「(し、しまったぁぁぁぁぁぁ!!!)」
股の間、スカートの中に顔を突っ込まれた女。なんと滑稽で破廉恥な光景だろう。
倒れかけた私を助けようとして、彼女が差し伸べてくれた手。それは結果として、悪魔から差し伸べられた手になった。
「……あの」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
恥かしさで頭の中が一杯になり、反射的に広げた股を閉じようと、おもいきり太股に力を込める。
「ちょ、あ、んぐ!?!?」
「ひっ!?」
だけど、それは全くの逆効果。私は自ら彼女の頭を挟み込み、股間に押し付けて離さない格好になってしまった。
ココさんのすべすべとした頬や鼻筋が私の股間と擦れあい、服が擦れるのとは比べ物にならない柔らかくも強烈な刺激が私の背筋を駆け上がる。
「や、あっ! ダメぇ……っ!?」
「やめ……ぷぁっ、ネメ……ちゃ……おちついてっ、むぐっ!?」
ゾクリと電気が駆け抜けるような感覚に戸惑い、それが反射的に全身を強張らせ、ココさんの顔を自らの股間へ激しく押し付けてしまう。
更にココさんが何か喋ろうとする度、ぷにぷにとした口が上下しては男性器の辺りをちょうど擦るため、更に刺激が増してしまう。なんという悪循環。
「やぁ……おっきくなって……なっちゃっ!?」
口や頬の柔らかな刺激を受けビクビクと腰が跳ね、跳ねた腰が今度はココさんの顔を蹂躙するように強引に押し付けこし擦り付ける格好になる。そしてきつく締め付け押さえ込んだはずのスパッツの下は、私の意志・理性とは無関係に怒張し、スパッツの上からくっきりと棒状の隆起物が認識出来る程になってしまった。
「らから……とめて――くださ……とめぇっ!!!」
ココさんの心からの叫び。そして叫ぶために大きく口を開け、当然閉じる。押し付けられながら叫んでいると言う事は前に押し出されることもある訳で。
倒れかけた私を助けようとして、彼女が差し伸べてくれた手。それは結果として、悪魔から差し伸べられた手になった。
「……あの」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
恥かしさで頭の中が一杯になり、反射的に広げた股を閉じようと、おもいきり太股に力を込める。
「ちょ、あ、んぐ!?!?」
「ひっ!?」
だけど、それは全くの逆効果。私は自ら彼女の頭を挟み込み、股間に押し付けて離さない格好になってしまった。
ココさんのすべすべとした頬や鼻筋が私の股間と擦れあい、服が擦れるのとは比べ物にならない柔らかくも強烈な刺激が私の背筋を駆け上がる。
「や、あっ! ダメぇ……っ!?」
「やめ……ぷぁっ、ネメ……ちゃ……おちついてっ、むぐっ!?」
ゾクリと電気が駆け抜けるような感覚に戸惑い、それが反射的に全身を強張らせ、ココさんの顔を自らの股間へ激しく押し付けてしまう。
更にココさんが何か喋ろうとする度、ぷにぷにとした口が上下しては男性器の辺りをちょうど擦るため、更に刺激が増してしまう。なんという悪循環。
「やぁ……おっきくなって……なっちゃっ!?」
口や頬の柔らかな刺激を受けビクビクと腰が跳ね、跳ねた腰が今度はココさんの顔を蹂躙するように強引に押し付けこし擦り付ける格好になる。そしてきつく締め付け押さえ込んだはずのスパッツの下は、私の意志・理性とは無関係に怒張し、スパッツの上からくっきりと棒状の隆起物が認識出来る程になってしまった。
「らから……とめて――くださ……とめぇっ!!!」
ココさんの心からの叫び。そして叫ぶために大きく口を開け、当然閉じる。押し付けられながら叫んでいると言う事は前に押し出されることもある訳で。
『むぐぅ!!!』
ミチ、と、何か肉の裂けるかの様な音が、かすかに響く。
ミチ、と、何か肉の裂けるかの様な音が、かすかに響く。
「い……ひゃあああああああああああああああ!!!」
激痛が私の中枢を突き抜け、それから時を擱かずにその数倍の快楽が私の全身を駆け巡り、私は白濁とした白い欲望の塊を、スパッツの中へと大量に吐き出していた。
~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩ~
「ひっく……えぐ……もう、いやぁ……ッ」
絶頂を迎えた事によって身体の緊張は解れ、やっと彼女を解放する事が出来た……が、私の瞳からボロボロと溢れる涙が止まらない。初対面に等しい人に対し、偶然から始まったとはいえ自らの痴態部分を押し付け汚すような事をしてしまい、更には噛まれて絶頂を迎えてしまうなど……
「もういっそ壊して……殺してよぉ……」
最低すぎる。この現行犯の状態では、言い訳なぞ出来よう筈もない。
「ネメシスちゃん、落ち着いてください。ね?」
「こんな辱め……もう私は……ひっく」
「(うぅ、泣きたいのはこっちですよ……)」
絶頂を迎えた事によって身体の緊張は解れ、やっと彼女を解放する事が出来た……が、私の瞳からボロボロと溢れる涙が止まらない。初対面に等しい人に対し、偶然から始まったとはいえ自らの痴態部分を押し付け汚すような事をしてしまい、更には噛まれて絶頂を迎えてしまうなど……
「もういっそ壊して……殺してよぉ……」
最低すぎる。この現行犯の状態では、言い訳なぞ出来よう筈もない。
「ネメシスちゃん、落ち着いてください。ね?」
「こんな辱め……もう私は……ひっく」
「(うぅ、泣きたいのはこっちですよ……)」
「あら。じゃあいっそ、壊してあげましょうか」
「……え?」
横から聞こえたその思いきり不穏当な発言に、思わず泣くのも忘れて、ふと顔を上げる。
「ちょ、ちょっと何を言っているんですか静香っ!」
慌てふためくココさんを尻目に、その声の主……静香さんは不敵な笑みを浮かべつつ私を見つめている。
「ふふ、冗談よココ。でもそうね……それだけ敏感なら、壊れちゃうかもしれないわよ。性的に」
「ちょっと静香っ、いきなりッ……」
「だって、そうでしょう? だってその事で店長さんに用事があったんじゃないかしら、ネメシスちゃんは」
「わた――ッ、…………はい」
図星だ。
「でも……どうしてそれが目的だと、わかったのですか?」
私がそう質問すると、彼女は目を丸くしたあと、クスクスと可笑しそうに笑いながら。
「わからない筈ないじゃない。訪ねたあとにアレだけおかしな行動をしていれば、変だって一発でわかるわ。
それに、仮にそういう事が目的だとしても、公衆の面前で堂々と押し倒したりはしないでしょ」
「あ――――はぃ……」
自分のあまりの気の回らなさと恥かしさで、全身が縮こまる思いだ。2人の顔をまともに見ることすら出来ない。
「でも、あんな事して…………ごめん……なさい」
すっかり緩くなってしまった涙腺から、再びポロポロと涙が零れ始める。
「病気のようなものなのだから、しょうがないわ。……それに、良いモノ見せてもらったしね」
「……ふぇ?」
「あら、何でもないわよ~?」
最後にポツリと何か言ったように聞こえたが、気のせいだろうか。
「それより、そのままじゃ困るでしょう。私で良ければ相談に乗らせて貰うわよ」
「いえ……店長が帰ってきてからでも十分ですので」
そう言ってきてくれるはあり難いのだが、ほぼ初対面の人間にこんな破廉恥な事を依頼する訳にもいかないだろう。それに彼女があの店長程の能力を持っているとも思い難い。
「私の腕が心配みたいね。これでもちょっとは詳しいんだから、心配しなくていいわよ。
ねぇ、ココ?」
「……はい、静香の腕は私が保証します。『腕は』なんらの問題もありません。店長さんですら一目置くほどの人材ですよ、静香は」
にっこりと優しく微笑む静香さんに続いて、ココさんが太鼓判を押す。……微妙に目を逸らしながらなのが少々気になるが。
「はぁ……そうなのですか。――――あれ、私そんな事言いましたか?」
これが顔に出てしまった、という事なのだろうか。静香さんは笑顔で此方を見つめてくるだけで何も言わない。ただ隣でココさんが少し呆れ顔をしているのが気になるのだが……
「それに、その症状……『男』の店長さんに頼むのって、少し気が引けないかしら?」
「……う”」
「同じ女性の私たちが診てあげたほうが、少しは貴方も恥かしさが和らぐんじゃないかしらね」
確かに機械とはいえ、女性としての心を持つ以上、異性に破廉恥な事柄をみられるよりは同姓の方が多少はマシというべきなのかもしれない。だが……
「し、しかし貴方たちとは今日が初対面のようなものですし、そんなお願いをするのは……」
「でも、困っている子を見捨てては置けないわ。それに、もう関わってしまった以上見過ごす事も、ね」
優しく諭すように語り掛けてくる静香さん。その善意が逆にきつい。
「だ……だがこのような恥かしい事を今更っ!?」
「あら、さっきココがネメシスちゃんのでベトベトになっちゃったし、それこそ今更よ」
「あうっ!?」
笑顔を浮かべたまま、確実に此方の退路を削ぎ取ってゆく静香さん。……これは、既に罠にはめられたのだろうか。
「大丈夫よ。ちゃんと治してあげるから心配しないでね。ネメシスちゃん♪」
「は……はい。お願いします」
彼女の言葉は、表情は、あくまで優しい。しかし私の心は、言い様の無い不安を覚えずにはいられなかった。
横から聞こえたその思いきり不穏当な発言に、思わず泣くのも忘れて、ふと顔を上げる。
「ちょ、ちょっと何を言っているんですか静香っ!」
慌てふためくココさんを尻目に、その声の主……静香さんは不敵な笑みを浮かべつつ私を見つめている。
「ふふ、冗談よココ。でもそうね……それだけ敏感なら、壊れちゃうかもしれないわよ。性的に」
「ちょっと静香っ、いきなりッ……」
「だって、そうでしょう? だってその事で店長さんに用事があったんじゃないかしら、ネメシスちゃんは」
「わた――ッ、…………はい」
図星だ。
「でも……どうしてそれが目的だと、わかったのですか?」
私がそう質問すると、彼女は目を丸くしたあと、クスクスと可笑しそうに笑いながら。
「わからない筈ないじゃない。訪ねたあとにアレだけおかしな行動をしていれば、変だって一発でわかるわ。
それに、仮にそういう事が目的だとしても、公衆の面前で堂々と押し倒したりはしないでしょ」
「あ――――はぃ……」
自分のあまりの気の回らなさと恥かしさで、全身が縮こまる思いだ。2人の顔をまともに見ることすら出来ない。
「でも、あんな事して…………ごめん……なさい」
すっかり緩くなってしまった涙腺から、再びポロポロと涙が零れ始める。
「病気のようなものなのだから、しょうがないわ。……それに、良いモノ見せてもらったしね」
「……ふぇ?」
「あら、何でもないわよ~?」
最後にポツリと何か言ったように聞こえたが、気のせいだろうか。
「それより、そのままじゃ困るでしょう。私で良ければ相談に乗らせて貰うわよ」
「いえ……店長が帰ってきてからでも十分ですので」
そう言ってきてくれるはあり難いのだが、ほぼ初対面の人間にこんな破廉恥な事を依頼する訳にもいかないだろう。それに彼女があの店長程の能力を持っているとも思い難い。
「私の腕が心配みたいね。これでもちょっとは詳しいんだから、心配しなくていいわよ。
ねぇ、ココ?」
「……はい、静香の腕は私が保証します。『腕は』なんらの問題もありません。店長さんですら一目置くほどの人材ですよ、静香は」
にっこりと優しく微笑む静香さんに続いて、ココさんが太鼓判を押す。……微妙に目を逸らしながらなのが少々気になるが。
「はぁ……そうなのですか。――――あれ、私そんな事言いましたか?」
これが顔に出てしまった、という事なのだろうか。静香さんは笑顔で此方を見つめてくるだけで何も言わない。ただ隣でココさんが少し呆れ顔をしているのが気になるのだが……
「それに、その症状……『男』の店長さんに頼むのって、少し気が引けないかしら?」
「……う”」
「同じ女性の私たちが診てあげたほうが、少しは貴方も恥かしさが和らぐんじゃないかしらね」
確かに機械とはいえ、女性としての心を持つ以上、異性に破廉恥な事柄をみられるよりは同姓の方が多少はマシというべきなのかもしれない。だが……
「し、しかし貴方たちとは今日が初対面のようなものですし、そんなお願いをするのは……」
「でも、困っている子を見捨てては置けないわ。それに、もう関わってしまった以上見過ごす事も、ね」
優しく諭すように語り掛けてくる静香さん。その善意が逆にきつい。
「だ……だがこのような恥かしい事を今更っ!?」
「あら、さっきココがネメシスちゃんのでベトベトになっちゃったし、それこそ今更よ」
「あうっ!?」
笑顔を浮かべたまま、確実に此方の退路を削ぎ取ってゆく静香さん。……これは、既に罠にはめられたのだろうか。
「大丈夫よ。ちゃんと治してあげるから心配しないでね。ネメシスちゃん♪」
「は……はい。お願いします」
彼女の言葉は、表情は、あくまで優しい。しかし私の心は、言い様の無い不安を覚えずにはいられなかった。
「……あの」
そういう訳で、彼女に診てもらう為に奥の方へ移動したのだが。
「はいはい、なにかしら?」
「この格好は一体……なんなのでしょうか」
「レザーのビスチェよ。サイズはピッタリみたいね」
「そ、そういう事じゃなくてですね!?」
そうなのだ。汚れたままでは良くないと言うのと、診察のためにも着替えたほうが良いとの事で着替えを貰い(半ば強制的に)着替えたのだが、その格好はボディに際どくフィットした、艶やかな下着姿だった。独特の艶っぽい光沢感を持つ漆黒のエナメル生地が一層妖しさを増大させている。
「って、それ以前にもうこれじゃ服じゃないでしょう! 着替える前より明らかに露出多くなってますよねコレ!?」
胸元は乳首の辺りまで大きく開いて乳房を強調するデザインになっているし、下腹部の辺りは何もなくてスースーするし、ショーツはくっついたままの男性器を隠すにはギリギリすぎるサイズで、現在は縮んでいるからどうにかなっているもののもしまた膨張してしまったらそれこそ大惨事だ。しかもその中央には何故か謎のジッパーまでついている。トイレ時に脱がなくてもいいという工夫なのだろうか……?それに上下は肝心な所を強調しているようなデザインなのに、腕先と足は生地で覆われているのもおかしい。
「あら、細かい所まで良く見てくれてるわね、嬉しいわ。私のお手製なんだけど、とっても似合ってるわよ~」
「だからそういう事を言ってるわけじゃ!?」
何故か心底楽しそうに受け答え……いや、此方の話をにこやかな顔で軽く受け流す静香さん。うぅ、全く話が通じない……
「それに、その下着には計測機器の端子が埋め込まれてるから……ほら」
そう言うと、静香さんは自分の机の上にあった液晶モニタをくるりと此方へ回転させる。そこには確かに私と思われる神姫のバイタルデータが映し出されていた。
「そ……そうだったのですか。私はてっきり……」
てっきり危ない趣味か何かだと思っていたようだが、意外と実用的な物だったようだ。……なのだろうか?
「まぁ趣味だけど」
「え?」
「なんでも無いです! さぁ静香、診断を始めましょうね!」
「はいはいわかってるわよココ。さて、送られてくるデータは……っと」
ココさんに追い立てられるようにしてモニタへと視線を移す静香さん。先刻までとは打って変わり、真剣な表情で液晶モニタをみつめている。
「これは……ふむぅ…………なるほど。ネメシスちゃんって白雪姫シリーズの素体に換装しているのね」
「あ……はい。私は起動した時からこの身体ですので、意識した事はありませんが」
最初からそうだった場合、比較対象になる基準が存在しないので、普通意識する事は無いと思うのだが。
「し・か・も、最上位のえっちな機能まで付いたフルスペック品、と」
「そ、そこは別に強調しなくてもいいですからっ!」
真っ赤になって反論するが、彼女は何を言い返すでもなく、ただ優しい笑みで私を見つめてくるだけ。一見天使の微笑みに見えるが、きっと彼女のお尻には悪魔の尻尾が生えているに違いない。
やがて一息つくと、彼女は座っていた椅子ごとくるりと此方に向き直り、話始める。
「さて……と。送られてきたデータをざっと見たけど、まだ少しデータが足りないわ。ネメシスちゃんは結構特別仕様みたいだし、通常の神姫では予測できないバグがあるのかもしれない。大体の予測は出来たけど確定するにはあと一歩って所ね」
「そうですか……」
「――それでね。足りないデータを今から取りたいんだけど、いいかしら?」
「あ……はい。協力します」
此処まできたら、もう覚悟を決めるしかないだろう。既に十分過ぎるほど破廉恥な出来事ばかりなのだから……
「ありがとう。協力に感謝するわ♪」
何故か、一番とびっきりの笑顔で応える静香さん。……この時に気づいておくべきだったのかもしれない。
「―――それでね、ココ」
すると彼女は、私の傍らで佇んでいたココさんを手招きで呼び寄せる。メイド服姿のココさんはそのまま彼女の元へとてとてと歩いていくと、差し出された静香さんの手の平に乗り……何故か静香さんはくるりと椅子を回転させ、私背中を見せる格好になった。
「―――で……だから――――」
「ちょ!?……――――――ですよ!?」
何やらボソボソと会話しているらしい。聴音センサーの感度を上げてみようかとも一瞬思ったが、それも野暮だろうとすぐに思いとどまった。……思いとどまらなければよかったかもしれない。
やがて暫くするとその会話も終わったようで、くるりと椅子を回し、再び此方に向き直る2人。
妙につやつやした顔で嬉しそうな静香さんに対し、何故か顔を赤らめながらも何処かゲッソリと疲れきったような表情のココさん。2人の表情が非常に対称的だ。
「それじゃココ、よろしくね♪」
「…………わかりました。人助けですから……こんな事、絶対に今回限りですよっ」
「わかってるわよ。嗚呼そうそう、今のココはメイドさんなんだから、ちゃんと言葉遣いのほうも宜しくね♪」
静香さんの手から降りたココさんはそう言いながら、何故か私の方へと顔を赤らめながら歩いてくる。
「うぅ…………。御奉仕、致します」
恥かしそうにそう言うと、彼女は膝を折り、その手で私のショーツのジッパーをゆっくりと下ろし……
「え、何をっ!? ふぁっ!」
隙間からポロリと零れ落ちた私の男性器に、その柔らかな唇で、優しくついばむ様に口づけをした……
そういう訳で、彼女に診てもらう為に奥の方へ移動したのだが。
「はいはい、なにかしら?」
「この格好は一体……なんなのでしょうか」
「レザーのビスチェよ。サイズはピッタリみたいね」
「そ、そういう事じゃなくてですね!?」
そうなのだ。汚れたままでは良くないと言うのと、診察のためにも着替えたほうが良いとの事で着替えを貰い(半ば強制的に)着替えたのだが、その格好はボディに際どくフィットした、艶やかな下着姿だった。独特の艶っぽい光沢感を持つ漆黒のエナメル生地が一層妖しさを増大させている。
「って、それ以前にもうこれじゃ服じゃないでしょう! 着替える前より明らかに露出多くなってますよねコレ!?」
胸元は乳首の辺りまで大きく開いて乳房を強調するデザインになっているし、下腹部の辺りは何もなくてスースーするし、ショーツはくっついたままの男性器を隠すにはギリギリすぎるサイズで、現在は縮んでいるからどうにかなっているもののもしまた膨張してしまったらそれこそ大惨事だ。しかもその中央には何故か謎のジッパーまでついている。トイレ時に脱がなくてもいいという工夫なのだろうか……?それに上下は肝心な所を強調しているようなデザインなのに、腕先と足は生地で覆われているのもおかしい。
「あら、細かい所まで良く見てくれてるわね、嬉しいわ。私のお手製なんだけど、とっても似合ってるわよ~」
「だからそういう事を言ってるわけじゃ!?」
何故か心底楽しそうに受け答え……いや、此方の話をにこやかな顔で軽く受け流す静香さん。うぅ、全く話が通じない……
「それに、その下着には計測機器の端子が埋め込まれてるから……ほら」
そう言うと、静香さんは自分の机の上にあった液晶モニタをくるりと此方へ回転させる。そこには確かに私と思われる神姫のバイタルデータが映し出されていた。
「そ……そうだったのですか。私はてっきり……」
てっきり危ない趣味か何かだと思っていたようだが、意外と実用的な物だったようだ。……なのだろうか?
「まぁ趣味だけど」
「え?」
「なんでも無いです! さぁ静香、診断を始めましょうね!」
「はいはいわかってるわよココ。さて、送られてくるデータは……っと」
ココさんに追い立てられるようにしてモニタへと視線を移す静香さん。先刻までとは打って変わり、真剣な表情で液晶モニタをみつめている。
「これは……ふむぅ…………なるほど。ネメシスちゃんって白雪姫シリーズの素体に換装しているのね」
「あ……はい。私は起動した時からこの身体ですので、意識した事はありませんが」
最初からそうだった場合、比較対象になる基準が存在しないので、普通意識する事は無いと思うのだが。
「し・か・も、最上位のえっちな機能まで付いたフルスペック品、と」
「そ、そこは別に強調しなくてもいいですからっ!」
真っ赤になって反論するが、彼女は何を言い返すでもなく、ただ優しい笑みで私を見つめてくるだけ。一見天使の微笑みに見えるが、きっと彼女のお尻には悪魔の尻尾が生えているに違いない。
やがて一息つくと、彼女は座っていた椅子ごとくるりと此方に向き直り、話始める。
「さて……と。送られてきたデータをざっと見たけど、まだ少しデータが足りないわ。ネメシスちゃんは結構特別仕様みたいだし、通常の神姫では予測できないバグがあるのかもしれない。大体の予測は出来たけど確定するにはあと一歩って所ね」
「そうですか……」
「――それでね。足りないデータを今から取りたいんだけど、いいかしら?」
「あ……はい。協力します」
此処まできたら、もう覚悟を決めるしかないだろう。既に十分過ぎるほど破廉恥な出来事ばかりなのだから……
「ありがとう。協力に感謝するわ♪」
何故か、一番とびっきりの笑顔で応える静香さん。……この時に気づいておくべきだったのかもしれない。
「―――それでね、ココ」
すると彼女は、私の傍らで佇んでいたココさんを手招きで呼び寄せる。メイド服姿のココさんはそのまま彼女の元へとてとてと歩いていくと、差し出された静香さんの手の平に乗り……何故か静香さんはくるりと椅子を回転させ、私背中を見せる格好になった。
「―――で……だから――――」
「ちょ!?……――――――ですよ!?」
何やらボソボソと会話しているらしい。聴音センサーの感度を上げてみようかとも一瞬思ったが、それも野暮だろうとすぐに思いとどまった。……思いとどまらなければよかったかもしれない。
やがて暫くするとその会話も終わったようで、くるりと椅子を回し、再び此方に向き直る2人。
妙につやつやした顔で嬉しそうな静香さんに対し、何故か顔を赤らめながらも何処かゲッソリと疲れきったような表情のココさん。2人の表情が非常に対称的だ。
「それじゃココ、よろしくね♪」
「…………わかりました。人助けですから……こんな事、絶対に今回限りですよっ」
「わかってるわよ。嗚呼そうそう、今のココはメイドさんなんだから、ちゃんと言葉遣いのほうも宜しくね♪」
静香さんの手から降りたココさんはそう言いながら、何故か私の方へと顔を赤らめながら歩いてくる。
「うぅ…………。御奉仕、致します」
恥かしそうにそう言うと、彼女は膝を折り、その手で私のショーツのジッパーをゆっくりと下ろし……
「え、何をっ!? ふぁっ!」
隙間からポロリと零れ落ちた私の男性器に、その柔らかな唇で、優しくついばむ様に口づけをした……