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オリロワVRC @ ウィキ

凶人同士理解(わか)りあう

最終更新:2024年01月16日 06:26

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凶人同士理解(わか)りあう


 「何処だ…ここは」

 透明な壁から見える雪原に困惑するマキシム。
 何故か雪原のど真ん中に存在する電話ボックスの中に彼は飛ばされていた。


 ◆


 雪に覆われた地面を踏む度に、積もった雪が軋んで砕ける音がする。
 電話ボックスを出て、歩き出してから10分。周囲の光景に相応しく、大気は冷たく乾いている。
 吸い込む空気は肺を凍らせそうな程にに冷たく、吐く息は瞬く間に白くなる。
 周囲の光景も、とてもVRとは思えない。左側に見える砂浜に寄せては散る波の動きも、青空に浮かぶ、あるかなきかの風に吹かれて流れて行く雲も、現実そのものだ。 
 冷たい空気は、温帯に住む人間ならば鳥肌が立つこと必至だが、ロシアの地で産まれ育ったマキシムこと、ケツアナ・ホルノスキーには、涼風程度にしか感じられない。
 そもそもがこの程度の寒気でどうにかなるなら、警察の追跡をシベリアブリザードの中を突っ切って振り切った時に時に凍死している。

 「何の気無しにやってみたら、こんな事になるとはな」

 逮捕され、裁判を受ければ、確定で死刑。死刑のない国であっても、生涯を塀の内側で過ごす事になる凶悪犯罪者でも、この様な突飛な事態には困惑を隠せない。最初に飛ばされた場所が何故か電話ボックスの中という事もあっては尚更だ

 「まぁ構わんさ。俺以外の全員が死ねば良い」

 至極単純に答えを出したマキシムは、つい先刻に見た顔の中で、覚えているものを思い出す。
 あの中に好みの顔はなかった。殺す前に愉しめるということは無さそうだった。

 「美味そうなやつはいないな。全員見つけ次第殺っちまうってのも…有りか」

 マキシムは警察が把握しているだけで36人の少年を強姦した後で殺害した凶悪犯罪者である。
 殺害した後に、遺体を解体し、千切り、弄んだ十指の感覚を確かめるように、握っては開く。
人を素手で解体することが出来る超握力。壁や天井にイモリのように張り付く事も可能な使い慣れたこの十指が有れば、何が相手でも負けはしない。
 ニタァ~~と笑ったマキシムは、自分を目指して歩いてくる銀髪の男を視認した。

 ────アイツが最初か。

 マキシムもなた、銀髪の男を目指して歩いて行った。


◆


 振りかぶった右腕を、勢いよく振るう。
 続いて左腕を同じ様に振るうと、右脚を思い切り振り上げ、目にも止まらぬ速度で振り下ろす。間髪入れずに左脚を振り上げ、振り下ろす。

 「生身と変わらないな」

 アバターの調子を確認して、T.A.Sは周囲を見回す。右側が海で、残り三方が雪原。当然の様に誰も居ない。
 少し思案したT.A.Sは、適当な方向へと歩き出した。

 T.A.S は、右側に海を、左側に丘を見ながら、雪原を歩いていた。  
 T.A.S は他の者達とは違い、このバトルロワイアルが真正の殺し合いである事を知った上で参加している。
 その為にT.A.S には、恐怖どころか戸惑いすら無い。只々事前に定めた計画通りに行動し、バトルロワイアルに関わった者を総て抹殺するという主命を達成するだけだ。
 先ずは、不意に告げられた『殺し合い』に戸惑い、拒絶する者達を糾合し、首輪の解除と、集団の力で殺し合いに乗った者達を始末を行う。
 元々が殺人は元より暴力沙汰事態と無縁の者達だ。殺し合いに乗る者等少数だろう。もし仮に大半が乗ったとしても、出逢ったばかりで気心も知れない殺人者同士である。連携はおろか連合することすら困難だろう。集団を形成するというのは、この場合に於いて、有効な手段だった。
 そして集団を組んで殺し合いに乗った者達を始末していく過程で、有用な支給品が有れば譲渡させ、個々人のスキルや創造武具、自前の戦闘能力等、更には念の為に現実での名前や身分を把握。主催者を始末した後に一網打尽にする。
 これが、最効率で主命を達成する手段だろう。
 T.A.S が一人で全員を殺す。というのも無論有りではある。それを行うに足る実力をT.A.S は確と持っている。しかし、広い会場内を歩き回って虱潰しに狩っていくというのは効率が悪い。
 T.A.S の受けた命は関わった者全てを抹殺する事ではあるが、別にT.A.S が全てを殺さなければならない訳ではない。
 結果として、T.A.S 以外の全員が死んでしなえば良く、極論すればT.A.S が誰も殺さずとも良いのだ。T.A.S 以外の全てが死ねば良いのだから。

 計画達成の第一段階として、殺し合いに乗らない者と邂逅すべく、移動していたT.A.S は、正面から歩いてくるジャージ姿の大男を認識した。

 ────外れか。

 T.A.S を認識するなり、T.A.S へと向かって走り出した大男に、T.A.S はハズレを引いた事を識る。
 殺し合いに乗っていない者ならば、この様に相手を警戒させる行動には出ないだろうし、此方を警戒する素振りを見せるだろう。
 いきなり駆け寄ってくる。その行為自体が、この場に於いてはある種の敵対行動で有り、そんな行動をとる時点で、殺し合いに乗ったと思うべきだろう。
 T.A.S は止まると、両脚を緩く開いて立ち、腰を少し落として五指を軽く曲げた両手を胸の高さで構える。
 平凡極まりない、何の奇も衒わない立ち姿。だが、見るものが見れば、凡そ隙が無い────どころか、T.A.S の両手両足が形成する制空圏に侵入しただけで、瞬時に撃ち落とされる事を悟るだろう。 
 一流となれる資質の者が、一流の環境で、一流となる為の努力をした。その果ての何の面白みもない順当な結果である。
 然し、それはこの事態に巻き込まれた者達の不運が更に増した。という事実の表れでもあった。
 駆け寄ってきた大男。マキシムもその事を理解したのか、3mの距離を開けて、T.A.S と対峙した。

 (試してから、殺すかどうかを決めるとしよう)

 T.A.Sは胸中で呟いた。


◆


 ────この男…強い。途轍も無くッ!

 T.A.S の構えを見たマキシムの感想はシンプルなものだった。T.A.S は強い。マキシムの記憶に有る誰よりも強い。
 マキシムは何も無力な少年のみに、身に持って産まれた暴を振るっていたわけでは無い。
 その日の糧を得る為に盗みを働いたことがバレて、数人掛で袋叩きにされた事もある。
 殺害した少年がストリート・ギャングのボスの愛人だった為に、百人以上の武装したストリート・ギャングに追い回された事もある。
 金銭を得る為に、地下格闘技に出場してそこの王者と血みどろの殺し合いをした事もある。
 凡そ暴力に彩られた人生を過ごし、暴力に浸って生きてきたきたマキシムは、その人生で積み重ねた経験と、鍛え抜かれた勘とで、T.A.S が脅威であると認識した。

 T.A.S に対し、マキシムの身体が無意識のうちに構えを取る。
 体重を乗せた右足を後ろに、爪先を立てた左足を前に、両手は拳を握って頭上に構える。
 磨き抜かれた暴性と蓄積した経験とが、意識せずにマキシムに取らせた構えは、ムエタイと呼ばれる格技のそれに、酷似していた。


◆


 無言で対峙した両者は、傍目には判らないほどに緩慢な動きで距離を縮めていく。
 間合いも肉体の攻防能力も、体格に勝るマキシムが有利。技術においてはT.A.S が遥かに上だろうが、技術が勝敗を決するのは、体格が近い場合だけだ。
 T.A.S とマキシムの体格差は、ボクシングの階級で例えるならば、四階級以上マキシムの方が上回る。
 技術が勝敗に影響する為には、マキシムが技巧に於いて素人同然か、T.A.S の技術が人の域を冠絶する────少なくとも極峰の域に有るかのどちらかの場合だけだろう。
 マキシムの間合いにT.A.Sが入る────。

 「シッ!」

 短く息を吐いてマキシムがローキックを放つ。素人が食らえば、脚の骨が折れそうな蹴りを、T.A.Sは僅かに後ろに下がって回復。続く右ストレートを左腕で捌き、右ストレートが変化した右肘撃ちを、これもまた後ろに下がって回避する。

 「オオッ!」

 マキシムの両手足を使った多角的なコンビネーション。その全てをT.A.Sは捌き、回避していく。
 兎に角マキシムの攻撃を受け止めない。それがT.A.Sの方針だった。体格で劣る以上、攻撃を受けるのは愚策。ヘビー級の左ジャブはライトヘビー級の右ストレートに匹敵するという。T.A.Sが例え完璧にガードしたとしても、受ければダメージは必至。ダメージを負わなくとも、加速の乗った重量により、T.A.Sの姿勢は大きく崩れ、致命の隙を晒すだろう。
 攻撃を受ける事は、徹底して避ける必要があった。  
 マキシムとて永遠に攻撃し続けられる訳では無い。回避を続けていれば、呼吸は乱れ、筋肉に疲労が蓄積する。何よりも攻め続けて有効打を与えられない事による焦燥と精神的疲労で集中力が切れる。
 そうしてマキシムの動きが鈍り、 意識が散漫になった時こそが、T.A.Sがマキシムを仕留めに行く時だった。
 三分は、マキシムの攻勢が続いた後、T.A.Sは繰り出されたマキシムの右拳の戻しが僅かに遅いことに気づく。
 続く右肘も僅かに振り抜くのが遅い。
 念の為に、更に右の裏拳を回避。マキシムの息が上がっている事を感知。
 勝機と見たT.A.Sは、マキシムの右前蹴りを後ろに下がって外すと、両手でマキシムの右脚を絡めとりにゆく。狙うのはヒールホールド。ヒール(踵)と付いてはいるが、実際は膝を破壊する関節技(サブミッション)である。
 一捻りで膝を破壊してマキシムを仕留める腹積りだった。

 ────!?

 T.A.Sが捉えに行ったマキシムの右脚が瞬時に地へと踏み下ろされ、踏み下ろした右足で地を踏み込んで、組みつきにいくマキシム。
 地下格闘技の王者がマキシムに用いたフェイントだ。これでマキシムに組みついた王者は、マキシムの握力で頸動脈を千切られて死んだが、
 ただ掴む。マキシムの超握力ならば、それだけで勝敗を決する損壊を人体に齎す事が出来る。
 マキシムの勝ち筋は単純に掴む事。相手の肉体のどこでも良い。指をかけることさえ出来れば勝てる。
 両手を伸ばす。右手は腹へ、左手は右腿へ。
 勝った。そうマキシムが思ったと同時。マキシムの鼻に強烈な衝撃。
 マキシムの突進する勢いを利用したカウンターの右膝蹴りは、見事にマキシムの鼻から血を噴かせていた。
 だが、マキシムとてこの程度で終わる様な男では無い。この程度で倒れるようならば、マキシムの人生はこれより遥か以前に終わっている。口腔に溢れる血を無視して、マキシムはT.A.Sの右脚を狙い、中指の第二関節を突き出した拳────カーヴィン・ナックル────を放つ。
 マキシムの超握力に耐え得る靭さを持つマキシムの指は、それ自体が石より硬い鈍器であり、人体など容易く切り裂く鋭利な刃物である。
 この攻撃をT.A.Sは膝蹴りを繰り出した右脚を振り上げて回避、マキシムの脳天目掛けて踵落としを見舞うが、マキシムは地面に転がることで躱し、そのまま雪の上を転がって距離を取ってから立ち上がった。

 (強いな、此奴)

 T.A.Sは率直にマキシムへの評価を出した。

 (これだけの強さがあるなら、此処は見逃しておくか)

 T.A.Sはマキシムの強さに、見逃す事を決める。
 この強さならば、見逃して、他の参加者を殺させた方が、手早く片付く。マキシムを脅威と感じた者とは手を組みやすくなるで、一石二鳥というものだった。

 (さて、どう切り上げるか)

 T.A.Sはこの場からの離脱を考えながら、マキシムと対峙し続ける。
 マキシムもまた、T.A.Sの隙を伺い動きを止める。
 二人はここに膠着し────変化は不意に、二人に依らず訪れた。


◆


 異変に気づいたのは、二人同時。
 何か重量のある物体が、一定の間隔を置いて地面を打ち震わせている。
 然も徐々に大きくなる振動は、その重量物が近づいている事を示していた。

 (人間か?)

 二人は同時にそう思い。二人は同時に否定した。
 人間ならば、震動の間隔が長過ぎる。人の歩幅では有り得ない。
 二人は周囲に目をやり、T.A.Sは自分から見て左側、マキシムは自分から見て右側に見える丘へと目線を向けた。

 「━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!!」

 怒号。咆哮。そういったものですらない轟音が二人の鼓膜を震わせる。
 丘を越え、現れたのは頭にズダ袋を被っただけの身長3mの全裸の巨人。その手に握った身長と同程度の巨剣共々現実では有り得ない。有り得たとしても重量により骨が保たない巨躯も巨剣も、VRならば有り得る。
 青銅の像を思わせる全裸の巨人は、血走った眼で二人を睨みつけると、凄まじい勢いで走り出した。転げ落ちる巨岩を思わせる勢いだった。
 巨体に合わぬ速度と、その歩幅でもって、ごく短時間に二人を刃圏に捉えた巨人は、手にした巨剣を横薙ぎに振るう。
 この死の暴風をT.A.Sは地面を転がることで回避。マキシムは姿勢を低くしてやり過ごすと、地を這うような姿勢で、巨人目掛けて突っ込んだ。
 物体の運動エネルギーは、速度と質量から求める事が出来る。
 乱入してきた巨人には遥か劣るとはいえ、マキシムもまた人並外れた巨躯の持ち主。その巨体が、短距離走の金メダリストもかくやという速度で走り、体重と速度の十分に乗った、超握力で握り固めた石より硬い拳を打ち込む。
 常人ならば肉が潰れ、骨が砕ける拳撃はしかし、巨人の身体をよろめかせただけだった。 
 殺意に燃える巨人の目線がが、マキシムの目線と交差する。
 その時、二人の間に走るシンパシー。凡そ教育と呼べるものは何一つとして受けては居ない二人だが、暴力に浸って生きてきた人生が培った直感が、眼前の相手が自分の同類だと知らしめた。

 巨人が立て直すよりも早くマキシムは地を蹴って駆け出す。手を組んでT.A.Sを殺す事も考えたが、T.A.Sを殺せばその後は残った二人で殺し合いだ。
 組んで共に行動するという選択肢など存在しない。同類である為に、共に行動すれば、終始裏切るタイミングを伺い合うことになるのは判っている。下手に傷でも負えば、嬉々として殺しに掛かるだろう。
 だからこそ、逃げる。逃げて仕切り直す。残った二人が殺し合えば、何方が生き残ってもマキシムに損は無い、
 巨人が生き残れば、きっとマキシムとは逆の方向へと向かい、殺戮に励むだろう。
 T.A.Sが勝てば、自分を追ってくるかもしれないが、巨人がそう易々と負けるとは思えない。ある程度の時間を稼いでくれれば追いつく事が出来ない程に距離を離せる。そうなれば再度邂逅する迄に、T.A.Sを仕留める準備をするだけだ。



【G-1/一日目/深夜】

【マキシム】
[状態]:健康 疲労(極微)
[装備]:ブラッディ・ハンド@スキル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:皆殺し
1:T.A.Sとエクスキューショナーを警戒。
2:武器を調達するなり何なりして戦力を整える。
[備考]
  • G-1から北へ移動しています
  • T.A.S及びエクスキューショナーと交戦しました


◆


 マキシムが走り去るのを見送りながら、T.A.Sは創造武具『無銘剣フィン』を抜く。
 ここでT.A.Sが逃亡すれば、エクスキューショナーがマキシムを追う可能性がある。それを阻止する為に、僅かな時間で良いからエクスキューショナーと戦う必要が有った。
 殺し合いに乗ったマキシムには、生きていて貰った方が便利ではある。
 マキシムの創造武具なりスキルなりは不明だが、マキシムの基礎戦闘力は把握した。アレならば時間は多少かかるが確実に勝てる。
 T.A.Sの関心は逃げたマキシムでは無く、咆哮と共に向かって来るエクスキューショナーに移っていた。

 T.A.Sを間合いに捉えたエクスキューショナーが、手にした処刑刀を振り下ろす。大雑把かつ大振りな斬撃は、素人でも掻い潜って反撃を見舞えそうな程に粗い。
 だが、エクスキューショナーの腕の長さと刀身の長さは、併せて5mを越える。これだけの距離から攻撃されれば、常人ではカウンターなど見舞う事など出来はしない。遥か彼方のエクスキューショナーの身体に、常人では届かないのだから。
 振り下ろされた鉄塊とも称すべき処刑刀を、T.A.Sは手にした『無銘剣フィン』で迎える。
 凡そ無謀としか言いようが無い行為だった。T.A.Sの持つ剣は確かに業物だが、エクスキューショナーの振るう処刑刀と比べれば、いかにも細く頼り無い。刃と刃が激突すれば、秒と持たずに折れ砕けるだろう。
 もし剣身が持ったとしても、支えるT.A.Sの腕が重量を支え切れない。押し切られて潰されるのが関の山だ。
 当然と言えば当然の結果は、T.A.Sの横を通り過ぎて、地面を派手に穿った処刑刀が裏切った。
 雄叫びをあげてエクスキューショナーが斜めに振り上げた刀身が、T.A.Sの手にした剣と接触するなり、力のベクトルが狂い、T.A.Sの頭上へと虚しく宙を切りながら振り上げられる。
 ならばと突きを繰り出すも、T.A.Sの剣が交わるなり、胸を貫く筈だった軌道が逸れて、T.A.Sの右横を疾り抜ける。
 T.A.Sはエクスキューショナーの攻撃を受けているわけでは無い、むしろ逆に、刀身を刃に絡め、手元に引き込む様に釣っている。敵の攻撃に自ら勢いを加えている様なものだ。
次第。エクスキューショナーの攻撃は一層勢いを増すものの、その表紙に僅かにベクトルを狂わせ、虚しく空に軌跡を描く。
重さで勝る武器をいなす軽妙の技を、エクスキューショナーは理解できない。永き時の中で研磨され、思索と改良を無限に経て洗練された剣の技。
 人に教えを乞い、研鑽に励んでこそ身に付く技巧。ただ闇雲に暴を振るうだけでは、絶対に習得出来ぬ絶技。
 このまま百合を交えても、T.A.Sの身体に刃が届く事は決して無い。その事は他ならぬエクスキューショナーが誰よりも理解していた。

 「━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!」

 エクスキューショナーが一際大きく咆哮し、処刑刀を横薙ぎに振るう。
 この攻撃を、地面を滑る様な歩法で回避したT.A.Sは、吹き付ける刃風が先刻とは比べものにならない程に増している事に気付いた。

 (速度が上がったわけで無し…重量か?)

 エクスキューショナーが振り下ろしてきた処刑刀を回避。虚しく地面に向かう処刑刀に、フィンを上から振り下ろす。

 (やはり重量か)

 手に伝わる感覚で、処刑刀の重さが激増していることに気付く。
 おそらくは任意で刀身の重量を増す事が出来るのだろう。T.A.Sはそう推測した。

 (無駄だな)

 T.A.Sはエクスキューショナーの能力を冷徹に評価する。
 重量を増す武器というのならば、見た目が軽量なものの方が良いに決まっている。
 見た目が軽やかな武器を、手にした武器で受けるなり弾くなりしようとした敵は、武器が交わった瞬間に、鉄槌と化した敵の武器に身を砕かれることになる。
 だが、エクスキューショナーの武器は見るからに重量の有る代物だ。こんなモノを受けようとする者などまず居ない。これでは折角の能力も、持ち腐れというモノだった。


◆


 (此奴もオレの敵では無い。だが、『使える』)

 この、人に恐怖と嫌悪を抱かせる風貌。そしてこちらを視認するなり襲ってきた凶暴さ。此処は放流して他の者達を襲うに任せるべきだろう。
 此奴に襲われ、エクスキューショナーを脅威と認識した者ならば、手を組む事も容易。
 そう結論したT.A.Sは、エクスキューショナーからの逃走を開始する。

 (先ずは動きを止める)

 エクスキューショナーの耐久はT.A.Sも識っている、
 マキシムが放った一撃は、T.A.Sが受ければ先ず即死。良くて昏倒といった程の一撃だ。
 その様な攻撃を受けて、わずかに蹌踉めく程度にしか応えないエクスキューショナーを、身体に重傷を負わせないで、止める術など果たしてあるのだろうか。
 答えは────有る。
 エクスキューショナーが人類の域を超えた巨躯を持ち、並外れた耐久力を誇ろうと、その身体は巨大な人体に過ぎない。
 つまりは人と身体の構造が同じという事。ならばT.A.Sの技術と知識でどうとでもなる。
 エクスキューショナーの振るった処刑刀をフィンで捌くと、T.A.Sは一気に間合いを詰める。
 フィンを横薙ぎに振るい、エクスキューショナーの脛に痛烈な一打を入れる。
 かの豪傑、武蔵坊弁慶ですら泣いたと言われる急所を強打されたエクスキューショナーもまた、武蔵坊弁慶宜しく、絶叫して蹲った。

 (やはり人体と構造(作り)は変わらないな)

 動きを止めたエクスキューショナーを見て、呑気とも取れる感想を抱くT.A.S。エクスキューショナーもマキシムも、共に他の者達からすれば紛れも無い強者。その二人と連戦して尚、この余裕。
 この一事だけでもT.A.Sが、心身共に冠絶した強者で有ることが窺い知れる。
 最初に東へと走ったT.A.Sは、充分にエクスキューショナーから距離を取ると、方向を転じてマキシムが去ったのと反対の方へと走り出した。



【G-1/一日目/深夜】

【T.A.S】
[状態]:健康
[装備]:無銘剣フィン@創造武具
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:主催者込みで皆殺し
1:出来得る限り効率よく殺していく
2:まずは殺し合いに乗っていない者達を集めて、乗った者達を始末していく。
3:当分は殺し合いに乗った者は出来るだけ殺さない(第一回放送まで、以降は状況次第)
[備考]
  • Gー1から南へ移動しています。
  • マキシム及びエクスキューショナーと交戦しました
  • エクスキューショナーの創造武具だかスキルだかの能力を、『処刑刀の重量を増す』ものだとしました


◆


 数分後、蹲っていたエクスキューショナーはゆっくりと立ち上がる。力感に満ちたその動きは、鳴動する活火山を思わせる。
 脛を打たれた時は、ヒビが入ったかと思ったが、支給品の効果でもう痛みも腫れもない。
 エクスキューショナーは立ち上がると、東と北へと目をやり、どちらを追うか考える。

 最初に北に逃げたマキシムは、自分と真実同類だ。あの男は放置しておけば、自分が殺して回る手間を省いてくれる。
 それよりも、まずは奴を。
 エクスキューショナーはT.A.Sが最初に向かった東へ向けて移動を開始した。


【G-1/一日目/深夜】

【エクスキューショナー】
[状態]:健康
[装備]:『CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY.』@創造武具 まもりのゆびわ 
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本方針:皆殺しにして恩赦を得る
1:T.A.Sを追う
2:マキシムは放置して、他の者を殺させる
[備考]
G-1から東へと移動しています


支給品解説
まもりのゆびわ
エクスキューショナーの左の小指に嵌っている指輪。外見はFF5に登場するものと同じ。
防御力を上昇させる効果はないが、エクスキューショナーの傷や疲労を癒す効果がある…ただし戦闘中は機能し無い。治癒効果を発揮する種には、逃亡なり勝利なりで戦闘を終了させる必要が有る。
この装備品は、エクスキューショナーが死ぬと連動して消滅する。更には譲渡も盗む事も出来ない。


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009:これはバトロワですか? ~はい、これが私の自称メイドです~ 投下順 011:麻痺
009:これはバトロワですか? ~はい、これが私の自称メイドです~ 時系列順 011:麻痺

前話 登場人物 次話
GAME START マキシム アサルトリリィ -猫に寄りそう乙女の作法-
GAME START T.A.S 輝くために
GAME START エクスキューショナー 死闘の果てに


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