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 シグナルマンがシグナイザーでゴオマを撃つ。
「グッ!!」
 赤色の血が噴出す。
「待て! そいつは俺が倒す」
 ホッパー2も駆け寄り、ライダーキックを決める。
「グァァァァッ!!」
「待て! 殺してはいかん!! 逮捕……」
「邪魔だ!!」
 ホッパー2が走り出し、ゴオマの顔を殴る。
 ゴオマが吐血する。
「まだだ!!」
 ゴオマの羽をもぎ、当時に腕もとれる。
「グァァァァァァァァァ!!!」
「やめなさい!」
 さらにホッパー2はゴオマの頭──髪をつかんで引っ張り、蹴り飛ばす。
「グァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
「もう一回だ!!」
 ホッパー2がライダーキックをもう一度決めた。
 ゴオマが、簡単に爆発した。
「君! 犯罪者も殺したら犯罪……」
「おい、待て!! 俺がこれからかっこよく倒すところだったのに!!」
 シグナルマンとモモタロスを無視して一文字が歩き始める。
「そんなことより、チカンたちのところに行くぞ」

□

「いないぞ……」
 シグナルマンがチカンたち三人のいたところに来たが、そこに三人はいなかった。
 あったのは青い光を放つ魔法陣。
「なんだよコレ?」
「これに乗ったら消えたとか……」
「良太郎……おまえ、ホントセンスねえな。もっと面白いこと考えやがれ!」
 モモタロスが後ろから良太郎を軽く叩いた。
 その衝撃で良太郎が前に倒れた。
 魔法陣に乗ったのだ。
 良太郎の姿が消える。
「あ! ホントに消えやがった!!」
「本官たちも行こう!」
「ああ」
「あ! 待てコノヤロ!!」
 残りの三人も魔法陣に次々と乗っていった。

□

「きゃあ!!」
 世間話のネタもつき、喫茶店で食べ物を調達に行っていた菜摘は突然現れた三人に驚いた。
「あ。すみません……」
 そのうちの一人の男性が菜摘に申し訳なさそうに礼をする。
 で、後ろを見てみると……
「きゃあ!!」
 そのうちの片方──高校生くらいの女の子だ──のスカートの中に残りの一人──男性だ──の頭が入っていた。
「うわ!!」
 男はあわててそこから頭を離した。
「やっぱりチカンだ!! 逮捕する!!」
 最初の男性がチカン男に手錠をかけた。
 その直後、さらにそこから二人の男と菜摘の知り合い、それから変な怪人が現れた。
「ん? ここ、姉さんの店……」
 そのうちの一人の青年が独り言のように言ったが、菜摘の目線は当然自分の知り合いに向けられた。
「シグナルマン……!!」
「うん? やあペガサスの一般市民の……」
「後ろの人たちは?」
「え……」
 シグナルマンは氷川誠──チカン男に手錠をかけた男以外の名前は知らない。
「一文字隼人だ」
 一人は自ら名乗る。
「野上良太郎です。こっちはモモタロス」
 もう一人の男性も自ら名乗った。
 すると菜摘が噴出した。
「え……? モモ……なに?」
「うるせえ!! 俺も好きでこんな名前やってんじゃねえんだ!!」
 逆ギレだ。
「私は氷川誠というものです」
 剣崎にも増して悪い舌の回りでで氷川が自己紹介した。
「あ、どうも」
 菜摘はそれに軽く礼をする。
 手錠を持っている(=警察官)ような人間にはさすがに気を抜いたあいさつはできない。ただし、一部の例外(目の前の信号野郎みたいな)を除く。
「おい、待て! この手錠どうにかしろ!」
「そうだ、君は……?」
 氷川がチカン被害者の女子高生にきいた。
 この人たちもどうやらお互いのことをよく把握できていないらしい。
「早坂アコで~す」
 妙に間延びした自己紹介にやや気が抜ける。
「おい、無視すんな! 手錠をなんとかしろ!!」
「そういえば、菜摘さんはなんでここに?」
「え? 気がついたらここにいました……」
「あ、僕らもです。ひとりでいるのは危険でしょう。僕らと行動しませんか?」
 氷川が提案した。
「それはいい! 本官もペガサスの一般市民を保護せねばと……」
「そうね……まあ、一人でいるわけじゃないけど、一緒に行動しましょ」
 菜摘が少し偉そうな態度をとりはじめた。
 まるで、小沢澄子のように……。

□

「うわあ! こんなに沢山の人がこっちに来てたんですね!」
 氷川が菜摘の仲間たちを見て言った。
「菜摘さん、この人たちは……?」
「さっき向こうで会ったの。ま、あの手錠されてる人と赤鬼以外は悪い人じゃないみたいだから安心して」
 信用できない人間がガドル含めて三人いる時点で安心できない。
「バカ! 俺も悪人じゃねえ! 冤罪だ!!」
 ちなみに菜摘からすると現行犯だ。
「並樹瞬です。よろしくお願いします」
「今村みくです! よろしく」
「伊達健太! よろしく」
「剣崎一真です。向こうで寝てるのが多分俺の知り合いで相川始です」
 菜摘グループの自己紹介が終わる。
「本官はシグナルマン。チーキュに単身赴任してきたポリス星の警察官だ。話すと長いことながら本官は宇宙暴走族ボーゾックと……」
「一文字隼人だ。よろしくな」
 みくの方だけ向き、シグナルマンを無視して一文字が言った。
「氷川誠です」
「早坂アコで~す」
「野上良太郎です。よろしくお願いします」
「……俺様は一文字誠だ!!」
 モモタロスが言うと、「モモタロスです」と良太郎が横から言った。
 一同が噴出した。
「俺は無視か!? 冤罪だって!!」

□

 その頃、仮面ライダーギャレン一同とギレールの戦いは続いていた。
「おりゃあああ!!」
 イエローオウルが滑空してブリンガーソードをギレールに突き刺す。
 だがギレールはそれを引き抜いてイエローオウルごと吹き飛ばした。
「うわっ!!」
 その場にいたボウケンブルーもイエローオウルがぶつかって後ろに倒れた。
「うわっ!!」
 二人の姿が青白い光に包まれて消えた。
「!?」
 ギャレンが二人のいた場所を見て驚く。
「大変だ!! あの二人が消えた!!」
 グレイブの中で志村が舌打ちした。
 あれは自分がやって来た魔法陣だ。繋がっているのは瞬たちがいる場所。
 ということは橘という欺きやすい人物を逃すのは彼にとって痛い。
「睦月! 逃げるぞ!!」
 ギャレンは逃げる気まんまんで魔法陣を踏む。
「あれ? 橘さんが消えた!?」
 レンゲルは二人が消える瞬間を見ていなかったため、ギャレンが消えたのを見て驚く。
 レンゲルがギャレンの消えたところへ向かおうとしたが、それをグレイブが止めた。もちろん、狙いは睦月の命とラウズカードだ。
「もしかしたら、あそこに何か危険なものがあるかもしれない……。近寄るのは危険だ!」
「でも……」
 グレイブが振り向いたレンゲルを殴った。
 さらにグレイブラウザーで突く。
「どうしたんですか!?」
 グレイブが答えずにレンゲルを蹴り飛ばした。
 そしてグレイブラウザーで斬る。
「コイツさえ手に入れれば用済みだ……」
 変身が解けた睦月の腹からレンゲルバックルを奪い取る。
 そしてラウズカードを抜き取り始めた。
「何するんですか!」
 睦月が起き上がるが、さすがにライダーシステムに生身で立ち向かおうとはしない。
 そのまま、橘の消えたところに走り出す。
 グレイブの警告もどうせウソだろうと考えたのだ。
「待て!」
 グレイブがグレイブラウザーを睦月に投げるが、ギリギリで睦月が消える。
「チッ!!」
「誰か忘れてないか?」
 グレイブを後ろから誰かが蹴飛ばした。
 ギレールだ。
「よせ。俺はあの方の命を受けた闇の戦士だ」
「関係ない!!」
 ギレールがサーベルでグレイブを突いた。
「クッ!! お前ら!!」
 グレイブが奪ったカードでアンデッドを召還した。
「このアンデッドだ!!」
 こうしてアルビノジョーカーに召還されたアンデッドはアルビノジョーカーのいうことだけをきく道具にしかならない。たとえそれがどんな性格であろうとも。
「そいつを殺せ!!」
 アンデッドがギレールを攻撃した。
 その隙にグレイブが逃げる。
「チッ! 全員逃げたか……」
 いつもの優しそうな顔とは裏腹な、狂気じみた顔の志村は唾を吐き捨てた。

□

 その頃、瞬たちは明らかに暇そうな姿をしていた。
 全員が喫茶店のソファーで寝転がっている。
 瞬とみくは本のラストスパートにかかっていて目を離さずにページをめくっている。
 菜摘は喫茶店内においてあった雑誌を見ている。
 そこで菜摘は一つ気がかりなことがあった。
「この雑誌の日付け……少し未来よ」
 剣崎が見に行った。
「なんだ……今年じゃないですか」
「え? これ、11年も未来よ」
 菜摘がその日付けを指した。
「どれ……本官も見てみよう……」
 シグナルマンが割り込んで見てみる。
「確かに12年後だ……」
「え!? 今じゃないですか」
「え? 1997年でしょ?」
「え? 2008年であってます……」
 三人の話はまったく噛みあわなかった。
「え? 1991年じゃないの?」
 さらにアコが割り込むとその話は余計にわけがわからなくなる。
「もしかして……やってきた時代が違うとか……?」
「え? そういえば確かに違うかも……」
 いわれてみれば、周りの人間達のファッションや雰囲気が違うように見える。
「そうか! だから始もここに……」
 剣崎が納得した。
「成る程……ん? もしかしてあっちのチカンさんももしかして違う時代から来たの?」
「成る程……それでこんな酷い目に遭ったんだな」
 だが、お互いが未知なる力を持っているという事実を知っている彼らにはその話にもそれほど興味はもてなかった。
 そのままみんな、さっきまでやっていたことに戻る。
「ねえねえ、もしかして瞬もさ……私がいた時より、前か後に来たのかもね」
「……そうだな。でも、俺のいた時代にネジレジアはいた。だから倒さなきゃならない」
「私のいた時代もネジレジアはいたよ」
「健太は?」
「俺のいた時代もネジレジアはいた。今度会ったらぶっ潰しておかないとな!!」
 健太が表に出た。
「どこに行くんディスか?」
「ちょっと広い場所で体でも動かそうと思って……」
 健太がその辺の家からボールを取ってきて、近くの小さな公園で一人バスケを始める。
 ドリブルからシュートに繋げ、リバウンドしてもう一度シュートを決める。
「おい、君!」
 突然公園の外から自分を呼びかける声がした。動きを止め、そちらを向く。
「はい?」
 そこにはさわやかな青年のほか、オマケのように三人の男性が立っている。
「君は……? 俺は橘朔也っていうんだ」
「橘……? もしかして、剣崎さんの知り合い?」
「知っているのか!?」
 橘が驚き、他の男性を見る。やや気弱そうな青年だ。
 その青年の顔色も良好になる。
 ともかく、健太は不思議がりながらも案内する。
「ええ。向こうの喫茶店にいますよ」
 一応、敬語は使っておく。橘はなぜか敬語を使わなければならないような雰囲気を出しているからだ。
「喫茶店……? 案内してくれ」
 橘は、その喫茶店がハカランダなのではないかという甘い期待をしていた。

□

「ミルク……ディッパー?」
 橘は甘い期待が裏切られた事でやや不機嫌そうな顔をした。
 まあ、剣崎が行く喫茶店が必ずしもハカランダだという確証はないからと考えてすぐにその顔をやめる。剣崎に会えるだけでもマシだと思う。
 あとは始だけ……。
 橘がミルクディッパーのドアを開ける。
「!? 橘さん!?」
 入った途端に剣崎が橘を見た。
 ドアが開く音などがするとそれを見るのが人間の本質だから、全員がそれを聞いて驚く。
「剣崎!?」
「剣崎さん!!」
 睦月と橘も剣崎に駆け寄った。
「知り合い?」
「ええ。……そうだ! 橘さんに睦月が来たって言う事は仮面ライダーも全員集合ですね」
 剣崎が嬉しそうに言った。
「全員集合……っていうことは始も!?」
「ええ。あそこで寝てます」
 剣崎がソファを指差す。
 確かにそこには横になって寝ている始がいた。
「始!? 一体どうしたんだ!?」
 始は答えない。倒れているから当然だ。
「そっちの変な男の人と一緒に戦って、刺し違えたみたいなんです」
「その男は……? 始とペアルックか?」
 真面目な顔をして大ボケをかました橘を、健太が訝しげに見た。
「そういえば、始にしては変な服を着てるな」
「そっちの男は私たちを襲ってきたのよ、たぶん」
 菜摘が口を挟む。
「なら始には違う服を着せてやろう。そんな男と同じ服なんて嫌だろう」
「いや、そもそもこの服が嫌だと思います」
 睦月がようやく話に入ってきた。
 まあ、ようやくどころか全く会話に入っていない蒼太と雷太もいるが。
「じゃあ、向こうで調達してきたこの服を着せよう」
「いつ調達したんですか? 俺たちずっと一緒にいましたよね!?」
 睦月のツッコミを無視して橘が勝手に話を進める。
 その服には「鯖じゃねえ」と荒々しいが格好いい字で書かれている。
 どうやら有名な脚本家が書いた特撮ヒーローもののセリフがTシャツになったものらしい。
「いや、これも充分嫌だと思いますよ」
「だが、俺はこのTシャツに何か懐かしいものを感じる気がする」
「あ、それ俺もです」
 橘と剣崎が同意する。
「いわれてみればそんな気も……」
 睦月もやや考える。
「私もこれに何か感じるものがあります」
「あたしも!」
 氷川とアコも首を突っ込んでくる。
「あ、私は氷川という者です。よろしくお願いします」
「早坂アコで~す」
「あ、それ俺もです」
「俺はそこまでいかないが伯父さんのような感じがする」
「いわれてみればそんな気も……」
 まあおおむね同じように感じているんだろう。
「この感じはやっぱり父親だと思うんですけどね……」
 氷川はなかなか意見を変えようとしないがその会話はそこで終わる。
 橘が753Tシャツを井上Tシャツ(仮)に替えた。
「よし、これでOKだ」
 明らかに変だ。美形の面が台無しになっている。
「起きたた始のやつ、ビックリするぞ」
 別の意味で。

□

 瞬たちのグループは完全に緊張感を失い、漫画とかを読んでいた。
「ねえ、この仮面ライダーって剣崎さんのことだよね?」
 不意にみくが剣崎にきいた。
「多分そうだと思うよ。貸して」
 剣崎がみくから本を受け取る。
「この黒いカマキリの戦士はあそこで寝てる始で、この赤いクワガタの戦士は橘さん……」
 とここで、突然ミルクディッパーのガラスが一斉に割れた。
 その場の全員が驚き、その方向を見た。
 そこにいる全員は確かに見た。
 窓ごしで笑う黒い異形を。
「ねえ。この中にお兄ちゃんはいないの?」
「お兄ちゃん!?」
 警戒心を抱きながら、健太が訊く。
「──そいつに近づくな!」
 いつもと違う言い方になってしまったが蒼太が言った。
「あ。こいつはさっきの化け物!」
 雷太も気付いて近寄る。
「なーんだ、さっきの2人か。じゃあいいや殺そ♪」
 ドラスがマリキュレイザーで蒼太と雷太を攻撃した。
「クロスチェンジャー!!」
「ボウケンジャー、スタートアップ!!」
 2人の姿がそれぞれ変身した姿に変わる。
「クロスチェンジャー!!」
「モモタロス、いくよ! 変身……!!」
 ──SWORD FORM──
「「「インストールメガレンジャー!!」」」
 ──335──
「「変身!!」」
 ──TURN UP──
「激走!! アクセルチェンジャー!!」
「変身」
 全てのセリフと変身は同時だった。

 黄色い梟の鳥人──イエローオウル
 高き冒険者──ボウケンブルー
 黒きコンドルの鳥人──ブラックコンドル
 時空を駆ける桃太郎──仮面ライダー電王ソードフォーム
 赤きパソコンの熱血戦士──メガレッド
 青きデジタルテレビのクールな戦士──メガブルー
 桃色の携帯電話の可愛い戦士──メガピンク
 スペードのカブト──仮面ライダーブレイド
 ダイヤのクワガタ──仮面ライダーギャレン
 黄色いメカニック──イエローレーサー
 飛蝗の異形──仮面ライダーホッパー2
 宇宙から来た信号野郎──シグナルマン

 総勢十二名の戦士が敢然とドラスに立ち向かう。
「十二対一? ずいぶん卑怯だね?」
「言われてみれば卑怯な気も……」
「いくぞ! 睦月」
「え!? 俺いまレンゲルバックルがなくて……」
 睦月もさっき変身ポーズをとったが、グレイブに取られてレンゲルバックルがないことに気付き、諦めたのだ。
「なら援護だ!!」
 睦月が後退した。

□

「クッ……!! 何もできないのか……?」
 氷川は銃で援護しようとしたが、味方がたくさんいるためにうまく狙いが定まらなかった。
「どうすればいいんだ……!?」
「何もできないのは僕も同じですよ」
 不意に睦月がいった。
「でも、役に立たなくても何かしましょう!」
 睦月がその辺から漫画をとって投げた。
 ドラスに当たるが、まったく見向きもしない。
「こんなことでも、何もしないよりマシです!!」
 何もしない方がマシだといわないでほしい。
「わかりました。……役に立たないかもしれないけど……いきます!!」
 氷川が銃を連射した。
 全て電王SFに命中した。
「痛えなテメエ!!」
「すみません!!」
 そのとき窓ごしから彼を見ている一匹の人造昆虫にまだ誰も気付いていなかった。

□

「王子……この付近は騒がしいですね」
「ああ」
 フォグの王子・ガライがズーに答えた。
「その辺の店で誰かが戦っているんだろう……問題ない。全員壊してやろう」

□

「……? 傷がちっとも痛くないな」
 ガドルが起き上がり、自分の体を見た。
 しかし、すぐに騒然としている店内に視線を変える。
「戦闘か……」
 この傷では無理だ、と思いながらも起き上がる。
「ダメだよ、まだ寝てなくちゃ」
 この騒ぎで顔色が少し曇った女がガドルに言った。
「なぜ俺を助けた」
「なんでって……私が手当てしたんじゃないけどやっぱり怪我している人をほうっておけないんだよ。みんな」
「愚かなリントめ……」
 だがガドルはこの時、目の前の女を殺そうと思わなかった。
 あそこで戦っている怪人に加勢しようとも思わなかった。
 それが疲れのせいではないんじゃないかと薄々感じていた。
 そのとき、誰かが叫んだ。
「アコ! 腕のブレスをクロスさせてクロスチェンジャーと言うんだ!!」
 目の前の女が言われた事を実行し始める。
「こう? ……クロスチェンジャー!!」
 アコと呼ばれた女は水色の鳥人に姿を変えた。
「きゃあ! 何これ? かっちょい~」
 アコ──いや、ブルースワローが加勢に行った。
「フン」
 ガドルが窓からミルクディッパーの外に出た。
「それにしてもなんだこの服は……うん?」
 ガドルが目の前から横並びでやってくる三人の男女に目を向けた。

□

「どうやらあの建物で戦闘が行われているようです」
「そうだな……」
 ガライがピアスを鳴らした。
 アギトとズーも怪人の姿に変わる。
「あそこにも男がいます」
「あいつはいい。恐らく俺たちと同じ闇だ」
 ガライがガライソードを持って走り出した。

□

「奴らも闇の戦士か」
 ガドルが変身した三人を見て言った。
 ガライはまっすぐにブルースワローの攻撃に向かった。
「あのリントは……」
 ガドルが不意にそこまで言った。
「あのリントに借りを返すか」
 それがガドルが正義に変わるための言い訳だった。

□

 ここで戦闘開始直後まで時間を巻き戻してみよう。
 先手を打ったのはブラックコンドルとイエローオウルだった。
「ブリンガーソード!!」
「ウイングガントレッド!!」
 剣技と打撃がドラスの腹を貫いた。
「やったか!?」
 それにしては妙な手ごたえだったと感じながらブラックコンドルが剣を引き抜いた。
「全然」
 ドラスがマリキュレイザーをほぼ零距離で発射する。
 ダメージを受けたのがブラックコンドルだけだったのは幸いだった。
「次は誰がやられに来るの?」
「「面白れェ」」
 ドラスをホッパー2が蹴り、電王が斬った。
「まだだぜ!!」
 電王がデンガッシャーで腕や足の付け根を攻撃した。
 だが、それを直後ドラスじゃない何者かが妨害した。
「痛えなテメエ!!」
「すみません!!」
 氷川だった。
「よそ見しないでよ」
 ドラスが背後から電王を掴んだ。
 そして、手前に引っ張って蹴り上げる。
 電王が高く飛んだ。
「ウワッ!!」
 電王がプラットフォームになり、モモタロスと分離する。
「いてててててて」
「いたたたたたた」
 それをさらにドラスがマリキュレイザーで攻撃した。
「俺を忘れるな」
 ホッパー2が振り向いたドラスを殴った。
 その後、氷川の銃がドラスの顔に命中する。
 ドラスの顔がよりグロテスクになった。
 さらに調子に乗ってギャレンやメガレンジャー三人、ボウケンブルーもドラスを撃つ。
 緑色の血が店内をメチャクチャにした。
 ドラスが中央部の望遠鏡が乗った棚に突っ込む。
「あ! それは……」
 電王PFが足を引きずりながらその倒れてレンズの割れた望遠鏡を手に取った。
「これは……姉さんの大切な」
 電王PFが怒りに燃えているのが手に取るようにわかった。
「もう一回いくぜ良太郎!!」
「うん」
 ──SWORD FORM──
 電王がプラットフォームからソードフォームに変わった。
「いくぜいくぜいくぜぇ~!! 俺、参上!!」
 ──さっきからいたじゃん
「うるせえ!!」
 その光景は周りから見ればモモタロスのひとり突っ込みだった。
 それはともかく、ドラスへの怒りがフルに爆発する。
「オラオラオラオラ!!」
 「オラ」の数だけ斬る。
「よし! うまい繋ぎよ!!」
 イエローレーサーがサイドナックルでドラスの顔を殴る。
「調子に乗りすぎだよ!!」
 ドラスも怒る。
 マリキュレーザーを乱射し始めた。
 変身した戦士全員に当たる。
「こうなったら俺たちだけじゃ戦えねえな!! 増援だ!!」
「誰かいるのか!?」
 ギャレンの問いに答えることなく、ブラックコンドルは言った。
「アコ! 腕のブレスをクロスさせてクロスチェンジャーと言うんだ!!」
 倒れたガドルの近くにいたアコが少し躊躇いながらも、クロスチェンジャーした。
 アコがブルースワローに変身した。
「きゃあ! 何これ? かっちょい~」
 ブルースワローが自分の姿におどろきながらドラスに立ち向かった。
「一人増えたところでどうにもならないよ?」
 ドラスがマリキュレイザーで攻撃するが、一回目を避ける。
「え……と、どうすればいいの? チカンさん」
「チカンじゃねえ!! ったく……」
 ブラックコンドルがブリンガーソードを抜く。
「そうか、これが剣なのね」
 ブルースワローがブリンガーソードを抜いて、ドラスに突撃する。
 だが、ブルースワローはその途中で攻撃された。
 剣を投げられたのだ。
 ──ガライだ。
「貴様たち、まとめて壊してやろう」
 三人組が駆けてくる。
「待て」
 突然聞こえた言葉に三人組が止まった。
 ガドルのカブトムシの異形がガライたちに近寄ってきた。

□

 そんな光景を新しそうなマンションの窓から眺める一体のロボットがいた。
 名はグレイ。
 休んだところで直るわけではないが、この体で戦闘は不可能と考え、マンションの一室で休息をとっていた。
「面白い。人間に味方するとは」
 さらにそこに二人の男女が歩み寄ってきた。
「僕にはわかる。元々人間だったからね」
 名は三田村晴彦、又の名をコブラ。
 もう一人の女性が原田美代子、又の名をスネーク。
「なぜお前らのように悪の心がないやつまでここに連れてこられたのか、わからんな」
「僕たちにもわからない。でも、美代子さんに手を出したら僕は許さない」
「愛、か……」
 グレイはマリアのことを少し考えた。
「私は愛というもの……誰かが愛する人を殺そうとは思わん」
 グレイがその部屋のテレビをつけた。
 最新型のゲームがテレビにつなげられている。
 晴彦は、グレイを『いいやつ』なんじゃないかと認識した。
「晴彦くん、この人……そこまで悪い人じゃなさそうね」
「そうだね……」
 そのセリフにグレイが少し苛立ったが、抑えた。
「出て行け」
 やっぱり抑えてなかった。
 しぶしぶと晴彦&美代子が出て行く。
 グレイは学生のものと思われる椅子に座った。机とセットのやつだ。
「つまらん……」
 グレイがチャンネルを回す。
 そもそも面白いと思うことがあるのか。
 ボタンが次々と押されていく。
「ん?」
 葉巻に火をつけようと思った瞬間、テレビの恋愛ドラマが目に止まった。
「……不快だ」
 グレイがテレビを主電源から切った。
「やはり外の戦闘を見ていたほうが面白い」

□

「なんだ貴様、闇の者……グロンギだったな。なぜ人間に味方する」
「リントに味方などしない」
 ガドルがガライソードをブルースワローの腕から抜いた。
「痛っ!」
 人間の体の体質から、当然剣を抜けば血が噴出す。
「この女はなぜか憎めない」
 ガドルがガライソードをガドルソードに変えた。
「愚かな……!」
「君も僕の敵になったみたいだね。じゃあ、問題なく殺そ♪」
 ドラスがロケットパンチをガドルに向けて発射した。
「フン!」
 ガドルソードがパンチを真っ二つにする。
「あ~あ。でも腕はまた作ればいっか」
 ドラスが不気味に笑いながら、すべるようにしてガドルに向かっていった。
 ガドルがガドルソードを構える。
「喰らえ!!」
 ガドルが攻撃したのはドラスじゃなかった。
 その場でガドルを威嚇していたアギトだ。
「まずはザコからだ」
 アギトの体が半分に裂ける。緑色の血が噴出してガドルの体を濡らした。
「一匹」
 そして力強くズーの腹にガドルソードを突き刺す。
「二匹」
 さらに次はガライに来た。
 ガライは失っていない腕で剣の刃を握ってガドルの腹を蹴る。
 そして、ガドルソードは真っ二つになった。
「その程度か……次はこっちだ!」
 ガライがガドルを蹴る、蹴る、蹴る。
 腕がない分、効果が期待できないがそれでも充分だった。
「俺を侮るな」
 ガドルが頭突きをかました。
 そして、カブトムシの如くガライを角で持ち上げ、投げる。
「グァッ!!」
「まだだ」
 ガドルが倒れているガライを踏みつける。
「ウッ……!!」
「やめてくれといえばやめてやろう」
「誰が言うか……!」
「良い反応だ」
 ガドルがガライの頭に踵落しを決めた。
「グァッ!!」
「僕を忘れないでよ」
 ドラスが背後からガドルの腹を突き刺すように攻撃した。
「敵の存在を忘れるわけがないだろう……」
 ガドルが背中の後ろでドラスの腕を掴んでいた。
 そして、そのまま投げ飛ばす。
「……! コウモリ男!」
 ドラスがコウモリの怪人を作り出した。
「やっちゃえ!」
 コウモリ男がガドルに向かっていった。
 その間にドラスが球体になり逃げ出す。
 向かってくるコウモリ男の腹をガドルが殴り、怯んだコウモリ男の羽をガドルが二つとももいだ。
「時間稼ぎか……!!」
 ガドルがコウモリ男の顔を思い切り殴った。
「あとはこいつだけだ……」
 ガドルが倒れているガライに目を向けた。
「もうやめなさい!!」
 イエローレーサーが流石にガドルを注意した。
「なぜやめる必要があるんだ」
 ガドルがイエローレーサーに疑問を投げかけた。
「どんなに悪いやつだって改心はできる……だから私はあなたを看病したの。その人たちも心を改める事が出来るわ、きっと!」
 イエローレーサーにはその確信があった。
 宇宙暴走族ボーゾック──たくさんの星を花火にしてきた極悪非道な奴らも学問に目覚めたり、夢を追ったりと心を改める事ができたからだ。
 だがガドルはそうしない。
「俺を看病したのは貴様か……余計なことを。それに俺は改心などしていない」
 ガドルが人間の姿に戻る。
「貴様達では俺の相手にならん。だからもう少し骨のある奴らを相手に戦った──それだけだ」
 ガドルはそのまま立ち去っていく。
 753とプリントされたTシャツを着ながら──。
「最後の一文さえなければかっこいいんだけど……」
「ん? 何か言ったか? 睦月」
「え? 俺、何かいいました?」

【現代地:埼玉県/志村&ギレール⇒群馬県】
【剣崎一真の持ち物:ブレイバックル@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ラウズカード(スペードA~10)@仮面ライダー剣】
【相川始の持ち物:ラウズカード(ハートA~10、K)@仮面ライダー剣】
【氷川誠の持ち物:ライダーブレス(ケタロス)@仮面ライダーカブト、銃@仮面ライダーアギト、神経断裂弾@仮面ライダークウガ】
【一文字隼人の持ち物:なし】
【シグナルマンの持ち物:シグナイザー@激走戦隊カーレンジャー】
【ズ・ゴオマ・グの持ち物:なし】
【良太郎の持ち物:デンオウベルト@仮面ライダー電王、ライダーパス@仮面ライダー電王、ミルクディッパーの望遠鏡(レンズ損壊)@仮面ライダー電王】
【モモタロスの持ち物:モモタロスソード@仮面ライダー電王】
【結城凱の持ち物:クロスチェンジャー@鳥人戦隊ジェットマン】
【早坂アコの持ち物:クロスチェンジャー@鳥人戦隊ジェットマン】
【伊達健太の持ち物:デジタイザー@電磁戦隊メガレンジャー、漫画、バスケットボール、753とプリントされたTシャツ】
【並木瞬の持ち物:デジタイザー@電磁戦隊メガレンジャー、本(仮面ライダーとうい名の仮面)@仮面ライダー剣】
【今村みくの持ち物:デジタイザー@電磁戦隊メガレンジャー、本(仮面ライダーという名の仮面)@仮面ライダー剣】
【志乃原菜摘の持ち物:アクセルチェンジャー@激走戦隊カーレンジャー】
【ゴ・ガドル・バの持ち物:なし】
【ガライの持ち物:なし】
【ドラスの持ち物:なし】
【橘朔也の持ち物:ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~10)@仮面ライダー剣】
【上条睦月の持ち物:なし】
【最上蒼太の持ち物:アクセルラー(ブルー)@轟轟戦隊ボウケンジャー】
【大石雷太の持ち物:クロスチェンジャー@鳥人戦隊ジェットマン】
【志村純一の持ち物:グレイブバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(チェンジケルベロス(黄)@仮面ライダー剣、レンゲルバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(クラブA~10) @仮面ライダー剣】
【ギレールの持ち物:不明】
【グレイの持ち物:自分のパーツ、テレビのリモコン】
【三田村晴彦の持ち物:不明】
【原田美代子の持ち物:不明】
参戦時期
剣崎一真⇒劇場版序盤(虎太郎に再会前)、相川始⇒38話序盤(トライアルF撃破後)、伊達健太⇒44話終了後、並木瞬⇒32終了後、今村みく⇒40話終了後、志乃原菜摘⇒最終回後、ゴ・ガドル・バ⇒45話終了後、氷川誠⇒最終回後、一文字隼人⇒改心直後、シグナルマン⇒ラスト三話前、野が良太郎&モモタロス⇒2話以降、結城凱⇒最終回Aパート終了後、早坂アコ⇒バードニックウェーブを浴びた直後、橘朔也⇒25話終了後、上条睦月⇒45話終了後、大石雷太⇒27話終了後、最上蒼太⇒最終回後、志村純一⇒劇場版終盤(ブレイドKFに敗北後)、ギレール⇒31話途中

※グレイ、ガライ、アギト、ズー、ドラスは魔法陣でここにやってきました。
※瞬たちのグループは自分たちが違う時間軸からやってきたことを知りました。

062:覇王の剣 投下順 064:友よ・・・・・
061:仮面ライダーという名の仮面 剣崎一真
061:仮面ライダーという名の仮面 伊達健太
061:仮面ライダーという名の仮面 並樹瞬
061:仮面ライダーという名の仮面 今村みく
061:仮面ライダーという名の仮面 志乃原菜摘
061:仮面ライダーという名の仮面 ゴ・ガドル・バ
061:仮面ライダーという名の仮面 相川始
060:破滅のウイルス 志村純一 065:日下部総司の思い
060:破滅のウイルス 橘朔也
060:破滅のウイルス 上城睦月
060:破滅のウイルス ギレール
060:破滅のウイルス 最上蒼太
060:破滅のウイルス 大岩雷太
028:正義と強魔 シグナルマン
028:正義と強魔 氷川誠
028:正義と強魔 結城凱
028:正義と強魔 早坂アコ
028:正義と強魔 野上良太郎
028:正義と強魔 モモタロス
028:正義と強魔 ズ・ゴオマ・グ 死亡
052:受け継がれる聖なる力 ガライ
052:受け継がれる聖なる力 アギト
052:受け継がれる聖なる力 ズー
032:異界への誘い ドラス 065:日下部総司の思い
031:二度あることは三度ある グレイ
初登場 三田村晴彦
初登場 原田美代子
初登場 コウモリ男 死亡

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最終更新:2008年11月16日 12:53