確認できる限り最初に報じた共同通信
安倍晋三首相は29日、自民党の萩生田光一総裁特別補佐と党本部で会談し、閣僚や枝野幸男民主党幹事長らの政治資金問題を念頭に「誹謗中傷合戦は国民の目から見て美しくない。『撃ち方やめ』になれば良い」と語った。
菅義偉官房長官は記者会見で、枝野氏の後援会が、2011年分の政治資金収支報告書に新年会の会費収入を記載していなかったことに関し「疑念が生じることがあれば、説明責任を果たすべきだ」と述べた。
同時に「個々の政治家が責任を自覚し、国民に不信を持たれないよう襟を正すことが大事だ」と指摘。その上で「国民は建設的な政策論争を望んでいる」と強調した。
各紙報道
これで「撃ち方やめ」になればいい――。安倍晋三首相は29日の側近議員との昼食会で、民主党の枝野幸男幹事長を巡る政治資金の問題が発覚したことを受け、こう述べた。野党の追及が弱まることを期待した発言だが、かえって反発を買う可能性もある。
昼食会は自民党本部で開かれ、首相と親しい自民党の萩生田光一総裁特別補佐、山本一太前科学技術担当相が同席した。この日は枝野氏の関係政治団体が、新年会の収入約244万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが話題になった。「収支報告書などの凡ミスみたいなものがないよう、事務方にも精査してもらおう」といった確認もしたという。
出席者の一人は昼食会後、記者団に「与野党の誹謗(ひぼう)中傷合戦は美しくない」と語った。
民主党の枝野幸男幹事長は29日、自らの関係政治団体が2011年の新年会の会費収入約240万円を政治資金収支報告書に記載していなかったと明らかにした。安倍晋三首相は自民党本部で側近議員らと会い、与野党の「政治とカネ」問題について「誹謗(ひぼう)中傷合戦になるのは美しくない。撃ち方やめになればいい」と語った。
政治とカネ、民主幹事長にも 首相「撃ち方やめになれば」(日経 2014年10月29日)
安倍晋三首相は29日、自民党本部で萩生田光一総裁特別補佐らと意見交換。首相は、民主党の枝野幸男幹事長の政治資金問題が発覚したことを念頭に「撃ち方やめ、になればいい」と述べ、国会審議の焦点が、閣僚の疑惑追及から政策論争に移ることに期待感を示した。
「中傷合戦は美しくない。撃ち方やめになればいい」
首相は29日、官邸で面会した自民党の萩生田光一総裁特別補佐にこう語った。しかし、枝野氏は30日の衆院予算委員会で自ら首相に閣僚の任命責任をただす予定と、「撃ち方やめ」の気配はまるでない。
日本経済新聞などは30日付朝刊で、首相が29日に側近議員らと会合した際、会合後に出席者の一人が記者団に説明した内容をもとに、首相が「撃ち方やめ」発言をしたと報道した。この出席者は31日、記者団に「自分の発言だった。首相は『そうだね』と同意しただけだった」と修正した。
報じられ方からして報道に漏らした側近議員とは恐らく萩生田だろう。
朝日ガーに励む聖帝
○安倍内閣総理大臣 きょうの朝日新聞ですかね、撃ち方やめと私が言ったと。そういう報道がありました。これは捏造です。
朝日新聞は安倍政権を倒すことを社是としているとかつて主筆がしゃべったということでございますが、これはブリーフをした萩生田議員に聞いていただければ明らかでありまして、私に確認すればすぐわかることです、私が言ったかどうか、親しい朝日新聞記者がいるんですから。
一回も残念ながら問い合わせがないまま、私が言ってもいない発言が出ているので、大変驚いたところでございます。
○安倍内閣総理大臣 私は、撃ち方やめと言っていないんですから。言っていないのに言ったとして報道して、これは野党との間で大きな議論になる、大きな批判を浴びると。言っていないことを言ったとして、これを問題にしろと言わんばかりの報道をするという姿勢というのは、これはまさに火がないところに火をおこして風をあおっている。これは、火がないところに火をおこしているんですから、いわば記事としては捏造だろう、こういう私の率直な感想を申し上げたわけでありまして、私のことを知っている記者は、まず私に当ててくるべきなんです。
ですから、そういう、最初の、当てないというのは、例えば吉田調書の問題もそうですね。あるいはまた、吉田清治の証言の問題もそうですよ。こういうことを、ちゃんと裏づけ調査をしていれば防げたものを、防がなかったことで日本の名誉が傷つけられたという、これは大変な問題じゃないですか。こういう問題を果たして反省しているのかというのが、私の基本的な問題意識であります。
吉田調書についてもそうですね。多くの人がそれは違うとわかっていたのに、自分が思う方向に持っていきたい、報道を持っていきたい、例えば、安倍政権を倒したいという方向に持っていきたいということで記事を書くから、そういう間違いが間々起こるのではないか、私はこのように考えるわけでありまして、ですから、こういうときにはしっかりと取材をしてくださいと。
むしろ、私がこういうことについて申し上げるよりも、先方にそれを伝えていただきたい、こう思うところでございます。
○安倍内閣総理大臣 今申し上げたように、私は言っていないんですから。言っているか言っていないかは本人に確かめるのが当たり前じゃないですか。伝聞で、では、一々それを事実として記事にするんですか。
なおかつ、あの朝日の記事は、これは問題化すると書いているんですよ、問題化すると、たしかそういう趣旨のことが書いてありましたね。問題にせよと言わんばかりの記事じゃありませんか。
ですから、かつて朝日新聞は、私がNHKに、中川昭一さんとともに圧力をかけて放送内容を変えさせたという記事を書いた。しかし、中川昭一さんは、その番組が放送される前に会ってすらいなかったことが明らかになった。私が呼びつけて、そう指示したということも、そうではないということが明らかになった。これはまさに捏造ですよね。
こういう捏造というのはなぜ起こったかということが問題であって、それはまさに、安倍晋三を攻撃しようという意思があって記事を書くからこういうことになるわけでありまして、そこの中においてやるべき取材を全くやっていないというのは、これは大変な問題であって。
しかし、それを、私は反論するチャンスがきのうあったから、そうではないということがみんなわかったわけでありますが、あれを、私がそれで反論するチャンスをいただいていなかったら、みんなそう思ったままになってしまうわけでありまして、報道というのはそういう責任感のもとにちゃんと実行していただきたい、こう思うわけであります。
朝日の社是「安倍政権を倒す」
■記事の「捏造」ありません
《朝日新聞東京本社報道局の話》 記事は意図的に話をつくった捏造ではなく、取材にもとづいて書いたものです。また、朝日新聞社に「安倍政権を倒す」という社是はありません。
「撃ち方やめ」報道、首相側近「私が言った」 説明修正(朝日 14年10月30日)
『約束の日 安倍晋三試論』小川榮太郎著
政治評論家の三宅久之は著者に、朝日の若宮啓文論説主幹(現主筆)とのこんなやりとりを明かしたという。
三宅「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」
若宮「できません」
三宅「何故(なぜ)だ」
若宮「社是だからです」
若宮が言ったと三宅が言ったと小川(アベヨイショ本をたくさん書いてる人)が言ったと安倍晋三は言う、ひ孫引き状態である。
若宮本人は、田原総一朗との対談で「それは事実ではない。自分は『社是だから安倍晋三を叩く』なんて言ったことはない」と否定している。
小川さんがずるいのは、その本で「これは本人に確認していない」と書いているんですよ。しかし、「確認するまでもない」というような言い方で断定しているんですね。
(中略)
驚いて電話しましたよ。そうしたら、三宅さんは「いや、たしかにそう言ったよ」と。だったらどこで言ったのかと聞いたら、「記憶がない、どこかで立ち話で言ったんじゃないか」とそういう話だったんです。だから「いや、それは三宅さんの勘違いですよ。そもそも私は『社是』とか『国是』なんて言葉はあんまり好きじゃないし、どこかでそんなことを言うことなんてない。想像さえつかない」と。だから、本でその話を読んだときも本当に狐につままれたような気持ちだったんですよ。
(中略)
それで『約束の日』を出した幻冬舎に、まだ私が朝日新聞にいた頃の話なので、朝日新聞社として厳重に抗議文を出したんです。そのときに「三宅さんが言っているように、朝日新聞が安倍さんのいいことを褒めずにすべて叩いたかどうか、事実で証明しましょう」ということで、いくつか私の論説主幹時代の社説をコピーしてそれをつけて出したんですよ。
(中略)
そうすると、ハッキリわかったのは、少なくとも三つの社説で安倍政権を高く評価しているんですね。そういうこともあるから、もし社是だったら私は社是に反したということになるわけですよ。
(中略)
幻冬舎は「次の版を出すときに少し変えます」ということでたしかに少し変えたんですが、私が否定したということは書いていなくて、何だか要領を得ないような直しをしていました。もうバカバカしいので、それ以上は言わなかった。