パンドラボックス

【名前】 パンドラボックス
【読み方】 ぱんどらぼっくす
【登場作品】 仮面ライダービルド
【名前の由来】 パンドラの箱

【詳細】

仮面ライダービルドに登場する幾何学的な紋様が刻まれた謎の箱型アイテム。
史上初の火星における有人探査の際、何らかの遺跡と思われる場所から宇宙飛行士として火星に降り立った石動惣一が発見し地球に持ち帰った。

そしてそれを発表する式典が行われたのだが、惣一が警備の制止を振り切って箱に触れたことで謎の力が発動。
突如スカイウォールと呼ばれる壁が出現し、日本を東都、西都、北都という3つのエリアに分断してしまった。

この事件は「スカイウォールの惨劇」と呼ばれ、3つに別れた日本はそれぞれ独自の政府を発足させ自治を行っている。

このスカイウォールと呼ばれる壁は数十mはあるであろう高さを持ち、壁の上部には触れた物体を破壊するバリアのようなものが展開されている。
ガーディアンが触れれば瞬時に粉微塵になっているあたり、普通の人間が触ってしまえば大怪我どころではすまないだろう。

通路はあるが、先述の光があるため壁を超えることは徒歩では不可能。
スカイウォールから発生している光は一定の距離を取れば消えるため、海路で回り込めば他の都市に入ることは可能(空路に関しては不明)。
ただ渡航許可はなかなか下りないため、密航が横行し専門の密航船を手配するものたちも存在する。

また、パンドラボックスから発生した光は人間の精神に影響を与える力があるらしく、式典に参加していた人間はパンドラボックスが発する光を浴びた結果、
好戦的な性質に変化したという。
そのため3つに別れた日本は互いに対立しており、パンドラボックスを巡って争っている状態にある。
諸外国はそんな状態の日本を見て独自にそれぞれの都を取り込もうと動いているとか。

物語の開始直後パンドラボックスは東都の東都先端物質学研究所と呼ばれる施設に保管されそこで研究が行われていた。
内部には核より強大なエネルギーがあるとされているが、パンドラボックスを開封するには条件があることが分かっており、
パンドラパネルと呼ばれる6枚のパネルに、それぞれ10本ずつ合計60本のフルボトルを装填しないとあかないのだという。

その内の2枚はファウストが奪取して所持していたが、1枚を美空を助ける際に惣一がファウストのアジトから奪い返し、nascitaの地下基地の壁に埋め込んでいた。

その正体は地球外生命体「エボルト」の所有物。
内部に封じられているという莫大なエネルギーは、かつて火星でベルナージュにより肉体と魂が分離されてしまった際に自分のエネルギーを封じ込めたもの。
エボルドライバーが破壊されてしまい、自分の肉体を失ってしまったエボルトは自らの遺伝子を火星に来た地球の無人探査船に潜ませ、地球人の女性に憑依。
そうして生まれた「エボルトの遺伝子を持つ肉体」が万丈龍我である。
エボルトは石動の肉体を操り、彼の記憶からボックスを開け放つに必要なエレメント=フルボトル60本分を生成し、
記念式典でパンドラボックスを開けようとするも、直前で美空に憑依したベルナージュがボトルの一部の成分を空にしたことで解放は不完全なものとなり、パンドラタワーではなく、日本を分断するスカイウォールが作られるにとどまった。

パンドラボックスの完全なる解放、さらに内部に秘められた自分の力を使うには人間の肉体では不可能と考えた
エボルトは、人間が使う「科学」を利用することを思いつき、
「プロジェクト・ビルド」としてライダーシステムの開発を進めさせ、「人間の限界を超えた存在」、
つまり「究極のライダーシステム」を作らせようと葛城巧を始めとする科学者や、氷室幻徳を始めとする人物を影から操って計画を進めていた。

そしてついに第35話にて全てのフルボトルがパンドラパネルにセットされ、箱の開放が行われてしまう。
日本を分断していたスカイウォールがタワーのパーツとなり、パンドラタワーが完成、
ボックスが開かれたことで内部のエネルギーからエボルトは「エボルトリガー」というアイテムを生成するが、何故か起動できず地球の滅亡はとりあえず回避された。

箱が開かれたことで役目を終えたフルボトルは全て成分が空になり、再び美空に憑依したベルナージュによってエボルトに敗北していた戦兎共々秘密基地へと帰還。
空になったフルボトルもベルナージュが再び成分を生成したため復活している。

エボルトリガーは仮面ライダーたちの必殺技をあえて受けることでエネルギーとして吸収し復活。
これによってエボルトは真の力であるブラックホールフォーム、フェーズ4に到達した。

ビルド最終回にてエボルトが生み出したパンドラパネル(黒)と龍我から生まれたパンドラパネル(白)が融合しジーニアスフルボトルの成分を注入することで作り出された「エボルトのいない」新世界ではパンドラボックスも存在自体が無かったことなっていたが、
Vシネマ仮面ライダークローズにて地球に襲来したエボルトの兄、キルバスが龍我の肉体に宿るブラッド族の遺伝子に干渉することで再生させてしまう。

キルバスが破れ、エボルトも力を蓄えるため地球から離れたあとは戦兎が保管している。

【余談】

名前の由来、元ネタは言わずと知れた「パンドラの箱」。
「パンドーラーの箱」とも言われるが、このパンドラとは箱の名前ではなく、箱を開けた女性の名前である。

ギリシャ神話にてヘパイトスが泥から作った女性がパンドラであり、神々は彼女に様々な祝福を与え地上に降ろした。
エピメテウスと結婚したパンドラは神々に与えられながらも「決して開けてはいけない」と言われた箱を好奇心から開けてしまい、
その結果中に封じられていた様々な災厄が世界に広がってしまうが、パンドラが蓋を締めたことで希望が最後に残ったと言われている。

このことから「決して開けてはいけないもの」を意味する慣用句として扱われる。

実は壺だったらしい。ちなみに戦隊シリーズの方にも、似たようなモチーフであるハザードレベル800のプレシャス『パンドラの函』なるものが登場しているが、こちらは奇妙な石で構成された立方体の物体だった。

最終更新:2020年01月04日 23:05