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作成人のパーフェクト?メタ考察教室

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作成人のパーフェクト?メタ考察教室 ◆KuKioJYHKM



ザク、ザク、ザク……。
夜の湖畔に、足音だけが響く。足音の主は、大きく十字架が描かれた服を着た青年だ。
本名は不明。ただこの場所では、彼は「ランキング作成人」という名を与えられている。

「しかし、人がいないねえ……」

静寂を嫌うかのように、作成人はぼそりと呟く。

『まったくだぜ! 美少女の一人もいやしねえ! ああ、パンツめくりてえ! セクハラしてえ!』
「てめえは黙ってろ、エロスミラージュ。沈黙以上に気が滅入る」

自分の言葉に反応する電子音声に、作成人は辛辣な台詞を浴びせる。

『変な名前で呼ぶな! 俺はクロスミラージュだ!』
「エロスがいやなら、変態にしておくか? 俺はな、軽いギャグとしてのエロネタは好きだがヘビーなのは苦手なんだよ。
 だいたい魔力なんてかけらもない俺にデバイスなんか支給されても、無用の長物なんだ。
 せめてレイハか正常なクロミラなら、話し相手ぐらいにはなったものを。湖に沈めずに持ち歩いてるだけでも、ありがたいと思えよ」
『えっと、なんかごめん……』

本気で殺意がこもった台詞に、クロスミラージュはつい謝ってしまう。

『ってーか、正常な俺って何よ? 俺にどっかおかしいところあるわけ?
 そういやレイハ姉さんも、俺のこと違和感があるとか言ってた気がするけど……』
「何だ、わかってないのか? いいさ、説明してやるよ。ちょうど休めそうな場所も見えてきたしな」

作成人が指を指す先。そこには、立派な神社が堂々と建っていた。


◇ ◇ ◇


「鷹宮神社ねえ……。なんか、すごい聞き覚えのある名前……」

神社の名前に苦笑しつつ、作成人は境内へ足を進めていく。周囲に人の気配がないか確認しつつ、彼はそのまま建物の中へ入っていった。

「こういう地図に載ってる建物には、自然と人が集まるもんなんだけど……。
 タイミングが悪かったかな」

人がいないことに愚痴をこぼしつつも、作成人は適当な部屋を選んで腰を下ろす。

『それじゃあ、さっきの話の続きを聞かせてもらおうか。俺が正常じゃないってのはどういうことだ?』
「その前に、一つ訊かせてくれ。お前、ここに来る前はどこに誰といた?」
『ああ? レナと一緒に、幻想郷の宴会に出てたんだよ。それで帰ろうとしてたら、いつの間にかデイパックの中だ』
「そうか、その時間軸なら知ってるだろう。お前たちが参加させられていた殺し合いと、ニコニコ動画との関連を」
『ああ、俺たちの世界が別の世界ではアニメになってて、ニコニコ動画ってところで有名になってたから殺し合いに呼ばれたって話だろ?
 それとこれとどう関係が……って、ちょっと待て』

クロスミラージュの声が、急に真剣味を帯びる。

『なんでお前が、あの殺し合いのことを知ってるんだ……。まさかお前、あの殺し合いの関係者なのか?』
「いや、関係者と言えなくもないが、直接は関わっていない。ただ読んでいただけだ」
『読んでいた? 意味がわからねえ……』

作成人の返答に、クロスミラージュは困惑した様子を見せる。

「俺の世界にも、ニコニコ動画は存在する。そしてお前が参加させられていた殺し合いは、小説という形で存在してるんだ。
 『ニコニコ動画バトルロワイアル』ってタイトルでな」
『何だと!? そんなことあり得るはずが……』
「あり得ないなんてことはあり得ない。ある世界が他の世界でアニメや漫画になってたんだ。
 小説だけを否定するのはおかしいだろう?」

クロスミラージュの言葉を途中で遮り、作成人は彼が言おうとしたことを否定した。

『まあ、確かに……。言われてみればそうか』
「さて、何の話だったか……。ああ、そうだ。お前がいた世界は、俺たちの世界じゃ『魔法少女リリカルなのは』ってタイトルのアニメとして存在している。
 だがそのアニメに登場するクロスミラージュは、お前とは性格がまったく違う。
 寡黙で真面目。それがクロスミラージュ本来の性格なんだ。俺が言った『正常なクロミラ』ってのはそういうことさ」
『なんてこった! このナイスガイの俺様が、お前たちの世界じゃそんな面白味のない性格に改悪されちまってるのか!』
「いや、逆だろ……常識的に考えて……」

クロスミラージュの考え方に、作成人は思わずあきれた声を漏らす。

『まあいいや。よその世界の俺がどうであろうと、俺は俺だからな! これからもセクハラしまくって……』
「それは自重しろ、変態デバイス」

作成人はクロスミラージュを床に叩きつけ、それを踏みつけた。

『やめろ、やめろって! 俺は可愛い女の子ならともかく、男に踏みつけられて興奮する趣味はねえ!』
「いやだなあ、だからこそ罰になるんじゃないか」

黒い笑みを浮かべながら、作成人は更にクロスミラージュを踏み続ける。

『わ、わかった! 自重する! 自重するからやめてくれ!』
「よし、いいだろう」

ようやく足をどけてもらい、クロスミラージュはデバイスだというのに安堵の溜め息を漏らした。

『クソ、こっちが文字通り手も足も出ないからって好き放題やりやがって……。いずれ痛い目見せて……』
「何か言ったか?」
『い、いえ! 何でもありません!』
「そうか」

冷めた声で言うと、作成人はふいに荷物から名簿を取り出す。

「さて、せっかくだからこの流れで参加者についての考察もしておこうか」
『はい? どういうことだ?』
「お前は聞いていなかっただろうが、このバトルロワイアルの主催者はこう言ってたんだ。
 『ここにいる者のほとんどは、すでに殺し合いを経験している』ってな。
 実際、俺も別の殺し合いからここに連れてこられたしな。
 そして俺が読んだことのあるバトルロワイアルの小説は、一つだけじゃない」
『つまり俺たちのいた殺し合いと同じように、お前さんが読んでた小説と同じ殺し合いが行われた世界がどこかにある。
 この殺し合いの参加者は、そこから連れてこられた。そう言いたいのか?』
「Exactly(そのとおりでございます)」
『もしそうなら、お前さんめちゃくちゃ有利じゃねえか。前の殺し合いで誰が殺し合いに乗ってて、誰が乗らなかったか、全部知ってるんだろ?
 それならいくらでも対策を立てられ……』
「いや、そう単純にはいかないんだなあ」

クロスミラージュの言葉を、作成人はあっさりと否定した。

「たとえば今回はいないが、お前の主人であるティアナを例に出そう。
 俺が知っているだけでも、ティアナは三つの殺し合いに参加させられている。
 もちろんそれらのティアナは同一人物じゃない。平行世界の、それぞれ違うティアナだ。
 この名簿に載っている人たちも、その多くが複数の殺し合いに参加させられている。
 同一人物だからって、いつも殺し合いに対して同じスタンスをとるわけじゃない。
 この名簿じゃ、誰がどの殺し合いから連れてこられたかまではわからない。
 おまけに主催者は、こんな事も言っていた。『今回初参加の特別ゲストもいる』。
 これも、誰が当てはまるのか判断する材料はない。
 つまり俺の知識で危険か否かある程度判断は出来ても、断定は出来ないってことさ」
『長い説明だったが……。要するになにもわかりませんってことか?』
「いや、そうでもない。少なくても何人かは、俺の知識が十分に役に立つ」

にやりと笑いながら、作成人は言う。

「書き手ロワ2ndと呼ばれる殺し合いがある。
 この殺し合いの参加者は、実在する人物をモデルにしてはいるがこの話の中にしか存在しないキャラクターだ。
 すなわち他の殺し合いには参加しておらず、これが初の参加ということもまずあり得ない。
 つまり、前回の殺し合いの行動がそのまま今回にも適応される可能性が高いってことだ」
『なるほど……』
「書き手ロワからの参加者は6人。その内熱血王子、こいつはほぼ確実に危険人物だ。
 死亡した後ならば改心しているが……。まずない。俺が主催者なら、そんなことはしない。
 改心する前から連れてくる。そうじゃないと面白くないからな」
『面白くないって……。そういうものなのか?』
「そういうものなんだ。次に地球破壊爆弾、ロリスキー、フラグビルドの三人。
 この三人は基本的には信頼できるが……。時期によってはやばい。連れてこられた時期によっては、危険人物になりうる。
 逆にChain-情とウッカリデスの二人。この二人は完全に白。どの時期から連れてこられたとしても、九分九厘無害だ」
『ふむ……』
「他に断定は出来ないが、ゲームに乗っていない可能性が高そうな参加者は……。
 アルフォンス・エルリック、いさじ、桂ヒナギク、ジョセフ・ジョースター、園崎魅音、ピッピ、南春香、やる夫、遊城十代、こんなところか」
『断定できないと言いつつ、ずいぶん挙げてるじゃねえか』
「あくまで可能性が高いだけだ。どんな善人でも、皆殺しの剣とか支給されたら一発発狂だしな。
 それに、今まではゲームに乗らなくても今回は特別、ってことだってありうる。たとえばこいつだ」

作成人は、名簿の一点を指さす。そこには、「真・長門有希」の名前があった。

「長門有希は多くの殺し合いに参加しているが……。『真』がつくとなれば一人しかいない。
 そして他に長門有希の名前はない。ゆえに、俺がさっき目撃した『殺人を犯す長門有希』は彼女以外にあり得ない。
 だが、彼女はゲームに乗るような人間ではなかった。少なくとも、前の殺し合いじゃあな。
 正当防衛にも見えなかった。となれば、気が変わったとしか思えない。
 おそらく彼女の目的は奉仕……。仲間、特に恋人である朝倉涼子を優勝させるための行動だろう」
『ちょっと待て、彼女ってことは、その長門って参加者は女なんだよな?』
「そうだけど?」
『で、お相手の朝倉涼子も、名前からしてたぶん女』
「うん。それがどうした?」
『いや、何でも……』

まあそれはそれで、などと呟くクロスミラージュをよそに、作成人は更に喋り続ける。

「とにかく、俺が持っている情報はあくまで前の殺し合いのものでしかない。参考には出来るが、過信は禁物だ」
『O.K、結論はわかった。それで、なんでそんな曖昧な結論のために長々と喋ってたんだ?』
「なんでと言われてもな……。意味がなかったら喋っていかんのか?」
『いや、そこまでは言ってねえけど』
「単純に自分の考えを整理してただけだよ。それをお前にも聞いてもらってたってことだ。
 非常に不本意ではあるが、今後しばらくは一緒に行動することになりそうだからな。
 情報は共有しておくに越したことはない」
『非常に不本意って……。そんなに俺がいやか』
「いやだね」

作成人は、きっぱりと言い切る。

「まあそれはいいとしてだ」
『いや、よくねえだろ!』
「俺としては死人は最低限に抑えたい。そのために必要なのは殺し合いに乗らない参加者の結集。それによる殺し合いの早期破壊だ」
『ガン無視しやがった、こいつ……』
「じゃあ、仲間を集めるのに必要なものは何かと言えば」
『幼女!!』
「違うわ!」

自信満々に言い放ったクロスミラージュに対し、作成人は体重を乗せたエルボードロップを見舞った。

「だが、あながち遠くもない。要は他人を引きつけるもの、カリスマ性だな」
『遠くないなら攻撃するなよ!』
「間違ってはいないがお前の態度が気に入らない」
『どんだけ横暴なんだよお前!』
「それはさておき……」
『さておくなー!!』

クロスミラージュの悲痛な叫びは、やはりというか当然というかあっさりスルーされる。

「残念ながら、俺にカリスマ性なんてものはない。となれば、カリスマを持った参加者を仲間にする必要がある。
 狙うべきは彼女……。残念ながら100%安全とは言えない人材だが……泉こなた
 あのパピヨンでさえ虜にしたカリスマと、初対面の相手とも比較的簡単に打ち解けられるコミュニケーション能力。加えて強運。
 集団の中核としては申し分ない存在だ。彼女と合流を果たせれば、大規模な集団の形成も夢じゃない」
『ふむふむ。で、その人がどこにいるかわかるのか?』
「俺にわかるわけがないだろう。そんな能力ない」
『いや、あっさり言うなよ。どうやって探すんだよ』
「歩き回ってに決まってる。それ以外の方法があるか?」
「しらみつぶしかよ! そんなので本当に見つかるのか?」

徐々にヒートアップしていくクロスミラージュに対し、作成人は淡々とした態度を崩さない。

「狙うという言い方はしたが、この場で誰と出会うかなんて本当に運次第だからな。
 見つけられればラッキー、ぐらいの考えだよ。それに彼女以外にも、見つけたい人はたくさんいる。
 遭遇確率を上げるには、とにかく動き回る。これしかない」
『まあ、確かに……。会いたいと思って会えるんだったら、苦労はないよな』
「珍しく、あっさり納得したな」
『最初からそう言ってくれれば、素直に納得したっての。けど、本当にそれでいいのか?
 確実に見つけられる方法はなくとも、確率を上げる方法ぐらいはあるんじゃ……』
「あるかもしれないけど、手持ちのカードじゃどうにもならないな。結局最後にものを言うのは、地道な努力だよ。
 そういうわけだから、そろそろ行こうか。考察やって時間潰してはみたけど、誰も来ないみたいだしね」

そう言うと作成人は腰を上げ、クロスミラージュをポケットにしまう。
そして、神社を発つべく歩き出した。

「早く仲間、見つかるといいなあ……」

青年のつぶやきは、夜の闇に消えていった。


【C-3/神社/1日目-黎明】

 【ランキング作成人@オールジャンルバトルロワイアル】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、未確認支給品1~2、クロスミラージュ@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:誰にも死んでほしくない。自分も死にたくない
  1:ななこ、6/と言った知り合いと合流する
  2:ロワ破壊のための仲間を集める(こなたを仲間にしたいが、「会えればラッキー」程度の優先度)。
  3:クロミラがウザい。


『ところでさっきティアナはいないって言ってたけど、他の機動六課の女の子たちはいないのか?』
「ああ、いるよ? なのはさん、フェイト、スバル、シグナムの四人」
『ちょ、それ早く言えや! 明らかに殺し合いに乗らないだろ、その美少女たち!
 俺が仲介に入れば、信頼を得るのも簡単だろうし……』
「でもなあ……。なのはさんはある殺し合いで『悪魔』と呼ばれるぐらい暴れたし、フェイトはなのはさんのためにゲームに乗ったことあるし、
 スバルは疑心暗鬼になって仲間まで襲ったことあるし、シグナムはバリバリ殺しまくってるし……」
『……こえー。機動六課こえー』


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