受験生と言えど、息抜きは必要だ
特に定期テスト後なんかは、緊張も解けて少しぐらい遊びたくなるのが普通
本来なら僕も、しばし勉強を忘れて遊びたいところなんだけど、
僕の脳内はもっと別の事に支配されていた
特に定期テスト後なんかは、緊張も解けて少しぐらい遊びたくなるのが普通
本来なら僕も、しばし勉強を忘れて遊びたいところなんだけど、
僕の脳内はもっと別の事に支配されていた
第二話『優等生というレッテル』
先生の出した提案
一晩、ほとんど寝ずに反芻しても纏まらず、
畢竟、もう一度先生に会って詳しく話し合おうという結論に至った
そもそも従うと言っても何をすればいいのかわからない
それに、言ってる事が冗談じゃなく本気なら、選択を誤れば相当ヤバい問題に発展する可能性も…
一晩、ほとんど寝ずに反芻しても纏まらず、
畢竟、もう一度先生に会って詳しく話し合おうという結論に至った
そもそも従うと言っても何をすればいいのかわからない
それに、言ってる事が冗談じゃなく本気なら、選択を誤れば相当ヤバい問題に発展する可能性も…
「そーせーせきっ!」
「あっ…え…どうしたの?」
「あっ…え…どうしたの?」
不意に声をかけられ、出口のない思考の迷宮から釣り上げられる
そして今が昼休みだったことを思い出した
そして今が昼休みだったことを思い出した
「ずーっとボーっとしてどうしたですか?」
「いや…少し考え事をしてて…」
「テスト終わった時ぐらいのんびりすればいいですのに…それとも何か悩みでもあるですか?」
「そうじゃないんだけど…」
「いや…少し考え事をしてて…」
「テスト終わった時ぐらいのんびりすればいいですのに…それとも何か悩みでもあるですか?」
「そうじゃないんだけど…」
とても言えない
誰よりも長く時間を共有して来た翠星石には…いや、翠星石だからこそ言えない
誰よりも長く時間を共有して来た翠星石には…いや、翠星石だからこそ言えない
「それならいいですけど…悩みがあったら翠星石はいつでも乗るですよ!」
「うん…ありがとう」
「うん…ありがとう」
悩みならある…
それもこの15年間で一番深刻な悩みが…
だけどこればっかりは、自分で解決しなくちゃならないんだ
それもこの15年間で一番深刻な悩みが…
だけどこればっかりは、自分で解決しなくちゃならないんだ
「じゃあ今日暇ですか?」
「え?」
「翠星石オススメの喫茶店でもどうです?それとも部活があるですか?」
「今週いっぱい部活動はないけど…今日はミーティングがあるからゴメンね」
「そうですか…残念ですぅ…」
「え?」
「翠星石オススメの喫茶店でもどうです?それとも部活があるですか?」
「今週いっぱい部活動はないけど…今日はミーティングがあるからゴメンね」
「そうですか…残念ですぅ…」
言い忘れていたけど僕はバスケ部に所属している
顧問は…これも何の因縁か、水銀燈先生だ
本当のミーティングは明日だけど、咄嗟に出てしまった嘘は、もう取り消せない
それでも翠星石に怪しまれないための口実としてはピッタリだと思う
…実の姉にこんな嘘をつくのは胸が張り裂ける思いだけど…
しゅんと落ち込む翠星石に今度埋め合わせをするからと言ってその場は切り抜けた
顧問は…これも何の因縁か、水銀燈先生だ
本当のミーティングは明日だけど、咄嗟に出てしまった嘘は、もう取り消せない
それでも翠星石に怪しまれないための口実としてはピッタリだと思う
…実の姉にこんな嘘をつくのは胸が張り裂ける思いだけど…
しゅんと落ち込む翠星石に今度埋め合わせをするからと言ってその場は切り抜けた
放課後──
誰もいなくなった教室で、僕は先生を待ち続けた
最後の生徒が帰ってからまだ10分も経たないというのに、随分永い時間待っているような錯覚に陥る
焦燥と緊張か
梅雨の蒸し暑さとは無関係に嫌な汗が頬を伝う
誰もいなくなった教室で、僕は先生を待ち続けた
最後の生徒が帰ってからまだ10分も経たないというのに、随分永い時間待っているような錯覚に陥る
焦燥と緊張か
梅雨の蒸し暑さとは無関係に嫌な汗が頬を伝う
そして静まり返った教室に、ドアをスライドする音が響いた
「ちゃんと来てくれたのねぇ…待たせちゃったぁ?」
「いえ…」
「いえ…」
ふふふ、と笑いながら僕の席まで近づいて来る
聞き慣れた笑い声も少し不気味に感じた
聞き慣れた笑い声も少し不気味に感じた
「来たって事は了承したと取っていいのねぇ?」
「いえ…その…」
「何かあるの?」
「…もう一度…確認をしたくて…」
「…確認?」
「あの言葉の意味を…」
「…昨日言った事ぉ?確かに遠回しに言い過ぎたかもねぇ。いいわ、この際ハッキリ言ってあげる」
「いえ…その…」
「何かあるの?」
「…もう一度…確認をしたくて…」
「…確認?」
「あの言葉の意味を…」
「…昨日言った事ぉ?確かに遠回しに言い過ぎたかもねぇ。いいわ、この際ハッキリ言ってあげる」
僕の背後に移動すると、抱きしめるように手を回し、
唇が耳に当たりそうな距離まで接近させ、囁いた
唇が耳に当たりそうな距離まで接近させ、囁いた
「私のモノになりなさい…そうすればもう内申で悩む事はなくなるわぁ」
「………」
「………」
予想していた答えだが、改めて事の重大さを受け止める
「…先生」
「なぁにぃ?」
「…バレたらクビで済むかわかりませんよ?」
「バレなければいいのよ…バレる前提で泥棒に入る人はいないわぁ」
「なぁにぃ?」
「…バレたらクビで済むかわかりませんよ?」
「バレなければいいのよ…バレる前提で泥棒に入る人はいないわぁ」
自分を泥棒に例える辺り、相当な悪事だと自覚しているのだろう
否定も肯定もせず、無抵抗で座っていると、先生の手が制服に侵入してきた
否定も肯定もせず、無抵抗で座っていると、先生の手が制服に侵入してきた
「っ…先生!?」
「ふふ…あなたもその気なんでしょう?」
「…くっ…」
「ふふ…あなたもその気なんでしょう?」
「…くっ…」
確かにこうなることはある程度覚悟していた
しかし──実際に胸を鷲掴みされると、尋常じゃない不快感が込み上げてくる
しかし──実際に胸を鷲掴みされると、尋常じゃない不快感が込み上げてくる
「中学生にしては大きいわねぇ…柔らかぁい」
「やっ…やめっ…」
「ねぇ…ブラぐらい外してもいいわよねぇ?」
「やっ…やめっ…」
「ねぇ…ブラぐらい外してもいいわよねぇ?」
そう言いながら、制服のボタンも外し始める
受け入れてしまえば、契約を交わす事になる
僕はまだ迷っていた…が、これ以上の辱めに耐えられなくなり、思わずその手を振り払った
受け入れてしまえば、契約を交わす事になる
僕はまだ迷っていた…が、これ以上の辱めに耐えられなくなり、思わずその手を振り払った
「…どぉしたのぉ?」
「もう…やめてください…」
「嫌なの…?」
「…はい…」
「もう…やめてください…」
「嫌なの…?」
「…はい…」
乱された服を直しながら先生から目を逸らす
自分でもわかるぐらい、涙目になっていた
自分でもわかるぐらい、涙目になっていた
「失礼します…この事は誰にも言いませんから…」
カバンを取り足早に教室を出る
否、出ようとした瞬間、腕を掴まれた
否、出ようとした瞬間、腕を掴まれた
「痛っ!」
「ダメよぉ…逃がさないわぁ」
「先…生?…うぁぅ!!」
「ダメよぉ…逃がさないわぁ」
「先…生?…うぁぅ!!」
細腕からは考えられない力で、床に組み倒される
そして僕の唇に、先生の唇が重なった──
そして僕の唇に、先生の唇が重なった──
―†―†―†―†―†―
「今夜は翠星石が一生懸命作ったシチューですぅ…きっと蒼星石も喜ぶですぅ」
蒼星石の笑顔を思い浮かべると、こちらも自然と笑みが零れる
最近元気のない蒼星石のために、少し早めから作り始めたシチュー
そのいい匂いが、部屋に充満していた
そんな時に鳴るインターホン
最近元気のない蒼星石のために、少し早めから作り始めたシチュー
そのいい匂いが、部屋に充満していた
そんな時に鳴るインターホン
「蒼星石ですかね?」
やっと帰って来たと思ったが、
出てみれば同じクラスの雪華綺晶だった
出てみれば同じクラスの雪華綺晶だった
「雪華綺晶じゃねぇですか…どうしたです?」
「えぇと…蒼星石います?」
「まだ帰ってねーですよ」
「外出中ですか…これ、借りてたノートなんですけど返しといて貰えますか?できれば直接お礼を言いたかったのですが」
「わかったですぅ」
「えぇと…蒼星石います?」
「まだ帰ってねーですよ」
「外出中ですか…これ、借りてたノートなんですけど返しといて貰えますか?できれば直接お礼を言いたかったのですが」
「わかったですぅ」
ノートを受け取り、ドアを閉める直前で雪華綺晶もバスケ部である事を思い出し、疑問が浮かんだ
蒼星石が外出中…?
蒼星石が外出中…?
「…バスケ部のミーティングはもう終わったですか?」
蒼星石の帰りが遅いのは部活だと思っていたのに、同じバスケ部の雪華綺晶はここにいる
「ミーティング…?いえ、ミーティングは明日のハズですが…」
「え…?」
持っていたノートが、手から滑り落ちた