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作品





カソウバ小町の快感



551 名前:カソウバ小町の快感[] 投稿日:03/01/23 07:10 ID:ITI3rII8
ここは仮装場
華麗な粧いの狂宴にスノッブの嘘々しさを競い合う快感
段ボールの連結邸宅に瀟洒な背景を演出

ここは仮想場
もげた翼繕い高層巨大墓標上に飛翔するイメージの快感
無機質コピペ空間張り付く蜃気楼の恋愛

ここは下層場
空に晒された透明エレベータを墜落するめくるめく快感
潰れた残骸トマト見て見ぬふりする雑踏

ここは火葬場
夥しく精励なオーブンで脳内に足の爪まで焼尽する快感
粒子無尽の紫煙に漂う町の爽やかな呼吸




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俺の町



553 名前:俺の町[] 投稿日:03/01/23 10:52 ID:sFUayvHX
カッチョコイイBIG MOTORBIKEを買ったのに
カッ飛ばせる道がないのが悲しいんですよ
まるでバイソンの信号待ち
まるでチーターのおしくらまんじゅう
混雑する野性のダサいこと

ナウいツナギは見せびらかせるけど
俺はファッション・モデルじゃないんです
ガチョーン

郊外のハイウェイで
風になろうか
風になったってしょうがないんです
セクシー・ギャルが見てくれないと嫌だ
かわいいコギャルにもこう言わせたい
アッと驚くタメゴロー

トレンディーなBIG MOTORBIKEを買ったのに
翔んでるライダーを気取れないのが悲しいんですよ
ガングロ・ギャルが会話してる
チョベリバ・チョバチョブ
きっと俺のことを噂しているんです

ここは俺の町だから
ヒーローになる必要があるのに
実はさっき立ちゴケしてカウリング壊してしまった
シェー


554 名前:_[] 投稿日:03/01/23 10:52 ID:sFUayvHX
 *注釈*
「ダサい」=かっこ悪い。
「ナウい」=今時風。
「ガチョーン」=よく知らない。
「コギャル」=女子高生。
「アッと驚くタメゴロー」=古い有名なギャグらしい。
「トレンディー」=最新の流行。
「翔んでる」=アバンギャルドな。
「ガングロ」=山婆。
「チョベリバ・チョバチョブ」=超ベリーバッド・超……なんだっけ。。
「ヒーロー」=甲斐バンドの80年代のヒット曲。
「立ちゴケ」=信号待ちなどで、立ったままバランスを崩してバイクで
コケること。最悪級にかっこ悪い。
「カウリング」=バイクについている風防。立ちゴケして割れるのは
仮面ライダーのアレのような大型カウリングのみ。
「シェー」=赤塚不二夫の漫画の登場人物の台詞。意味は知らない。




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ハリウッド、ノンフィクション



556 名前:ハリウッド、ノンフィクション[] 投稿日:03/01/23 12:30 ID:fOpgsm75
ここには匂いというものが
ない
モノクロームの世界に
幾何学模様の町が広がっている

光源というものは
ない
あるいは
俺が発光しているのだ

さ迷い歩くが行き場所は
ない
道を尋ねようにも人間のいない
プラスティックの町だ

俺は天然色を見たい
草露の冷たさに触れたい
温かな獣の毛に包まれたい
ここは寒くも暑くもないんだ

すべてのものに文字が記してある
Qだの 贋だの □だの random
1万メートル先にも恐らく文字は続いている
出口はどこだ 出口はどこだ

目を開くだけでよかった
広大な迷路街の向こうから
文字列を割って 光は射し
緑色に光る「島」と書かれた看板が現れた




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ナイトストーク



559 名前:ナイトストーク 1[sage] 投稿日:03/01/23 21:08 ID:wTf1bl+6
真夜中の街を
魂の震えすら潜めて徘徊する詩人は
  あっちへ不螺不螺
  こっちへ歩路歩路
やがて死人になって
とろけた時間と空間で出来た
この街を漂えば
死にかけのコンクリートとガラスでできた
打ち上げられた鯨を見つけるだろう

それは
臓物はあの窓から零れる平穏なる白色光
腐っているのになんて温かさ
骨はこんなに冷たいのに
そのうち
夜と朝の境界線で
殴られた女の咽び泣きや
住処をなくした男の嘆きだって
骨の隙間からは
響いてくるが
どうせ死にかけなんだから


560 名前:ナイトストーク 2[sage] 投稿日:03/01/23 21:14 ID:cq7TeLsy
と
歩道の傍ら転がった
捨てられた紙屑みたいに
また
  あっちへ不螺不螺
  こっちへ歩路歩路
月が照らすぼんやり道を
さらなる方形になった光を求め
闊歩する
漏れ伝わるのはどうせ
温かな平穏と柔らかな拒絶だけなのに
月が手にとれるように見えても
やっぱり月であるように
求めても詮ないものを

いっそのこと闇を纏えばどうだろう
誰も知らないこの街で
誰も知らない風になって
彷徨えば
足下の淡い影だけが
月のつくってくれた唯一
存在の証
ここにいるよ
ここにいるよ
  あっちへ不螺不螺
  こっちへ歩路歩路
でもここにいるよ


561 名前:ナイトストーク 3 終[sage] 投稿日:03/01/23 21:15 ID:cq7TeLsy
やがて
夜がどんどん下がってきて
白くなってきたころ
死人はようやく詩人になって
鯨の腹に帰るのでした





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歌舞伎町の女王



567 名前:歌舞伎町の女王[] 投稿日:03/01/23 22:58 ID:Pq1o+Co0
流行歌をくちもとから誑して 手持ち無沙汰な紳士を癒すのよ 酒と唾飛び交う中 
狂喜舞踏で疲れたわ だから貴殿の腕の中やすらかに眠らせて 子守唄はテキーラで
歌舞伎な格好が似合うねと 殿方はハイソに絶賛 あたしをデッサン 明朝散々
極楽町に巣くう極楽鳥は無愛想で あたしはいつも糞をコウモリ傘で防ぐの
過去の思い出はきっと未来には重いでせう 今はこの薄暗さがロマンティーク
悦楽女が真冬に真夏のファッションショー あたしはコートで凡てを隠すの
高徳王の仮面を外せば殿方ご起立 今宵はスタンディングマスターベイション




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町っぽい



570 名前:町っぽい 1[sage] 投稿日:03/01/24 01:15 ID:Xn7rKgnU
雪が降った、滑って
尻餅をついて氷を割っちまった
泥溜りの中で
ガチガチに磨かれた液晶物質は
白血球が反応するように
つぶれたディスプレイの中で
都市計画を打ち込んだ

公会堂にライブハウスにと
冷たい風はポルカとハウスの
間の路地裏で落書きを見る
塗られた反吐を即座に乾かす、
やがて浮き出る
乳黄色のプラスチック
平坦な、

空から鳥瞰図的に睡眠を示す
そうして恋をしたりすると
ぶつぶつと鳥肌がたつ
そのクレーターのひとつひとつに
よっかかって寝ていたり
あたりがすっかり暗くなったら
偽木セメントでブルースを作る

パチパチパチパチはい拍手
手と手の間に針とか置いて
ああ詰らない12個1ダースの
ビールの連結が


571 名前:町っぽい 2[sage] 投稿日:03/01/24 01:15 ID:Xn7rKgnU
そうだそれらに雪が降る
かわりにシリコン液の中の
白濁脂肪でもいい

めをつぶり
ゆびをおしつけ
瞬間的に緑色にして
すべてを黴させてやろうという
陰謀も知らずに

地上では子供達が元気に吐き気を
催してそれが染みてもういちど
木が生える、森になる
鳥がピストルズを歌う





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町の生誕祭



574 名前:町の生誕祭[] 投稿日:03/01/24 23:18 ID:F0S57/Ne
町が生まれてから死ぬまでに
数え切れぬ人が生まれて死ぬ

無私を空十命なる水滴の涙は
荒んだ石畳に落ちて弾け飛び
また、散っていくのでしょう

弾けた飛沫が何処へ行くのか
飛沫以外誰も知らない、多分
飛沫自身も知らないのだろう

だけれども確かなことは一つ
かれらはまたどこかで一つに
無間の荒んだ荒野のどこかで
何処から来たのかも知らずに

やがて、一つの町が生まれる
寄り添いあって、新たな命が
無私を空十命なる水滴の雨が
町角にて再び始まりを告げる

町が生まれてから死ぬまでに
数え切れぬ人が生まれて死ぬ




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「午後の車窓を眺めながら」



576 名前:「午後の車窓を眺めながら」①[sage] 投稿日:03/01/24 23:59 ID:e+Sw5Rvn
 ・・・そして僕は、ふと何かを案じ、ふらりと
そのまま電車に乗って仕舞った。

暖かいシートに坐り、電車の中で
スムーズに流れてゆく景色をぼうっと
眺めていると、うつらうつらと瞼が重くなってゆく。

 ・・・チャイム。と同時に一斉に鳴り出す
駆け足のタタッという音。
幼き日の放課後が訪れると、
遠くにオレンジ色の風船が送電線の間をゆらゆらと昇っていき、
サッカーボールを威勢良く蹴る音が聴こえ、
そして空は今にも降り出しそうな曇り空だった。

その日の日直はもう誰も居ない教室で
窓から身を乗り出しながら黒板消しを叩いていた。
ふと前を見やると、
校庭のコンクリートに燃えるような夕陽が照返していた。
さっきまでは雨が降る気配さえ、あったのに。
彼はふと顔を顰めながらも、じっとその陽差しをを見据えようとしていた。

僕はそのまま教室の机の上で寝てしまった。
まだ塾の時間までは、たっぷり在る。



577 名前:「午後の車窓を眺めながら」②[] 投稿日:03/01/25 00:04 ID:dd4SJFDE
 ・・・しかし目が醒めたら、朝は凍えるようにしてやって来た。
冬はどうやら、もうそこまでやってきていたようだ。
ドアのノブの冷たさに驚きつつも、
教室を出て、自転車置き場を見てみると
サドルのところには真新しい霙が積っていた。

その巨大な団地の空は、
綺麗に四角く縁取られていた。
鉄線に囲われた繁みの中には
葉の落ちた樹木の枝が、凛として佇んでいた。

そろそろかと塾に向かうと、
駅の前には丸い噴水があった。
一定の間隔で噴いたり静まったりしていた。
雑居ビルの進学塾の教室の窓から
生徒が頬杖を突きながらそれを見つめていた。

そこで僕は、ふと何かを案じ、ふらりと
そのまま駅に向かい、電車に乗って仕舞った。

電車の中で車窓をスムーズに流れてゆく
景色を見ていると、ふと昔見たような景色を錯覚して
しまうことだってあるのだ。

まだ時間はたっぷりあるんだけど、
さて、これから僕と
何処へいくとしようか?




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十二月の街



578 名前:十二月の街[] 投稿日:03/01/25 02:11 ID:hhZKP55g
さよなら
あなたといるのは苦しすぎるの

育ちすぎた二人の嘘が
鏡の中いっぱいに映し出されてしまって

ほんとうは嘘のつけないあなたの瞳から
涙のように真実がこぼれ落ちているから

暗い窓の外で
真綿のような雪が降りはじめたら
街は白に覆われて
金色の灯だけが浮かびあがる
街行く人たちは幸せそうに見える

ジングルベル 誰もが急ぎ足で
愛してる人の部屋へ 軽やかに向かう

私だけが 重たい雪に足を取られながら
一人の部屋へと 帰って行く

笑顔で肩寄せあう恋人たち
色とりどりのプレゼント
軽やかな鈴の音
なんて静かな喧噪

十二月の街を
遠く包む
鐘の音は
金色




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最終更新:2006年09月17日 15:46