お約束:不遇な怪人

お約束 不遇な怪人
【読み方】 ふぐうなかいじん
【該当作品】 スーパー戦隊シリーズ、(一部)平成仮面ライダーシリーズ

【詳細】

「短い出番しか与えられない」怪人だったり、「何らかの理由から敵、味方にないがしろにされそのまま退場してしまう」怪人だったり、不遇な立ち位置の怪人はそれなりに存在する。

能力が足りないがために落ちこぼれの烙印を押されたり、何らかの要因が混ざり込んだことで弱体化しそれがネタにされる怪人等、不遇とされる理由は多岐にわたる。

残念な倒され方をした怪人もかなりの数確認でき、シリアスな作風であれどコメディタッチな作風であれどあまり関係なく、広い作品にそういった怪人は存在する。

視聴者からはネタにされたり、逆に愛されるポイントになったりと受け止め方も様々であり、これらはひとえに不遇と言っても制作側がどのように描写するかに掛かっていると言えるだろう。

以下は大まかな残念な怪人の種別。

  • 送り出すには能力が足りない。
戦隊、ライダーの敵組織は悪の行いをするにあたり、弊害となる正義側の存在に倒されないために何らかの措置、抗えうるだけの実力を備える怪人が毎度出撃しているわけだが、その中でもその能力に満たないがために出撃を禁止されていたり、そもそもいなかった扱いを受ける怪人がいる。
天装戦隊ゴセイジャーに登場する出鱈目のファンダホーは微妙とされる能力故にボスに招集されず、勝手に地球にやってきて活動していた。
戦力として満たない、作戦に使えないことから、それらの指揮をする幹部怪人からも疎んじられる場合もあり、他の幹部から横槍が入ったとは言え、救急戦隊ゴーゴーファイブに登場する死神戦士サイマ獣 タナトスは、本来恐ろしい性質を持つが女性が苦手という弱点を植え付けられたことから戦隊メンバーと交流を持ち、生みの親である幹部に相談するも受け入れられずに暴走させられそのまま巨大戦で破れ死亡するという扱いを受けている。
なおそういった部類でちょっと他の怪人とは扱いが異なるのは炎神戦隊ゴーオンジャーに登場する害地副大臣ヒラメキメデス
彼はヨゴシュタインに見いだされるまではその頭脳を評価されず不遇な立ち位置に甘んじ、ヨゴシュタインへ下剋上を果たして自ら害地大臣になろうと思いつめていたが、その能力を他でもないヨゴシュタインが評価し、自らの右腕として取り立ててくれたことからその能力を存分に発揮するようになり、
その何物にも代えがたい大恩を受けたヒラメキメデスの忠誠心は非常に強いものとなった。

  • 退場の仕方が不遇
生存怪人で無い限り、怪人は倒される運命にある。
倒され方と言っても巨大化してロボと激闘を繰り広げた末倒されたり、ライダーと多くの因縁を抱え激闘の末力尽きる等、その最期はキャラクターとしての終わりを飾る上で非常に重要なものと言える。
新しい力の噛ませ犬になってしまうにしても、そのフォームなり巨大ロボなり新しいパワーアップに敗北したというのであればファンから一定の評価を受けられる。
しかし、中にはそういった流れではなく、ヒーローが預かり知らぬところで勝手に退場していたりする怪人も少なくない。
そういった最期を遂げた怪人の中でも、「寿命で作戦行動中に死ぬ」という前代未聞の事態となった繁殖忍者クッツク法師は一際輝く存在と言える。
飲むことで巨大化するが命を削ると明言されるバルバエキスギンガマン)等、巨大になるがリスクが大きい方法故に「巨大化は負けフラグ」と言われてしまうのもある種のお約束だが、作戦行動中に劇薬を摂取したわけでも、急激なパワーアップに肉体がついていけなくなったわけでもなく、普通に寿命で死んでしまうのがクッツク法師という怪人である。一応、死んだのは変わりないので巨大化させるのに不都合はなかったが。
また、近年どういうわけか3作品連続で「巨大戦力に潰されて死亡する怪人」が登場している。なお裏切られたわけではない。
一応それぞれシチェーションは違い、

  • 登場が短い(出番が不遇)
シルエットだけの妖怪オオグモ手裏剣戦隊ニンニンジャー)、スーツが写ったとは言え代名詞である邪面が写っていないネアンデルタールジン邪面(魔進戦隊キラメイジャー)(公式側からも邪面デザインは投げやりな扱い)、登場するが30秒程度でまとめて倒されたショートのザンKT3(天装戦隊ゴセイジャー)等、
非常に短い出番しか与えられなかった怪人達。
名前だけは出てたのにデザインが判明しなかった存在では仮面ライダー響鬼に登場する魔化魍の一部が該当する。オオクビ等は別媒体でデザインが判明したが、登場した魔化魍に能力の一部が付与されているという形で紹介されたものの、その魔化魍自体どういう姿をしているのかわからない個体が何体か存在している。

なおこれら「不遇」と言われる理由は色々あるが、そう言われる怪人自体は真面目に(?)自分の任務を全うしていたり、自分から不遇になろうとしているわけではない。
ファンダホーだって呼ばれてないのにやってきたが、意外とその能力は有用だったため、上層部の見る目がなかっただけという場合もあるだろう。
その前に寿命で死んだクッツク法師は擁護できないが。

何も日影にいるのを良しとしているわけではない。怪人達だって精一杯頑張ろうとしている。
けど結果が伴わないと言うか、本人はどうしようもない点で貶められたりしているのでやっぱり不遇なのは変わらないのだ。

……結局生き残る怪人のほうが少ないわけだし、倒される運命である怪人という存在自体が不幸と言ってはいけない。

最終更新:2020年05月01日 22:13