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地熱プラント攻略戦 ~序説~

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<地熱プラント攻略戦 序説「レイラ=ウィンの憂鬱?」>

 「……出番が無ぁいーーっっ!!」
 そう、自慢の美貌が台無しになる程絶叫したのは“世界最高”の戦闘集団ピースガーディアン第一軍第三近衛隊在席のレイラ=ウィン少尉だった。
 「何なんだ。藪から棒に……」
 第三近衛隊同僚のシラヒ=ホス=ホデリ少尉は「またいつもの病気か」と聞こえない様にそっと呟く。こんな風にレイラが突然叫び出すのは頻繁にあることなので、自然と周囲の人間には“その程度では動じない”胆力が身に付くのも必然と云えよう。……もっとも、シラヒにとって見れば「一生そんなモン欲しくねぇよ……」という代物ではあったが。
 そんなシラヒをレイラはきっと睨みつけ、今度はシラヒに向けて怒鳴り散らす。シラヒは「しまった、まだ全部出し切ってなかったのか」と心の中で呟いた。
 「ンな事言っても、もう十九話よ!? もうすぐ二十話よ!? 既に話の展開は中盤、どーして栄えあるピースガーディアン、そしてその中でも美貌は群を抜くと誉れも高き“レイラ=ウィン率いる第三近衛隊”が、こうも本編で目立たないって言うのよ!?」
 「率いているのは私の様な気がするんですが……」
 “部隊内でもその存在感の無さでは圧倒的”と言われる“優等生、悪く言えば没個性”のウノ=ホト中尉はその相変わらずにこやかな顔を少しも崩さず、ぽりぽりと頬を掻くに留める。予想通り、レイラがきっとウノの方を向いたのですさかず持っていたブックペーパーで顔を隠すのは流石(?)と言えよう。
 「仕方ねぇだろ。本編中でピースガーディアンが出てくる時は、「決戦間近」って時だ。俺達がそうそうホイホイ出向く訳にいかねぇだろーが」
 シラヒが正論を言うが、レイラには完全に“焼け石に水”だ。
 「そんな事言ってる間に、あたしがヒロインとして大きく出遅れてるっていう状況なの! あたしには、それが気に入らないっていうのーーっ!!」
 (……要するに、目立ちたがりが目立てないんで騒いでるだけか)
 なおも叫び続けるレイラを冷め切った目で見るシラヒ。ピースガーディアン内で“第三近衛隊の会話はレイラの怒声とシラヒの突っ込みだけで成り立っている”という風評は当たらずとも遠からず、といった所か。
 さて、そんな二人の状況をしばらく(二人が疲れるまで)見物していたウノは、レイラが一通り叫び終わったのを見計らって言った。
 「そんなに暇なら、仕事でもしますか。内容は“地熱プラント攻略戦”の状況説明です。……どうせ“暇”なんでしょう?」
 ……あまりにも的確な言質の取り様に、レイラとシラヒは二つ返事以外言えなかった。


1. 地熱プラント攻略戦 ~戦力の対比~

 「まずは、ここから手を付けましょうかね」
 「戦力の分析は、戦争のもっとも大事な所だからな」
 「具体的には戦力差を引っ張り出せば良いんでしょ? じゃー、あたしから統一軍側の戦力を提示するわよ」

 <統一地球圏連合軍 コーカサス派遣軍 概要>

統一連合軍ガルナハン討伐軍

指揮官・イエール=R=マルセイユ中将
副官・カリム=ジアード中将
特別顧問・ダニエル=ハスキル少将

オーブ第4師団 イエール=R=マルセイユ中将
配下部隊
第32機動歩兵大隊 4800人、歩兵戦闘車300台
第12戦車大隊   1200人、戦車60台
第13戦車大隊   1200人、戦車60台
第53歩兵連隊   2400人、歩兵戦闘車100台
第10機動中隊   400人、モビルスーツ20機 
第32特別戦闘大隊 5000人。歩兵戦闘車150台
第18歩兵大隊   4000人、歩兵戦闘車150台
第36特別輸送連隊 1000人、装甲輸送車130台

オーブ空軍、西ユーラシア空軍貸与部隊

西ユーラシア第3航空軍  カリム=ジアード中将(オーブより派遣)
配下部隊
第2航空師団
第3爆撃飛行連隊  モビルスーツ24機
第7特別戦闘飛行隊 モビルスーツ26機
第5航空師団
第21戦闘飛行中隊 モビルスーツ12機
第2独立爆撃大隊  モビルスーツ38機

オーブ第6航空師団 オルラント=ブリストル少将
配下部隊
第12戦闘航空中隊 モビルスーツ30機
第10爆撃飛行隊  モビルスーツ15機
第7司令飛行隊   モビルスーツ5機

オーブ宇宙軍ガルナハン方面派遣軍 イザーク=ジュール准将
第4独立機動航空軍  
配下部隊
第430戦闘飛行中隊 モビルスーツ12機(イザーク直率)
第431戦闘飛行中隊 モビルスーツ12機(ディアッカ指揮)

オーブ海軍(陸上部隊をマハムール基地まで運ぶ)
臨時輸送艦隊  サントス=リカルジーニョ中将
配下部隊
第230強襲上陸艦集団  揚陸艦30隻
第128輸送艦隊     輸送艦18隻
第46護衛艦群      護衛艦8隻
第28護衛艦群      護衛艦8隻
第6航空戦隊      空母1隻、航空巡洋艦1隻


 「これを見ると実質の総兵力は歩兵二万人、戦車百二十台、歩兵戦闘車七百台、歩兵装甲車百三十台、モビルスーツ百九十四機、と言う訳かしらね」
 「……お前な、頼むから補給課とか通信補助とかそういう部署の事も考えてやれ。空軍の連中なんかモビルスーツ数しか計上してないが、実際はアイツ等のメンテやら何やらで歩兵課の人間だって駆り出される場合だってあるぞ。……ともあれ、現状の戦争の主役はモビルスーツだからな。モビルスーツ数が戦力と言っちゃったって構わんだろ」
 「現行の新型戦車は“モビルスーツにだって匹敵する!”とか兵器課の人が言ってましたが……まあそう言うことにしておきましょう」


 「お次は地熱プラント防衛隊の面々よ」
 「……こっちはあからさまにやる気の無いメンツだな」
 「政情が変われば、という事なんでしょうがねぇ……」

 <東ユーラシア軍地熱プラント守備隊>
第2コーカサス軍  アレクサンドル=シェフチェンコ大将
配下部隊
第3狙撃兵師団
第56装甲擲弾兵大隊 兵力3400人、戦車20台(作戦時第3シベリア軍に抽出され不在)
第21砲兵連隊    兵力2600人、火砲120門(火砲80門不在)
第120狙撃中隊    兵力1000人(武器不足)
第8独立機動大隊   兵力500人、モビルスーツ20機(訓練不足)
第20装甲擲弾兵師団 (作戦時第2バルト軍に抽出され不在)
第4装甲師団     (作戦時第1白ロシア軍に抽出され不在)

後方配備 イワン=ストラヴィンスキー中将

第5打撃軍(グローズヌイ配備)
配下部隊
第2狙撃兵師団
第7機械化砲撃師団
第31装甲擲弾兵師団
第3独立機動中隊 

兵力総計38000人、モビルスーツ24機


「……何よコレ、スカスカじゃない」
 「実質の守備に当たる第二コーカサス軍は凄まじいな。総兵士数はたぶん二千弱、モビルスーツは訓練不足の二十機程度……田舎のテロリストだってもうちょい兵力整えるぞ」
 「その代わり第5打撃軍は充実しまくってますね。あからさまな打算が見え見えです。……この情報も無しに統一軍は攻め入る訳ですから、中の人も大変でしょうねぇ」
 「「中の人など居ないっ!」」


 「で、最後に主役陣営であるローゼンクロイツを中心としたレジスタンス組織軍の概要よ」
 「敵だろ! 何でそんな嬉しそうに言うか!」
 「出番があたしを悪女に変えるのよ……ふっふっふ」
 「……君達、お仕事なんですからもうちょっと真面目にやりましょうね……」

 <武装組織連合軍>
 総指揮官・ニコライ=K=ペトリャコフ(ローゼンクロイツ幹部)
配下部隊
本隊
第1モビルスーツ大隊(ローゼンクロイツのシグナス中心)100人、モビルスーツ20機
第1機動団(ローゼンクロイツの非人型兵器)100人、エゼキセル18機、小型戦闘車10台
第2歩兵隊(ローゼンクロイツの戦闘員中心)300人
囮部隊
第1遊撃機動団(リヴァイブ)モビルスーツ4機、スレイプニル、爆弾部隊30人
ガルナハン市街潜伏軍
第1義勇兵小隊(ガルナハンの市民達)500人


 「……総兵士数千人、モビルスーツ数は二十四機、モビルアーマーエゼキエルが十八機、小型戦闘車十台……。なにこれ。これで戦争になるの?」
 「それ見たことか。正義は勝つってやつさ!」
 「数の上では統一軍側が大幅有利です。しかし……色々不安材料が多いのも事実ですね。第一遊撃機動団の潜在能力はコンピュータで試算出来ない程ですし、“ガルナハン名物”と言って良い爆弾部隊は地元軍でも手を焼く猛者です。油断すればあっという間に足下を救われますよ」
 「何だよウノ、お前どっちの見方なんだよ!」
 「……せめて先輩と言って欲しいんですけどね、私は。それにシラヒ、我々の今回の任務は“分析”ですよ。片手落ちをしたのでは分析にはなりません。やるからには徹底的に、ですよ」


 <戦力の対比 のまとめ>

 「こうして実数を上げてみると、贔屓目に見なくてもレジスタンス軍側の大幅不利は目に見えているわよね」
 「統一軍側は兵員数も多いから、物資も補給も潤沢に行えるしな。圧勝は間違い無いぜ!」
 「……果たして、そうでしょうかね?」
 「なんだよウノ。さっきから辛気くさい意見ばっかり言いやがって」
 「だからせめて先輩と呼んで下さい。……ともかく、『総兵力が総稼働兵力になるとは限らない』という事をまずは言っておかなければならないでしょう」
 「つまりは全員が戦争に参加出来ないってことなの?」
 「んな筈あるか。統一軍の志気は高いぞ!」
 「高いだけでは駄目なんですよ。……彼等の多くは新兵です。当然、砂漠戦はおろか、実戦経験など数える程しかない。しかも時期は冬、砂漠戦でも最難関の冬の戦場なんです」
 「そんなに過酷なの? 砂漠って」
 「レイラ……砂漠の気温変化はどの位あるか知っていますか? 場所によって差違はありますが日中の高い時は50℃~60℃、低い時は0℃以下になる事もあるんですよ。このような過酷な状況では、新兵の初陣とも言える今回の遠征で、何人の兵士が稼働出来るか疑わしい位です」
 「なによそれ……エアコン無しじゃやってられないじゃない」
 「でもさ、それならそれで対策位考えてるんだろ? だったら……」
 「対策を万全にすればする程、補給部隊への批准が高くなります。そうなると補給部隊を守る為に戦力を裂かなければならない。……それに、歩兵戦などテクノロジーの恩恵を受けにくい戦場では、一人の兵士への負担を軽減する術は限られている。数で押すにしても、短期決戦でなければ難しいでしょう」
 「じゃあ、短期決戦でやれば良いんじゃない?」
 「そうそう、大兵力で一気に押しきっちまえば良いんだよ!」
 「……それをする為には、相手の位置がはっきりと解っていて、かつそれを倒せば確実に勝利出来る確証が無ければならないんですよ」
 「あー……相手のレジスタンスって、“地元の支援を受けている”組織なんだよな。そりゃ、きついわ……」
 「情報を仕入れようにも手にはいる筈も無い。統一軍側は進軍するだけで疲弊してしまう……じゃあさ、統一軍で地熱プラントを防衛しちゃえば? それならレジスタンスからは守れるよ?」
 「それは東ユーラシア政府が許さないでしょうね」
 「なんでさ? 折角守ってあげるのに……」
 「レイラ、お前さ……ただでさえあの国が“主権返上”に反対してるの忘れたのか? あの国は外交筋でこうはっきりと言ったぞ。『如何なる理由があろうと全ての軍は地熱プラント内に立ち入る事を禁ず』ってさ」
 「何よソレ! 守って貰う人の台詞じゃないでしょ!?」
 「それを材料にして、外交道具にされては堪らないという事でしょうね。……確かに統一軍の動きには今回のレジスタンス掃討を外交筋の材料としたい、という流れもあるでしょう。それに……あの男は目立ちすぎています。往年の……我々の“軍神”の様に」
 「……眉唾な話だが、確かな情報らしいしな。ポンコツ一機で、ムラマサも、ドム=クルセイダー三機も屠ってみせた……正直、腕でどうこうなるモンなのか俺にも解らねぇ」
 「他にも、今回の戦場を実験に使いたい企業もあるんでしょう。新型モビルスーツ“ストライクブレード”は今回初陣ですし、他にも新規の兵器が参加するという情報もあります」
 「なんか、きな臭い匂いよねぇ。ちゃんと平和になれば良いんだけどね」
 「それが、一番良いことなんでしょうけどね。まあ今回はココまでにしておきましょう」
 「「お疲れ様~」」

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