らき☆ロワ @ ウィキ

予定通りの非日常

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集

予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM



 花嫁が、唇と口の端にケーキのクリームを付けている。
 「人生の晴れ舞台にみっともない」とおかんが叱咤し、愛にボケた新郎は「はは、こやつめ」と笑って拭ってやるだろう。
 だが、華やかな衣装を着ているのは脛に毛のある青年。
 素手でモンブランを齧るその姿は、ロマン性など欠片も感じられなかった。

 炎上戦の跡は人を集めてしまうだろうと判断した6/氏は、F-3まで移動した上で、ファミレスで休息を取っていた。
 ちなみに前述の通り、彼は未だにウェディングドレスを着ている。
 というのも、"エンジェルモート"というこの店、制服は女性用しか用意されてなかったのだ。
 しかもただの制服やメイド服ではない。胸元と太ももを強調した、性的に前衛的なシロモノが。
 彼は今のドレスの方がマシと判断した。

 キッチンに6/氏は行き、冷凍食材を温めて食べながら放送を待っていた。
 ジョセフ・ジョースターから奪った基本支給品の食料はあったが、温かいものを食べておきたかったのだ。
 ロワの支給食料は、大抵味気のないもの。
 スタンドの仕様によりたまった、精神疲労をより増加させるのを避けたのだ。
 素手で食べるのはマナー違反だろうが、フォークやナイフが撤去されていたのでしかたがない。
 調理前に手の洗浄・消毒を壁に貼られたマニュアル通り行ったので、食中毒が発症することはないだろう。
 そしてデザートに手をつけた時、二回目の放送が聞こえてきた。

(なにが"二度目"だっつの)

 放送を聞いた6/氏はイラッときた。"彼"ならば全員、この言葉に反応しただろう。
 ……生き残っていれば、の話だが。

(……まさか、三人目も死んでいたとは思わなかったぜ)

 彼、6/氏(神)とプールで遭遇した6/氏(かがみ)を除いた、もう一人の6/氏(カオス)。
 その名前が呼ばれていた。
 名前から察するに、彼はカオスロワからの参戦だったのだろう。
 もしかしたら、6/氏(神)がマーダーになっていることが上手く働いたのかもしれない。
 ……そう思いたかった。


 食事を終えた6/氏は仮眠を取ろうと、ファミレスの事務室へ入った。
 ソファを部屋の監視カメラのモニター側、その端に移動させる。
 事務室出入り口に鍵をかけ、つっかえ棒を仕込み、棒の先端に拝借したガラス瓶を紐で括りつけた。
 棒が外れ床に落ちると、ガラスが割れて音が鳴る仕組みだ。雑な仕掛けだがないよりマシだろう。

 6/氏はいそいそとソファに寝転び、瞼を閉じた。
 連続するロワの精神的負担により、二、三呼吸しない内に彼は眠りに落ちた。

 数十分後。
 うなされているのか、彼は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ――



                     /
               ,. 、       /   /
             ,.〃´ヾ.、  /  /
           / |l     ',  / /  いいか、アル。柊かがみとその妹のつかさ、
      ,、     ,r'´  ||--‐r、 ',.     そしてこの二人と同じ赤い制服を着た連中……、
     l.l. ,..ィ'´    l',  '.j '.     こいつらは全員、この殺し合いに乗った魔女なんだ!!
     'r '´          ',.r '´ !|  \
     l!     ....:.:.:.:.:.:ヽ、   ,l    \
      ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
      | |
       .| |
        | |
      | |


 ――唐突な放送に叩き起こされた。


☆☆☆


 あ、ありのまま 今 起こったことを話すぜ。
 『扇動してやろうと思っていた奴が、拡声器で扇動予定内容をばら撒いた』。
 つ…… 都合よく出来すぎて何を言っているのか わからねーと思うが、
 おれも何がどうしてこうなったのかわからなかった……。
 小躍りしたい気分だったよ……。
 生首で生存扱いだとか誤解だとか、そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。
 もっと恐ろしいロワのミラクルを味わったぜ……。


 目を覚ました直後は、近くで拡声器を使ったのかと冷や汗を流した。
 しかし、声の出所が店の脇に設置されたスピーカーからということから察するに、場所は放送局だろう。
 つーかあの鎧野郎、俺の名前が人名らしくないって余計なことを……。
 コテハンだからしかたねぇだろうが。

 俺は移動し、ファミレス奥の客席に腰掛け考える。眠気は吹っ飛んでいた。
 基本支給品の内、名簿を手に取り出し、三村の放送で出て来た奴らの名前を確認する。
 ちょっと気になったことがあったのだ。

「『柊かがみを始めとした魔女』、つまり『らき☆すた』キャラねぇ……」

 先ほどの放送ではっきりしたのは、
三村、アルフォンス、スバル、つかさの情報を三村に渡した人間、この四人がらき☆キャラと関わっていること。
 マジシャンズ・レッドのDISCに刻まれたジョセフの記憶からも、似たようなことが分かっている。
 ジョセフがいたロワで、らき☆キャラと関わったのは三村とジョセフだけではなかった
 桂ヒナギク、村雨良。こいつらはかがみとやたら親しくしていた。
 ジョセフが得た情報からはパピヨンと川田が、こなたとつかさに関わり深いことも分かった。
 今回のロワに、なぜか三人も呼ばれた俺。
 俺と『らき☆すた』キャラは縁深い。特にガチレズ悪臭ツインテールこと、かがみとは。
 名簿にはかがみんかがみんとうるさかった、かえるの名前もあった。
 『らき☆すた』キャラを誤解してくれといわんばかりのメンツじゃねぇか、今回のロワは。
 おまけに定時放送で主催陣が『らき☆すた』OPを模した芝居をやったり、「おは☆らっきー!」などと言ったりしていた。

 そして、他キャラの出典はデタラメな癖に5人以上の出典がある原作タイトル。
 今回の名簿を見た時は「カオスww」と思ったものだが、

 まさか『らき☆すた』がこのロワのキーワー……って違うだろ、俺!

「マーダーがこんな考察してどうすんだ、馬鹿がッ!」

 俺はブンブンと頭を振って、トイレに向かった。
 食事中にお茶を飲んだこともあり、もよおしてきたのだ。
 いらん考察と共に出し切ってしまおう。


 さて、拡声器フラグが立ったこの状況で俺はどうするか。
 トイレで用を足しながら考える。ちなみに小さい方だ。
 ドレスでどうやっているのかは突っ込まないでくれ

 無差別マーダーの俺としては、「お望み通り、俺が殺してやるよ!」と向かうのがセオリーなのだろう。
 だが、遠すぎる。現在地はF-3。放送局はC-6。島のほぼ反対側だ。
 ホイホイ釣られに行くにも、乗り物がない故に間に合わない。
 ……三村とアルフォンス殺しは、放送局周辺のマーダーに任せるしかねぇか。
 何かの拍子にエリア壊滅とかやられても、逃げ切れる自信もねぇし。

 あの放送のほとぼりが冷めるまで地図の端、灯台に篭城する手もある。
 だが、そんなことをすれば死ぬだろう。
 対主催の考察タイム、強キャラの準備期間、とかならいいが、俺は一般人マーダー。
 そして、ただ何もせず篭城を決め込んだ参加者はどうなるか……2、3話後には殺される。
 放送から次の放送までの6時間。
 時間としては長い。だがリレー小説の都合上、たった2時間で事態は動いていくのである。
 ちょっと目を離した間に同行者が死んでていたり、クリーチャー化したり、マーダー化したりなんて日常茶飯事。
 ロワから逃避し恋愛している内に、他の参加者の強さがインフレしまくってウボァー、なんてこともある。
 そしてもしも今の俺が"書かれている"としたら、この行動を2時間の描写を使っている訳だ。
 飯食って寝て、いらん考察をして小便している、何もしていないに等しいことに。

 要するに、今から事なかれ主義に転向するのはよろしくない。
 ……やっぱり、動くしかねぇか。
 無差別マーダーに回るというのは、とうの昔に決めたこと。
 それを変えるつもりはない。というか、今更趣旨変えしたら死亡フラグが立ちそうな気がする。

 用を足して服を正し便器の水を流そうとした時、
 げひゃひゃひゃひゃ、とでかい馬鹿笑いが耳に入った。

 ……敵か!?

 携えていたトンプソンM1短機関銃を身構える……が、トイレの出入り口や窓周辺からはなにも聞こえない。
 むしろ小便器がある壁側、しかも地下から水音がするような……。

『Bが出した宿題、お前終わった?』
『ロワの把握ってヤツ? 全っ然! 文字ばっかりで三話で秋田』
『あるあるw オレはサービスシーンもあるって噂聞いて我慢して読み進めてたけど、
出て来たのがおっさんのシャワーシーンwww
しかも同じ話でシャワー浴びた巨乳の描写は中略とかふざけんなとww パソ放り投げたわww』
『俺思ったんだけど、文字じゃサービスシーンもクソもなくね?』
『ちょwおま天才ww 動画かせめて漫画にしろと作者に言いたいwww』

 …………お前ら、書き手にフルボッコにされんぞ。いや俺も書き手だけど。
 文章だからこそ妄想がかきたてられ、下手な作画や絵よりずっと扇情的な情景を浮かべられるというのに。
 これだからゆとりは……って、違う! なんだこりゃ!?
 俺は膝を付き、壁のタイルに耳をくっつけた。
 不潔だが仕方ない。後できちんと手と一緒に洗おう。
 流水音の後、なにやらピポピポという電子音が聞こえてきた。

『あー、いちいちパスワード入れなきゃいけないってメンドーだなっ』
『前のロワで、侵入者続出したっつーのがまずかったんだろ』
『Bも馬鹿だよなー。別の監視方法考えろよ』
『シャドウさんのとこの方が、監視はずさんだったみたいけどなー』
『へぇー、シャドウさんシリアスキャラって感じで抜け目なさそうだけど』
『噂じゃあの人も幹部クラスじゃなくて、一兵士だったらしいぜ。
監視は部下がほら……あんな怪人ばっかりで知能的に使えなかったんだと』
『……ああ、把握したw あいつらホントバカばっかだよなw』

 会話の間も電子音は続く。

『電力供給マジツマンネ。かったりぃー』
『ホントホント。早く映像チェックのヤツと交代しねーかなー。
南チアキの着替えがまたあったらしーぜ。録画もバッチリだと』
『マジ? GJ!』
『気絶したまま脱がされたり、恥じながら着替えさせられたり、ホントいいロリだよなw
直接見にいけねえのが悔しいぜ』
『……そういや、一回目の放送でチアキたんの画像流出させた奴はどうなったんだ?』
阿部さんの映像チェックに回されたんだとよww』
『うはww Bマジ陰険www あいつ前のロワでも阿部さんの刑喰らってたのにww』

 やがてプシュー、ガチャン、という音が響き、談笑と足音は遠ざかっていった。

 …………。
 …………えーと。

「……うーん……」

 俺は暫し唸り……さっき出したものを流して、耳と手を洗いに洗面台に向かった。


☆☆☆




                        |    ::::::|
                        |    ::::::|
                        |    ::::::|
    デュワッ!!                 |  壁::::::::|
        ミ\  ノノノノ _ ___     y;;; ;;; ;;;;;::;;;/   ___         ┌ 6/氏
          \ (゚∈゚ )  ─__            ─__        ↓
    _ ______ノ\ノ⌒\   -___        -___
 ミ_ミ_ミヽ____/_  ,ミ____)  ____ ̄         _  ___ ̄    , -vxvx,
       `ヽ__ノ ̄   ___ ___        __ ___       Kwヘ'vバ
      __ ___                              人д !)
        ___ ___         ___ ___           ⊂「介L,U
         __ __          ソ  ;;;;;::::;ソ  __ __    !∽/^ヽ
                        |     :::::|            〉___二ゝ
                        |        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                        |
                        |
          _________|               →ファミレス
     ←???




 声が聞こえた方の壁をぶち抜くと、男子トイレであった。


「……なんだこりゃ?」

 半地下に設置してあるのか、向こう側の床は俺が立つ場所より数メートル下にある。
 小便器のサイズは通常サイズから、その1/2だったり、2倍だったり、バリエーションが豊富だ。
 下水や水道を引っ張って来るのが面倒臭くて、このファミレスと共同にしたのか?

 それにしても、さっきの奴ら……。
 姿こそ見えなかったが"別のロワ"、"監視方法"、"B"、"シャドウさん"とか言ってたよな……。
 Bっつーのは確かニコロワのピエモンのあだ名だろ。で、シャドウっつーのはジェネラルシャドウのことだろう。

 ……どうみても主催側の人間です、ほんとうにありがとうございました。

 そう結論付けて、俺は穴から向こう側のトイレを覗きこんだ。
 壁から最も離れた位置に、鉄製の頑丈そうな扉が見えた。
 その脇、低い位置にパスワード入力用の端末もある
 会話の最後に聞こえた音は、扉が開閉する音だったのだろう。
 扉の位置は、スタンドの射程距離外だが、スタンドが放つ炎は十分届く距離だ。

「マジシャンズ・レッドッ」

 高温の炎を浴びせると、扉はどろりと溶けた。
 体を成さなくなった扉の先は細長い通路が、南の海側に続いていた。
 ゆるやかな下り道は、電球が点された近未来チックな様相だ。
 さて、これくらいやれば、主催側から何かしらの反応があってもおかしくなさそうなんだが。
 俺はその場で辺りを見回し、耳を澄ます。
 扉を破った上、マジシャンズ・レッドを壁の向こうに立たせて数分経つ。
 しかし、首輪の反応や主催側からの接触などのアクションはない。

 …………おいおい。

 俺は足元を見る。
 壁を破る際にできた瓦礫の山が、穴と向こう側の段差をなくす坂になっている。
 高低差も大したことはない。
 呆れながらも、結局は好奇心に負けた。壁を通り向こう側へ降り立つ。

 ――ピピッ。

「うおッ!?」

 首から聞こえた電子音に、慌てて瓦礫を上ってファミレス側へ戻る。
 直感での行動は正解だったらしく、音はすぐに止んだ。
 これはアレか。パロロワのお約束、"警告する首輪"か。
 そういえば、今回は爆破前に警告有りとか放送で言ってたな。

 禁止エリアに指定されているのか、入ったことに気づかれたのか、この主催側の領域に侵入すると首輪が発動するようだ。
 ま、このまま主催管轄エリアに侵入……なんてうまくいかねぇか。
 地下通路が湖の下を通っているとしたら、誰にも見つからない通り道としての魅力はあるんだが。
 利用は無理そうだな。

 いやしかし、マーダーの俺にこんな情報を与えていいのかよ。
 ……いや、マーダーだからこそ、か?

 "小便してたら、たまたま主催側の奴らも隣接したトイレにやって来ました"。
 なんて対主催に手がかりを示すには、こりゃあ都合の良すぎる展開だ。
 確かに、長ったらしいパスワード付きの扉は厄介だろう。
 だが強力な炎で炙ればあれは、先ほどのように簡単に突破可能。
 マジシャンズ・レッドと同じく強力な炎を操るブレイズ オブ グローリーは、対主催っぽい奴が所持していた。
 それに支給品に頼らなくても、超人クラスの力があれば扉を吹っ飛ばせるだろう。
 しかも奴らの会話から、監視方法を推測できなくもない。対主催にとってこの情報の有用性は大だ。

「こんな情報を俺に渡すってことは……」

 ニヤリ、と笑う俺の顔が洗面台の鏡に映った。

「"マーダーに徹せ"ってことだろうなァ! 言われなくてもやってやんよ」

 さっきも言ったが対主催への情報提供としてはできすぎている。
 ここで俺が対主催に転向する? そんなことすりゃ、次の話で不意打ちされ死んじまうだろう。
 思えば俺は何をやってたのだろうか。
 下手に主催側の領域に踏み出せば、首輪を即座に爆破されてもおかしくない。
 今までマーダーをやっていたのが幸いだったのか今回は不発で終わったが、次もそうとは限らない。

「ただし、わざわざ複数のロワから参加者を集めたんだ。報酬はキチッと払ってもらうぜ?」

 "監視"で俺を見ているのだろう主催者に向かって、そう呟いた。
 さて、ろくな休憩じゃなかったがまぁいい。
 甘いものと睡眠が効いたのか、疲労は大分マシになった。
 ボチボチ働き始めますか。

 俺はファミレスを後にした。

 どこに行くかって? 放送局……というか、娼館の方だな。
 放送局で拡声器フラグを発動させたんだ、一般人やステルスマーダーはきっとあの場から離れようとするだろう。
 ……だがE-5の橋は埋まっている上、北は施設が密集している。
 誰に会うか分かったもんじゃないだろう。
 ほとぼりが冷めるまで身を隠すなら、南東の緑園地帯を選ぶだろうなぁ。
 そいつらを俺が狩る。
 もう誤解フラグを浴びせる相手はいなくなったが、ここで対主催の俺と接触した参加者に遭遇すればめっけもんだ。
 混乱や戸惑いという名の隙が出来れば、多少相手が強かろうが殺せるだろう。

 大概のロワなら二日目を終了しない内に、結末を迎える。
 ならば一日目正午、ここからは中盤戦。
 死人も増加し、キャラも支給品もあちこち錯綜する時間帯。
 ここで粘らなきゃ、強力な武力を逃してしまうだろう。
 いま俺の強みとなっている魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)も、元はやる夫の支給品だ。

 魔王アナゴや仮面ライダーZXこと村雨、神(笑)疑惑のハルヒ。
 三村の言った、らき☆すたキャラと同じ制服を着たピンク髪。
 それに放送前に交戦した男。
 よく思い出してみれば、あいつアニ2の不幸王じゃねぇか。……畜生、また超人かよ。
 厄介な参加者は大勢残っている。
 互いに殺しあって貰うのが一番だが、最悪対決する場合も考えておいたほうがいい。

―― 汝が拙の力の依り代となるならば、拙は汝の運命を変えて見せよう。
    この殺し合いもすぐに終わらせられようし、その後も二度とこのような目には遭わせぬ ――

 さっき夢にみた、神(笑ではない、正真正銘の神様だ)の言葉が蘇る。
 前のロワで手に入れた支給品、"国常立神"の傲慢な物言い。
 こいつに未だ俺はムカついている。
 神が運命を決める? 俺のロワ参加ループを止める? 知ったことか。
 俺は自分でやる。
 今まで散々俺を誤解で弄んだ神様の施しなんざ、受けてたまるかッ。
 ピエモンの言った願いうんぬんがインチキだろうが、他に力を見つけて自分でロワのループから抜け出してやる。

 皆殺しだ。
 腐れ縁のかがみと、妻……じゃないな。あいつらの顔がやたらと思い返されるが、どうでもいい。
 口に出せない、あーんなことやそーんなことをしつつ対主催や主催を共にやってきたかがみ。
 確かにお前とは縁が深い。でも、それはロワ上でのことだ。俺はそれをぶち壊す。
 ロワそのものじゃなく、俺が無駄に参加させられ誤解される、パロロワのお約束そのものを。
 みなみについても、そうだ。
 外道神父のおぞましい祝福を除けば、カオスでのあの結婚式は5期の殺し合いにおいて最も充実した時間だった。
 きれいだと、はにかむあいつの隣で俺は至福の絶頂にいた。
 だがそれも、終わったことだ。
 ここはカオスロワじゃない。
 ここにいるあいつらは、柊かがみと岩崎みなみは、また俺を知らない別人なんだろう。
 この会場にいるのは、やはり"二次元のキャラ"ばかり。
 確かに人間性はあった。カオスの4期では、あいつらのことを血の通った人間だと実感もしたよ。
 だが結局、ロワを繰り返すのは書き手の俺だけ。
 新しいロワで遭遇する奴らのほとんどは、別人だ。
 原作出典とアニメ出典の違いという些細な違いというだけで、別人にされるんだよ。
 鎧のアルの言う通り、パラレルワールドに無数に存在するんだ、"キャラ"ってものは。
 いくらでも代えの効く奴らなんだよ。
 次こそ本当に結婚しようとみなみに言って、カオス5期では死亡フラグを立てた。
 だが愛を誓った時に身にまとった純白は、既に血で失われている。
 あいつと結婚するなんて資格、俺にはない。
 ツンデレし合ってなあなあと、共に対主催を繰り返してきたかがみとの絆も、マーダーとして人殺しを続けた時点でオジャンだ。
 なにより、俺はもう二次元という名のパロロワなんて、まっぴらなんだ。
 だから、殺す。

 マーダーの俺に、これ以上失うものも浴びせられる誤解もないんだ。
 いくらでも堕ちてやろうじゃねぇか。

 このロワの死者スレでもカオスロワでもどこでもいい、そこで指を銜えて見てろ"◆6/WWxs9O1s"。
 俺は絶対に、ロワという名の螺旋階段から離脱してや



     . ’      ’、   ′
   、′・. ’   ;   ’、 ’、′‘ .・”
       ’、′・  ’、.・”;         ずどーん……!!!
  ’、′  ’、(;;ノ;; (′‘・. ”
’、′・  ( (´;^`⌒) ” ;  ’、′・
 、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ─、"  ヽ,
    、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ; :) )、 ヽ ;
    ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・
′‘: ;゜+°、::.::: ホム、⌒) ;;:::)::ノ        N
      `:::、 ...;:;_) ´...::ノ  ソ         /|
                            ←┼─
                              |


 …………。
 ……格好付けくらいさせてくれよ、おい。


 【F-3/市街/1日目-日中】
 【6/氏(神)@オールロワ】
 [状態]:疲労(弱)
 [装備]:トンプソンM1短機関銃(50/50+予備弾倉50発x1)、バヨネットx2@漫画ロワ、
     マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@漫画ロワ、ヌンチャク@漫画ロワ
 [持物]:デイパックx2、基本支給品一式x2、萌えもんパッチ@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:何がなんでも元の世界に帰る。
  0:なぁにあれ?
  1:どこかでまともな服を調達する。
  2:F-6の橋を渡って娼館周辺へ。北から逃走する参加者を殺害する。一般人優先。
  3:ハルヒの出典元が気になる。
  4:かがみとみなみを殺すことについては……。
  5:らき☆すたがこのロワのキーワード? ハハッ、ワロス。
 [備考]
  ※涼宮ハルヒの出典元は完全には分かりませんがニコロワじゃないかと疑っているかも。
  ※6/(かがみ)が、かがみの外見をしていることを認識しました。(経緯は知りません)
  ※カオス、漫画ロワ以外にも、かがみが参加しているロワがあると確信しました。(アルフォンス所属ロワ)
  ※目撃した爆発は、岩崎みなみがニアデスハピネスによって起こしたものです。

  ※F-3ファミリーレストラン内男子トイレに大穴があり、そこに隣接する半地下に別の男子トイレが設置してあります。
   半地下の男子トイレの奥に、地下道への入り口があります。
   地下道への扉はパスワード式の鍵がありましたが、扉ごと溶けてしまいました。
   地下側へ行くと首輪が警告を発します。
  ※参加者の映像チェックにレッドベジーモン@ニコロワの一部が携わっています。


125:そして少女は死んだ -The Elfin Knight- (後編) 投下順に読む 127:不都合なものは見えない
125:そして少女は死んだ -The Elfin Knight- (後編) 時系列順に読む 128:私にできること/一緒にできること
109:爆裂的に鎮火せよ! 6/氏(神) :[[]]


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー