Ubuntu/ソースコードからビルドする
概要
この記事では Ubuntu 上でソースコードからビルドする方法を說明します。記事を書くにあたって、公式リポジトリのBuilding for macOS - Build instructions | GitHubを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
この記事の動作環境
- Ubuntu 20.04.2 LTS
必要なもの
- Ubuntu
- ビルドに必要なソフトウェア
導入手順
1. ビルドに必要なソフトウェアをインストールする
Debian 系ディストロ用のパッケージマネージャであるapt
を使用してインストールします。
1-1. Git をインストールする
Ubuntu にはデフォルトでインストールされていないため、手動でインストールする必要があります。
- Ubuntu Dock Dash(左下のグリッドボタン) > Utilities > Terminal を開く
git --version
をコピペしてEnter
- バージョンが表示さればすでにインストールされているので、スキップしてください。
sudo apt install -y git
をコピペしてEnter
- 管理者権限が要求されるので、パスワードを入力して
Enter
- 管理者権限が要求されるので、パスワードを入力して
1-2. そのほかのパッケージをインストールする
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
sudo apt install -y build-essential cmake libgl1-mesa-dev libsdl2-dev libvulkan-dev
をコピペしてEnter
2. ソースコードをビルドする
2-1. リモートリポジトリをクローンする
リポジトリのサイズが大きいため、安定した Wi-Fi 環境などで実行することをおすすめします。今回は分かりやすいように~/Desktop
にクローンしてみます。もちろん、他のフォルダでも構いません。
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
cd ~/Desktop
をコピペしてEnter
git clone --recurse-submodules https://github.com/hrydgard/ppsspp.git
をコピペしてEnter
- 補足:Git で公式リポジトリからソースコードをクローン(ダウンロード)
- 処理が終了するまで待つ
2-2. クローンしたソースコードをビルドする
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
cd ~/Desktop/ppsspp
をコピペしてEnter
./b.sh
をコピペしてEnter
- 処理が終了するまで待つ
- ビルドが完了すると、
ppsspp/build
フォルダ内にPPSSPPSDL
が生成されます。
- ビルドが完了すると、
3. PPSSPP を起動する
ターミナルから起動する
ターミナルから起動すると、PPSSPP のデバッグログが出力されます。
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
~/Desktop/ppsspp/build/PPSSPPSDL
をコピペして Enter- 他のフォルダにクローンした場合は、
/ppsspp
までを読み替えてください。 - 管理者権限で起動する場合は
sudo ~/Desktop/ppsspp/build/PPSSPPSDL
をコピペしてください。
- 他のフォルダにクローンした場合は、
注意:管理者権限で起動すると、~/.config/ppsspp
の代わりに/root/.config/ppsspp
が使用されます。
保守作業
PPSSPP をアップデートする
ローカルリポジトリを最新のものに更新して、ソースコードをビルドし直します。
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
cd ~/Desktop/ppsspp
をコピペしてEnter
git pull --rebase https://github.com/hrydgard/ppsspp.git
をコピペしてEnter
git submodule update --init --recursive
をコピペしてEnter
- (5-2)の手順に従ってビルドする
PPSSPP をアンインストールする
ローカルリポジトリを削除し、ビルドに必要なライブラリとソフトウェアをアンインストールします。この作業で設定やセーブデータなどは削除されません。
1. ローカルリポジトリを削除
- Nautilus(ファイルマネージャ)を開く
- リポジトリをクローンしたフォルダまで移動
- 「ppsspp」フォルダを右クリックして「ゴミ箱に入れる」をクリック
- デスクトップのゴミ箱を右クリックして「ゴミ箱を空にする」をクリック
2. ビルドに必要なライブラリとソフトウェアを削除する
- Ubuntu Dock Dash > Utilities > Terminal を開く
sudo apt remove build-essential cmake libgl1-mesa-dev libsdl2-dev libvulkan-dev git
をコピペしてEnter
- 管理者権限が要求されるので、パスワードを入力して
Enter
- 管理者権限が要求されるので、パスワードを入力して
sudo apt autoremove
をコピペしてEnter
メモ
「memstick」フォルダのパス
v1.11.3
では、macOS と同じフォルダに「memstick」フォルダが作成されていました。
~/.config/ppsspp
└─ PSP
├─ PPSSPP_STATE
├─ SAVEDATA
└─ SYSTEM
├─ controls.ini
└─ ppsspp.ini
管理者権限(sudo)で使用される「memstick」フォルダのパス
Linux ではウェルノウンポートを使用するために、アプリケーションを管理者権限で起動する必要があります。しかし、PPSSPP を管理者権限(sudo
)で起動すると、ユーザのホームディレクトリにある「memstick」フォルダは使用されません。代わりに/root
にある「memstick」フォルダが使用されます。セーブデータや PPSSPP の設定、キーコンフィグなどが、リセットされたように見えるため気をつけてください。また/root
フォルダへのアクセスには管理者権限が必要です。
/root/.config/ppsspp
└─ PSP
├─ PPSSPP_STATE
├─ SAVEDATA
└─ SYSTEM
├─ controls.ini
└─ ppsspp.ini