概要
少女のような純粋さを称した瞳に、妖艶さを備えた微笑みを浮かべてみせる娘。女でありながら身の半ばを蒼い騎士甲冑を纏い、その上に黒い外套を纏っている。
フランス出身の異邦人であり、アデプトと発掘機関の管理をしている碩学協会の主宰の一人で、王宮にも度々顔を出しては
クセルや
ハールートに不穏な言葉を言い残していく。
その正体は《鋼鉄姫》と呼ばれる
《結社》の大幹部。多くの権限を有しており、
砂漠都市ヴァルーシアで進行中の重機関都市化計画に隠された目的にも関与している。
来歴
かつてフランスで神の声を聞き、オルレアンの解放に貢献した聖女ジャンヌダルク。
ジル・ド・レイと共にオルレアン解放、王太子シャルルの戴冠式を神の声に従って成し遂げていくが、最後にはルーアンの広場で火刑にされた。刑に処される瞬間、群衆から見ていた
レオに自らの望みを問われたが、ジャンヌは神の御名をただ口にしてその身を焼かれた。
その後、結社の総帥
トートにより
赫眼の魔人として蘇るが、炎に灼かれた影響で5感の内嗅覚はもはや感じず、右手は黒く炭化したままの状態になっている。
ルーアンの炎に焼かれた無念は今も胸に残っているが、自分を裏切り見捨てた神を、実在さえ定かでないと分かっていてなおも愛し続けている。結社の魔人に成り果てながら、未だに憎むはずの神への愛を失うことができずにいる。かつて何よりも、愛したものだから。
ルナの
夢見によれば、ヒルドの心の裡に秘める願いは
「人に神は手を差し伸べるのか」「そうであるなら自分が灼かれた理由はなんだったのか」であり、未だに「神」への執着を捨てきれずにいるのが分かる。
能力
白光のヴァルーシアでの活躍
ヴァルーシアの住民を利用しながら
アブホールや恐怖病についての記録を取り、結社の真の目的である
現象数式実験の始動のため動いていく。
しかし
《巨神》によってアブホールを砕かれ続けたため計画が進まず、次第に煩わしさを感じ始める。終盤にトートの許可を得て《巨神》の主であるレオの屋敷を《機怪》デフェクシオンを使って周りの水市ごと
時間牢獄に閉じ込め、そこの住民を人質に取る。そしてレオの現象数式を解いた上で最後には殺すには惜しいと感じながらも肉体を崩壊させた。
その後クセルを脅し、大機関を稼働させて現象数式実験を行おうとするが、
白き死の仮面が発現したシャルルの暴走により12体ものアブホールが同時に都市内に顕現され、記録どころか都市諸共消え去る危機に陥る。アブホールは時間牢獄を裂いて駆け付けたレオによって砕かれるものの、自分の許にはクセルを助けにやって来たアスルが現れる。ヒルドはアスルの過去を含めたすべてを教える代わりにクセルから手を引くことを提案するが、彼はそれを
迷うことなき瞳と声で一蹴。その言葉にヒルドはかつて神を信じて突き進んだ過去を重ね、最後には道を譲った。
《ホラー・エンド》の消失後、都市重機関計画が白紙に戻ったことで、ヒルドは砂漠都市から撤退することになる。砂漠都市で記録・蓄積した情報をまとめた報告書を作成するが、結社にとって貴重な献体である
アスルを入力するところで指が止まり、そのまま「献体なし」と入力する。
そしてかつてのルーアンにもしアスルのような存在がいたならば自分はこの身を灼かれずに神を愛したままで死ねたのではないかと考え、涙を流した。その零れた涙を受け止めた魔女の右腕は……
ヴァルーシアウェブノベルでの活躍
砂漠都市から撤退した後は
王侯連合にて連合皇帝と接触する任務に就く。その間際に
The Mの命を受けたセバスと接触し、彼女(Mから)の「あなたは今や人間であるのか」という問いに嘲笑しながらも同時に逡巡してしまい、そして我知らず頷いた。
その後
《黄金王》に呼び出され、現象数式実験の失敗により体の内にある
《緑の石》を渡すこと(つまり用済みだから死ねということ)を要求される。その際、砂漠都市で出会った少年と少女に思いを馳せた。
この前の
ニーチェとの会話で
時計人間と
雷電の戦士の精神に触れたことを語っている。
その後、別世界からきた
マキナと出会い、泣き崩れる彼の頬に右手で触れた。
深闇のセレファイスでの活躍
こちらの世界では結社を裏切り、ローゼンクロイツと共に《希望の砦》の一員として活動している。ローゼンクロイツが誰よりも信用する『右腕』である。
学園都市では『教頭先生』として振る舞っており、忙しいのかあまり学園都市にはいないが、アスルのことを弟や子のように可愛がっており、 マキナには母であり姉として慕われている。
《結社》との最終決戦では度重なる魔人たちとの死闘の果てに生き残り、最後はローゼンクロイツと互いに寄り添い地平線の果てから惑星ごと呑み込んで迫る消却光を見つめながら、
最後の《子》に想いを馳せた。
元ネタ
ジャンヌ・ダルク
百年戦争中の十五世紀に「神の声を聞いた」と主張して後のシャルル7世となる王太子に加勢、オルレアン解放とシャルル7世の戴冠に貢献した電波娘。
最終的には魔女としてルーアンで火あぶりにされた。
なお史実で彼女が火刑に処されたのは1431年であり、1452年生まれのレオナルド・ダ・ヴィンチとの接点は無い。まあスチパン世界だから仕方ないね。
登場作品
関連人物
シャルル・ヴィクトール・ルクレール
結社での同僚。協力して都市重機関化計画を進めていたが、最終的には彼に計画はぶち壊されることになる。
計画よりも自分の感情を優先したシャルルに対し、ヒルドは「所詮、貴方もただの男なのね」と吐き捨てた。しかし、ヒルド自身も内心その状況を楽しんでいた。
ジェントル・レオ
火刑に処される直前に願いを問われるが口にせず、代わりに神の名を言って焼かれる。
ヒルドは知らないが、この出来事がレオの命題に関わる考え方に大きな影響を与えた。
- webノベルでのMへの返答しだいでは仲間になるかもしれん。てかなってくれヒルドさん -- 名無しさん (2013-05-14 16:29:40)
- 本当にその後どうなってんだか。いらんもの扱いされてるから結社抜けるのか -- 名無しさん (2013-07-16 12:14:22)
- 炭化した右腕が人のものになってたし緑の石なしでも大丈夫なただの人間になってるかもな -- 名無しさん (2013-07-16 20:24:07)
- 生前に聞いたという神の声とは何なのか。時計人間だったら、お前いい加減にしろって感じだが -- 名無しさん (2013-08-02 18:15:44)
- M曰くキリスト教の神はいるらしいよ。人間の祈りなんか気にもとめてないらしいけど。 -- 名無しさん (2013-08-02 19:57:25)
- セレファイスみたいにアスルを可愛がるヒルドさんが見たいけど、死んじゃったんだろうか… -- 名無しさん (2013-09-27 23:38:14)
- パリでテスラさんと対面してたのね。火炎魔人って呼ばれてたってことは炎も使えるのか。能力でもなんでもなかったら酷い皮肉だけど -- 名無しさん (2014-03-20 01:30:12)
- 某漂流者と廃棄物の漫画でも炎使ってたし、もうジャンヌは炎使いでみんないいんじゃなかな -- 名無しさん (2014-03-20 02:07:21)
- セレファイスでも炎使いの剣士だったしな。披露するにも相手が万能だと -- 名無しさん (2014-03-20 02:50:11)
- ヒルドさん生きてた!めっちゃ嬉しい! -- 名無しさん (2014-03-27 02:38:59)
- ワールドガイドで火炎魔人と呼ばれてたから恐らく史実でも炎が使える。 -- 名無しさん (2014-03-29 00:06:54)
- その後のヒルドさんは赫眼でありながら真人間ってことなのか?赫眼の呪いを超えるってすごいことなんじゃ -- 名無しさん (2014-06-02 16:01:01)
- わりと普通のムムリクと一般人のキーアもおるで -- 名無しさん (2014-06-03 10:15:16)
- ↑キーアは生前の瞳の色がわからないから≪奪われた者≫になった時に赫眼を得た可能性もあるぞ。「赫眼がみんな外道ってわけじゃない」ってのには賛成だけど。 -- 名無しさん (2014-06-04 00:08:02)
- レオも本当は赫目じゃなかったか -- 名無しさん (2014-06-04 06:31:47)
- つかキーアが赫眼てのも憶測にすぎないし -- 名無しさん (2014-06-05 14:40:55)
- 「二つの太陽 重なる日 紅の目は 灼け落つ」というAdeniumの歌詞をどう解釈するかだよね。インガノックに赫眼候補は大公とキーアしかいない。 -- 名無しさん (2014-08-10 23:45:01)
- 事前に想像してたより遥かに可愛い声しててファッ!?となったのはいい思い出 -- 名無しさん (2014-12-13 04:08:52)
- ヒルド・ロメがどこから採った名前なのか地味に気になる。本名ジャンヌの筈だしなー -- 名無しさん (2019-03-05 18:37:56)
- 「ロメ」の由来が多分分かった。アルマ級甲鉄艦「ジャンヌ・ダルク」を設計した造船技師アンリ・デュピュイ・ド・ロームだ。しかもこの人、普仏戦争の頃に飛行船の開発にも関わってるわ……だから飛べるのか -- 名無しさん (2020-07-25 23:36:41)
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最終更新:2020年07月25日 23:36