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やろうぜ、バトルロワイアル!~らき☆ロワ編~

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やろうぜ、バトルロワイアル!~らき☆ロワ編~ ◆h6KpN01cDg



―――い、今ありのままに起こったことを話すぜ!
「突然ロワに呼ばれて殺し合いをさせられていたと思ったら、今度は別のロワに呼ばれていた……」
何を言っているのか分からねえと思うが、俺も何が起きているのか分からなかった……

クロススレとかランキングとかそんなちゃちなもんじゃねえ、もっと恐ろしいカオスロワの片鱗を味わったぜ!

……どうしよう、本当に。

街中を歩いていたら、人ごみに紛れてしまいそうな地味な男。
身に纏う服も、雰囲気も、全てが『平凡』の域を出ない。
そんな彼は―――今、ぴくりとも動いていない。
否、動けなくなったのだ。
「……うっ、……」

見てしまった。
ランキング作成人は、その眼で、はっきりと直視してしまったのだ。
自らの良く知る高良みゆきという少女―――キャラクター、だが―――が、またも自分の知る長門有希という少女に惨殺されたその瞬間を。

初めは、また殺し合いか、と呆れただけだった。
そしてまあとりあえず協力してくれる人でも探すか、と、殺し合いに二度参加したものとして慣れた反応を取っていたのだ。
―――彼女の死を、眼前に焼き付けるまでは。

「…………っ……うぐ……」

確かに、自分とて前回のロワで怪我を負った。
手負いの女性を助けたりもした。
人が死ぬ瞬間、というのも感じていた。
しかし―――それでも、彼はあくまで一般人。
ただの殺し方ではない、原型すらとどめず、顔をぐちゃぐちゃに潰して立ち去ったのだ。
どこの出典の長門だろう。消失か?消失なのか?
間違ってもアニの長門ではないと思いたい。あの感動的なエンディングをぶち壊しにしないでくれ。

確かにみwikiさんはネタキャラだしロワでは不幸だし、ズガンされる可能性はあった。
でも、だからと言って、あんなの―――

―――俺も、ああなるんじゃないだろうか。

「……死んでもいいや」
もう、沢山だった。
ランキング作成人は、恐怖のあまり―――思考を投げた。
何も考えたくなかった。考えるだけで、先ほどのえげつない高良みゆきの様子が脳裏に思い浮かび、吐き気を催すからだ。
ここに来る前にさんざん痛い目にあった。死亡フラグもたった。
その上今度は別の殺し合い―――もう、いい。
どうせ、自分も高良みゆきのように死ぬに決まってる。
書き手としては、まだ心残りもある。まだ書きたい話はたくさんあるし、クロススレの集計もしたい。……何だかんだ言って、彼は集計を楽しんでいたのだから。
でも、もう終わりだ。


ここに来るまでは抱いていたはずの、『誰かを守りたい』という気持ちは急速にしぼんでいた。
名簿を見れば、保護対象である黒井ななこが参加していることを知れただろう。
そうすれば、ここでこうすることはなく、彼女を探そうとすることができたかもしれない。
しかし、ランキング作成人は―――確認する気も起きないほど、疲れていた。
恐怖で、絶望で―――どうでもよかった。

自分がいなくても、きっと誰かがクロススレの集計をしてくれるだろう。
ロワだってそうだ、自分がいなくても他の誰かがリレーしてくれる……
「……もう、嫌だ……」
彼は、精神的に限界だった。
同じ書き手でも、自分は6/氏のように強くはなれない。
ロワに何回出ても耐えられるなんて、自分には到底無理だ。
前の会場では、ななこが目の前で怪我をしたから覚醒しただけ。
再び一人に戻り、支給品も何もかも没収された今、自分はやはりただの弱者のままなのだ。
孤独は、ランキング作成人からなけなしの勇気を奪い取った。
「……いっそのこと、誰か楽に殺してくれればいいのに……」
心の中では、分かっている。
こんなことではだめだ、と。名簿を確認し、知り合いがいないかどうかを確かめれなければならないと。
そして、書き手としてできることをすべきだ、と。
でも、もう疲れた。今なら、死んでも何にも後悔はない。

足跡が近づいてくる。
殺し合いに乗った人物だろうか?それでもいい。
できるだけ痛くないようにしてくれるなら、殺してくれて構わない。だから――――
「……お、俺は……死んだって構わない」
呟く。
足跡が、止まった。
「……どうせ俺は弱い、何の力もない……
一度なら頑張ろうとも思えた。でも……もう二回目なんてこりごりなんだ。
お前はマーダーか?対主催か?どっちでもいい。隙にしてくれ。ただ―――殺すならできるだけあっさりと俺を殺してほしい」
相手の顔も見えない、でも構わなかった。
相手が対主催で人殺しをしないというなら、それでも構わない。
自分は適当についていくだけだ。……どうせ、何の役にも立つまい。
もちろん、殺されるのは覚悟の上だ。

沈黙が、落ちる。
相手も何も口を開かない。
何か言ってくれ、と祈るランキング作成人。
しかし、相手は更に彼の予想を裏切ることをやってのけた。
なんと―――何も言わず、無言で自分の背後から離れていくではないか。
助けてもくれなければ、殺してもくれなかった。
興醒めじゃねえか、と呟いた声にはどこか聞き覚えがあった気がしたが、今はそれどころではない。
待てよ、そう言いかけてやめる。
自分で望んで殺してもらうなんて馬鹿みたいじゃないか。
じゃあどうすればいい、このままでいいのか?
「……どうすりゃいいんだよっ……」
喉にこみ上げてくる気味の悪さ。
自分も長門に襲われれば、みゆきのように言葉さえ発する間もなく死ぬだろう。
そうすれば、終わる。
もうこんな悪夢もみらずに済むのかもしれない。

「おい、てめえ!いつまで俺を閉じ込めておくつもりだよ!早く出せ!そして俺を可愛い女の子と会わせやがれッ!」
ディパックの中から、声がした。
……何だ?何が入っているんだ。
彼はその時初めて、支給品の存在を思い出す。
この声には、聞き覚えがあるな。自分の出ていたロワじゃないが……
「教えろボケ!ここにはレナや俺の嫁のティアナはいるのか?なあ!」
もしかして、クロスミラージュか?……ややキャラが崩壊しているが。
そう言えばニコニコ仕様はこんな感じだった気がするな。
……別にどうだっていい。
(どうせ、俺は死ぬんだ―――)
「確認くらいしやがれってんだ!……お前の仲間がいるかもしれねえんだぞ!?」

―――殺し合いは、やーめーろー!

その時。
俺は、思いだした。
あの殺し合いの会場で、カラオケセットを使ってそう叫んだ女性の顔を。
自分の良く知る漫画、らき☆すたのキャラ、黒井ななこ。
彼女は、自分より弱かった。それなのに、殺し合いを望まず、生徒の死を嘆きながら沙枝という少女を救いだそうとした。
教師として、大人として、自分以上にたくましく走り回っていた。
―――まさか、彼女も―――?
いや、彼女だけじゃない、他の書き手や前のロワで知り合った人たちも……?
そこで、ランキング作成人は、今までの絶望感が吹っ飛んだ。
怖い。しかし、もし自分の同行者がここにいるならば。
「……くっ……」
自分は何をやっていたんだ―――そう後悔する。
そう言えば、さきほど聞いた声も、アニメで聞き覚えのあるものだった。そう、ひ○し的な。
みゆきも長門もいた、ということは、ここにななこがいる可能性は十分にある。

―――何で死んでもいいなんて考えたんだよ、俺は!

「な、ほら知り合いいただろ?なな?ということで俺に感謝して美少女か美女に会わせろよ!絶対だぜ!」
一人ではないとすれば、ここで逃げるわけにはいかない。
ランキング作成人は名簿を開き、そしてやはり知り合いの名前を見つけ、嘆く。
「黒井先生……それにいつものことだけど6/さん!かえる……はあのかえるか?……紗枝……や狭霧とかいう危険人物はいないみたいだが……」
「おい、お前無視してんじゃねえよ!」
確認さえしてしまえば、あとは簡単だった。
何故、今まで自分は絶望していたのだろう。そんなことすら分からなかった。

決して、恐怖心がない訳ではない。
今も、高良みゆきの潰れた顔面を思い出すだけで、胸糞悪い気分だ。
しかし―――それでも。
「意地があんだろ、男の子には!」
ここに来る前、連れて来られていた場所でも呟いたその台詞を、もう一度。

ランキング作成人は、まっすぐに歩きだした。

ランキング作成人は、知らない。
黒井ななこは、自分と出会ったロワとは異なる世界から来ていることを。
そして、今の彼女は、生徒を想うが故に修羅の道を歩もうとしていることを。

「だーかーら、俺を無視すんなっつうのー!聞いてる、おい聞いてる!?」

【D-3/湖畔/1日目-深夜】
 【ランキング作成人@オールジャンルバトルロワイアル】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、未確認支給品1~2、クロスミラージュ@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:ななこ、6/と言った知り合いと合流する
  1:誰にも死んでほしくない。自分も死にたくない

※高良みゆきの死ぬ瞬間を目撃しました。
※ラッドの『声だけ』聞いています。


―――こいつは、傑作だ。
名簿に目を通したラッド・ルッソがはじめに抱いた感想は、それだった。

―――おいおいおいおいおいおい、これはどういうことだよ。俺はシンヤ君を殺したよなあ?なのに何だってシンヤ君の名前が書かれているんだよ!?
……もしかしてあれか?シンヤ君も実は不死者だった、って奴か?
ラッドの口元が、徐々に吊り上がっていく。
笑っているようにも見えるが、それは彼にとって、紛れもない『殺意』だ。
―――不死者だったとすれば、シンヤ君は殺す前に思っていた以上にこう考えているはずだよなあ?
俺は死なない、殺される訳がない、誰よりも強いのは俺だ――――ってなあ!

それは、彼にとってのスイッチだった。
殺したい。
今度こそ、いや、今度『も』、殺してやりたい。

相羽シンヤの―――人を見下した、自信に満ちた顔を思い出す。
相羽タカヤの―――「俺はお前なんかに殺されない」という言葉を思い出す。
彼の中の、スイッチが押される。
ぱちりと、ぱちりと、ぱちりと、ぱちりと。

殺したい。
死なない人間を、殺してやりたい。
自分は絶対に死なないと思っている人間を、―――神さえも、殺してみたい。
それはラッド・ルッソの信条であり、ルールであり、義務でもある。

―――やっぱり自分は死なねえと思ってるタカヤ君もいるな。……お、ナオちゃんもいるのか。

名簿を見ながら歩を進めていくラッド。
しばらく進んでいると、彼の知らない男の背中が見えた。
あいつもこの殺し合いで死なないと思っている奴だろうか、そう思って近づく。
しかし男の言葉を聞き、ラッドは自らの興奮が急速に冷めるのを感じた。
「……お、俺は……死んだって構わない」
―――死んだって、構わない、だあ?

タカヤとシンヤの兄弟を殺すことでいっぱいだった頭が、冴え渡る。
見れば目の前の男は、すっかりおびえきっており、声も震えていた。
―――やめだ。

ラッドは、マフィアであり、歪んだ価値観の持ち主ではあるが、決して殺人狂ではない。
彼が殺したいと願うのは、『自分は死なないと思っている人間』のみ。
自分に関係ないところで死ぬ分にはどうなろうと構わないが―――『死にたがっている』人間を殺す気になど、さっぱりなれないのだ。
「……興醒めじゃねえか」
これ以上この殺意を覚まされてはたまらない。
ラッドはその男から離れて立ち去っていく。
死にたがり、でも自らの婚約者のような美人ならともかく、あんな体を鍛えてもいなそうな男を殺すなんて面倒くさいことはしない。
―――ったくよお、あんな奴殺しても面白くも何ともねえよ。……これでますますあの二人に会いたくなってきたじゃねえか!……ん?
再びあのえらそうな兄弟のことをもう一度考え、そして思い返す。
一人、忘れていたのだ。


相羽兄弟でも、結城奈緒でも、他に放送で名前を聞いた覚えのある他の人間よりも。
もしかしたら、この場にいる中で誰よりも―――殺したい相手。

「……ああ、そういやもう一人いたなあ……俺が会わなきゃいけない奴が!」

『彼女』は、不死の体を持つ少女。
『彼女』は、自らに対して自慢げに『死なない』ことを語った命知らず。

「なあ、―――かがみちゃん?」

柊かがみ、のことを。

殺す。
柊かがみを―――殺す。
ラッドは、不死者というものの仕組みがよく分かってはいない。
だから、彼は不死の酒で不死者になれる、ということは理解していたが、不死者が他に何ができるのか、は知らなかった。
ただ、ラッドが分かっているのは。
かがみが自分に対して『死なない』と言った、ただそれだけの事実。
ラッドがかがみを殺そうと殴りかかったその時―――彼はこの場に飛ばされてきたのだ。
仕留めそこねた。
それだけは、何よりも理解している。

だから、――-今度こそ、殺す。
100回でも、200回でも殺してやる。死ななかったら首を刈り取って禁止エリアに放り込んでやる。
それでも死ななきゃ―――また、殺す。
それは矛盾しているようにも思えるが―――それは、ラッドを止める理由にはならない。
「……今頃、ここで思ってるんだろうなあ、かがみちゃんは」
その声は、どこまでも低く、不気味な色を帯びていた。
常人が見たならば発狂しているようにしか見えない表情で、笑う。
「自分は強い不死者だから、別の『バトルロワイアル』に巻き込まれても絶対に負けない、死ぬことなんてない―――ってなあ!」

「待ってろよ?タカヤ君にシンヤ君にかがみちゃん……俺が今度こそぶっ殺してやっからよお!」

そしてラッドは、ディパックの中に入った代物を思い出し、さらにその笑みを深める。
武器は入っていなかったが、一つだけ有用なものがあったのだ。
それは、ラッド本人にはまったく無意味なもの。
武器にもならなければ、金目になるかどうかも分からない。
しかし、それはラッドの心を躍らせた。

―――タカヤ君と決着を付けたいんだよなあ?シンヤくうん?
テッカマンエビルのクリスタル。
それが、ラッドに配られた支給品の一つだった。

ラッドは知らない。
ここにいる柊かがみは、彼の知り合いではなく、ましてや不死者でもなんでもないごく普通の少女であるということを。
そして、自分が、『不死身の柊かがみ』と同じ、不死者の体になってしまっているということを。


【E-3/道路/1日目-深夜】
【ラッド・ルッソ@アニ2】
 [状態]:健康、不死者(不完全)
 [装備]:なし
 [持物]:支給品一式、テッカマンエビルのクリスタル@アニ2、未確認支給品1~2(武器はない)
 [方針/行動]
  基本方針:自分は死なないと思っている人間、不死者を殺す。
  1:かがみ、Dボゥイ、シンヤは特に念入りに殺す。
  2:死にたがってる奴?女ならともかく、男なら殺す気なんて起きるかよ

※238話「ディナータイムの時間だよ(食前)」の、死亡前から参加。よって自分が不死者であるという事実にまだ気づいていません。


032:四度目のスタートライン 投下順に読む 034:おまえら人間じゃねぇ!(読者視点)
032:四度目のスタートライン 時系列順に読む 015:既知との遭遇
ランキング作成人 043:作成人のパーフェクト?メタ考察教室
ラッド・ルッソ 054:衰弱と不満


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