雷帝の御剣、神殺しの槍(前編)
松本小旅行も中盤である二日目となったこの日、私・槇野晶と従姉である
碓氷灯は、松本駅前よりほど近い繁華街ど真ん中の大規模神姫センターに
二人で入った。自身は無論、灯の服装も私がファッション専門店ビルにて
見立てたのだぞ?灯は異様に恥ずかしがっていたが、度胸を付ける為だ。
碓氷灯は、松本駅前よりほど近い繁華街ど真ん中の大規模神姫センターに
二人で入った。自身は無論、灯の服装も私がファッション専門店ビルにて
見立てたのだぞ?灯は異様に恥ずかしがっていたが、度胸を付ける為だ。
『さあ着るのだ灯ッ!神姫達が華やかなのに貴様は野暮ったいのか!?』
『ギャァー!?だ、だからってサングラスや首輪まで取らないでもッ!』
『昨日のパイプオルガンコンサート、あの衣装も良かったがまだ温い!』
『そ、そんな事言われたってこんな街でまでなんて~!?あ~れ~……』
『ギャァー!?だ、だからってサングラスや首輪まで取らないでもッ!』
『昨日のパイプオルガンコンサート、あの衣装も良かったがまだ温い!』
『そ、そんな事言われたってこんな街でまでなんて~!?あ~れ~……』
というわけで、パステル系の華やかな服を着せてやった上で、不格好な
サングラスと首輪は取り上げた。有無、可憐。女子はこうでなくては!
私も、フリルの整ったワンピースを買いこんで着る。一張羅はホールで
使ってしまったのでな……地方都市での急場凌ぎであるが、仕方ない。
無論神姫達も、皆で用意した思い思いの衣に躯を包む。灯の“妹”達は
“W.I.N.G.S.”を持たぬので後で脱がねばならないが、そこはそれだ。
サングラスと首輪は取り上げた。有無、可憐。女子はこうでなくては!
私も、フリルの整ったワンピースを買いこんで着る。一張羅はホールで
使ってしまったのでな……地方都市での急場凌ぎであるが、仕方ない。
無論神姫達も、皆で用意した思い思いの衣に躯を包む。灯の“妹”達は
“W.I.N.G.S.”を持たぬので後で脱がねばならないが、そこはそれだ。
「ともあれ、貴様からの用件はこのバトルにより果たされる訳だ。灯」
「うぇ?なんでし……ギャァーッ!?ギブギブ、手合わせですな!?」
「分かっているなら惚けるでないわッ!……ともあれ“3on3”か?」
「痛……も、もちろんっ。そ、その。私とて負けては……はぎゅ!?」
「……人の視線など気にするな……己の心を気にしろ、信じるんだ!」
「あー!?ちょ、ちょっと何やってるのよ晶さん抱きついちゃって!」
「うぇ?なんでし……ギャァーッ!?ギブギブ、手合わせですな!?」
「分かっているなら惚けるでないわッ!……ともあれ“3on3”か?」
「痛……も、もちろんっ。そ、その。私とて負けては……はぎゅ!?」
「……人の視線など気にするな……己の心を気にしろ、信じるんだ!」
「あー!?ちょ、ちょっと何やってるのよ晶さん抱きついちゃって!」
灯のバッグに入っているミラ達のブーイングが聞こえた。私は、笑う。
奴め、周囲の視線を不要に気にして足がガクガクと震えていたのでな?
奴め、周囲の視線を不要に気にして足がガクガクと震えていたのでな?
「いいか皆、灯が落ち着かない時はこうしてお前達が抱きしめろ!」
「え?……い、いいの晶さん?姉様に、もっと抱きついちゃって?」
「無論だ、マスターと神姫の信頼関係はそうして作る物だと思うぞ」
「じ、じゃあ姉様!この戦いに勝ったら、私達を抱きしめて下さい」
「え?……い、いいの晶さん?姉様に、もっと抱きついちゃって?」
「無論だ、マスターと神姫の信頼関係はそうして作る物だと思うぞ」
「じ、じゃあ姉様!この戦いに勝ったら、私達を抱きしめて下さい」
……若干不吉な約束にも聞こえるティニアの告白に、灯の顔が染まった。
だが、その効果は覿面。若干誇張した挑発だが、灯と神姫達の“将来”に
良き物であれば、私も人目を憚らず抱きしめてやった甲斐がある……む?
だが、その効果は覿面。若干誇張した挑発だが、灯と神姫達の“将来”に
良き物であれば、私も人目を憚らず抱きしめてやった甲斐がある……む?
「マイスター……わたし達の言いたい事も、分かっていますの~?」
「う゛……いいだろう、お前達が勝ったら“いろいろ”してやるッ」
「わ……い、いろいろですよクララちゃん!旅先とはいえ人前で!」
「勢いって怖いんだよ、マイスター……でも、それならボクらもっ」
「う゛……いいだろう、お前達が勝ったら“いろいろ”してやるッ」
「わ……い、いろいろですよクララちゃん!旅先とはいえ人前で!」
「勢いって怖いんだよ、マイスター……でも、それならボクらもっ」
──────その代償は、決して安くなかったが。カートの上でわいわい
はしゃぐ三人を見て、どうしたものかと胸の高鳴りを抑え付ける。さて、
照れ隠しとばかりに私達二人はフロントへと赴き、そこで3on3の試合を
予約する。地方とはいえ松本の設備はなかなかだな。先程寄ったビルには
MMSショップの資格を取った玩具店もあると言う……油断は、出来ぬぞ。
はしゃぐ三人を見て、どうしたものかと胸の高鳴りを抑え付ける。さて、
照れ隠しとばかりに私達二人はフロントへと赴き、そこで3on3の試合を
予約する。地方とはいえ松本の設備はなかなかだな。先程寄ったビルには
MMSショップの資格を取った玩具店もあると言う……油断は、出来ぬぞ。
「よし、普段通り“EL:DoLL”をセットしておく。存分に暴れ回れッ!」
「はいですの~♪アルマお姉ちゃん、クララちゃん……ここが正念場!」
「ええ……普段皆で特訓した事が試されるチャンス。頑張りましょう!」
「うん、気は抜けないんだよ。ほら、アレ……相手も、新武装だもんね」
「はいですの~♪アルマお姉ちゃん、クララちゃん……ここが正念場!」
「ええ……普段皆で特訓した事が試されるチャンス。頑張りましょう!」
「うん、気は抜けないんだよ。ほら、アレ……相手も、新武装だもんね」
クララの言葉に視線を移すと、向こう側のベンチではイリン達が武装に
着替えている。その容姿は以前の“黒鳥”とも、大きく変わっていた。
小型ライトセイバーにハンドガン、そして黒翼。ここまでは三人共通。
だが、それ以外の要素は大きく異なっていた。ミラは、蛇腹型の巨大な
籠手で両肩から下を覆う。可変機構内蔵である様だが、果たして……?
着替えている。その容姿は以前の“黒鳥”とも、大きく変わっていた。
小型ライトセイバーにハンドガン、そして黒翼。ここまでは三人共通。
だが、それ以外の要素は大きく異なっていた。ミラは、蛇腹型の巨大な
籠手で両肩から下を覆う。可変機構内蔵である様だが、果たして……?
『碓氷さんと槇野さん~。フィールドの準備が出来ましたのでどうぞ』
「む、整ったか……よし、往くぞ皆。V2を取り、意地を見せつけろ」
『はいっ!!!』
「む、整ったか……よし、往くぞ皆。V2を取り、意地を見せつけろ」
『はいっ!!!』
皆を肩に乗せ歩きつつ、三着の“EL:DoLL”のケースを携えて思案する。
イリンはバランスのいいアーマーを全身に装備している。コートの様な、
肩部装甲が特徴的だった……そして腰の巨大拳銃と、見えなかった両腕。
分かりやすいのはティニアの姿だ……展開機構を仕込んだ大型スカート。
排気口やブーツの衝撃吸収ダンパーも見られるそれは、走行性能の為か。
……何にせよ、気を抜けば一瞬で絡め取られるな。席に着き、注視する。
イリンはバランスのいいアーマーを全身に装備している。コートの様な、
肩部装甲が特徴的だった……そして腰の巨大拳銃と、見えなかった両腕。
分かりやすいのはティニアの姿だ……展開機構を仕込んだ大型スカート。
排気口やブーツの衝撃吸収ダンパーも見られるそれは、走行性能の為か。
……何にせよ、気を抜けば一瞬で絡め取られるな。席に着き、注視する。
『夜虹の戦姫vs黒翼の戦姫、セカンド3on3・第2戦闘、開始します!』
「よし、蹴散らしてこいお前達ッ!灯に真髄を見せてやるのだッ!!」
『はいっ!!!』
「が、頑張ってくださいですぞ!……信じてるからっ!!」
『任せて、姉様ッ!!!』
「よし、蹴散らしてこいお前達ッ!灯に真髄を見せてやるのだッ!!」
『はいっ!!!』
「が、頑張ってくださいですぞ!……信じてるからっ!!」
『任せて、姉様ッ!!!』
そして戦いは始まった。舞台は……待て。なんだこれは、体育館かッ!?
学校のそれではない大規模な物とは言え、このセッティングは来る……。
い、いや。呆然としていてもいかんな。六人の戦いはもう始まったのだ!
学校のそれではない大規模な物とは言え、このセッティングは来る……。
い、いや。呆然としていてもいかんな。六人の戦いはもう始まったのだ!
「さ、行くわよッ!進化した私達を、見せてあげる!」
「それはこっちの科白です!……モリアン、来てくださいッ!」
『No problem(敵襲に気を付けて下さい)』
『“W.I.N.G.S.”……Execution!』
「ふぅん、それが……あんまり代わり映えしないのね」
「そう馬鹿にした物でもないですよ、さぁ行きま……えッ!?」
「それはこっちの科白です!……モリアン、来てくださいッ!」
『No problem(敵襲に気を付けて下さい)』
『“W.I.N.G.S.”……Execution!』
「ふぅん、それが……あんまり代わり映えしないのね」
「そう馬鹿にした物でもないですよ、さぁ行きま……えッ!?」
アルマとミラの方では、今まさに戦いが始まった所だった。アルマは、
早速と衣装を“レーラズ”に変換し、“アルファル”をその身に纏う。
その姿は、茜色の戦乙女。以前よりも先に進んだ、アルマの姿だ。だが
ミラはそれを目にして不敵に微笑み……文字通り、“手”を伸ばした!
早速と衣装を“レーラズ”に変換し、“アルファル”をその身に纏う。
その姿は、茜色の戦乙女。以前よりも先に進んだ、アルマの姿だ。だが
ミラはそれを目にして不敵に微笑み……文字通り、“手”を伸ばした!
「きゃうっ!?こ、これは……腕が蛇腹部分で伸びてビットに……!?」
「私達は変わったんだよ?私はね……“ヘヴィハンド”ミラッ!」
「う、ぐぐ……ッ!?痛いッ……!」
「私達は変わったんだよ?私はね……“ヘヴィハンド”ミラッ!」
「う、ぐぐ……ッ!?痛いッ……!」
──────想う力が、神姫をここまで強くするのかな。