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  • 死闘の果てに

オリロワVRC @ ウィキ

死闘の果てに

最終更新:2024年01月16日 07:05

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「――――――――――――ッッッ!!!!!」

言葉にならない唸り声をあげてドスドスと巨体を揺らしながら歩く男がいた。
彼の名はエクスキューショナー。
主催者によって参加者を皆殺しにする役割を与えられた彼は
ただただ獲物を求めて雪道を彷徨っていた。

『殺せ!!』 『殺せ!!』 『壊せ!!』 『殺せ!!』 『殺せ!!』 『壊せ!!』 『殺せ!!』 『壊せ!!』 『殺せ!!』

彼の脳内ではまるで耳鳴りのように殺戮及び破壊衝動が渦巻いていた。
この欲求を解消するには誰かをバラバラに斬り刻まなければ収まらない。

(女だ!!それに子供でもいい!!柔らかい肉を切断したい!!)

先程戦った男でも構わないが、一番切りたいのは若い女、子供の肉だ。
この会場ではそれらが多数参加しているのは既に認知している。

(今すぐ女を細切れに切り刻みたい!!ミンチになるまで叩き潰したい!!)

参加者を惨殺したい衝動を募らせ、エクスキューショナーの歩く速度が徐々に速まる。

『早く、早く、早く、早く、早く、早く、殺させろ!!俺の前に現れろ!!』

ズダ袋の中で彼の目は血走り、息を荒げ、唾液を垂れ流す。
死刑執行人(エクスキューショナー)は進み続ける。
狂気を孕んだ欲求だけが彼を突き動かしている。


◆


そして二人は出会った。
一面銀世界の雪原エリアで二人は出会ってしまった。

(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すッッッ!!!!!!)

嘆きを、悲鳴を、殺戮を求め、狂気のままに剣を振るうエクスキューショナーと

(語る必要も無い。一目見ただけでわかる。この男は……強者だ)

闘争を求め、命を賭けた勝負を至上の快楽とする人格破綻者レオンハート。
互いの目的は違えど自ら望んで殺し合いに身を投じる二人が出会った。

「ーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」

エクスキューショナーは唸り声を上げ、怒り狂う。
彼が殺したいのは柔らかな肉質の女、子供であって
筋肉質で頑丈な肉体の獣人ではない。
望みが一向に果たされないエクスキューショナーの不満はひたすら膨れ上がるのみだ。

(これだ……視線だけで俺を射殺さんとする殺意、これこそ俺が求めていた相手だッ!!)

そんなエクスキューショナーとは裏腹にレオンハートの心は歓喜の感情で打ち震えていた。
圧倒的な戦闘力を誇る強者が己の命を奪おうとしている。
もはや声をかける必要すらない。
戦いの火蓋は既に切って落とされているのだ。

(さぁ見せてくれ、俺に全力の殺意をぶつけてみろ!!その全てを俺が飲み干してやるぞッ!!)

レオンハートは抑えようのない興奮を滲ませながらエクスキューショナーを見つめる。
彼の表情は真剣そのものだが、これから繰り広げられる闘争に気が高ぶっているせいもあり
意図せずして彼の口元はニヤついていた、

(嗤いやがった!!!!こいつ、俺を見て嗤いやがったァァァァああああ!!!!)

その笑みは己を馬鹿にしている意味だと思い込んだエクスキューショナーの憎しみは更に増幅する。

(俺を虚仮にした事を後悔させてやる!!まずはそのふざけた笑みを消し飛ばしてやるッ!!)

エクスキューショナーの創造武具『CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY.』
3mの長さを持つ、この巨大な処刑刀は100Kgもある重量武器である。
更に彼の意志次第で重量は更に増大する。

怒り狂ったエクスキューショナーは処刑刀の重量を更に増すと
全力を駆使し、フルスイングで叩きつけるように処刑刀をレオンハートの頭上目掛けて振り下ろした。

「ッッ!!」

凄まじい衝撃が雪の大地を揺らす。
レオンハートは上半身を限界まで反らす事でギリギリ回避することが出来たが、
処刑刀の先端は地面に深々と突き刺さり、その周辺をクレーター状に陥没させた。

(想像以上の馬鹿力だ……躱さなければ一撃で死んでいた)

見た目からしてパワーキャラなのは理解していた。
だがここまで規格外に攻撃力の高い参加者がいるとは、まるでゲームバランスを投げ捨てているかのようだ。
例えるならこいつはレイドボス枠、複数のプレイヤーが協力して戦うのを前提にしてるかのような存在だ。

(だが、それでこそ挑みがいがある。攻略対象が高難易度であればあるほど面白いッ!!)

レオンハートもまた狂人である。
想像を遥かに超えるエクスキューショナーの膂力に驚愕しつつも、彼はこの状況を愉しんでいる。
今度はレオンハートから仕掛ける。
先程出会った男には振るう事無く終わった支給品、ロングソードを鞘から引き抜く。
エクスキューショナーの持つ武器と比べれば小型ながらも
1mほどの長さを持つ両手剣はレオンハートだからこそ片手で軽々と扱える重量武器だ。

「フッ!!」

レオンハートは鋭く息を吐きながらエクスキューショナーに接近する。

「―――ッ!!」

迎撃に振るったエクスキューショナーの横薙ぎの斬撃。
それを姿勢を低くしながら飛び込むことで回避する。

(パワーはある……だが、動きが単調だ!!)

エクスキューショナーのパワーは圧倒的だ。
しかしそれは、言ってしまえばそれだけの事だ。
破壊力が凄まじくとも、ただ力任せに剣を振るうだけでパターンというものが殆ど無い。
レオンハートのような戦闘力の高い戦士にとってその動きは容易く見切れるものだ。

懐に入ったレオンハートはロングソードをエクスキューショナーの胴体に振るう。
エクスキューショナーは回避行動を取ろうとするも間に合わず
右脇腹にロングソードが突き刺さり、その勢いのまま斬り払った。

「グオオォォ!!」

苦悶の声を漏らし、エクスキューショナーは後方に下がる。

(浅い……刃が筋肉に阻まれたな)

確かにロングソードはエクスキューショナーの右脇腹を斬り裂いたが、致命傷には程遠い。
表皮の硬さもさることながら筋肉の鎧で内蔵まで刃が届かなかったのだ。
傷口からは血が滴り落ちている以上、ダメージは確実に入っているが
相手のHPの多さと比べて、こちらが与えたダメージはあまりにも小さい。

「ガアアアァァァッッ!!」

反撃とばかりに処刑刀を振り回すエクスキューショナーだが、怒りに身を任せて雑になった斬撃はレオンハートには当たらない。
やはりパワーだけだと言えよう、技量の無い単調な斬撃を躱すのは容易かった。

(なぜだッ!!なぜ当たらねえッ!!ちょこまかと動きやがってぇぇぇぇエエえええッ!!!)

処刑刀の重量を元に戻し、威力よりも手数で攻めるエクスキューショナーの攻めは
攻撃が当たらない焦りと苛立ちが募り。徐々に隙が多くなっていく。。
パワーは凄まじい、だがその使い方がまるでなっていない。

(避けやすいな……)

雑に振るう剣など脅威ではない。
レオンハートは冷静にエクスキューショナーの攻撃を躱しながらロングソードを振るい続けた。
ロングソードの刀身が徐々に赤く染まる。
エクスキューショナーの猛攻の合間を縫うように斬撃を加えていく。

「…………ッ!!」

動きが雑になったことで更に大振りになってしまい、その隙を突かれてロングソードが右肩に突き刺さる。
エクスキューショナーは歯を食い縛りながら激痛に耐えつつ処刑刀を横に薙ぎ払う。
レオンハートはそれを後ろに下がる事で躱し、再び距離を取った。

(そろそろケリをつけるか)

レオンハートはロングソードを構えながら姿勢を低くし、弾丸の様に飛び出しながらエクスキューショナーへと駆ける。

「ウオオォォッッ!!」

エクスキューショナーは処刑刀を両腕で高く掲げた。
更に重量を数倍に増幅させ、己の全力を持って振り下ろす。
狙う先はレオンハートではない、移動進路となる地面そのものだ。
地べたを砕き、破砕した大地の衝撃でレオンハートを怯ませる。

(砕けろォォォ!!)

轟音と共に砕かれた大地がレオンハートの進む道を塞ぐ。
だがレオンハートは勢いを緩める事なく、それどころか更に加速した。

(無駄だッ!!)

こんなもので俺の攻撃を止められると思うなと吐き捨てながら加速する。
迫りくる土の壁、それはまるで巨大な壁の様だが そんな程度の障害などレオンハートにとって障害物にもならない。
散弾のように降り注ぐ大地の破片を全て回避していく。

一発でも喰らえば致命傷となり得るエクスキューショナーの斬撃。
それを避け続けたレオンハートの集中力は最大に高まっている。
まるで体毛の一本一本に神経が通っているかの如く
研ぎ澄まされた動体視力が全ての動きを読み切る。

(ついに捉えたぜ……必殺の間合いによぉ!!)

そして舞い上がる雪煙の中からレオンハートが出現し
ロングソードによる刺突がエクスキューショナーの胸元へと届く。

「ッッ!?」

広範囲の一撃も躱された挙げ句、レオンハートの刺突を喰らった事実に驚愕するエクスキューショナー。
最大加速で勢いを付けた刺突はズブズブとエクスキューショナーの胸板へ沈んでいく。

「ごぷっ……ぶぎぃ、がァァァ!!」

エクスキューショナーは苦痛に顔を歪め、うめき声を上げる。
これまでのレオンハートの攻撃と比べて明らかにダメージが効いている反応だった。

(この一突きで内臓まで串刺しにするッ!)

ロングソードの刀身の半分がエクスキューショナーの体内へと押し込まれる。
だがまだだ、エクスキューショナーに致命傷を与えるにはまだ足りない。

「はあああああぁぁああッ!!」

獣の咆哮と共に更にロングソードを押し込む。
エクスキューショナーの体を貫通させる為に。

「ぬぅゥゥゥゥッッ!!」
「―――ッ!?」

エクスキューショナーの唸り声が響くと共にロングソードが突如、微動だにさえしなくなった。

(調子に……乗るんじゃねえエエ!!!!)

エクスキューショナーの怒りが筋肉を極限まで硬直させた。
強大で分厚い筋肉の鎧が更に膨れ上がり、ロングソードの剣身をガッチリとホールドする。
剣が抜けなくなったとレオンハートが理解すると同時に死の気配が迫る。
レオンハートは即断でロングソードを手放し後方へ跳躍。
エクスキューショナーから距離を取ると同時に、処刑刀の斬撃がレオンハートの眼前を通り過ぎた。

(ちぃっ!これも避けやがったッ!!)

一瞬の判断だった。
もし剣を引き抜こうとしてその場に留まっていれば、レオンハートは処刑刀の一撃により首を刎ねられていただろう。
結果として攻撃を避けられたが、ロングソードは今や、エクスキューショナーの胸部に挟まったままだ。

(これで俺は武器を失った……いや、まだ残っているな)

レオンハートは地面に伏せて四つん這いの姿勢を取る。
するとレオンハートの肉体に変化が生じた。
顔はライオンで有りながら肉体は人型である獣人のレオンハートが
完全な獣の姿へと変わっていった。

レオンハートには2つの形態がある。

一つは獣人形態。
この形態では獣の身体能力に加え、人型の武器を用いることも可能な戦士タイプとなっている。

そしてもう一つが獣形態。
これは4本足で移動する完全な獅子の姿となり
身体能力は獣人形態よりも高く、特に機動力にかけては格段に増大する。
ただし獣人形態と比べて装備出来る武器、防具は著しく制限される弱点も持っている。

(唯一の装備品であるロングソードを失った今ならこの姿によるデメリットは無い。
 それどころか己の爪と牙を有効活用出来る分、メリットは大きい)

未だレオンハートの心は闘争によって興奮が最高潮に達しているが
それとは真逆に思考は冷静沈着そのものであり、冷静に次の攻撃パターンを弾き出している。
自分の持つ全ての能力を最大まで駆使しなければ討ち倒せない……それがこのエクスキューショナーだ。
しかし、それを心の底では愉しんでいる自分がいるのも事実だった。

(やはり獣はこうでなくてはなッ!!)

闘争本能という野生の感情の赴くままに戦う。
強さ以外の駆け引きなど必要ない。
この殺し合いの中で己の力がどこまで通じるのか、ただただそれが知りたい。

四つん這いの状態のまま、まるで地を這う蛇のような動きでエクスキューショナーに肉薄する。
エクスキューショナーの視界に映るレオンハートの姿は一瞬で消えたように見えただろう。
獣となったレオンハートの速度は今までとは違う。

「ガアアアァァッ!!」

獣の咆哮と共にエクスキューショナーの懐に潜り込み、そして腹部へ向け牙を突き立てた。

「ぐぉおっ!?」

咄嗟のことにエクスキューショナーは対応が遅れた。
だが極限まで硬直した筋肉により、内臓まで到達するほど深く牙が刺さる事は無かった。

(……浅いな)

レオンハートの爪や牙ではエクスキューショナーの筋肉を貫く事は不可能だろう。
だがそれでいい。
内臓には届かなくても皮膚を切り裂けるのは今の一撃で理解した。
ならば己のやることは決まっている。

(ヤツが息絶えるまで皮を一枚一枚剥ぎ取ってやるだけだ)

エクスキューショナーの胸部で依然と突き刺さっているロングソードの剣身からは
血が止まること無く滴り落ちており、ゆっくりではあるが確実にヤツのHPは下がり続けている。
時間をかけて削れば、そのうち命は潰えるだろう。

獣としての本能に理性が支配されている状態であっても、レオンハートの思考は冴え渡っていた。
エクスキューショナーを喰い殺すべく、再び地を這う蛇のような動きで懐へと入り込む。
再びエクスキューショナーの視界からレオンハートが消える、と同時に左足に鋭い痛みが走る。

「ググッ……!」

左足を見るとふくらはぎの一部が消失していた。
姿を現したレオンハートの口元にはふくらはぎの一部が咥えられていた。
レオンハートは嘲笑するような笑みを見せながら、口の中の肉片をぺっと吐き出した。

(貴様ッ!!)

レオンハートの頭上目掛けて処刑刀が振り下ろされる。
再びレオンハートが消え、クレーターだけが出来上がる。
そしてエクスキューショナーの右足に痛みが走り、血がボタボタとこぼれ落ちる。
今度は右の内腿が削られる。

レオンハートはエクスキューショナーの周囲を円を描くように駆けながら、時折襲い掛かって来る斬撃を躱す。

(死ねッ!!死ねッ!!死ねェェッ!!)

エクスキューショナーは何度も何度も処刑刀を振るい、その全ての斬撃が地面を抉り取る。
迫りくる斬撃は全て避けきる。
どこからどう攻撃してくるのかレオンハートは完全に察知している。
エクスキューショナーの腕、足、腰、肩、呼吸、視線。
攻撃を放つ際の肉体のあらゆる箇所からレオンハートへ情報を与えている。
どれぐらいの踏み込みで動き、どれぐらいの腕力で、どの場所に振り下ろすのか。
全てが手に取るように分かる。

(感謝するぞ!大男の戦士よッ!あんたのおかげで俺は更なる高みに目指すことが出来たッ!!)

更に速度が加速した。
一つの判断を誤れば死に直結する極限の中で身を晒し続けた結果。
レオンハートはより速く動け、より速く反応出来るようになった。
今では処刑刀の衝撃で弾け飛ぶ大地の破片一つ一つですら鮮明に捉える事が出来る。

(俺の全力の攻撃、全身で味わってくれよッ!!)

獣の咆哮を上げながらレオンハートはエクスキューショナーの周囲を駆け回る。
爪で引き裂き、牙で噛み千切り、エクスキューショナーの肉体に生傷が付けられていく。

「グガァッ……ガァァァッ!!」

エクスキューショナーは全身に走る痛みに、そして獣如きにここまで翻弄されている事への怒りで限界を迎えていた。
筋肉を硬直させて防御力を上げているのにも関わらず、骨が軋みだし、至る箇所からは血が滲み出している。

(許さぬぞォォォッ!!)

だがエクスキューショナーは退かない、退くわけにはいかない。
この戦いで生き残り、元の世界に戻るために。
まだ俺には殺し損ねた奴がいる。
そいつらを皆殺しにするまで、俺は進み続ける。

(おのれぇぇっ!!)

当たらなくても攻撃を辞めるつもりはない。
例え1%しか当たる可能性が無くても、諦めるわけには行かない。

(いい加減にくたばれぇぇぇっ!!)

遠心力を活かして処刑刀をフルスイングで薙ぎ払う。

シュッ

攻撃と同時のタイミングだった。
オレンジの閃光が右腕を掠めて通り過ぎた。
それが最大加速したレオンハートの姿と気づくよりも速く右腕の動脈から鮮血が吹き出した。

「ッガァァァアァァ!!」

激痛のあまり処刑刀を手放すエクスキューショナー。
フルスイングした際の遠心力によって勢いよく処刑刀が投げ出され
20メートルほどの距離まで離れた所で落下した。
苦悶の声を上げながらエクスキューショナーは右腕を押さえ
投げ出された処刑刀を回収しに歩く。

だが処刑刀を拾うことは出来なかった。
なぜなら処刑刀の直ぐ側には既にレオンハートが待ち構えていたから。

「ぐぅううううううっ!!!」
「拾いたいのか?あいにく俺もあんたに武器を取られたのでな」

獣の姿になっていたレオンハートが獣人の姿へと変化する。
人間の手となったレオンハートは早速、足元にある処刑刀を掴んで持ち上げた。

「ふむ、見た目通り、かなり重い武器だな。だが使えないことは無いな」
「ガァァァァァッ!!」

武器を奪われた怒りで駆け出すエクスキューショナー。
処刑刀を取り戻そうと左腕を伸ばしたその瞬間、レオンハートの斬撃の一閃が走る。
エクスキューショナーの左手は親指だけを残し、他の指は宙を舞った。

「ウガアアアアアアアァァァァァッ!!」

痛みで悲鳴を上げるエクスキューショナー。
しかしレオンハートは攻撃の手を緩めない。

「ロングソードより強い武器だな気に入ったぞ。片手で振り回すのは無理だが、両手でなら俺でも使いこなす事は出来るぜ!!」

両手持ちで振るった処刑刀はエクスキューショナーの右肩をバッサリと斬り裂いた。

「ぐあぁッ!?」

鮮血が飛び散り、エクスキューショナーはバランスを崩す。
そしてレオンハートはがら空きになった右脇腹を処刑刀で斬り裂いた。

「うがぁぁあっ!!」

血しぶきと共にエクスキューショナーの悲鳴が響き渡る。
ロングソードと違い、この処刑刀なら奴の頑丈な肉体を斬り裂く事が出来る。
更にもう一撃、左膝を斬り付ける。

「ガアアァァァッ!!」

エクスキューショナーは痛みでバランスを崩し、転げ回る。
レオンハートは、エクスキューショナーを見下ろしながらゆっくりと近づく。

(俺は……俺はッ!!元の世界に戻るんだァ!!)

這いつくばりながらも距離を取ろうとするエクスキューショナーにレオンハートは処刑刀を振りかざす。
その姿はまるで罪人であるエクスキューショナーを処断する死刑執行人のようだった。

(う、ぐぅぅ……、し、死にたくねえ……死んでたまるかァァッ!!)
「……ッ!?」



その時だった。



それはこの手で難敵を討ち倒せる高揚感からか。



それとも死と隣り合わせの攻防で勝利した事による安堵感からか。



他にも必死に逃げようとするエクスキューショナーの情けない姿を見て、これ以上の闘争は不可能だと判断したからか。



あるいはそれら全てか。


今まであらゆる攻撃を警戒して全て躱してきたレオンハートだったが
結果としてレオンハートは、ここで初めてダメージを負うこととなった。

「うッ!?うあああああああッッ!!?」

両腕に違和感を覚えたのも束の間
一瞬にして両腕の靭帯が引き千切られる。
関節はあらぬ方向へと折れ曲がり
骨は砕け、肉を突き破って飛び出す。

ほんの一瞬にして、レオンハートの両腕は完全に破壊し尽くされる。

(なんだ?武器がいきなり重くなったと思ったら何故?)

原因はレオンハートが使用した処刑刀にあった。
この場から生存しようとしたエクスキューショナーは無意識の内に処刑刀の重量を変化させた。
100kgあった重量は一瞬にして十倍の1000kgとなり
処刑刀を振りかざしていたレオンハートの腕力を超えて、両腕を押し潰した。

「ウオオオオオオオーーーー!!!!」

エクスキューショナーの右手がレオンハートへ迫る。
動体視力の優れるレオンハートからすればスローモーションのようなゆっくりとした動きに見えた。
それを避けようにもレオンハートの両腕は重量を増した処刑刀によって潰され、身動きが取れなかった。

エクスキューショナーの右手がレオンハートの喉を掴んだ。
ゴキリと音を建ててへし折れた。
レオンハートの視界が反転する。

(奴の武器を使ったのが間違いだったか……、最後まで己の五体で時間をかけて削るべきだったか……)

最期にレオンハートが考えるのは死への恐怖でも無く。
残された家族や友の心配でもなく。
殺し合いでどう立ち回るべきだったかを冷静に思考していた。



これで俺の戦いは終わりか。
もっと長く、色んな相手と戦いたかったと思う気持ちは正直に言えばある。
だが、失敗してもやり直しの通じる勝負だったら俺はここまで魂を揺さぶられることはなかった。

死にたく無いなら、いつでも逃げ出せることは出来たんだ。
あの大男はそれほど素早くない。
獣の形態で逃げに徹すれば簡単に離脱することが可能だった。

不利な状況と知りながらも逃げること無く俺は戦った。
コンティニューの存在しないたった一度の挑戦。
失敗すれば全てを失う勝負だから面白いんだ。
その結果の死だ、俺はここで命が尽きても悔いなんて残らない。



(なかなか楽しいゲームだったぞ……)



レオンハート、彼もまた狂人である。
最期の瞬間も彼は満足気に笑っていた。

【レオンハート 死亡】

「うぐうウゥゥぅぅ!!!!」

(こいつ!!また笑っていやがった!!俺を馬鹿にしやがってぇぇぇええ!!)

レオンハートの笑みを最期まで理解出来なかったエクスキューショナーは怒りにその身を震わせる。
だが怒りはすぐ収まり、自らの胸に突き刺さっていたロングソードを引き抜いて雪原へ投げ捨てた。

(今は傷を癒やすことが先決……)

レオンハートとの戦いにより受けたダメージはあまりにも大きすぎた。
この状態では己の求める一方的な惨殺を楽しむことは不可能。
それどころか手負いの状態を狙われ、命を奪われる可能性の方が高いだろう。

(とにかく急いで傷を癒やさなければ!)

治療に必要な道具は持っていたか?
もしかしたら、あの獣が何か所持しているかもしれない。
なんでもいい、この傷を癒せるものが必要だ。

(殺す……皆殺してやる……)

思い通りに殺戮を楽しめない現状の不満に対し、未だ見ぬ他の参加者達に向けるエクスキューショナー。
殺し合いはまだ、始まったばかりである。

【G-2/一日目/黎明】

【エクスキューショナー】
[状態]:疲労(極大)、全身に切り傷(極大)、激しい殺意と憎悪(極大)
[装備]:『CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY.』@創造武具 まもりのゆびわ 
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2~4
[思考・状況]基本方針:皆殺しにして恩赦を得る
1:傷の回復に専念する
2:参加者、特に女子供を惨殺したい
3:T.A.Sを追う
4:マキシムは放置して、他の者を殺させる

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027:知らぬが仏 投下順 029:抱きしめるから、恐れないで
027:知らぬが仏 時系列順 029:抱きしめるから、恐れないで

前話 登場人物 次話
何もないレグルス達 レオンハート GAME OVER
凶人同士理解(わか)りあう エクスキューショナー ゴア・スクリーミング・ショウ
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