「全然待ってないから気にしないでいいよ」
「……ねえ、私たち46代の生徒会が発足して何日経ったか覚えてる?」
「はい、今日で71日目です」
「毎週の休日って何日あるか知ってる?」
「2日ですね、ちなみにこれまでに祝日は4日ありました」
「おかしいよね? 臨時会って毎日やるものじゃないし、何なら休みの日にもやったよね?」
「……会長、関係のない発言は慎んでください。あとミラさん、この話は議事録を取らないで結構です」
「は、はい」
「そんなこと言ったって、じゃあ何か建設的な話ができるの? 結局いつも
ロゼッタと一緒に行って無理やり止めてるだけじゃん」
「それでも我々は予防策を考えるべきです」
「ふたりが喧嘩しなければそれが一番ですからね」
「そ、そうですね、おふたりが話し合いできる場を作るとか……」
「もしかして私が少数派なの? みんな本気でどうにかできると思ってる?」
「会長、いかに愚かな相手でも対話を諦めてはいけませんよ」
「この議題何回目だと思ってるの!」
「定例会での取り扱いも含めると55回目ですね」
「もう答えが出てるじゃん! 無理だよ無理、もうほかの生徒に避難を促したほうが早いよ……」
「なるほど、ではその案で考えてみましょうか。具体的な内容についてはどうします?」
「全校生徒に注意喚起のプリントでも配布してみます?」
「そ、それはさすがにかわいそうじゃないですか……?」
「しかし非常に効率のいい方法だと思いますよ。
ロゼッタさんも言いましたけど、本人たちが喧嘩をやめるならそれが一番ですから。生徒の自主避難を促すと同時に、本人たちの羞恥心を煽ることも狙える素晴らしい案です」
「エリュスタは普段からそうだけど、
ロゼッタも結構容赦がないときあるよね」
「とても優しい方ですけど、手段を選ばないイメージがあります……」
「そんなつもりで言った訳じゃ……」
「まあ、いいんじゃない? やってみてダメならまた考えようよ。文面や予算とかはエリュスタに任せるよ」
「は?」
「うん?」
「何を楽しようとしてるんですか? あなたがやるんですよ?」
「いや、手伝うよ? でも君の主動でやるのが一番いいじゃん」
「あなたの役職は何ですか? 会長ですよね?」
「会長が何でもやらないといけないなら君たちは何のためにいるのかな?」
「生徒会規約には『生徒会長は学生の総意に基づき学園内での自治を行い、副会長以下生徒会役員は会長の執務を補佐する』とあります、あくまで会長を中心に動くべきかと」
「じゃあ総責任者として実務担当者に君を指名するよ、よろしくね」
「身に余る光栄ですが辞退します。さあ総責任者様、自らの采配の責任を取ってください」
「……ぐだぐだ言ってないでやりなよ、どう考えたって君が一番適任じゃないか」
「丸投げとは感心しませんね、生徒の代表たる会長の態度とは思えません」
「だから手伝うって言ってるじゃん! でも君がメインで動くのが一番いいと思うな私は!」
「あ、あの……」
「この前もそんなこと言って結局ほとんど私ひとりで全部やりましたよね? たまにはあなたも働いたらどうですか!」
「ふたりとも……」
「あのときは黙々と製本作業してたじゃないか、知的労働ばかりを神格視するのやめなよ!」
「単純労働なんてその辺の生徒でも連れて来ればいいでしょう! 私を手伝うというのならちゃんと私の仕事を手伝いなさい!」
「そういうことはその時に言いなよ! 知性は言葉によって証明されるっていつも――
「はい、そこまでです!」
「ふたりとも落ち着いてください」
「フーッ! フーッ!」
「私としたことが……」
「仲良く、仲良くみんなでやりましょうよ、ね、ね?」
「争いは何も生みませんよ」
「――失礼します! 委員長、正門で眠り猫と独尊竜がにらみ合ってます、このままだと……」
「ああ、またですか……」
「仕方ない、とりあえず止めに行こうか」
エリュスタはまだしも、
ロゼッタとミラはどっちがどっちか分かんねえなこれ。
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最終更新:2021年10月08日 16:48