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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

IdoL

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rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集
読み切り 心に虹が掛かる時 と同じ設定です



 めぐは頬杖をつきながら、一向に進まない問題集をペン先で何度も突付く。
 教科書とかで調べれば分かる問題なのかも知れないが、その気になれなくて手が動かない。
 やがて溜息を吐いてペンを机に投げ出すとそのまま伸びをした。
 それを見た水銀燈が呆れ気味に口を開く。
「…めぐぅ、さっきから全然進んでるようには見えないわよぉ」
「だって分からないんだからしょうがないじゃない」
「分からないんじゃなくて、考えようとしてないんでしょう? どうせのりの事でも考えてるんでしょう」
 水銀燈に指摘されて、めぐは一瞬口をつぐみ、それから机に突っ伏した。

 確かに水銀燈に指摘されたどおり、勉強の間に浮かぶのはのりの事ばかり…もう一週間以上会っていない。
 別に喧嘩したわけじゃない、お互いがテスト週間に入ってしまったからだ。
 テスト週間に入る前はのりが中学校まで迎えに来てくれる事もあったが今はそれも無い。
 二人が会うと勉強がおろそかになってしまいがちで、のりの成績が落ちてしまうのをめぐが懸念しての事だ。
 自分のせいでのりの成績が落ちては申し訳無い。特にのりはそろそろ進路の事も考えなければいけない時期。
 その時期に成績が落ちるのは拙い、めぐはそう思って自分から申し出たのだが…。

 今ではどうだ。のりの事ばかりが気になって自分が勉強に集中できない。
 入院中にのりと出会い、付き合い始めて数ヶ月…完全にのりに依存してしまっていた。
 一応メールでやり取りはしている物のそれも前ほど頻繁ではない。一日に数回やりあっては終わりだ。
 気持ちを慰めようと、携帯を取り出しのりからの受信メールを開いた。

――最近会えなくて寂しいけど、テスト終わったらまた遊びに行こうね。どこ行こうか?――
――どう、元気にしてる? 分からない問題とかあったら遠慮なく聞いてね。どこまで役立てるか分からないけど…――
――今日の朝はちょっと寒かったね。体調崩してない? お姉ちゃん心配だよ><――

「…のり…」
 慰めようとしたものの逆効果で、余計に寂しくなって携帯を仕舞い込んだ。
 それから問題集を見たがもうやる気はまったく無くなっていてそれを閉じた。
 めぐは溜息を吐くとイスから立ち上がりタンスからジーパンとシャツを一着ずつ取り出した。
 それを見た水銀燈は訝しげに口を開く。
「どこに行くのぉ?」
「気晴らしにブラブラしようと思って。どうせ今のままじゃ勉強する気になれないし」
 水銀燈はそれを聞くと呆れ気味に溜息を吐いて、窓を開けて縁に足を掛けた。
「行ってらっしゃぁい。私は真紅の所に行くとするわぁ」
「行ってらっしゃい。のりに迷惑掛けたらダメよ」
「分かってるわよぉ」
 それだけ言うと水銀燈は翼を広げて窓から飛び立って行った。
 開け放たれたままの窓からは、秋を感じさせる冷たい空気が流れ込んできていた。

―※―※―※―

 着替え終わっためぐは水銀燈に言ったとおり、行く当ても無く駅前へと繰り出した。
 気温はそう低くないはずだが、曇っているせいかやけに寒く感じられた。
 半袖で来たのは失敗だったかと、シャツの襟元を手でギュッと握り首を竦める。
 もっとも、寒いのは体ではなく精神的なものかもしれないが。

 適当に本屋とか雑貨屋とかを回ったりして行ったが、どうもアンニュイな気分は抜けない。
 そうしてブラブラしていると、遠くから何か和太鼓のようなリズムが聞こえて来た。
 何かと思って辺りを見渡すと、一枚のポスターが目に入った。

――糸富士神社秋祭り、今年も開催!
  開催日:10月18日(土)、19日(日) 各日10時~20時まで
  開催場所:糸富士神社(○×区…)――

「十八日…今日だ。お祭りやってたんだ…」
 今年も、と書いてある辺り毎年やっていたのだろうが、ずっと入院していたからそんなの全然知らなかった。
 この神社なら歩いて十分ぐらい…行ってみようかと思ったが一人で行っても虚しくなるだけだと感じ、その方とは反対の方に足を向けた。


 それからCDショップに何となく入ると、あるポップ広告を見てあることに気が付いた。
「あ、スパルタの新曲出てたんだったわ。買うの忘れてた」
 好きなバンドの新譜をまだ買ってないことに気が付き、それを手に取る。
 そのままレジに向かおうとしたがその途中で声を掛けられた。
「めぐちゃん?」
 この声を聞き間違えるはずが無い、めぐが振り向くとずっと会いたいと思っていた人…のりがそこに立っていた。
 めぐの顔を見て本人だと分かったのりは、いつもの嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「やっぱめぐちゃんだ。奇遇ね、こんな所で」
「うん。どうしたの、こんな所で」
 心の準備が出来てなかっためぐは戸惑いながらも、嬉しくて自然に笑顔になっていくのが分かる。
「ちょっと買い物にね。そしたらめぐちゃんが見えたから思わず声掛けちゃった」
 その手を見ると赤と黄色の派手なビニール袋がぶら下がっており既に買い物を終えたことを示していた。

 めぐがレジで精算を済ませると、二人はそのまま近くの喫茶店に入っていった。
 しばらく会えてなかった事もあって、いつもよりも話がよく弾む。積もる話は沢山あるのだから。
「…それにしても本当に奇遇ね。まさかめぐちゃんに会えるなんて思ってなかったわ」
「それは私も同じよ。驚いたけど嬉しかったわ」
「私も。ちょっとの気晴らしのつもりだったんだけどね」
「え?」
 気晴らし。自分と同じ事を考えていたとは。
 のりはミルクティーを一口飲むと、少し物憂げな表情になり窓の外を見て話し始めた。
「…最近どうも勉強はかどらなくて。集中できないのよ」
「うん…」
「…それで恥ずかしい話なんだけど…気が付いたらめぐちゃんの事ばかり考えてた」
「私の事?」
「ええ。今めぐちゃん何してるんだろう、元気にしてるかな、その…会いたいな…とか」
 最後の台詞は少し恥ずかしげで、言われためぐも少し照れてしまった。
 けどそれ以上に、のりが同じ事を考えてたなんて知りもしなかった。
「会いたいけど、会いに行ったら迷惑かなとか…そう思うと余計に会いたくなっちゃってね、それで悪循環。勉強が手に付かなくて」
「…ふふ…」
「めぐちゃん?」

 いきなり笑い出しためぐに、のりは首を傾げる。
「あはは、何だ。のりも同じだったのね」
「同じ?」
「うん。私もずっとのりに会いたくて…全然勉強が手に付かなかったの。水銀燈に呆れられてたわ」
「へぇ…そうだったんだ」
「それで気晴らしにきてたんだけど…そうだ。この近くでお祭りやってるのよ。案内してくれない?」
「え…でも、勉強は…」
「今日一日ぐらい大丈夫よ。しっかり息抜きしないとまた手に付かないままよ。のり分補給しないとね」
「何よそれ」
 のり分なんて意味不明な単語が飛び出し、思わずのりは笑ってしまった。
「…そうね、今日一日しっかり息抜きしましょうか。糸富士神社だったっけ?」
「そうそこよ」
「分かった、友達とよく行ってたからしっかりエスコートしてあげるね」
「うん、よろしくね」
 そう交わすと二人とも精算を済まし喫茶店を出て、手を繋いでその神社の方へと向かって行った。
 久々のデート、心躍る休日がやっと始まる。

終わり



モデル曲はスパルタローカルズの「IdoL」

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