再生され始めた映像は所謂ヒーローインタビューだろうか、そこら中からフラッシュが焚かれている。
背後の横断幕に書かれた日付から、メサイアが行方不明になる直前に撮影された者と判る。
《では、今大会の優勝神姫とそのオーナーにインタビューをしようと思います。優勝、おめでとうございます!》
《ありがとうございます!これも、オーナーの的確な指示と、皆さんの声援のおかげです》
イベントコンパニオンの衣装を着たインタビュアーが男の肩に乗った神姫から彼に話の矛先を変える。
《オーナーの方はどうお思いですか?》
《そうですね・・・、決勝の相手は重武装ながらかなりのスピードを出せていました。パーツ配置を適切に行ったからこそ、つかみ取れた優勝だと思います》
《ありがとうございました》
背後の横断幕に書かれた日付から、メサイアが行方不明になる直前に撮影された者と判る。
《では、今大会の優勝神姫とそのオーナーにインタビューをしようと思います。優勝、おめでとうございます!》
《ありがとうございます!これも、オーナーの的確な指示と、皆さんの声援のおかげです》
イベントコンパニオンの衣装を着たインタビュアーが男の肩に乗った神姫から彼に話の矛先を変える。
《オーナーの方はどうお思いですか?》
《そうですね・・・、決勝の相手は重武装ながらかなりのスピードを出せていました。パーツ配置を適切に行ったからこそ、つかみ取れた優勝だと思います》
《ありがとうございました》
「アネゴ・・・・・、これは?」
映像が終わり、おずおずと口を開く優一。それを聞いた聡美は端的に事実を述べた。
「記録された日付は西暦2033年の8月6日、メサイアが行方不明になる四ヶ月ほど前よ」
「じゃあ、あのインタビューを受けていた神姫は!?」
「ええ、彼女が『本来の』メサイアよ。どうやら、CSCがウィルスに感染して別の人格が形成されたようなの」
「CSCにウィルス・・・?まさか・・・!?」
そう言うと優一は自分のバッグからモバイルPCを取り出すと、自宅のデスクトップにアクセスし、あるファイルを開いた。
「3年くらい前に壊滅した犯罪シンジゲートがこれと同じ手口をやっていた。それで、神姫を掻き集めて海外に売り飛ばすっていう、言うなれば神姫版・人身売買ですな。けれど2033年の十月以降に生産されたモデルは全てこの手のウィルス対策でワクチンは標準装備、しかも全国の神姫ステーションでそれ以前のモデルにもそれがインストールされているはずだが・・・・・」
「けどそれはあくまで量産型。優一君、あなたシラヌイちゃんをぶつけたわよね?」
「ああ、そうだけど・・・」
「だったら不味いわよ!!すぐにシラヌイちゃんは試作品よ!?ウィルスが入っているかも!」
「わかった!すぐに調べてくる!!」
映像が終わり、おずおずと口を開く優一。それを聞いた聡美は端的に事実を述べた。
「記録された日付は西暦2033年の8月6日、メサイアが行方不明になる四ヶ月ほど前よ」
「じゃあ、あのインタビューを受けていた神姫は!?」
「ええ、彼女が『本来の』メサイアよ。どうやら、CSCがウィルスに感染して別の人格が形成されたようなの」
「CSCにウィルス・・・?まさか・・・!?」
そう言うと優一は自分のバッグからモバイルPCを取り出すと、自宅のデスクトップにアクセスし、あるファイルを開いた。
「3年くらい前に壊滅した犯罪シンジゲートがこれと同じ手口をやっていた。それで、神姫を掻き集めて海外に売り飛ばすっていう、言うなれば神姫版・人身売買ですな。けれど2033年の十月以降に生産されたモデルは全てこの手のウィルス対策でワクチンは標準装備、しかも全国の神姫ステーションでそれ以前のモデルにもそれがインストールされているはずだが・・・・・」
「けどそれはあくまで量産型。優一君、あなたシラヌイちゃんをぶつけたわよね?」
「ああ、そうだけど・・・」
「だったら不味いわよ!!すぐにシラヌイちゃんは試作品よ!?ウィルスが入っているかも!」
「わかった!すぐに調べてくる!!」
「日暮さん、どうですか?シラヌイは?」
「うん、とりあえず目に見える異常は見受けられない。安心してくれて良いよ」
「はぁあ良かったぁ」
日暮店長がシラヌイを掌に乗せて奥から出てきた。
聡美に言われて大急ぎでエルゴに駆け込んだ優一は日暮店長にシラヌイの点検を依頼して、その結果報告を受けていた。
「それとそのウィルスのことだけど、こっちでも可能な限り情報を掻き集めておくよ」
「助かります。それじゃあ俺はこれで」
「まいどありー」
「うん、とりあえず目に見える異常は見受けられない。安心してくれて良いよ」
「はぁあ良かったぁ」
日暮店長がシラヌイを掌に乗せて奥から出てきた。
聡美に言われて大急ぎでエルゴに駆け込んだ優一は日暮店長にシラヌイの点検を依頼して、その結果報告を受けていた。
「それとそのウィルスのことだけど、こっちでも可能な限り情報を掻き集めておくよ」
「助かります。それじゃあ俺はこれで」
「まいどありー」
「はふぅ。今日は色々なことがあって疲れちゃったなー」
「私も、まだ手の震えが止まりません。あのメサイアとか言う神姫、もしかすると『黒衣の戦乙女』と実力は互角、あるいはそれ以上かもしれません」
「リンちゃんかー。以前ツヴァイが戦ったことが有るって言ってたけど、リミッター付きとはいえCACと互角に戦っちゃうなんてやっぱり凄いよ」
「私はホーリーベルさんと戦ってみたいです。まだまだ至らないところも沢山ありますから・・・・・」
「ふふふ、そうね。『武装』神姫って名付けられるくらいだから、闘争本能は抑えられないわ。ところでシラヌイ、マスターは?」
「えっと、確か『明日は由佳里と出かけるから今日は早めに寝る』って今入浴中ですけど・・・・・・お姉様?」
そこには、某汎用人型決戦兵器のような形相をしたアカツキが完全武装でシラヌイの隣に立っていた。
「マァアアアスゥウウウウタァアアア!!」
「ご主人様逃げてぇええええ!!」
その夜、優一の絶叫がマンション一帯に響き渡った。
「私も、まだ手の震えが止まりません。あのメサイアとか言う神姫、もしかすると『黒衣の戦乙女』と実力は互角、あるいはそれ以上かもしれません」
「リンちゃんかー。以前ツヴァイが戦ったことが有るって言ってたけど、リミッター付きとはいえCACと互角に戦っちゃうなんてやっぱり凄いよ」
「私はホーリーベルさんと戦ってみたいです。まだまだ至らないところも沢山ありますから・・・・・」
「ふふふ、そうね。『武装』神姫って名付けられるくらいだから、闘争本能は抑えられないわ。ところでシラヌイ、マスターは?」
「えっと、確か『明日は由佳里と出かけるから今日は早めに寝る』って今入浴中ですけど・・・・・・お姉様?」
そこには、某汎用人型決戦兵器のような形相をしたアカツキが完全武装でシラヌイの隣に立っていた。
「マァアアアスゥウウウウタァアアア!!」
「ご主人様逃げてぇええええ!!」
その夜、優一の絶叫がマンション一帯に響き渡った。
次の日の午前10時過ぎ、駅前の待ち合わせ場所に走って現れた由佳里は傷だらけになった優一の顔を見て驚愕した。
「ごめんなさい遅れまし・・・・せっ先輩!?どうしたんですかその顔!?」
「実は昨日ちょっと、な・・・・・。ともかく、俺も今付いた所だ。それじゃあ行くか?」
「はい」
「ごめんなさい遅れまし・・・・せっ先輩!?どうしたんですかその顔!?」
「実は昨日ちょっと、な・・・・・。ともかく、俺も今付いた所だ。それじゃあ行くか?」
「はい」
由佳里が優一と合流したちょうどその頃、電柱の影から二人を覗く人影が見える。
「うぬぅううううう、マスターめぇええ!!」
「はぁああ、なんで私がこんな目に・・・・・」
「まあ、いいんじゃないの?面白そうだし」
その影の正体は優一の神姫仲間である御名上 八雲(みながみ やくも)とその神姫である飛鳥タイプのミコトだった。
その八雲の肩の上にミコト共にアカツキとシラヌイが乗っかっている。
「ご帰国早々申し訳ありません。私は止めようとしたんですが・・・」
「いいっていいって。ともかく優一のヤツ、見ないうちに彼女なんて作りやがって!!思いっきり後でつついてやる!そう思わないか?」
「反対の大賛成です!」
「もう・・・ダメですね」
「ホント」
八雲の意見に同調するアカツキ、シラヌイは辟易してしまった。
「うぬぅううううう、マスターめぇええ!!」
「はぁああ、なんで私がこんな目に・・・・・」
「まあ、いいんじゃないの?面白そうだし」
その影の正体は優一の神姫仲間である御名上 八雲(みながみ やくも)とその神姫である飛鳥タイプのミコトだった。
その八雲の肩の上にミコト共にアカツキとシラヌイが乗っかっている。
「ご帰国早々申し訳ありません。私は止めようとしたんですが・・・」
「いいっていいって。ともかく優一のヤツ、見ないうちに彼女なんて作りやがって!!思いっきり後でつついてやる!そう思わないか?」
「反対の大賛成です!」
「もう・・・ダメですね」
「ホント」
八雲の意見に同調するアカツキ、シラヌイは辟易してしまった。