ある夜、ペリクル最北部の「
スターライトヒル」に呼び出されたピアノ・ラコレは、同級生のビクタ・ヴィクトリンに愛を告白される。しかし、ピアノは「ごめんなさい。恋愛がどういうものなのかわからなくて・・・。」と答え、ビクタの申し入れを断った。
その後、ペリクルの北東部に位置する「
ペリクル大学」にて、ピアノは、医学部に所属する同級生のフラックス・アシッドにビクタの告白のことを話し、さらに恋愛とは何かを尋ねる。フラックスは恋愛を説いたが、ピアノは一向に理解ができなかった。フラックスは今回の件とピアノの感情が希薄なことは根が同じであると考え、その原因は左半身の機械体にあるのではないかと推測した。実際、ピアノの感情ステータスの「フィジカル」と「メンタル」は-5~5までしか変動しない。そこで翌日、2人はペリクルの東部にある「
ペリクル病院」へと向かうことにした。
フラックスは翌朝、アシッド家に代々伝わる太刀「玉虫」をなぜか無意識に帯刀して家を出た。玉虫は、光の当たり具合によって虹色に輝く刃紋(CDの裏面のイメージ)と、深緑色の柄が特徴的であった。
ペリクル病院に到着すると、機械科の女医エステリ・ベリチェリに診察してもらうが、いたって正常との診断結果を受ける。診断の間、フラックスはこっそりとエステリに盗聴器を取り付けていた。盗聴器から聞こえてきたのは、「危ないところでしたよ。チュッ」というエステリの言葉とキスの音だった。フラックスはエステリに問い詰めるが、なかなか口を割らないため、戦闘開始。なんとフラックスの持ってきた太刀・玉虫は妖刀で、フラックスは剣術の訓練を受けていないにもかかわらず、玉虫の導きによって特殊な技を使うことができた。劣勢のエステリは詳細を話すことを約束し、戦闘終了。
エステリによると、ピアノの脳にはBRC(Brain Rendering Chip、脳描写チップ)の一種であり、感情を監視して閾値を超したら抑制する「BR-AKE(感情監視抑制チップ)」が埋め込まれているという。フラックスはなぜ埋め込んだのかと追及したが、エステリはそれ以上のことは知らないと言い張った。フラックスはエステリにBR-AKEを取り外すことを命じ、ピアノにも了解をとった。
手術後、ピアノは目に映るものすべてが色鮮やかに見えた。同時に、いままでそれを阻んできたBR-AKEとそれを埋め込んだ人物に怒りと疑念が芽生えた。その時、ピアノの機械化された左腕からバチッと火花が飛び出た。ピアノは「エレクトリックパンチ」を習得。また、ピアノのベクトルとメンタルは-15~15まで変動するようになった。エステリは院長のポーカー・モニスなら事情を知っているかもしれないと呟き、彼女も交渉役として同行することになった。
院長室に辿り着くまでの道のりは関係者以外立入禁止で、エステリによって潜入することはできたが、大量の警備ロボットが行く手を阻んだ。エステリは持ち前のコンピュータエンジニアリングの技術を活かし、クラッキングやコンピュータウイルスによってロボットを駆逐していった。
院長室に到着すると、院長ポーカーが、女言葉で話す大きなコンピュータに甘い言葉を投げかけていた。エステリは目を見開いた。ポーカーによると、それは「
システィマ」という情報集積コンピュータらしい。戸籍や医療情報などの個人情報はもちろん、ペリクルのあらゆる情報が蓄積されているという。
ピアノはポーカーにBR-AKEについて追及したが、こちらもなかなか口を割らないため、戦闘開始。戦闘中もポーカーはシスティマを愛撫し、それによってシスティマは能力が高くなっていった。また、ピアノとBR-AKEについても少しずつ話しはじめた。過去の「事件」でピアノの脳は、理性を司る前頭葉の一部が損傷したため、それを補うためにBR-AKEを組み込んだという。ピアノは交通事故によってオルガ・メカニカとなったと教えられてきたので、思わず「事件?」と口にした。ポーカーは「ああ、事件だよ。君のお母さんは殺されたが、君は一命を取り留めた。私のおかげでね。君は『LOBOT計画』に不可欠なBR-AKEの人間被験体成功例第一号なのだよ。」と答えた。ピアノはそれを聞くとわけもわからず怒りに震え、左腕から電気を放出した。ピアノは「テスラスパーク」を習得。BR-AKEを取り外したことにより、ピアノは感情を視覚的に表現する超能力「具現化」を手に入れていたのだ。さらにポーカーは、事件のトラウマを残さないようにメルヴィナの記憶を書き換えたという。ピアノは自分が本当は何者なのかわからなくなってきた。ピアノは精神状態異常「破壊神」となるが、一向に治まらずポーカーを殺してしまう。するとシスティマが弱体化したが、なぜかエステリも弱体化してしまった。怒りの収まらないピアノはそのままシスティマも破壊した。メルヴィナは怒りのあまり、「LOBOT計画」については聞けずじまいだった。
戦闘終了後、エステリは大声で泣いた。エステリはなんと「お姫様教」の信者だったのだ。お姫様教とは、教祖ポーカーに信者が体を捧げることで精神的安寧を得るという宗教である。もちろん、システィマもお姫様教信者である。怒りが収まったピアノは、システィマのなかに母アークのデータがあるのではないかと思い、検索するとアークの脳から抽出した生前の記憶のデータを見つけた。ピアノはアークの記憶データをダウンロードした。エステリによると、記憶データを再生するには、BRCの一種である「BR-EAK(心象体感チップ)」を脳に埋め込むことが必要だという。しかし、BR-EAKは使い方によっては精神を汚染し、現実に治安の悪化を招いているため、社会問題となっており、
ペリクル政府によって規制されていた。しかし、ピアノはひどく中身が気になった。
ピアノはBR-EAKを探すため、ペリクル病院を飛び出した。フラックスはエステリの腕を引っ張ってピアノを追いかけた。
最終更新:2013年11月20日 00:45