんたは――――」

 先程のキスが、自らの決意の表明であると。
 お前に命を懸ける証であると。
 彼女は、毅然と訴えかける。

「私を連れて、生きろよ」

 ――私は、家族を絶対に置いていかない。
 ――だからお前も、私を置いていくなよ、と。
 メリリンは、揺るぎない“誓いの言葉”を継げた。

 それは、若きギャングスターの魂を撃ち抜く。
 ひとりの女が放った、“致命の一撃”だった。

「――――…………」

 唖然とした表情で、ローマンは言葉を失う。
 まるで年相応の少年のように、目を見開き。
 ただ無言のままに、メリリンを見つめる。

 メリリンは、決して目を逸らさなかった。
 断らせるつもりなんか無いと、その瞳が訴えていた。
 二人は、沈黙の渦中で視線を交錯させる。

 言葉を失う、ひとりの悪童と。
 悠然と構える、ひとりの女が。
 この地の底で、向かい合う。

 視線。表情。体温。意思――。
 五感の全てを絡ませるように。
 二人はただ、じっと見つめ合う。
 そんな沈黙が、永遠に続くと思われた矢先。

 ローマンが、ふっと微笑んだ。
 突きつけられた意志に、観念したように。
 あるいは、彼女からの想いを受け止めるように。
 彼は不敵に、何処か穏やかに、口元へと笑みを浮かべていた。

「……本当に、イイ女だよ。お前は」
「当たり前でしょ。ラテンの女なめんな」

 たじろぐように微笑むローマン。
 そんな彼に対し、傲岸に笑い返すメリリン。
 答えは返さずとも、二人の道は既に決まっていた。

 暴力と悪徳の渦巻く、殺戮の舞台。
 その傍らで、鋼の魂が混ざり合う。
 互いの心を絡ませて、二人は結びつく。
 ――誓いの言葉は、果たされたのだ。


「なあ、お二人さんよ」


 そんな二人へと、ふいに語り掛ける声。
 思わずぎょっとするメリリンと、煩わしげに振り向くローマン。

「しけこんでる最中に悪いが――。
 エンディングにゃあ、まだ気が早いぜ?」

 そこに佇んでいたのは、全身を鉄鋼の武装で固めた怪人。
 ジョニー・ハイドアウト。凄腕の便利屋にして、鉄の騎士だった。
 二人の逢瀬を揶揄うように、彼は軽口を叩く。

「ハッ。アンタなら分かるだろ、鉄の騎士」 

 微かに顔を赤らめるメリリンに対し、ローマンは不敵に言葉を返す。

「女がてめえの進む道に腹括ってみせたんだ。
 その決意を後回しにする男なんざ、クソ喰らえだろ」
「……ごもっともだな、ギャングスターさんよ。
 まっ、少しばかり休憩も取れた。結果オーライって訳だ」

 お前は粋を理解できない男じゃないだろ、と。
 ローマンはジョニーに対し、言外に伝える。
 そんな彼に対し、ジョニーは思わず肩を揺らして苦笑した。
 女の決意を、男が尊重する――成る程、当然の理屈だ。

 ジョニーにとっては、何よりも否定できない矜持だった。
 彼の脳裏に、彼女の姿がよぎっていた。
 この刑務で、自らの信念を貫き通そうとした“怪盗”――。
 彼女の依頼を貫き通すジョニーは、ローマンに理解を示す他なかった。

「にしても大胆だなお前ら。見せつけてたのか?」
「大胆で結構だろ。ラテンの女を甘く見ちゃならねえよ」

 キスの時から眺めていたことをさりげなく伝えつつ。
 ばつが悪そうなメリリンを庇うように、ローマンが言い放つ。

 ――軽口を叩き合う姿を見て、少しばかり緊張が解けたような気がした。
 メリリンは、ジョニーという男の在り方を察する。
 気さくな態度で場の潤滑油となり、誰かの人情を立てるムードメーカー。
 第二回放送直後の中庭においても、彼はメルシニカの関係を尊重してくれたのだ。
 そんな彼に対し、メリリンは心中で感謝を抱く。

「ま、そっちが無事に片付いたのは何よりだな――」

 そして、ジョニーが改めてローマンとメリリンを見据える。
 分かっているよな、と。二人に対して目線で訴えかける。
 そう、今はあくまでハーフタイムに過ぎない。
 未だ状況は動き続けている。これ以上の長居は出来ない。
 そのことを伝えるように、ジョニーは告げる。


「これから動くぜ。気ぃ引き締めな」




 ネイ・ローマンはエンダ達に“治療キット”を分配していた。
 ポイント未保有のメリリンに有事の備えも兼ねてサリヤの刑期ptを回収させ、物資を購入させたのだ。

 ルーサー・キングとの敵対関係にある“ヤマオリの巫女”は、自分を可能な限り生かしたがるとローマンは理解していた。
 故にこちらへ危害を加える可能性は低いと判断し、ローマンもまた対キングを見越してエンダに利用価値を見出していた。

 神を嫌うローマンにとって、“ヤマオリ・カルト”もまた忌み嫌う対象ではあったが。
 少なくとも損得と打算を解せぬほど、彼は決して愚かではなかった。

 メリリンが確保した“治療キット”の分配によって、先の戦闘で最前線に立ち続けた同盟者――只野仁成を回復させる。
 そうした形でローマンとエンダは遣り取りを済ませた。
 ジョニー・ハイドアウトが調停役に回っている以上、現状での裏切りの可能性も低いとローマンは判断した。

 キングという巨悪の存在は、否応なしに受刑者同士の利害関係を促す。
 ネイ・ローマンとエンダ・Y・カクレヤマは、そうして“背後を警戒し合う関係”を回避した。
 結果として彼らは、中庭で一時的に傷を癒す猶予を与えられた。

「……あの、エンダさん。仁成さん」

 中庭で傷を癒した仁成達が、再び行動を始めようとした矢先。
 ひとり物思いに耽っていた安理が、ふいに問いかけた。

「どうした。アンリくん」
「先程の戦いで一緒にいた、あの銀髪の男の人――」

 反応を示す仁成に対して、安理は言葉を続ける。

「あの人が、ネイ・ローマンなんですか?」

 安理のその一言に対し、仁成は少しだけ驚いたような反応を示した。
 恐らくはストリートの跳梁とは無縁である彼が、思わぬ名前に関心を示したからだ。
 接点の見られなかった言及を前に、仁成は意外そうに安理を見つめる。

「そうだね」

 そんな安理に対し、エンダは代わりに答える。
 欧州の情勢については、仁成よりも彼女の方が精通していた。

「欧州のネイティブ・ギャングにおいて――」

 故に彼が何者であるのかも、当然知っている。
 欧州最悪の犯罪組織、キングス・デイ。
 その反抗勢力の筆頭とされる、新時代の悪党。
 そうした経歴故に、エンダも利害関係の余地を見出した男。

「スプリング・ローズと並び、“最強”と謳われた悪童だ」

 欧州最強格のストリート・ギャング。
 その名は、この地の底においても轟いている。
 そして杏理は、エンダの言葉を咀嚼して――。
 その場で静かに、物思いへと耽った。

 ――――ネイ・ローマン。
 その名と肩書は、イグナシオから既に聞いていた。

 安理にひとつの道を指し示したギャング、スプリング・ローズ。
 彼女と覇を競い合い、幾度も争ったとされる悪童。
 この刑務において、ある意味で誰よりもローズとの接点を持つ人物。

 安理は、彼への関心を抱いていた。
 そして機会があれば、彼と話したいと思っていた。

 何を得たいのか。何を知りたいのか――。
 そのことは、安理自身にもまだ咀嚼し切れていない。
 話したところで、何の意味もないのかもしれない。

 それでも、あのローズとの繋がりを持つローマンと。
 安理はいずれ、向き合いたいと考えていた。

 安理の胸中にのしかかる感情。
 それは、ローマンのことだけではない。

 生涯で初めて経験した、熾烈なる死闘。
 それを生き延びた奇跡を噛み締めながら。
 彼の表情には、微かな陰が浮かんでいた。
 後ろめたさにも似た、複雑な感情――。

「……アンリくん」

 それを察するように、仁成が呼びかける。

「サリヤ・K・レストマンのことか」

 自らの思いを見抜かれて、安理はハッとしたように顔を上げる。
 彼の脳裏に、つい先刻のエンダの言葉もよぎる。

 ――此処で君がサリヤの為に死んでも、あの女が助かるだけだ。
 ――君はもっと沢山の人を救える。あんな女の為に死ぬ必要なんて無い。

 あの場で散っていった、サリヤと呼ばれた女。
 彼女が何者であり、何を目的としていたのか。
 その全容は、安理には分からなかったけれど。
 それでもあの時、彼はエンダの言葉を飲み込んでしまった。

 エンダの言うことは、きっと正しいのだろう。
 彼女は悪人であり、この地獄に堕ちるような人間であり。
 けれど、それでも――安理は容易く割り切ることなど出来なかった。
 メリリンと呼ばれた受刑者。彼女にとって深い縁のある人物であることは、安理にも読み取れた。

 ――彼女が犠牲になるのも、やむを得ない。
 そうした判断を“受け入れてしまった”こと。
 それが安理の心に、確かな陰を落としていたのだ。

「これから先も、犠牲を越えることは増えるだろう。
 厳しい選択を迫られる場面も、きっと訪れる」

 だからこそ、仁成は静かに彼を諭す。
 この地の底、世界の果ての闘争。
 血で血を拭う戦いの中で、幾度も選択を迫られるだろう。
 今回のような事態も、きっと何度も訪れる。

「それは覚悟していてほしい。
 同時に……忘れないでほしい」

 その上で、仁成は言葉を続ける。
 そんな彼を、エンダは神妙な面持ちで見つめていた。

「誰かの過ちを知ること、痛みを知ること。
 誰かの罪に寄り添い、理解しようとすること。
 この間違った世界で、それは何よりも尊ぶべき意志だ」

 仁成は、真っ直ぐに伝える。
 目の前の青年へと、確固たる意思で告げる。
 君の想いは、間違っていないのだと。

「――胸を張ってもいい。君は立派だ」

 その激励を、前にして。
 安理は、目を丸くして。
 心の陰が、少しでも晴れるような感覚を抱いて。

 そして彼は、静かに瞼を細めた。
 仁成へと、ゆっくりと頭を下げて。
 自らの感謝を、無言のままに伝えた。




【E-5/ブラックペンタゴン エントランスホール/一日目・夕方】
【メリリン・"メカーニカ"・ミリアン】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(小)、薄黄色のボイラースーツ、帽子とゴーグル
[道具]:デジタルウォッチ、フルプレートアーマー、銀鈴・宮本麻衣・ドンの首輪(使用済み)、ジェーンの首輪(未使用)、工場エリアで集めた機材、グロック19(装弾数22/22)、デイパック(手榴弾×2、催涙弾×2、食料一食分)、流れ星のアクセサリー(R)
[恩赦P]:50pt(サリヤの首輪:+100pt 治療キット:-50pt)
[方針]
基本.ローマンと共に、生き延びる。
1.ブラックペンタゴンを脱出する。
2.可能であれば被験体の首輪を解析する。
※ドミニカと知っている刑務者について情報を交換しました。
※ジェーンの首輪を手作業で解析中です。
 首輪にはシステムAが仕込まれていると見られ、メリリンの超力だけでは解体できないようです。

※サリヤ・K・レストマンの遺体から「流れ星のアクセサリー(R)」を中心とする物資を回収しました。
※流れ星のアクセサリー(R)に吸収されていた大金卸樹魂の超力は消滅しました。

【ネイ・ローマン】
[状態]:全身にダメージ(大) 、治療キットで処置済み、疲労(中)、右腕肘から先欠損
[道具]:デイパック(幾つかの食糧と酒)、鋼鉄の義手(メリリン作成)・破損→応急処置で修復)
[恩赦P]:99pt
[方針]
基本.やりたいようにやる。
1. ブラックペンタゴンを脱出する。
2. ルーサー・キングを殺す。
3. オレに落とし前をつけさせるんじゃなかったのか。何くたばってんだよ、ハヤト=ミナセ。
※ルメス=ヘインヴェラート、ジョニー・ハイドアウトと情報交換しました。
※サリヤ・"キルショット"・レストマンから超力の第二段階(プレシード)について知らされました。
※超力の第二段階(プレシード)へ到達しました。
 衝撃波の出力が向上し、無効化を始めとする防御や干渉を貫通する“Liberty or Death”を使用可能になりました。

【ジョニー・ハイドアウト】
[状態]:疲労、(大)、破損(大、鉄屑を吸収して幾らか回復)、ヤマオリ、永遠
[道具]:デイパック
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.受けた依頼は必ず果たす
1.東口から突入する(?)エンダとは出来る限り距離を取る
2.怪盗(チェシャキャット)の依頼を果たす。
3.夜上神一郎への強い不信感と敵意。
※ネイ・ローマンと情報交換しました。
※ルメス・ヘインヴェラートが掴んだ情報を全て伝えられています
※ヤマオリの遺物を取り込みました、永遠が付与されています
※右腕には脇差、剣ナタ、サバイバルナイフ、スレッジハンマーが取り込まれています
※左腕の銃器の弾数はグレネード(0発)、ハンドガン(5発)、アサルトライフル(20発)、スナイパーライフル(0発)

【只野 仁成】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、右足首と左足にダメージ(中)、いずれも応急処置済み、服の全面が溶けている、強い覚悟
[道具]:デジタルウォッチ、図書室の本数冊、紗奈のシステムAの手錠
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.生き残り、家族の安否を確かめたい。
1.協力してブラックペンタゴンの脱出を目指す。今のところはまだ、殺し合いに乗るつもりはない。
2.エンダに協力して脱出手段を探す。
3.ルーサー・キングとギャル・ギュネス・ギョローレンには警戒する。
4.生き延びて、エルビスの事をダリアに伝える。
※エンダが自分と似た境遇にいることを知りました。
※ヤミナの超力の影響を受け、彼女を侮っています。
※ルクレツィアの超力譲渡によって骨折がおおむね治癒しています。

【エンダ・Y・カクレヤマ】
[状態]:ダメージ(微小) 疲労(中)
[道具]:デジタルウォッチ、探偵風衣装、ドンのデジタルウォッチ、図書室の本数冊、治療キット(残量半分)
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本.脱出し、『エンダの願い』を果たす。
1.囚人共は勝手に殺し合っていればいいが、ブラックペンタゴン脱出までは協力する
2.仁成と共に首輪やケンザキ係官を無力化するための準備を整える。
3.ヤミナ・ハイドは、まあいいか。
4.今の世界も『ヤマオリ』も本当にどうしようもないな……。
5.“エンダ”を殺そうとしていたルーサー・キングを殺す。ローマンは出来れば利用したい。
※エンダの超力は対象への〝恨み〟によって強化されます。
※エンダの肉体は既に死亡しており、カクレヤマの土地神の魂が宿っています。この状態でもう一度死亡した場合、カクレヤマの魂も消滅します。
※黒靄による超力干渉でエルビスの腐敗毒をある程度遮断できます。
ただし〝恨み〟による強化が発揮しない限り、完全な無効化は出来ないようです。

【北鈴 安理】
[状態]:上半身インナー姿、右腕に打撲、疲労(中)、気疲れ(中)、脳への負担(中)、手足に呪いの浸食(小)
[道具]:デジタルウォッチ
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本:自分の罪滅ぼしになる行動がしたい。自分なりに、調査を進め弱い人を助ける探偵として動きたい。
1.自分の意思で、この刑務作業の真実を知りたい。
2.バルタザールがまだ破壊の限りを尽くすようなら、被害をできるだけ抑えたい。
3.無実の人をボクが救えるというのなら……。
4.もしも機会があれば、ネイ・ローマンと話がしたい。
※イグナシオの過去、大金卸とのあらましについて断片的に知りました。少なくとも回想で書かれた全てを聞いているわけではありません。
 まだ聞いていない部分について、今後間違った妄想や考察をする可能性もあります。

※超力が変化し、常時発動型の竜人となりました。
 氷龍と比べ冷気の攻撃性能が著しく落ちる代わりに、安定した身体能力の向上を獲得しました。
※他人の記憶を追体験する力を得ました。
 追体験出来るのは自身と直接会話をした事がある人物に限られます。
 記憶の中では五感全てが再現されるため脳への負担が大きく、無茶な使用は精神の崩壊に繋がります。
 また、記憶の持ち主が死亡する場面まで追体験を続けた場合、安理自身も廃人となります。


[共通備考]
※136話「The Beautiful People」から殆ど時間は経過していません。
※エントランス組がこれからどのように動くか、
 また施設内外の状況にどこまで気づいているかは後のリレーにお任せします。


136.The Beautiful People 投下順で読む 138.オーシャンアイズ・ラビットアイズ
135.アイドルマスター 時系列順で読む
The Beautiful People 北鈴 安理 REMATCH
ジョニー・ハイドアウト
只野 仁成
エンダ・Y・カクレヤマ
メリリン・"メカーニカ"・ミリアン
ネイ・ローマン

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最終更新:2025年12月18日 20:59