衰弱と不満 ◆LcLEW3UbhI
謝らなくちゃいけない許されなきゃいけない謝らなくちゃいけない許されなきゃいけない謝らなくちゃいけない許されなきゃいけない謝らなくちゃいけない許されなきゃいけない謝らなくちゃいけない許されなきゃいけない
ゴマモンの頭の中を埋め尽くすその文字群は、恐ろしい速度でゴマモンの精神を蝕んでいた。
ゴマモンはそれから逃れようとしてひた走る。誰でもいい、許してくれる者を求めて。
ゴマモンはそれから逃れようとしてひた走る。誰でもいい、許してくれる者を求めて。
自分を、救ってくれる者を求めて。
既にゴマモンは海中を脱し、陸を走っていた。といっても、速度は子供が走る程度……大人が少し早歩きする程度でしかないが。
それでも出来る限りの速度で、草根を掻き分け、辿り着いたコンクリートの上をペタペタと走る。
それでも出来る限りの速度で、草根を掻き分け、辿り着いたコンクリートの上をペタペタと走る。
「痛っ」
と、躓き、ゴマモンはその場で転倒した。
本来なら体型上、転倒などという事態は起こりえないはずだったが、疲労が溜まり、まともに手足を動かす事すらままならない今の状況なら話は別だ。
本来なら体型上、転倒などという事態は起こりえないはずだったが、疲労が溜まり、まともに手足を動かす事すらままならない今の状況なら話は別だ。
「うう……」
少し涙ぐみつつも、必死になって再び走り出そうとする。
だが、それは無理な話だった。既に疲労は限界に達していたのだろう。どんなに力を込めても、その四肢はピクリとも動かない。
だが、それは無理な話だった。既に疲労は限界に達していたのだろう。どんなに力を込めても、その四肢はピクリとも動かない。
動かなければならない……。
早く謝らなくてはならない……。
早く許されなくてはならない……
早く謝らなくてはならない……。
早く許されなくてはならない……
「あああ……」
呻くように声を上げる。足を止めたせいか、文字群は更に勢いを増して襲い掛かってきた。
なんとかそれから逃れようと足を動かすが、やはりどうにも動かない。
なんとかそれから逃れようと足を動かすが、やはりどうにも動かない。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ……ゴホ、ゴホ」
息を吸い、吐き、言葉を発す。
ゴマモンはそれだけの動作すら、まともに行えなくなっていた。
長い間走り続けたことによる肉体的な疲労。そして誰にも許してもらえないという精神的な疲労がゴマモンから全てを奪っていく。
ゴマモンはそれだけの動作すら、まともに行えなくなっていた。
長い間走り続けたことによる肉体的な疲労。そして誰にも許してもらえないという精神的な疲労がゴマモンから全てを奪っていく。
「ごめ……ゴホ、んな……さい……」
既に手足の感触は無い。自分の言葉が確かに口から出ているかも分からない。音もほとんど聞こえず、臭いを嗅ぐ事も出来ず、視界もまた、ぼやけていく。
脳に異常が起きたのか、思考さえも狭まっていく。考えるという動作一つ、出来なくなっていく。
それでもゴマモンは許しを請い続ける。何もかもを失っても、ただひたすらに許しを請い続ける。
脳に異常が起きたのか、思考さえも狭まっていく。考えるという動作一つ、出来なくなっていく。
それでもゴマモンは許しを請い続ける。何もかもを失っても、ただひたすらに許しを請い続ける。
「……っ」
誰かが何かを毒づく声が聞こえたような気がした。けれども、ゴマモンの脳はそれを受け付けない。今、ゴマモンが受け入れるのは自分を救う……許す言葉だけだ。
それは甘えだ。温くて、やわで、そして恐ろしく愚かな考えだ。
ゴマモンはそれを心の底では理解していながらも、今の行動をやめることが出来ない。甘えを捨てる事が出来ない。
捨ててしまったら、現実を受け入れなくてはならなくなってしまうから。
きっと自分は誰にも許されないという現実を、受け入れなくてはならなくなってしまうから。
もしもそれを受け入れたら、ゴマモンの心は、既にボロボロのゴマモンの心はきっと砕けてしまうから。
捨ててしまったら、現実を受け入れなくてはならなくなってしまうから。
きっと自分は誰にも許されないという現実を、受け入れなくてはならなくなってしまうから。
もしもそれを受け入れたら、ゴマモンの心は、既にボロボロのゴマモンの心はきっと砕けてしまうから。
あるいはそれは、とても愚かでありながらも、極めて賢い判断なのかもしれなかった。少なくともそうやって甘え続け、逃げ続ける限り、ゴマモンの心はどんなに病んでも、存続し続ける事が出来る。
心を、守り続ける事が出来る。
心を、守り続ける事が出来る。
ゴマモンは溢れ出そうになる涙を堪えつつ、這いつくばりながらも強引に前へと進んだ。その一歩は果てしない肉体的な疲労に勝る、どうしようもないほどに巨大化した精神的疲労の生み出した一歩だ。
「ごめ……んな……さい……」
響きの変わらないその言葉は、静かに闇に溶けて、消え失せた。
【E-4/1日目-早朝】
【ゴマモン@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:脳に影響が出るほどの激しい疲労、精神的に極めて大きな負担
[装備]:なし
[持物]:なし
[方針/行動]
基本方針:許されたい
1:かがみの知り合いにあって謝る
2:とにかく許されたい
[備考]
漫画ロワ出身の人物達の話をある程度聞きました(ジョセフが面白半分で説明したので正確さは不明です)
主催には時空を超える能力があるという推測を聞きました
参戦時期は死亡後です
【ゴマモン@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:脳に影響が出るほどの激しい疲労、精神的に極めて大きな負担
[装備]:なし
[持物]:なし
[方針/行動]
基本方針:許されたい
1:かがみの知り合いにあって謝る
2:とにかく許されたい
[備考]
漫画ロワ出身の人物達の話をある程度聞きました(ジョセフが面白半分で説明したので正確さは不明です)
主催には時空を超える能力があるという推測を聞きました
参戦時期は死亡後です
(おいおいおいおいおいおい、冗談じゃねえぞ。ここはアレか? 自殺志願者どものセミナーですかぁ? マジ冷めるぜ)
ラッド・ルッソはゴマモンの前で軽く舌打ちすると、その場を離れた。
妙な声が聞こえたので楽しくブッ殺してやろうと思えば、そこにいたのは壊れたアザラシが一匹だ。興醒めもいいところである。
(あーあーあーあーあー、テンション落ちてきたぁ。次こそ殺し甲斐のある奴に会いてぇなぁ、おい!!)
心中で不満を撒き散らしながら、ラッドは支給品の中から地図を取り出した。そして定める。次の標的を。
「百貨店……いかにもぬくぬくと生きてきた緩い奴らの溜まりそうな場所じゃぁねぇの」
言葉と同時に、いかにも楽しそうに笑うと、ラッドはその足を北へと向けた。
【E-4/道路/1日目-早朝】
【ラッド・ルッソ@アニ2】
[状態]:健康、不死者(不完全)
[装備]:なし
[持物]:支給品一式、テッカマンエビルのクリスタル@アニ2、未確認支給品1~2(武器はない)
[方針/行動]
基本方針:自分は死なないと思っている人間、不死者を殺す。
1:かがみ、Dボゥイ、シンヤは特に念入りに殺す。
2:死にたがってる奴?女ならともかく、男なら殺す気なんて起きるかよ
【ラッド・ルッソ@アニ2】
[状態]:健康、不死者(不完全)
[装備]:なし
[持物]:支給品一式、テッカマンエビルのクリスタル@アニ2、未確認支給品1~2(武器はない)
[方針/行動]
基本方針:自分は死なないと思っている人間、不死者を殺す。
1:かがみ、Dボゥイ、シンヤは特に念入りに殺す。
2:死にたがってる奴?女ならともかく、男なら殺す気なんて起きるかよ
※238話「ディナータイムの時間だよ(食前)」の、死亡前から参加。よって自分が不死者であるという事実にまだ気づいていません。
053:毒をもって毒を制す | 投下順 | 055:K-パックス |
053:毒をもって毒を制す | 時系列順 | 055:K-パックス |
009:イノセント~罪を負いしままで~ | ゴマモン | 075:湖につつまれて |
033:やろうぜ、バトルロワイアル!~らき☆ロワ編~ | ラッド・ルッソ | 060:誰かが死ぬのが怖いのか? |