Alea jacta est! ◆SERENA/7ps



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もはや使い捨てドッカンピストルも使い切ったサンダウンに、戦力を期待できない。
そう思ったニノは無慈悲に告げる。
「銃を持ってないガンマンなんて、南国のアイスホッケー部以下だよね♪」
その言葉に衝撃を受けたサンダウンは、急遽自分にも何かできることはないかと特訓を開始。

そしてついに得た新しい能力、それは催眠術!!!!!

催眠術を使って次からも大活躍できると意気込むサンダウン。
しかし、同じく新たな能力を会得しようとしてストレイボウもまた、催眠術を会得。
属性の被りを避けるため、ついに二人は決着をつけるべく激突する!

「暗示だぁ! お前は眠くなる!」
「いや、俺は暗示を自分にかけて眠くならないようにする!」
「お前は眠くなる!」
「いや、眠くならない!」
「眠くなる!」
「眠くならない!」
「眠くなる!」
「眠くならない!」
「眠くなる!」
「眠くならない!」
「眠くなる!」
「眠くならない!」
「眠くなる!」
「眠くならない!」

盛り上がっているか盛り上がってないかよく分からないバトルを繰り広げ、二人は意気投合する!

負けたサンダウンはキャラ被りを防ぐために、アニーのシミーズを手に入れた時の経験を生かし、女性の下着を盗む訓練に入る。

見事スカートめくり百人斬り達成なるか!? サンダウン・キッドの活躍に期待がかかる!

酒を飲んで、うにゅうにゅと傷が再生していくサンダウンさんの生態の謎についても迫るよ!

一方、シュウ無法松のハーレーをデイパックに回収し、一人修理を続けていた。

ついに修理が完了したバイクに跨り、気分よくバイクをカッ飛ばし、彼はクールな言葉を叫ぶ!

「COOL! COOL! COOL! COOL! COOL! COOL! COOL! COOL! COOL! COOL!」

ラジカセを使ってしゃべる能力を習得し、クールなシュウにさらなるクール属性が身に付く。

場所は変わって、どこの城下町にも一つはあるであろう何の変哲もない宿屋。
女三人による平和な時間が流れていた。
ちょっと早めの朝食を準備し、テーブルには宿屋に置いてあった食器やカップを用意。
いい感じに焦げ目のついたトーストと、ゆで卵などの簡単な料理が並ぶ。
温められたミルクが鼻孔を刺激し、はしたなくもお腹が鳴る。
それをマリアベル、ロザリー、ニノ、三食分。
お世辞にも豪華とは言い難い食事。
どこにでもあるような、ごくごく日常における朝食の光景だった。
でも、それでいいのだ。
粗末な朝食でも、三人で笑いながら食べればおいしいのだから。
どんなに豪勢な食事も、温かい雰囲気の食卓にはかなわないのだから。

「えへへっ、いっぱいジャムつけてね♪」

ニノが上機嫌でマリアベルとロザリーに、イチゴジャムの入った瓶を渡す。
それを受け取ったロザリーはジャムの瓶を置いて、何故かフォークを取り出した。

「ニノちゃんにはこっちのジャムが似合いそうですね」

そしてそのままフォークをニノの手に思いっきり突き刺す。


ザ シ ュ ッ! !


「ひあああああああああーーーーーーーっ!?」

フォークはニノの手を貫通して、そのままテーブルに突き刺さった。

「あっ……ぐ、あああぁぁ……」

ニノはテーブルと繋がった自分の手をつかみ、激痛に悶え苦しんだ。
それを見て、マリアベルとロザリーはコロコロと笑いだす。

「おうおう、ニノの血の色は綺麗よのう」
「これで当分ジャムに困りそうにないですね」

そう、お楽しみはこれから。
一日はまだ始まったばかりなのだから。
ニノの苦しみはもっと加速する。


渦巻く熱気。
駆け抜ける嵐。
止まらない妄想ハイウェイ!




次回、RPGキャラバトルロワイアルは

『北方領土を取り戻せ!』
『多摩川の上流に落としてきた友情』
『伝説の樹の下で「やったか!?」と死亡フラグを叫ぶ』

の三本でお送りします。
お楽しみに!


【ロザリー@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち】
[状態]:健康
[装備]:いかりのリング@ファイナルファンタジーⅥ、導きの指輪@ファイアーエムブレム 烈火の剣、 クレストグラフ(ニノと合わせて5枚)@WILD ARMS 2nd IGNITION
[道具]:エリクサー@ファイナルファンタジーⅥ、アリシアのナイフ@LIVE A LIVE、双眼鏡@現実、基本支給品一式
[思考]
基本:殺し合いを止める。
1:ピサロ様を捜す。
2:シュウの報告を待つ。
3:ユーリル、ミネアたちとの合流。
4:サンダウンさん、ニノ、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。
[備考]
※参戦時期は6章終了時(エンディング後)です。
※クレストグラフの魔法は不明です。

【ニノ@ファイアーエムブレム 烈火の剣
[状態]:健康
[装備]:クレストグラフ(ロザリーと合わせて5枚)@WILD ARMS 2nd IGNITION
[道具]:フォルブレイズ@FE烈火、基本支給品一式
[思考]



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――――なんて、サイコな展開にはなりませんのでご安心を。



◆     ◆     ◆



そこには、城下町を抜け、一人でカエルを追っているストレイボウの姿があった。
あの五人の仲間と別れて、一人で行動する理由はただ一つ。
やはり、カエルのことが気になったからだ。
しかし、もうカエルのことであの五人に協力は得られないだろう。
三人が殺されかかってしまったのだ。
だからストレイボウはやりたいことがあると、引き止めの言葉を振り払って一人で行くことを選択した。
ふと、五人と別れ、最後に集合していた宿屋を出るときの会話を思い出す。

「聞いてくれないか……?」
「何でしょうか?」

見送りに出てくれたロザリーと会話する。
ロザリーを質問の対象に選んだのは、五人の中で一番人情の機微が分かりそうだったから。
シュウとサンダウンは暗そう、ニノとマリアベルはまだ子供(マリアベルはストレイボウよりも大人だが)だからだ。
この思いを伝えるにはどうすればいいのか聞いてみた。

「友に、伝えたい言葉があるんだ……」

友、と呼んだときのストレイボウの表情に暗い影が落ちるが、ロザリーはあえて触れない。
ロザリーは沈黙をもって、ストレイボウの次の言葉を促す。

「でも、どうすればこの言葉を伝えればいいのか分からない……俺は口が下手で……心も心底醜くて……。
 あいつに伝えたい気持ちがあるのに……いつも言葉に詰まる。
 実際、あいつと何度か言葉を交わしたが、たぶん俺が思っていることの一割も、言いたいことは伝わってない……。
 ……まるで、女に告白したいのにできない女々しい男だな」
「そんなこと、ありませんよ……」
「……何?」
「そんなことありません。 私も、会いたい人がいます。 この心を伝えたい人がいます。
 でも、私も口下手で……本当に話したいことも話せないまま別れてしまったことがあります……。
 今は、以前よりは分かり合えたような気もしますが……それでも、時々とても不安になります……」

だから、とロザリーが続ける。

「私は聖者のように、たった一言で誰かを悲しみから救ってあげることはできません。 そう、私の言葉はすごく軽い……。
 でも、だからこそ、私は何度でも言葉を重ねることしかできません。
 たとえ一晩中でも、夜明けまで重くなる瞼を擦りながら、欠伸を我慢しながらでも話したいと思います」

ああ、そうか、とストレイボウは思う。
自分は友を思うあまり、簡単な道に流されようとしていた。
誰とも誤解のなく打ち解けることのできるような、魔法のような一言を探していた。
でも、それは所詮都合のいい幻想でしかない。
目の前のロザリーという女性は、自分の無力さを分かって、それでもなんとかしたいと模索している。
ロザリーの言うとおりだ。
一つの言葉で伝わらないなら、何度でも言葉を重ねればいい。
もしも運よくオディオと対峙することができれば、一度の謝罪で許されることなどないのだから。

「申し訳ありません……お力になれなくて……」
「いいや、参考になった……ところで、一つ聞きたいんだが、オディオについてどう思う?」
「え?」

突然の質問に、狐につままれた様な顔をするロザリー。
だからだろうか、答えに少し間が空いた。

「……こんなことをする人は、やっぱり許せないと思います」
「そうか……」

その一言を最後に、ストレイボウは歩き出した。
ロザリーは今の一言に何か重要な意味があるのだろうかと考えるが、結論が出るには至らない。
代わりに、ストレイボウの背中に言葉を投げかける。

「ストレイボウさん! 私たちは仲間です……例え貴方がそう思っていなくても」
「ああ、俺もそう思っている」
「どうか、お元気で……」

ストレイボウは無言で去る。
そう、ストレイボウが言ったオディオについてどう思うかという質問は、ずっと考えていたことがあったからだ。
それは、オディオのことを話してしまいたいというもの。
自分こそが魔王オディオを生み出した元凶だと。
誰にも話さぬまま、醜い部分を心の奥にしまいこんでは、かつての繰り返しだ。
それを続けていれば、またあの時のどす黒い感情が自分を支配してしまうだろう。

そう、ストレイボウは第三者にいつか裁かれねばならないと考える。
ここにいる残った43名の中には、極悪非道なオディオ討つべし、と憤慨している者も少なからずいるだろう。
それは当然の感情だ。
だが、だ。
同時に、オディオにそのようなことをさせるようにしてしまった者も、裁かれるべきではないだろうかと。
オディオを倒したいという者がいるのならば、自分が止められることではないだろう。
しかし、ここにオディオ以上の、言わば諸悪の根源がいるのだ。
先にこの諸悪の根源を倒すのが道理ではなかろうか?
魂の牢獄に繋がれるのはオディオによる天罰。
では、第三者による裁きは?
考えるまでもない。

だが、今の自分にその勇気はない。
最初からそんな勇気があれば、ストレイボウもオルステッドも、こんなことにならなかったのだから。
お前のせいで、と誰かに掴み掛かられるのが怖い。
自分が裁かれるのが怖い。
この醜い心を誰かに打ち明けるのが怖い。
サンダウンにアキラのことを知っているかと聞かれた時に、こちらが一方的に顔と名前だけ知っているだけだ、としか返せなかったのもそのためだ。
もしも、かくかくしかじかでアキラのことを知り、その時貴方の姿も拝見しました、と言ってしまえば、サンダウンが自分のことを思い出すかもしれないから。
あの時、ストレイボウはアキラだけでなく、サンダウンの姿も見つけた。
思い出されてしまっては、オディオとの関係も聞かれ、芋づる式に真相が発覚する可能性もある。
だから、聞かれた時、怖くて曖昧な言葉で濁した。
少なくとも、今はまだ、それを打ち明ける勇気がないから。

――罪滅ぼしのためでは無く、お前の意思で友を救えよ。

カエルの言葉が思いだされる。

(ああそうさ。 これは罪滅ぼしのためじゃなくて、俺自身が変わるためのものッ!)

でも、誰かを救うことができたのならば、自分は変われるかもしれない、そう思う。
卑怯な自分を捨て去り、少しはまともな人間に変われるかもしれない。
救いを求めている誰かに手を差し伸べることができれば、おなかをすかせている誰かにパンを差し出すことができれば、
あるいは悲しんでいる誰かに優しい言葉をかけてあげることができれば、寒くて凍えそうな誰かに温かい毛布を被せてあげることができれば、変われるかもしれない。
そう、オルステッドにかけていたような口先だけの偽りの言葉ではなく、心からの真心を届けることができれば。

(変わり『たい』んじゃない……変わ『る』んだッ!)

決意とともに歩みだす。
闇はまだ……深い。


【I-9 城より西 一日目 午前】
【ストレイボウ@LIVE A LIVE】
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:ブライオン、勇者バッジ、基本支給品一式
[思考]
基本:魔王オディオを倒す
1:カエルの説得
2:戦力を増強しつつ、北の城へ。
3:勇者バッジとブライオンが“重い”
4:少なくとも、今はまだオディオとの関係を打ち明ける勇気はない
参戦時期:最終編
※アキラの名前と顔を知っています。 アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません)




「皆の者。 これを見よ」

さて、瀕死の存在が三つ、エリクサーが二つ。
加えて回復呪文を唱えることのできる人間は皆無。
以上のような状況から、三人全員が助かって宿屋の地下室に集まっている理由を述べよう。
まずはエリクサーをサンダウン・キッドとロザリーに使う。
これで二人が完全に回復する。
このままではマリアベルが死ぬかと思われたが、実際はそうならず、事なきを得たのだ。
実際のところ、計算でやった訳ではない。
最後の最後に、マリアベルがわずかに意識を取り戻したのが命運を分けたのだ。
では回答しよう。
マルチブラストで蜂の巣にされたとき、マリアベルはニノに無断でやった行為を、今度は許可つきでやったのだ。
レッドパワーの一つ、「ライフドレイン」を使って回復したのだ。
その名の通り、他者の生命力を吸い取って、自身の生命力に還元するレッドパワーで、まずマリアベルは比較的元気なシュウとストレイボウから吸い取り回復。
さらに、自分にエリクサーは使う必要はないと言った上で、
エリクサーで完全回復したサンダウンとロザリーからも少しずつ生命力をもらい、マリアベルも復活という顛末になったのだ。
ライフドレインの生命力の還元の効率もよくなかったので、四人からいただいたと言う訳だ。
これは、マリアベルが回復呪文を使える訳ではないと言ったのが、そもそもの騒動の原因。
だが、厳密な「回復」の定義に入るかと言われれば微妙なので、マリアベルが言わなかった理由も残った四人は納得したということだ。

「これは……旅の扉ですか……?」

記憶のデータベースにある知識と似たものがあったのか、ロザリーは呟いた。
また、マリアベルの知識に合わせれば、ライブリフレクターにも似ている。
地下室の一番奥には、ユラユラと空間が不安定にゆれている場所があるのだ。
マリアベルが得意げな顔をして、説明を開始する。
カエルとの戦闘時に、マリアベルが宿屋を戦場にしたくなくて、逃げたもう一つの理由がこれだったのだ。

「どうじゃ? わらわが発見したのよッ! しかも、これはノーブルレッドが近づいた時にしか見えん」
「本当?」
「見ておるがいい。 ほうら」

ニノの疑問に答えるように、マリアベルは揺れる空間からある一定の距離を境界線として、一歩前に出ては、一歩後ろに下がることを繰り返す。
空間は、たしかにマリアベルに反応しているようで、消えたり現れたりしている。
それを見てニノは素直にマリアベルすごいと喜び、サンダウンとシュウは胡散臭げな顔をする。
ロザリーが見たときはなかったというのも、マリアベルに反応して現れるのなら説明もつく。

「あのオディオも、ノーブルレッドの価値が少しは分かるようじゃ」

被りなおした着ぐるみを着たまま、マリアベルは得意げに腕を組んでうんうんと唸る。
しかし、サンダウンが冷静に意見を述べた。

「いや……少しおかしい」
「何がじゃ?」
「もう一度やってみてくれ……今度はデイパックを置いてな……」
「……用心深い男よの」

言いながらマリアベル手に持ったデイパックを下ろし、もう一度さっきの目測で計った境界線で行ったり来たりをする。
しかし、今度は何も起こらなかった。
何故じゃッ、と叫ぶマリアベルを置いて、サンダウンはマリアベルの持っていたデイパックを少しだけ前に転がした。
すると、ノーブルレッド族のみに反応すると思われていた蜃気楼のような、不安定な空間が現れた。
それを見て、シュウがなるほどと頷く。
ニノとロザリーはまだ原因も分からず、マリアベルと不思議な顔をしている。

「……おそらく、支給品に反応している」

サンダウンが説明するより先に、シュウが口火を切った。
そして、マリアベルのデイパックに手を突っ込み、ゴソゴソと中身を探る。
出てきたのは、ゲートホルダーだった。

「参加者は全員平等のはず。 首輪を無理に外そうとすれば、誰だろうと問答無用で爆発させられたりするようにな。
 その中で、ノーブルレッドだけにとか、特定の人種に反応するような仕掛けをするのはおかしい……」

つまりそういうことなのだと、シュウはゲートホルダーを持って、マリアベルの行ったり来たりしていた境界線を移動する。
たしかに、不思議な空間はシュウの持つゲートホルダーに反応していた。
その名のとおり、ゲートをホールドするもの。
……無論この恥ずかしい勘違いの一件で、わらわをたばかったオディオ許すまじ!とマリアベルが憤慨したのは言うまでもない。



◆     ◆     ◆



旅の扉のようでもあり、ライブリフレクターのようでもある、不思議な空間を前にして、五人の間で意見が交わされた。
それは、パーティを分割するべきだということ。
マリアベルが戦闘中に考えていたことだが、今ここにいる四人――仮にストレイボウを入れた五人でも――シュウを除いた全員が後衛で戦うタイプ。
集団で固まっても、思うように戦果がはかどらないし、シュウ一人に残り4人のお守りを一手に任せるのもどうか、というものだ。
また、これだけ広大な島で生存者を探すには、一箇所に固まって探すには時間がかかる。
なにせ、24時間死者が出ない場合は全員が死ぬというルールなのだ。
短時間で効率よく探索するために、パーティ分割の案は全員が同意した。

問題はパーティ分割。
話し合った結果、綺麗に女三人と男二人に別れたのだ。
大丈夫かという男二人の疑問を、女同士の方が都合のいいこともある、とマリアベルは笑って飛ばした。
そして、恥ずかしながら、現時点で戦力的に最も心許ないサンダウン・キッドに、パワーマフラーと怒りの指輪が渡された。
ニノとサンダウン、ロザリーが初めて会ったときのように、サンダウンが石や何かを投げつけて攻撃すれば、多少は戦力になるという理由だ。
最後に、このゲートを使ってみるのも女三人に決まった。

「わらわの支給品だからのッ! わらわが持つのに何の異論もなかろう?」

とのこと。
これも慎重派の男二人がストップをかけようとするが、集団を形成した女性の独特の姦しさとパワーを発揮して押し切られた。

「なあに、ゲートがどこに繋がってても死んだりはせんだろう……」

そう行って、恐れることなくゲートに近づいていった。
ニノ、ロザリー、マリアベルが手を繋ぐ。
それぞれが違う場所に放り出されても困るという理由でだ。

「サンダウンおじさん、シュウさん! 行ってくるね!」
「では、行ってきます。 お二人もご無事で」
「シュウ、サンダウンッ! わらわの許可なく死ぬでないぞッ!」
「……」
「……」

許可があっても死ぬのは御免だ、二人の男が心の中で思ったのは想像に難くない。
無口な男二人の雰囲気に、これで誰かと接触したときに交渉ができるのかと、今度はマリアベルの方が心配になるが時すでに遅く。
ゲートに飛び込んだ三人は空間に呑まれ、二人の男からは見えなくなる。
ゲートホルダーの所持者がいなくなったことで、宿屋のゲートも跡形もなく消えていった。

少しして、無言で宿屋から出るシュウとサンダウン。
ストレイボウの向かった先とは別方向に歩き出す。
シュウが、ポツリと漏らした。

「俺は……マリアベルがライフドレインを使っていなければ、お前を切り捨てるつもりだった……」
「……俺とお前の立場が逆なら……俺もそうした……」

それは、二人が敵対しているから出た会話ではない。
寡黙な男二人に、奇妙な連帯感が出来上がる。

「もし、カエルに会ったら……あの武器が欲しい」
「そうか」

カエルとの対戦でカエルが使っていたバイアネットを、サンダウンは思い出す。
マリアベルを蜂の巣にした弾といい、使い捨てのピストルを使って相殺した弾といい、ようやくサンダウンが見つけたまともな銃だ。
あれがあれば、戦力的にもっと活躍できる。
そういう旨をシュウに伝えて、シュウは了解した。

(そういえば……)

サンダウン・キッドは思い出す。
アキラという人物について知っているというストレイボウにそのことを聞いてみると、直接の面識はなくこっちが一方的に知っているだけだ、という回答が帰ってきた。
それ以上聞くことはしなかった。
元々サンダウンも、アキラがどういう人物か詳しく知らない。
アキラとは偶然色褪せた世界に同時に放り込まれ、協力していただけ。
ひょっとしたら有名な人物かもしれないが、無闇に素性を尋ねるのは荒野ではタブーだったので、それ以上聞くこともしていない。
まさかサンダウン本人も、ストレイボウがサンダウンすらも見たことあるとは予想だにせず。
サンダウン本人もストレイボウの姿を見たことがあると、思い出すことができない。
ストレイボウが囚われていたあの空間には、ストレイボウだけでなく、ルクレチアに住むすべての人間がいたのだ。
ルクレチアにいるすべての人間の姿を覚えてることなど、できないのだから。
ストレイボウに関しての詮索も、それ以上することはしなかった。
このあたり、シビアな世界に生きる男ならではの行動と言える。
そのサンダウンの気遣いが上手く働くのかは、現状では分かるはずもない。

かくして、七人の運命の糸が絡まった物語はここで終わりを告げる。

シュウとマリアベルとストレイボウは再会の約束はしていない。
生きていて、オディオを倒すために行動していれば、いつか必ず会えると信じているから。

これからも、カエルのような心変わりをする者は必ずいる。

また、夜が明けて朝になったことで、本格的な行動を起こす人間が増え始める。

それぞれの胸にそれぞれの思惑を抱えて。

事態は、大きく動く。




【??? 一日目 午前】

【ロザリー@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち】
[状態]:疲労(中)衣服に穴と血の跡アリ
[装備]:クレストグラフ(ニノと合わせて5枚)@WA2
[道具]:双眼鏡@現実、基本支給品一式
[思考]
基本:殺し合いを止める。
1:ピサロ様を捜す。
2:ユーリル、ミネアたちとの合流
3:サンダウンさん、ニノ、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。

[備考]
※参戦時期は6章終了時(エンディング後)です。

【ニノ@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:疲労(大)
[装備]:クレストグラフ(ロザリーと合わせて5枚)@WA2、導きの指輪@FE烈火の剣、
[道具]:フォルブレイズ@FE烈火、基本支給品一式
[思考]
基本:全員で生き残る。
1:ジャファルフロリーナを優先して仲間との合流。
2:サンダウン、ロザリー、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。
3:フォルブレイズの理を読み進めたい。
[備考]:
※支援レベル フロリーナC、ジャファルA 、エルクC
※終章後より参戦
※メラを習得しています。
※クレストグラフの魔法はヴォルテック、クイック、ゼーバーは確定しています。他は不明ですが、ヒール、ハイヒールはありません。

【マリアベル・アーミティッジ@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:疲労(小)
[装備]:マリアベルの着ぐるみ(ところどころに穴アリ)@WA2
[道具]:ゲートホルダー@クロノトリガー、基本支給品一式 、マタンゴ@LAL
[思考]
基本:人間の可能性を信じ、魔王を倒す。
1:ゲートを通り、どこかへ出た後は適当に移動して仲間や協力してくれる人物の捜索。
2:元ARMSメンバー、シュウ達の仲間達と合流。
3:この殺し合いについての情報を得る。
4:首輪の解除。
5:この機械を調べたい。
6:アカ&アオも探したい。
7:アナスタシアの名前が気になる。 生き返った?
8:アキラは信頼できる。 ピサロ、カエルを警戒。
[備考]:
※参戦時期はクリア後。
※アナスタシアのことは未だ話していません。生き返ったのではと思い至りました。
※レッドパワーはすべて習得しています。
※ゲートの先はどこ通じてあるか分かりません。島の施設のどこかかもしれないし、森の真ん中かもしれないし、時の狭間かそれ以外に行くかもしれません。
また、ゲートは何度も使えるのか等のメリット、デメリットの詳細も後続の書き手氏に任せます。






【I-9 宿屋 一日目 午前】

【サンダウン@LIVE A LIVE】
[状態]:疲労(中) 衣服を斬りさかれた跡と血がベットリついてます
[装備]:いかりのリング@FFⅥ、パワーマフラー@クロノトリガー、アリシアのナイフ@LAL

[道具]:基本支給品一式、使い捨てドッカンピストル@クロノ・トリガー(残弾0)
[思考]
基本:殺し合いにのらずに、ここからの脱出
1:ロザリー、ニノ、シュウ、マリアベル、自分の仲間(アキラ、高原日勝)、また協力してくれる人材の捜索。
2:ピサロの捜索。
3:まともな銃がほしい(カエルの持つバイアネットに興味あり)
[備考]
参戦時期は最終編。魔王山に向かう前です。

【シュウ@アークザラッドⅡ
[状態]:疲労(中)
[装備]:
[道具]:紅蓮@アークザラッドⅡ、リニアレールキャノン(BLT1/1)@WA2、基本支給品一式
[思考]
基本:殺し合いには乗らない、オディオを倒す。
1:エルクたち、マリアベル、ニノ、サンダウン、ロザリーの仲間、協力してくれる人材を捜し合流。
2:この殺し合いについての情報を得る。
3:首輪の解除。
4:トッシュに紅蓮を渡す。
5:カエル、ピサロは警戒。アキラは信頼できる。
[備考]:
※参戦時期はクリア後。
※扇動を警戒しています。
※時限爆弾は現在使用不可です。
※『放送が真実であるかどうか』を疑っています。
※シュウとサンダウンがどこに行くかは後続の書き手氏に任せますが、
ストレイボウとは行き先が一緒にならないように別の方向です。


時系列順で読む


投下順で読む


066-4:Justice ~それぞれの正義~ シュウ 073-1:シュウ、『嵐』に託す
サンダウン
マリアベル 084:心の行く先
ニノ
ロザリー
カエル 069:時の回廊
ストレイボウ 079-1:たったひとりの魔王決戦


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最終更新:2010年07月01日 22:02