● ● ●
地球に、一個の黒い球が飛来してきた。
球は囁く、ミッションをクリアしろ、と。
汝らの世界を躙る「星人」を殺せ、と。
● ● ●
この世界にまた、異界の植物が侵食してきた。
植物は囁く、侵略を乗り越えろと。
世界を塗り替えられる「オーバーロード」になれ、と。
● ● ●
灰色だった住宅街も、今では真っ赤に染まりきっている。
コンクリートの壁には返り血が描かれ、肉片が周囲に飛び散る。
しかしランサーのサーヴァント、
駆紋戒斗にとっては、既に経験済みな事では有る。
ユグドラシル壊滅後の沢芽市。
その時にアチコチから湧いて来たインベスの軍団と比べてみれば、然程大差はない。
四方八方に塞がるは、何処かで見たような妖怪共。
退路を塞いだアサシンの宝具「百鬼夜行」で召喚された妖怪達に、ランサーは立ち向かう。
時には避け、時には創世弓ソニックアローであしらう。
一息付いた後、ソニックアローを構え直して、目前にいるアサシンと、それに従属する天狗に構える。
「次は貴様らの番だ……。」
「ぬら~」
「Grrrrrrrr……。」
殆どの妖怪は潰せた。
オーバーロードの力こそ出し切れてはないが、ゲネシスドライバーで立ち回ることは、そう難しくはなかった。。
この手の怪人軍団との戦いを、戒斗は幾度も経験してきた。
その経験が活きてきたのだろう。
最も、あの時はビートライダーズやインベス軍団等の手数があっての事だったとも言えるのだが。
アサシンのパラメータ自体は低い。
後は、あの天狗さえ倒せれば―
だが、ランサーは知らない。
このアサシンが、謎の黒球(ガンツ)が百点をくれてやるほどの大ボスであるという事を。
大当たりをスロットが当ててくれるはずがないように、『百鬼夜行(大阪ミッション)』は、そう安々と潜り抜けられる様な戦いではないのだと。
「Gyasaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
「!?」
声に驚き、後ろを振り向く。
今度は眼の前に、蛇の軍勢が押し寄せてくる。
蛇の群れの最後尾には、髪まで蛇になっている老婆がいた。
その醜く悍ましい姿は、まるでギリシャ神話のゴルゴーンの様にも見える。
大勢の蛇が、此方に迫りくる。
ソニックアローにエネルギーを込める。
黄色い光を放つ刃を、迫り来る蛇達にぶつける。
「ハッ!フッ!」
左から牙が―斬る。
右からも―斬る。
右下からも―斬る。
此処で一旦後ろに飛び、ランサーはソニックアローを構え直す。
『レモンエナジースカッシュ!』
すかさず、ゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを押し込む。
ロックシードに蓄積されたランサーの魔力が、アームズ全体にチャージされていく。
「Gyasaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
蛇が迫り来る。
「ぎょやぁあぁあぁああぁぁぁぁあああああ!!」
老婆が喘ぐ。
「ハァァァ……。」
ソニックアローを構える。
チャージされたロックシードのエネルギーが、ソニックアローに集中されていく。
「セィィィィィ!!」
ソニックアローから光が走る。
その光は―まるで輪切りにされたレモンの様でもあった。
ソニックアローを振れば振る程、レモンは次々と放たれていく。
そのレモンは、次々と蛇の首を斬り裂いていく。
「Aaaaaaaaaaaaaaa!!」
続いて迫り来るは―本体である老婆。
老婆は憤怒の形相を顔に浮かべ、ランサーと同じくらいの大きさは有るだろうその手を振り翳してくる。
しかしランサーはくるりと横に回転しながら―その手を真っ二つに斬り裂く。
レモンの様なエネルギーが、残像となって老婆を弾き飛ばす。
「トドメだ!」
『ロック・オフ』
ゲネシスコアからロックシードを取り出す。
そしてそれをすかさず―ソニックアローのエナジードライブベイに装填する。
『ロック・オン』
老婆目掛けて弓を引き絞る。
敵は先程のダメージで苦しんでいるが、立ち上がり、斬られていない方の手を振りかざす。
髪の毛となっている蛇が嗤う。
それに向けて、照準を定める。
「ハァァァ……セィィィィィ!!」
弦を放つ。
先端から放たれた光の矢は、老婆の顔目掛けて撃ち放たれる。
『レモンエナジー!』
矢が当たった直後に電子音声が鳴り響く。
老婆が苦しむように呻く。
「A....aaaaaaaaa.....」
内部に籠ったダメージの光が老婆から輝き出す。
光は強くなり、老婆の肉体は爆裂四散してしまう。
「フン……。」
ソニックアローをフッと振るったランサーは、再び後ろを振り向く。
後ろでは、天狗が腕を鳴らし、アサシンが仏頂面を構えたままだった。
「後は貴様らだけだな……。」
「むむむ……うむぅ……。」
アサシンが何を唸っているのか、それはランサーにも分からない。
だが分かるのは唯一つ。
「んむぅ……興味深いぞ……。」
その唸りに、恐怖など何一つ無いという事だけである。
● ● ●
夜の街を、蒼いバイクが疾走する。
バイクに跨る刑事、
加賀美新は、同僚達も今向かっている廃工場へと急いでいた。
ガタックエクステンダーのスピードを速めて行く。
『おいマスター。』
脳内に、己のサーヴァント、シールダーの声が響き渡る。
急いでいるのに、と加賀美は顔を苦くする。
「何だよ。」
『この先に、サーヴァントの気配が感じられる。
数は……三体はいる。』
その言葉に、加賀美は顔をより一層引き締める。
仕事も優先だが、今は聖杯戦争を止めることも優先だ。
「やるしかない……って事か?」
そう言った加賀美は、スロットルを握っていない左手でスーツを開き、ライダーベルトを見せつける。
『いや、此処は俺に任せてくれ。』
シールダーの心配そうな、しかし諭すような声が聴こえる。
しかし加賀美は、そんな事出来るか、と言い返してみせる。
『分かっているはずだ、お前のそのスーツじゃ、サーヴァントにはマトモに―』
「だからって見捨てて置けるか!?』
その声と同時に、ガタックエクステンダーに並行して蒼い光が走る。
光の速さで飛ぶは―ガタックゼクター。
加賀美を選んだマスクドライダーシステムにして、「戦いの神」の二つ名を持つゼクター。
ガタックゼクターは、加賀美の腰に巻かれているライダーベルトへと飛ぶ。
ゼクターは、バックルに装填される。
「変身!」
『Henshin』
その言葉と共に、ベルトから出現してくる無数の蒼い六角形が加賀美を包み込む。
六角形はアーマーの形を作り、加賀美を「ガタック」へと変化させた。
戦いの神ことガタック・マスクドフォームとなった加賀美は、エクステンダーの速度を上げていく。
その様にシールダーは、ハァ、と溜息をつくばかりであった。
● ● ●
◆ ◆ ◆
さあよってらっしゃい観てらっしゃい。
本日の見世物は、火除けならぬ剣避け!
所が今回出てくる動物はちょ~っと変わった趣向でお送りいたします!
それでは、今夜のゲェムプレイヤーはァ!?
◆ ◆ ◆
一方、その先にあった住宅街における戦闘。
自動人形(オートマータ)たるアサシン…
シルベストリと、寄生生物(パラサイト)たる後藤の戦い。
それは最早、肉眼では捉えきることさえ困難を極める程の速度にあった。
後藤は、腕を刺々しい刃に変化させ、周りにある家々を飛び回る。
壁を蹴っては屋根に飛び、屋根を蹴っては向かいの壁を蹴り、くるくるりと回る
シルベストリを追う。
一方で
シルベストリは、刃が仕込まれている左手首を右手で掴みながらも、その素早さで後藤の刃を避ける。
向かい側のコンクリートの塀を寄生生物が蹴る。
それに際して
シルベストリも此方側の壁を蹴り、くるくると回転しながら此方に飛ぶ後藤を避ける。
開戦から1分程。
この様な流れが、もう六十回は繰り返されようとしている。
最古の四人を刹那の間に切り捨てた
シルベストリ。
こと素早さと間合いに掛けては、他の追随を許さないと言う多少の自負はある。
だが後藤もまた、それ程の速さについてこられる程の敏捷性を持つ。
五つの本能が「コロセ」と囁く。
それらが、まるでブースターの様に、後藤の素早さを上げているようだ。
その速さは、それこそトラックでも無い限り追いつくことは難しいであろう。
―スキが見つかった。
地面に平行になる様な姿勢で空中を飛ぶ
シルベストリ。
その真上に後藤が―追いついた。
だが、
シルベストリの抜刀術に気づけなかったのが後藤の過ちだった。
手首だった物は、既に刃へと変わっていた。
刃は瞬間的に、後藤の胴体に深く切り傷を横に描く。
「!」
衝撃により、後藤は右側へと弾き飛ばされていく。
それに反し
シルベストリは、後藤とは真逆の方向へとくるくる回転し、着地する。
しかし、
シルベストリにとっての脅威は、此処から始まる。
背後の風を切るは、狗神。
後藤が手繰るアサシンが召喚した妖怪が一体。
並の人間なら容易く真っ二つに出来るほどの手刀が、真上から
シルベストリに向かって振り落とされようとする。
シルベストリはそれを横に避け、回転しながらも狗神のいる上空へと飛び上がっていく。
自身の三倍はあるだろう背の高さを誇る狗神の、鼻の所にまで飛び上がる。
そこに狗神の左手が伸ばされる。
まるで、目の前のハエを取り払う様に、白い袖で覆われたの左掌は
シルベストリを掴もうと伸びていく。
しかし
シルベストリは此処で横回転。
一瞬の間を置いて瞬時に
シルベストリは空中で320度程右にくるくるりと回った
シルベストリは、徐々に近づいてくる掌に向かってベーゴマの如く飛びかかる。
狗神は危険を即座に察知、掌を離し、後ろへと飛びながら後退していく。
刹那、
シルベストリの姿が狗神の視界から消える。
狗神の長所は、その素早さと見切りの良さからなる回避能力だ。
その巨大な図体を以ってでの素早い攻撃は、正に暴風。
だがしかし、そんな狗神のファンブル力でも躱しきれない物と言うものはある。
暗殺者(アサシン)の気配を捉えきれる程の嗅覚は、この狗神には備わってはいなかった。
瞬く間に、狗神の袖に無数の切り傷が走る。
手首を覆い隠していた白い袖は見事に引き裂かれ、真っ白な毛で包まれた手首が顕になる。
しかしその手首には既に多くの切り傷が刻まれており、毛も幾らかは剥がれている。
直後、線のような切り傷から紅い液体が洪水の様に飛び出していき、狗神の白い腕は真っ赤に染まる。
しかしそれでも天狗は動きを止めず、体液を周囲にぶちまけながらも何処かにいるであろう
シルベストリを求めてグルル、と唸り声を挙げる。
数多ものミッションをクリアしてきた人間が束になって掛かろうとも、この狗神の闘争本能を止めることは出来ない。
「Wroooooough!!」
今度は機能している左手が、
シルベストリへと掛かる。
シルベストリはそれを即座に上へと飛び回避しながらも、左手首に手を置く。
◆ ◆ ◆
「ほれほれほれほれほれほほほほほほれほれほれほれほれ」
「はやいはやい はやいのうぼくゥ」
能面の阿亀と鬼面の般若の切っ先が宙を切る。
人外となれば、その剣の速さも尋常ならず。
並大抵の敵なら、確実にサイコロステーキにでもされていただろう。
しかし宗次郎は、その華奢な身体で大の大人から逃れられた程の脚力を有している。
それは「縮地」と呼ばれるまでに昇華され、コンマ単位の間を置きながらも宗次郎は妖怪の刀を避けている。
右側にコンクリートの壁があるのなら、其処を蹴って足場とし。
左側に向かって脚を蹴り、振り翳される般若の刃を宙を舞いながらも脇差を抜刀して弾く。
これらの動作を、宗次郎は平然とやってのけた。
「不二さんみたいだな、と期待していたけれど、存外そうでもないかな。
あの人ほど剣気も響いていないしね。」
嘗て十本刀に所属していた、あの化物の如き巨漢を思い返す。
彼と共にいた頃は其処まで感じてはいなかったが、技巧に関して言えば「破軍(乙)」たる彼の方が上だ。
仮にもあの志々雄真実に「俺の次に強くなれるさ」と言わしめた宗次郎の天剣なら、彼らの剣技等造作も無いだろう。
しかし、それは彼らに傷が付けられたら、の話だ。
生憎宗次郎の脇差は、サーヴァント相手に太刀打ちできるような神秘は持ち合わせていない。
(結局、この足が僕の武器か……)
(大丈夫……ですかねぇ……)
(………。)
影では、二人の幸子がひっそりと見守っている。
もう一人の『ボク』の背中で隠れている幸子は尚笑顔を浮かべている。
それが虚勢なのか、本物なのかは、知る由もないが。
一方でアヴェンジャーは、黒い鎌を構えたまま、辺りを跳ねている宗次郎の近くにいる般若に視線を向けている。
その視線は、弧を描いている口ほど甘くは無かった。
只じっと、般若の動きを彼女は見つめたままでいた。
そして―
「此処から先のシーンはR指定ですから、眼を背けててください、『ボク』」
アヴェンジャーは魔力でジェット噴射を行い、宗次郎に匹敵するほどのスピードで阿亀目掛けて飛ぶ。
フルスパーク。
空の彼方にてアヴェンジャーが習得した攻撃技。
肉眼では凝視しきれない程のスピードで移動し、鎌を振り翳したアヴェンジャー。
それによって、阿亀の肉体は上半身と下半身とで真っ二つに別れる。
真っ赤な鮮血を辺りに飛び散らせ、阿亀だった肉片は光の粒子となって消滅する。
「凄いなぁ……。」
即座に後ろへと飛び退避していた宗次郎は、苦笑いを浮かべながらもアヴェンジャーの姿を見ていた。
◆ ◆ ◆
「うぅっ!!」
天狗が両手を握りしめて拳を作り、地面を叩く。
スイカアームズ一体分はあるだろうその巨体から振り落とされるその衝撃。
それは激しい振動となって、ランサーは足元のバランスを崩し、膝をつく。
「っ……。」
「フーッ……フーッ……。」
天狗はしゃがんで鉄槌を下す姿勢を取ったままだった。
息遣いは荒く、まるで威嚇するようにランサーを睨みつけている。
「フン……。」
振動が収まり、ランサーは姿勢を立て直す。
ソニックアローを構え直し、天狗に眼を向ける。
その時である。
背後から光が放たれる。
ランサーは即座に躱すが、しかし天狗はその光に包まれてしまう。
半径20mぐらいの激しい爆発が起こる。
「っ……。」
モクモクと煙が立ち上る。
ランサーもしばらくは仮面を手で覆うが、煙は直ぐに薄れていく。
最初に見えたのは、ボロボロになった天狗の姿。
衣服はボロボロに破け、残った白ズボンにも焦げ目が付いている。
もう一つ見えたのは、禿頭のアサシン。
しかしアサシンは天狗とは対象的に無傷、服にすら全くボロが付いていない。
(どういうことだ……)
マスターによれば、敏捷はEランク程。
自分とは天と地程の差があったはずだ。
しかも、何処から取り出したか煙草を咥えている、何たる余裕だ。
「大丈夫か?」
とその時、ランサーの後ろから声が響く。
振り向けば、其処にいたのは、バイクに乗った謎の鎧戦士。
「アーマードライダー……?」
だがランサーの知るそれと、眼の前の鎧男は全くの別物だった。
バックルは錠前ではなくクワガタムシ。
両肩にはキャノンがのせられており、全身も相当にガッチガチになっている。
そしてその後ろでは、謎の光の線で出来たような物が聳え立っていた。
光の主は―ロボットだった。
色はこの暗い夜に溶け込んでいるほどには黒いが、全身に張り巡らされている黄色いラインが発光し、位置を示している。
大きさはランサーの周りにある住宅の二倍ほどは有り、後ろにいるだろう天狗とは比べ物にならない。
「サーヴァントか。」
「お前らか……此処で戦っているサーヴァントは。」
ランサーは此処で一旦思考する。
今ランサーが戦っているのは、マスターの行く手を阻む三木を倒すため。
(此処で敵を任せるのは性に合わんが……)
―退き時か。
そう考えたランサーは、即座に霊体化する。
「逃げたのか!?」
『オイ馬鹿、まだ彼奴がいるぞ!』
「うぬぬ……う~むむむむむ……。」
タバコを口から離した
ぬらりひょんは、加賀美、そしてバンシィを交互に見つめる。
「興味深い……興味深いぞ……。」
ぬらりひょんの身体が畝る。
筋肉が膨張していく。
ガタックの二分の一程度の身長だった
ぬらりひょんの体は、徐々に徐々に大きくなっていく。
『行くぞ……』
リディはそう言うと、ビームマグナムとアームドアーマーを構え、変態していく
ぬらりひょんを牽制する様な構えを取る。
加賀美も、ガタックゼクターのゼクターホーンに手を加える。
◆ ◆ ◆
空中を飛ぶ
シルベストリの左手首たる刃が、目の前を遮った後藤に弾き飛ばされる。
クルクルと宙を舞いながら回転したサーベルは、後ろの道路にグサリと突き刺さる。
後藤の敏捷性は、
シルベストリと同等、いや、それ以上の物だ。
ともなれば、彼らの戦いは最早コンマ単位の世界。
少しでも気を抜けば殺られる。
ほんの僅かに剣を鈍らせただけで、命取りになる。
(やるじゃないか)
軽口でさえ発する余裕が無い。
しかしそんな一瞬の中で、
シルベストリはすかさずコートの中に手を突っ込む。
引き抜かれたのはサーベル。
そのサーベルを、後藤の腹を横に斬る。
鮮血が飛び散る。
シルベストリは更に、傷に向かって更に左からも斬りつける。
五の肉が構成する細胞の糸に綻びが生じ、傷が紅く滲む。
後藤は一旦後ろへと飛び下がる。
シルベストリも同じく後ろへと飛び下がり、手前に刺さっている片腕を元に戻す。
眼の前の後藤の傷がグニャグニャとうねり出し、即座に修復される。
傷は浅い。
半硬質化したプロテクトが、皮下組織から
シルベストリのサーベルを防いでくれたお陰だろう。
それでも不覚を取ったが故に、多少ダメージは入っているだろうが。
「中々やるじゃないか、おれに僅かなスキを与えてくれなかったヤツは数える程しかいないぞ」
「そちらこそ野生動物如きが人形(オートマータ)、ましてやサーヴァント相手に此処まで太刀打ちできるとは。
驚くに越したことはない。」
最古の四人を瞬く間にゲェムの小道具にしてしまった
シルベストリの俊敏性。
それは我ながら誇っても良い物だとは、薄々ながらも感じている。
これまで、自分のスピードに付いてこられたのは、あの少年ぐらいの物だった。
後ろに眼を向けてみる。
其処には、先程のランサーのマスターたる少女が、未だに気絶したまま倒れ込んでいた。
―その女の子かランサーさんは、僕と貴方が答えを持っているかもしれない―
体内のスズランが揺れるのを感じる。
フランスにいた時に出会った少女が浮かび上がる。
またスズランが揺れる。
寂しかったと突いた少年の姿が浮かぶ。
(あのような儚き者に、答えが隠れている、と―?)
と考えたその時である。
『レモンエナジー!』
電子音声が鳴り響き、大量の光の矢が上空から降り注ぐ。
シルベストリ、後藤は即座にそれらを避けるが、コンクリートの地面に落ちた矢は爆発を始め、辺りに黒煙と風が巻き起こる。
暫くして、煙は収まるが―
「……逃げられたか。」
「グルル……。」
其処に突っ立っていたのは、後藤と狗神だけだった。
(練習にしては、中々良い腕鳴らしになったじゃないか)
こう言うのを人は「うぉーみんぐあっぷ」とでも言うのか、とでも考えながらも、後藤は全身の関節をポキポキと鳴らしてみる。
(しかし、これが宝具、魔力供給、と言う奴か)
聖杯の知識に曰く、マスターの魔力はマスターの体力を消耗する形で行われる、とか。
五体分の生命が詰め込まれている後藤ともなれば、それなりに高い適性を手にするだろう。
しかし、宝具「百鬼夜行(大阪ミッション)」による魔力消費。
大勢のサーヴァントを召喚する、と言った変わったこの宝具は、先程の
ぬらりひょんとの手合わせを含めて、後藤の体力を疲労させるには物足りた。
(さて、後何体程の―ようかい―が喚べるのやら)
戦いはまだこれからだ。
今後は、人間達を捕食することも視野に入れておくか。
『撤退するぞ、アサシン』
自身のサーヴァントに念話を送り、後藤は街を歩き出す。
夜(たたかい)はまだ留まり続けている。
◆ ◆ ◆
道角を曲がった所でランサーは、背負い込んでいた飛鳥を下ろし、コンクリートの壁によっかける。
ゲネシスドライバーにくっついている錠前を閉じる。
鎧は光となって消滅し、ランサーは何時もの赤コート姿を取り戻す。
「すみませーん、少し頼み事があるんですけどー。」
「!?」
サーヴァントの気配がする。
後ろを振り向く。
いたのは―和服の少年と帽子の老人と……
「マスターの知り合いか。」
「えぇ?知り合い!?」
ランサーが幸子と飛鳥が良くケーキを食べたり一緒に練習しているのを、彼女は知る由もない。
その為に困惑する幸子に、ランサーは其処でぐったり寝込んでいる飛鳥を見せる。
それを見て、更に幸子が驚いた表情を見せて駆け寄る。
「飛鳥さん!?」
心配げな顔をしてマスターに駆け寄る彼女を一瞥した後、ランサーは宗次郎と
シルベストリに眼を向ける。
宗次郎の笑顔と、
シルベストリの仏頂面を交互に睨みつけた後、ランサーは暫く黙り込むが―
「所ですみません、ランサーさん。」
「何だ。」
「此処で一つ、取引をしませんか?」
「……何だと?」
ランサーの眉間の皺が濃くなる。
それを見た後宗次郎は、幸子に見つめられながら寝ている飛鳥を一瞥する。
「まずは、彼女を起こしてから、ですけどね。」
【E-4/住宅街/1日目 夜(22:20)】
【
瀬田宗次郎@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 】
[状態] 健康
[装備] 無銘の刀
[道具] 無い
[令呪] 残り三画
[所持金] 学生相応
[思考・状況]
基本行動方針:答えを探す。答えによっては聖杯を獲るのも吝かではない。
1.
二宮飛鳥&ランサー(
駆紋戒斗)と交渉する。
[備考]
1.
百夜ミカエラ&バーサーカー(
黙示録の獣)を認識。ステータスを確認しました。
2.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
3.輿水幸子と行動を共にする事にしました
【
シルベストリ@からくりサーカス】
[状態] 健康
[装備] 左手及び、身体に内蔵された剣。
[道具] 無い
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:宗次郎と共に答えを探す。
[備考]
1.
百夜ミカエラ&バーサーカー(
黙示録の獣)を認識。ステータスを確認しました。
2.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
3.輿水幸子と行動を共にする事にしました。
【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態] 健康
[装備] 無い
[道具] 無い
[令呪] 残り三画
[所持金] 学生だがアイドルなので一般学生よりは多い
[思考・状況]
基本行動方針:答えを探す。『ボク』と共に居る
1.瀬田さん…
[備考]
1.
百夜ミカエラ&バーサーカー(
黙示録の獣)を認識。ステータスを確認しました。
2.
瀬田宗次郎&アサシン(
シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました
3.
瀬田宗次郎と行動を共にする事にしました
4.ランサー(
駆紋戒斗)のステータスを確認しました。
【輿水幸子@グランブルーファンタジー】
[状態] 健康
[装備] 大鎌
[道具] 無い
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:輿水幸子へと帰る。
1.小梅さんの見る映画みたいなスプラッターホラーな展開にはなりませんように。
[備考]
1.
百夜ミカエラ&バーサーカー(
黙示録の獣)を認識。ステータスを確認しました。
2.
瀬田宗次郎&アサシン(
シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました
3.
瀬田宗次郎と行動を共にする事にしました
4.
瀬田宗次郎&アサシン(
シルベストリ)が、人を殺し慣れていることに薄々感付いています
5.ランサー(
駆紋戒斗)のステータスを確認しました。
【
二宮飛鳥@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態] 魔力消費(大)、腹部にダメージ(大)、意識混濁
[令呪]残り3画
[装備]
[道具]
[所持金] 貧乏(一般学生の小遣いレベル)
[思考・状況]
基本行動方針:生きて帰る。
[備考]
1.セイバー(モモン)の宝具は目の当たりにしてますが、宝具だと感づいているかは不明です。
2.予選時にランサーに「覚悟」を見せつけたそうです。
3.アサシン(
シルベストリ)を認識。ステータスを確認しました。
4.アサシン(
ぬらりひょん)を認識。ステータスを確認しました。
【ランサー(
駆紋戒斗)@仮面ライダー鎧武】
[状態] 健康
[装備]
[道具] 戦極ドライバー、ゲネシスドライバー、ロックシード一式
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針:願いを叶える
1.アサシンを倒し三木は殺す。
2. セイバー(モモン)に対し(本人は否定しているが)再戦を望んでいる。
[備考]
1. セイバー(モモン)の宝具は目の当たりにしてますが、宝具だと感づいているかは不明です。
2. 「運命超越す緋色の王(ロード・バロン)」を除く全ての宝具を解放しています。
3.アサシン(
ぬらりひょん第一形態)のステータスを確認しました。
4.三木が人間でない事に気づきました。
5.輿水幸子&アヴェンジャー、
瀬田宗次郎&アサシンを確認。
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
[状態] 健康、魔力消費(一割)
[令呪]残り3画
[装備]
[道具] ライダーベルト、ガタックエクステンダー
[所持金] 何とか食うには困らない程度、それなりの預金は溜め込んである
[思考・状況]
基本行動方針:戦いを止める
1. 何だったんだ、あのアサシン……
2. これからF-2の廃倉庫に向かう
[備考]
- アサシン(ぬらりひょん)、ランサー(駆紋戒斗)のステータスを視認しました。
- 現場に遅れたので多分怒られます
【シールダー(
リディ・マーセナス)@機動戦士ガンダムUC】
[状態]健康
[装備] 「漆黒の一角獣(バンシィ・ノルン)」
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを護る
1. マスターが無茶をしないか心配
2. 何だったんだ、あのアサシン
[備考]
【後藤@寄生獣】
[状態] 健康、魔力消費(二割程)
[装備] 無し
[道具] 無い
[令呪] 残り三画
[所持金]タクシーに乗って「何がおつりはいいからねだ!」と罵られる程度。
[思考・状況]
基本行動方針:闘う。
1.魔力は多少減ったが、まあ良い、敵が見つかり次第闘うさ。
[備考]
1.アサシン(
シルベストリ)を認識。ステータスを確認しました。
【
ぬらりひょん@GANTZ】
[状態] 健康
[装備] 無い
[道具] 無い
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針:ぬらりひょーん
1.バナナ…興味深いぞ。
[備考]
1.
二宮飛鳥&ランサーを確認。ステータスを把握しました
2.
加賀美新&シールダー(
リディ・マーセナス)を確認、ステータスを把握しました
3.天狗を従えていましたが一旦消滅させました
【阿亀@GANTZ 再召喚不能】
投下順で読む
時系列順で読む
キャラ別で読む
最終更新:2023年10月13日 11:12