らき☆ロワ @ ウィキ

シスターバルサミコス

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シスターバルサミコス ◆nkOrxPVn9c



殺戮の宴が開始されてから初めての光が孤島を覆う。
この草原に置いても日の光は差し始め、草木が本来の色を取り戻していく。
生物の活動が活発になり始める時刻に草むらの中を一つの影が横切っていた。

「大分時間をとっちまったな・・・・・・そろそろ放送だろうか」

声の主は髪を二つに束ねた少女である。
ただ、彼女の口調は女のそれとは違い、また、服装も年頃の少女のものとはかけ離れていた。
少女はもう一人の少女を背負いつつも音を立てながら草の中を進んでいる。
彼女の背負っている少女も彼女と同じような顔立ちをしているが、
こちらは若干おとなしそうだ。 服も年相応の女学生のものを着ている。

「百貨店まではっと・・・・・・ふむ、後もう少しってとこか」

まるで自分に言い聞かせるがごとく地図の一拠点の名を口にする。
前述の通り彼女はろくに着るものがないのだ。
だが衣食住、ほとんどのものが揃うという百貨店なら、
このバトルロワイアルに置いても皆が求めるものが置いてあるのだろう。
彼女はそこで衣服を探すつもりなのだろうか。

「ぅうん・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・」
「お姉ちゃんか・・・・・・」

背にいる少女の寝言に思わず彼女は呟く。
彼女の背で眠っている少女は幸せそのもので、今この現状で繰り広げられているであろう
殺し合いの出来事など全て忘れているみたいであった。

「昨晩は大変だったなぁ」

少女は歩を進め変わり行く景色を眺めながらため息を吐く。
そして彼女、否彼は己がこの少女とこのようになってしまった経緯を思い出してみることにした。
それでは数刻前に遡ってみることにしよう。

「ここからは俺が説明するから休んでいていいぞ」

あ、それでは先にあがります。

「お疲れー」






☆ ☆ ☆

「おねえちゃあああああん!!!」
「ぬおっ!?」

突然の衝撃に思わず左手に持った剣を落としてしまう。
何事かと思って目線を下にやるとおかっぱに特徴的なリボンをつけた少女がいるではないか。
あまり面識はないがこの少女こそ柊かがみの妹、つかさだ。
ガチレズ悪臭変態ツインテール妖怪腐れ外道とは違って可愛い娘だ。
そして彼女が俺を姉と呼んでいるのは、別に性転換してかがみに籍を入れられたとかそんなんじゃない。

「おねえちゃあああああん!!!」

つかさは泣き声を上げながら俺の体を保護している唯一の着物、つーかシャツを濡らしながら抱きついている。
涙がシャツの下の方まで伝わってきて、正直つかさの顔が当たってないところが少し冷たい。
だがそれでも彼女は泣くことを一向に止めようとはしない。
このような殺し合いに突然放り込まれて寂しかったのだろうか。
てかこの様子だとロワ初参加だな。 リピーターロワじゃなかったっけ?

「おねえちゃあああああん!!!」

ああそうか、そういえば主催のやつらは特別ゲストがいるとか言ってたな。
となるとその一人がつかさか? まさか他のらき☆すたメンバーも・・・・・・

「おねえちゃあああああん!!!」

つかさは定期的に叫びながらも俺をがっちりと拘束している。
おっと話を戻そうか。
俺は上記の通り柊つかさとほとんど面識もないのだ。
いくら身内になったとは言え、ほとんど顔を会わせたこともない相手にこのような反応をすることができるのだろうか。
答えはNOだ。 つまり俺は色々あって柊かがみの体になっちまったというのだ。
つかさは俺を本物のかがみだと思い込んでいるのだろう。

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」

ただの呼びかけだったのかよ。
流石にいつまでも反応しないわけにもいかないので適当に声かけてやることにするか。

「ああ聞いているよ」

一先ず彼女を落ち着けるため、俺はつかさの背中を優しく抱きしめながらもそう答えた。
後は彼女が静かになるまでこうする。

「おねえちゃあああああん!!!」

効果があったのかなかったのかは不明だが、つかさは先ほどよりも俺を強く抱いて叫んだ。

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」
「ああ聞いているよ」
「おねえちゃあああああん!!!」

よしよしと彼女をあやしながらも

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」
「ああ聞いているよ」

無限ループって怖くね?


                 _
               / /
             ,  -― (  /
.         /: : : :-=千</ ̄>
         /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ー<
.        ,'::::/::::/::/⌒イ::/ |:l_:::::::ヽ
       /::::,':::: Ⅳ|/ j:/  j∧`::: ハ
        レl(|::::: |  ○     j::/:/::::|
.        l/|::::: |      ○ん|/:∧|お姉ちゃん聞いてる?
.         lヘ:: ト、  `‐'-'  ノ::::: /
.          _ム:|-f`_r―ァ≠!:::::/
        /=、\「`}ヽ// j/
         (   \{: リ ∧
        ノ  _,}V/ }
        〉彡={レ'=ミ、{





「お姉ちゃん、会えてよかったね」
「ま、まあな・・・・・・」

約2時間ほどのループから解放されたのでつかさと話をしよう。
涙が枯れたせいもあるのか、彼女はさっきと違ってとても快活としている。
彼女の口から溢れてくる言葉はこの殺し合いに放り込まれてとても不安だったということや、
自分と瓜二つの少女が殺されて自分もああならないかとか、一般人がロワに放り出されて思う当然のことばかりだ。



「後はこなちゃん達を探せば大丈夫だよね!」
「それはどうだろうか・・・・・・」

意気込む彼女に対してあえてそう答えた。
即答する俺につかさは驚いたような表情で見つめている。
そして反論を許さず更に言葉を続ける。

「いくら仲間と再会したってどうなる? バトルロワイアルが終わるわけじゃない。
だからこのままじゃみんな殺されて終わりだ」
「お姉ちゃん何を言っているの・・・・・・?」

つかさの表情が曇り、震えた口調でそう言い放つ。
子犬のように身を丸くして小刻みに全身を震わせている。
俺に会う前はこんな感じで草原を彷徨っていたのだろうか。
マーダーに会わなくて運がよかったものだ。

「どうしたのお姉ちゃん?
今日のお姉ちゃんいつものお姉ちゃんじゃないよ・・・・・・
しゃべり方も男の人みたいだし・・・・・・」

そして予想通りつかさは再び混乱し始める。
いつものお姉ちゃんじゃないというのは当たり前だ。
俺は6/という人間であり、柊かがみではない。
だからここではっきりさせておこう。



「落ち着いてくれつかさ、俺は6/でありお前の姉じゃない。
つまりそっくりさんというわけだ」
「ど、どゆこと???」

案の定つかさは首を傾げてクエスチョンマークを浮かべながら問いかけてきた。
この反応は無理もないだろう。 今の俺の体は柊かがみのものなのだから。
だが、彼女を説得できる材料は既に用意は出来ていた。

「どっからどう見てもお姉ちゃんなのに?」
「おいおい、ここに連れて来られた時のことを覚えていないのか?
あそこには確かにお前とそっくりの少女がいたぞ」
「・・・・・・っ!?」

瞬間つかさの体が凍りつく。
俺が彼女にいったそっくりな少女というのはもちろん見せしめの少女のことだ。
刃物が胸を貫く瞬間、生首が吹き飛ぶ瞬間、あの場には良い思い出などあるはずがない。
ましてはつかさは自分自身と瓜二つの少女なのだから思い返したくないだろう。
傷口を抉るようなことをしているが、俺が柊かがみではないと証明するためには仕方がなかった。


「これでわかったかつかさ。 俺は柊かがみじゃないんだ」

説明を終えた俺は唖然とする彼女の肩に手を置く。
ここで言っておかないと後に必ずより深く傷つくことになるであろう。
もし放送で柊かがみの名前が呼ばれたらどうなるか?
彼女は俺に在らぬ疑いを持ち始めるかも知れない。
あるいはパニック状態に陥るかも知れない。
いずれにせよロワにとっては極上のスパイス、ろくでもない結果になることは目に見えている。
疑心は暗鬼を呼び鬼は人に牙を向く。
誤解によって生まれいずる悲劇を俺は何度も経験したのだ。
だから俺は自分が柊かがみになりきってつかさを安心させるような行動に出ることはなかった。
この状況に置いて中途半端な優しさが何になろうか。



「あなたがお姉ちゃんじゃないことはよくわかりました・・・・・・」

暫く黙り続けていたつかさが口を開き、真剣な眼差しでこちらを見つめ直した。
先ほどまでのこなた達を心配しているようなものではなく、何かを決意したような強い眼差し。
ともかくは俺の説明に納得してくれたのだろうか。
そして彼女から次の言葉が紡がれる。

「お願いがあります。 私と一緒にお姉ちゃん達を探してください」
「いいぜ」

それぐらいならお安い御用だ。
ならば早くこの場を離れて適当な所を散策したほうが良い。
返事をして今度は俺からこれからの行動について話しかけようとするが、
それはつかさによって遮られてしまう。

「どうしたんだ?」
「実はもう一つお願いが・・・・・・」

もう一つとはなんだろうか。
彼女に友人達を探す以外に願いはあるのだろうか。
一緒に脱出を望むのであればそれで一向に構わないのだが。
あれこれ考えているうちにつかさの口から新たな言葉が放たれる。






「私のお姉ちゃんになってくれますか?」



ナンデスト?








☆ ☆ ☆

とまあこんなわけで俺はつかさの姉をすることになっちまったんだ。
つってもかがみ達と再会するまでだけどな。
少しでも姉に会えない不安を鎮めようとしたかったんだろう、
特に断る理由もない俺は彼女に了承の意を出した。
そして当のつかさは安心しきって俺の背中でぐっすりと眠っている。
かがみ達にはできるだけ早く会わせてやりたい。

「ばるさみこすぅ・・・・・・」

すかさず背中のつかさに目を向ける。
妙な寝言だが結構かわいい顔をしてるじゃねえか。
まあ俺の嫁はみなみだけだけどな。
なんでこんな娘の姉がアレなんだろうか少し不安になるところである。
いやこいつの姉のかがみもカオスじゃないかも知れない。
そういえば百貨店に着いたらバルサミコ酢が欲しいって言ってたっけ。
ここまで結構歩いた気がするが、幸か不幸か誰とも会うことはなかったな。

かがみ、勝手にお前の身体を使わせてもらってまさかお前と同じ立場になるとはな。
だがお前でもこのつかさの幸せを願っているんだろう。
だからもう少し貸してくれよ、お前の身体。

「これでいいんだよな、かがみ」






    /\___/ヽ 
   /カオスかがみ\ ノヽ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|  ァ つかさをおんぶ・・・・・・
  | 、_(◯)_,: _(◯)_, :::| ノヽ つかさの勢い感じる!
.   |  /// ::<  /// .::|  ァ  熱い体温伝わってくる!
   \  /( [三] )ヽ::/   :
    `ー‐∪‐‐―´    :
         ジュル



         |   || |
     ,、    ll_┌''仆、ll     _,, _
      l \ く `┴'.ォl ll`ー‐ '''´
     'l  ヽ、く二_,,.:;)  , , ヾぃ,_
   /´r‐、   Y二 );;) ┐; l ┘^'
   .i ′ , ヽ、_`r─='. ∠ ‐T '''ー-
  ¦ ヽ/o :'(こ二 ..≧o/`::¦
   ¦ `ー'/`┬-┬、'`‐'' :/
    \  " ` にニ} ′`, く
   /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  .ヽ




「・・・・・・さて、次行くか」




【F-5/草原/1日目-早朝】

【6/(外見かがみ)@オールジャンルバトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】コッペパン@らき☆すた、カリバーン@アニロワ2nd
【持ち物】不明支給品×1【思考・方針】
[基本方針]
このロワからの脱出
1、つかさを背負って百貨店までいく。何か変なもん殴った気がするけどいいや
2、このロワについて考える
3、かがみに会うまではつかさの姉代わりをする
※ランキング作成人に会うらへんからの参戦です。

【柊つかさ@原作】
【状態】健康、熟睡
【装備】手ぶら
【持物】支給品×3
【思考・方針】
[基本方針]
不明
1、(寝ている)
2、かがみ達を探す
3、6/に妹として接する


※現在、百貨店に移動中です


049:リバーワールド 投下順 051:今、会いに行き…ます?
049:リバーワールド 時系列順 052:隠し砦の三狂人
012:6/「俺三人とか多くね?」 6/(外見かがみ) 060:誰かが死ぬのが怖いのか?
柊つかさ 060:誰かが死ぬのが怖いのか?



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