イノチ/タマシイ/ココロ ◆Fy3pQ9dH66
『……逃げろ。こんな薄情者は身捨ててさっさとな』
別れ際の彼の言葉を反芻しながら新八は走り続けていた。
ぶっきらぼうな言葉の端々に自分の良く知る人物の顔が思い浮かぶ。
銀さんの生き方に憧れ、そして銀さんのようになるために僕は万事屋に入ったはずだった。
少しでも姉さんに胸を張れるような立派な人間になるために。
一緒に働くようになってほんの少しでも近づけた気がしていた。
でも実際の自分はどうだ。
震えて、守られて、逃げ出して、根本的な部分は何も変わっちゃ居なかった。
無力な自分が悔しくて嫌気が差す。
心臓が飛び出しそうなぐらい激しく脈打っている。
わき腹も激痛に襲われている。
それでも、今自分に出来る事はこんな事だけだと悔し涙を流しながら足を動かし続けた。
別れ際の彼の言葉を反芻しながら新八は走り続けていた。
ぶっきらぼうな言葉の端々に自分の良く知る人物の顔が思い浮かぶ。
銀さんの生き方に憧れ、そして銀さんのようになるために僕は万事屋に入ったはずだった。
少しでも姉さんに胸を張れるような立派な人間になるために。
一緒に働くようになってほんの少しでも近づけた気がしていた。
でも実際の自分はどうだ。
震えて、守られて、逃げ出して、根本的な部分は何も変わっちゃ居なかった。
無力な自分が悔しくて嫌気が差す。
心臓が飛び出しそうなぐらい激しく脈打っている。
わき腹も激痛に襲われている。
それでも、今自分に出来る事はこんな事だけだと悔し涙を流しながら足を動かし続けた。
(人!?)
幾ら走ったのだろうか。
距離にしても時間にしてもウルフウッドと別れてから大して離れたわけでもない。
だが新八には何時間もの時間に感じられていた。
そしてようやく初めて人間らしき影を見つける事が出来た。
距離にしても時間にしてもウルフウッドと別れてから大して離れたわけでもない。
だが新八には何時間もの時間に感じられていた。
そしてようやく初めて人間らしき影を見つける事が出来た。
「す、すいませーん!!」
「!?」
「!?」
新八の声に警戒心むき出しで身構える目の前の影。
片目に眼帯をした女性、雨流みねねは残ったもう一つの目を吊り上げ、疑念に満ちた表情で新八を睨み付けている。
その態度に新八は自分が何故何から逃げていたのかを失念していた事に気づく。
片目に眼帯をした女性、雨流みねねは残ったもう一つの目を吊り上げ、疑念に満ちた表情で新八を睨み付けている。
その態度に新八は自分が何故何から逃げていたのかを失念していた事に気づく。
「それ以上近づくんじゃないよ!」
警戒心をあらわにし、みねねは叫ぶ。
手には先程作ったばかりの手榴弾がしっかりと握られていた。
だが新八にも悠長にしている時間があるわけでもなかった。
手には先程作ったばかりの手榴弾がしっかりと握られていた。
だが新八にも悠長にしている時間があるわけでもなかった。
「ま、待って下さい、僕に人を殺そうなんて意思はないです!」
両手を上げ、自分に敵意が無いことを伝える。
もっとも、向こうにそのつもりがあるのならば愚行でしかなかった訳だが、
すぐさま襲って来なかった事を考えても、さっきの無条件で襲って来た男よりは話が通じるだろうと新八は会話を続けた。
もっとも、向こうにそのつもりがあるのならば愚行でしかなかった訳だが、
すぐさま襲って来なかった事を考えても、さっきの無条件で襲って来た男よりは話が通じるだろうと新八は会話を続けた。
「お願いです、僕の話を」
「話は聞いてやる。だがとりあえずそこから動くな」
「話は聞いてやる。だがとりあえずそこから動くな」
みねねは顎に手をかけ、新八の姿を上から下へと眺めながら少し考えるようなそぶりを見せる。
(武器も何も持っていない。けどさっき聞こえてきた銃声の事もある。隠し持っているか……?
いや、雰囲気的にもそう言う事が出来そうな人間に見えない。あいつに近いタイプの人間だな)
いや、雰囲気的にもそう言う事が出来そうな人間に見えない。あいつに近いタイプの人間だな)
みねねには目の前に立つ少年の第一印象が自分の良く知る人間の姿と重なった。
最もそれだけでは判断するには不確定な状況ではあったのだが……状況は自分が有利と判断したみねねは新八に続きを言うことを許していた。
最もそれだけでは判断するには不確定な状況ではあったのだが……状況は自分が有利と判断したみねねは新八に続きを言うことを許していた。
胸をなでおろしながら新八は今しがた起こったことを説明する。
いきなり襲われた事。
自分を逃がすために囮になってくれたウルフウッドの事。
そして助けてくれそうな人を探していた事。
信じてもらえなければ意味が無い、そう考えて誇張する事なく真実を包み隠さず話した。
いきなり襲われた事。
自分を逃がすために囮になってくれたウルフウッドの事。
そして助けてくれそうな人を探していた事。
信じてもらえなければ意味が無い、そう考えて誇張する事なく真実を包み隠さず話した。
「断る」
だが、全てを告げ終わり懇願する新八の耳に届いたのは、きっぱりとした拒否を示す言葉だった。
「っつーか私に、お前やニコラスなんとかってやつを助ける義理なんかないだろ」
「た、確かにそうです……けど……」
「やらせたい奴にはやらせとけば良いし、お前も命を拾えたんだ。それで満足しとけば良いじゃないか」
「見捨てろって言うんですか!?」
「ああ? 知らないねそんな事」
「た、確かにそうです……けど……」
「やらせたい奴にはやらせとけば良いし、お前も命を拾えたんだ。それで満足しとけば良いじゃないか」
「見捨てろって言うんですか!?」
「ああ? 知らないねそんな事」
みねねは苛立ちを隠そうともせずに新八のそばへと歩み寄ると胸倉を掴み上げ
「こうしてりゃ誰かがなんとかしてくれるとかって思ってんのか?
悪いけど私はお前みたいな甘ちゃんな考え方する奴が大嫌いなんだよ!」
悪いけど私はお前みたいな甘ちゃんな考え方する奴が大嫌いなんだよ!」
そう言って掴んでいた手を離すと、新八の胸をグッと押しつけた。
咳き込みながら反動で地面へと転がる新八を見下ろしながらみねねは不快そうに顔をゆがませていた。
咳き込みながら反動で地面へと転がる新八を見下ろしながらみねねは不快そうに顔をゆがませていた。
――唐突に新八のやって来た方向からけたたましい音が鳴り響き始めた。
おそらくは、いや間違いなく銃声だろう。
二人とも戦いが始まった事をはっきりと予感した。
おそらくは、いや間違いなく銃声だろう。
二人とも戦いが始まった事をはっきりと予感した。
「自分のことは自分で守るしかない。困っても誰も助けてくれない。
未来は自分の力で掴み取るしかないんだ。私は今までずっとそうやって生きてきたんだからね。
誰かが何とかしてくれる、神様が助けてくれる。そんなのは幻想でしかないんだよ。
お前みたいな奴、のたれ死んでも誰も困らんさ。
あたしに殺されなかっただけラッキーだったと思うんだね」
未来は自分の力で掴み取るしかないんだ。私は今までずっとそうやって生きてきたんだからね。
誰かが何とかしてくれる、神様が助けてくれる。そんなのは幻想でしかないんだよ。
お前みたいな奴、のたれ死んでも誰も困らんさ。
あたしに殺されなかっただけラッキーだったと思うんだね」
侮蔑するように吐き捨てたみねねの姿は、振り返る事もなく遠ざかりそして消えていった。
取り残された新八の耳には絶え間なく銃声が聞こえていた。
耳が痛かった。
音に対しての……ではない。
みねねの言葉が胸に突き刺さり、それが的を射すぎていたためだ。
知らず知らずのうちに目から再び涙が溢れていた。
耳が痛かった。
音に対しての……ではない。
みねねの言葉が胸に突き刺さり、それが的を射すぎていたためだ。
知らず知らずのうちに目から再び涙が溢れていた。
【H-4/南/黎明】
【雨流みねね@未来日記】
[状態]:健康、爆弾人間
[装備]:手製閃光弾、手製煙幕弾
[道具]:支給品一式、不明支給品(0~1(日記ではない))
[思考]
基本方針:神を殺す
1:研究所方面、もしくは工場方面に向かう。
2:出会った人物に、妲己が主催に反抗する仲間を集めていると伝える。
3:首輪を外すため、神を殺すためならなんでも利用する。
※ボムボムの実を食べて全身爆弾人間になりました。
※単行本5巻以降からの参戦です。
※未来日記所持者は全員参加していると思っています。死んだ12thが参戦しているとは思っていません。
※妲己と情報交換をしました。封神演義の知識と申公豹、太公望について知りました。
【雨流みねね@未来日記】
[状態]:健康、爆弾人間
[装備]:手製閃光弾、手製煙幕弾
[道具]:支給品一式、不明支給品(0~1(日記ではない))
[思考]
基本方針:神を殺す
1:研究所方面、もしくは工場方面に向かう。
2:出会った人物に、妲己が主催に反抗する仲間を集めていると伝える。
3:首輪を外すため、神を殺すためならなんでも利用する。
※ボムボムの実を食べて全身爆弾人間になりました。
※単行本5巻以降からの参戦です。
※未来日記所持者は全員参加していると思っています。死んだ12thが参戦しているとは思っていません。
※妲己と情報交換をしました。封神演義の知識と申公豹、太公望について知りました。
【ボムボムの実@ONE PIECE】
バロックワークスのMr.5が食べた悪魔の実。
食べた人間は全身起爆の爆弾人間となる。
体液などの分泌物も爆弾に変えられ、銃に吐息を吹き込めば、見えない爆弾を射撃できる。
爆撃でのダメージがなくなるが、能力が制限対象のため、高威力の爆撃を完全無効とは出来ない。
バロックワークスのMr.5が食べた悪魔の実。
食べた人間は全身起爆の爆弾人間となる。
体液などの分泌物も爆弾に変えられ、銃に吐息を吹き込めば、見えない爆弾を射撃できる。
爆撃でのダメージがなくなるが、能力が制限対象のため、高威力の爆撃を完全無効とは出来ない。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
新八とみねねが出会った頃に時間と場所は変わる――
距離を保ったまま対峙するウルフウッドとマシン番長。
二人で円を描くように歩を進め、再び無言の時が流れ始めた。
先程まで余裕綽々で襲ってきていたマシン番長だったが、ウルフウッドが銃を取り出すと共にそれは一転する。
形状から予測するに銃器のような物であることは推測できた。
だが自分のデータベースに一切引っかからない謎の武器の出現。
その存在が最演算を余儀なくし、マシン番長の動きを封じていた。
二人で円を描くように歩を進め、再び無言の時が流れ始めた。
先程まで余裕綽々で襲ってきていたマシン番長だったが、ウルフウッドが銃を取り出すと共にそれは一転する。
形状から予測するに銃器のような物であることは推測できた。
だが自分のデータベースに一切引っかからない謎の武器の出現。
その存在が最演算を余儀なくし、マシン番長の動きを封じていた。
「ドウシタ、攻メテ来ナイノカ?」
とは言え、いつまで立っても攻めて来ないウルフウッドの行動に疑念も覚える。
「はっ、そう言うならおたくから攻めてきたらどうや?」
様子を探るように距離を取りじっと動きを観察している。
(さっきみたいに突っ込んで来てくれりゃまだ楽なんやけどな)
ウルフウッドは思う。
目の前の相手は強い……と。
不確定なものが出てきた途端に攻撃を休め冷静に状況を分析する。
一瞬の気の緩みが致命的になるであろうことがわかっていた。
楽をして勝てる相手ではない。
だがこうしていても埒が明かないのもわかっている。
向こうが機械ならば計算し終わる前に――とウルフウッドが動いた。
目の前の相手は強い……と。
不確定なものが出てきた途端に攻撃を休め冷静に状況を分析する。
一瞬の気の緩みが致命的になるであろうことがわかっていた。
楽をして勝てる相手ではない。
だがこうしていても埒が明かないのもわかっている。
向こうが機械ならば計算し終わる前に――とウルフウッドが動いた。
「ほならこっちから行くで!」
指先に力をこめ、jyから弾丸が雨のようにはじき出される。
それが開戦の合図となった。
それが開戦の合図となった。
弾丸がマシン番長の胸元へと降り注ぐ。
だが、弾丸がその空間を通過する頃にはマシン番長の姿はそこには無かった。
その動きを追うようにウルフウッドは銃をスライドさせる……が、
だが、弾丸がその空間を通過する頃にはマシン番長の姿はそこには無かった。
その動きを追うようにウルフウッドは銃をスライドさせる……が、
(おかしい……なんやこりゃ)
武器を動かすスピードがマシン番長を追いきれない。
目では追いきれている。
どう動かせばいいのかも身体が覚えている。
だがマスターCの銃の重さがそれを実行することを許してくれない。
目では追いきれている。
どう動かせばいいのかも身体が覚えている。
だがマスターCの銃の重さがそれを実行することを許してくれない。
(けっ、これも例の細工っちゅうわけか)
それは彼からすればほんのコンマ数秒の動きのずれだったが、普段とは違う身体の動きに違和感を覚える。
「だったらそれはそれで動けばいいんじゃ!」
怪我をすれば動きは鈍くなるし、睡眠が足りなければ同様だ。
戦闘の場において本調子である事の方が少ない。
今現在の自分が思っていた調子以下の体調だった事など数え切れないほどの戦闘を経験してきた。
戦闘の場において本調子である事の方が少ない。
今現在の自分が思っていた調子以下の体調だった事など数え切れないほどの戦闘を経験してきた。
みるみるうちに弾丸の軌道がマシン番長へと近づいていた。
「……0.002秒」
マシン番長の足元を追うように土が瞬く間にえぐられていく。
「……0.17秒」
舞い上がる砂埃を気にも留めずにブツブツと呟きながら走り続けるマシン番長。
「さっきから何ブツブツ抜かしとるんじゃ!」
「体温……ヤヤ高メ、呼吸……大キク乱レアリ、カナリノ興奮状態ト推測」
「ああ? そりゃそうや! お前をぶっ壊したろうとアドレナリン出まくっとるからのう!」
「速度収集完了。視因可能ナ全データノ収集終了。現状ノ勝率100%……問題ナシ」
「体温……ヤヤ高メ、呼吸……大キク乱レアリ、カナリノ興奮状態ト推測」
「ああ? そりゃそうや! お前をぶっ壊したろうとアドレナリン出まくっとるからのう!」
「速度収集完了。視因可能ナ全データノ収集終了。現状ノ勝率100%……問題ナシ」
突如、横へと走る一方だったマシン番長が縦へ……すなわちウルフウッドへと急転換する。
「100%とは舐めた事言ってくれるやないけ!」
ウルフウッドも迎え撃つようにマスターCの銃を構えなおす。
弾丸の雨を止ませると同時に大きく左へ地を蹴り、空中で再び引き金を絞った。
だがマシン番長も負けてはいない。
蛇行しながら一瞬で間合いをつめ、着地寸前のウルフウッドの背後へと回りこむ。
不快な異音と共にマシン番長の右腕が回転し始めた。
弾丸の雨を止ませると同時に大きく左へ地を蹴り、空中で再び引き金を絞った。
だがマシン番長も負けてはいない。
蛇行しながら一瞬で間合いをつめ、着地寸前のウルフウッドの背後へと回りこむ。
不快な異音と共にマシン番長の右腕が回転し始めた。
(あかん!)
本能的にウルフウッドは身体を捻っていた。
今までウルフウッドの身体が存在した空間をマシン番長の手刀が通り抜ける。
手に持った銃をマシン番長へと叩き付けると、同時にマシン番長の左腕が空間を薙ぎ払う様にウルフウッド目掛けて回され激しくぶつかり合った。
両者の間に激しく火花が散り、反動でお互いの身体が大きくはじかれる。
今までウルフウッドの身体が存在した空間をマシン番長の手刀が通り抜ける。
手に持った銃をマシン番長へと叩き付けると、同時にマシン番長の左腕が空間を薙ぎ払う様にウルフウッド目掛けて回され激しくぶつかり合った。
両者の間に激しく火花が散り、反動でお互いの身体が大きくはじかれる。
ウルフウッドは宙を舞いながらもマスターCの銃の引き金を絞り
マシン番長も飛ばされながら左腕で地面を掴み、大きく跳ねながら右腕を構える。
学ランを少し吹き飛ばされながらもウルフウッドへとめがけ再び放たれる右腕――ライトニング・フィスト。
マシン番長も飛ばされながら左腕で地面を掴み、大きく跳ねながら右腕を構える。
学ランを少し吹き飛ばされながらもウルフウッドへとめがけ再び放たれる右腕――ライトニング・フィスト。
「ちいっ!」
眼前に迫り来る拳。
マスターCの銃を盾に防ごうと今度は金属音が響くことは無かった。
予想と反し寸前で拳が開かれマスターCの銃の銃身を掴むマシン番長の右腕。
マスターCの銃を盾に防ごうと今度は金属音が響くことは無かった。
予想と反し寸前で拳が開かれマスターCの銃の銃身を掴むマシン番長の右腕。
「奪い取りにきおったか!」
反射的にウルフウッドがマスターCの銃を強く握り締めたその瞬間――ウルフウッドの全身に猛烈な痺れと痛みが襲いかかっていた。
マシン番長の掌から流れ出る200万Vの高圧電流がウルフウッドの全身を覆い尽くす。
間髪入れずに伸ばした腕を巻き取りながら加速するマシン番長。
マシン番長の掌から流れ出る200万Vの高圧電流がウルフウッドの全身を覆い尽くす。
間髪入れずに伸ばした腕を巻き取りながら加速するマシン番長。
「『クライシス・キャノン』」
抗うことも出来ずに絶叫を吐き出すウルフウッドの鳩尾に、マシン番長の両膝がめり込んでいた。
身体をくの字に曲げ、ウルフウッドの身体が宙を舞った。
身体をくの字に曲げ、ウルフウッドの身体が宙を舞った。
「ゴフッ……」
後ろに聳え立っていた一本の木へと一直線に叩き付けられその衝撃に大きく咳き込む。
意識が飛びそうになるのをかろうじて堪えたものの、戦況は圧倒的にウルフウッドに不利だった。
意識が飛びそうになるのをかろうじて堪えたものの、戦況は圧倒的にウルフウッドに不利だった。
(ドリルに電気にブースターかい……やりたい放題やなほんま……)
全身がバラバラになりそうな痛みに襲われる。
ゆっくりと立ち上がろうとするも膝が笑って思うように立つことが出来ない。
それでも一切表情を変えることなく近づいてくるマシン番長に対して必死に銃口を向ける。
ゆっくりと立ち上がろうとするも膝が笑って思うように立つことが出来ない。
それでも一切表情を変えることなく近づいてくるマシン番長に対して必死に銃口を向ける。
「諦メロ。ソノ損傷率デハモウ逃ゲルコトモ不可能ダ」
最終通告とも言えるマシン番長の言葉。
だが当のウルフウッドは意にも返さずと言わんばかりに不適に笑っていた。
だが当のウルフウッドは意にも返さずと言わんばかりに不適に笑っていた。
「何故笑ッテイル。ヤハリ俺ニハオ前ノ行動ガ理解不可能ダ」
「さっきも言ったやろ……機械風情に理解ってもらおうなんて思っとらんわ!」
「……コレ以上オ前トノ会話ニ得ラレル情報ハ無シト判断。コレデ終ワリニスル」
「上等じゃ! ワイもオンドレの顔なんかこれ以上見とう無いわい!」
「さっきも言ったやろ……機械風情に理解ってもらおうなんて思っとらんわ!」
「……コレ以上オ前トノ会話ニ得ラレル情報ハ無シト判断。コレデ終ワリニスル」
「上等じゃ! ワイもオンドレの顔なんかこれ以上見とう無いわい!」
震える膝を殴りながら自身を奮い立たせるように雄叫びを上げながらウルフウッドが立ち上がる。
そしてマスターCの銃を構え、合わせる様に突き出されるマシン番長の拳。
時が止まったかのように静まり返る。
時間にしてみればほんの一瞬しか存在しなかった空間が、一陣の風が吹き、木々が小さくざわめくのを合図に消滅した。
そしてマスターCの銃を構え、合わせる様に突き出されるマシン番長の拳。
時が止まったかのように静まり返る。
時間にしてみればほんの一瞬しか存在しなかった空間が、一陣の風が吹き、木々が小さくざわめくのを合図に消滅した。
ウルフウッドの指先に力が入るのを見るや否や、マシン番長の姿が掻き消える。
木々を盾にするように移動するマシン番長。
彼の通った後の木々が銃弾に煽られ、木の葉を舞い散らせながら次々と倒れていく。
打って変わって鳴り響く轟音。
降り注ぐ銃弾の嵐。
それをバックミュージックにウルフウッドの拳が、蹴りが。そしてマシン番長の拳が、蹴りがダンスのように交錯し合う。
木々を盾にするように移動するマシン番長。
彼の通った後の木々が銃弾に煽られ、木の葉を舞い散らせながら次々と倒れていく。
打って変わって鳴り響く轟音。
降り注ぐ銃弾の嵐。
それをバックミュージックにウルフウッドの拳が、蹴りが。そしてマシン番長の拳が、蹴りがダンスのように交錯し合う。
近づいては離れ、そしてまた離れては近づく。
その都度繰り出される攻撃にお互いが決定打を与えれない。
だが痛みも疲れも感じないマシン番長とは裏腹に、ウルフウッドの身体には確実に疲労とダメージが蓄積されていた。
その都度繰り出される攻撃にお互いが決定打を与えれない。
だが痛みも疲れも感じないマシン番長とは裏腹に、ウルフウッドの身体には確実に疲労とダメージが蓄積されていた。
そしていつの世も終わりが来るのは突然で――決着の時は訪れる。
距離を取ろうとウルフウッドが地を蹴り、空中に飛び上がりながら銃の狙いを定める。
……だが。
……だが。
「ちいっ……玉切れかいっ」
今まで絶え間なく降り注ぎ続けた銃弾の雨がピタリとやみ、その言葉に瞬時にして反応して伸ばされた『ライトニング・フィスト』
ウルフウッドはその反応に小さく口元を歪ませ――あろう事か銃を手放した。
ウルフウッドはその反応に小さく口元を歪ませ――あろう事か銃を手放した。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
自分の武器を手放したウルフウッドに疑問を感じるマシン番長。
だが、それについて計算し終わる頃には決着はついている。
何故なら自分の計算ではこの右腕が伸ばしきられれば全てが終わるのだから。
先程防御された分の誤差も含めたスピードで繰り出したライトニング・フィストだ。
計測したデータに間違いは無い。
ウルフウッドが指先に力を込めてから引き金を絞るまでの時間。
弾丸が発射されてから自分へ到達するまでの時間。
咄嗟での切り返しの速度。
その他視てきた全てのデータを総合しても絶対に交わすことは不可能だ。
さらには相手の武器は弾切れ。
この状態からの反撃の要素が無い。
だから彼は計算するのを止め、目の前の障害を排除する点のみに切り替えた。
だが、それについて計算し終わる頃には決着はついている。
何故なら自分の計算ではこの右腕が伸ばしきられれば全てが終わるのだから。
先程防御された分の誤差も含めたスピードで繰り出したライトニング・フィストだ。
計測したデータに間違いは無い。
ウルフウッドが指先に力を込めてから引き金を絞るまでの時間。
弾丸が発射されてから自分へ到達するまでの時間。
咄嗟での切り返しの速度。
その他視てきた全てのデータを総合しても絶対に交わすことは不可能だ。
さらには相手の武器は弾切れ。
この状態からの反撃の要素が無い。
だから彼は計算するのを止め、目の前の障害を排除する点のみに切り替えた。
「なんてな」
……それが誤算。
人間の言う所の油断と言う奴だ。
彼自身は油断などしたつもりは無いだろう。
ただ自分が勝つために何をするのが効率が良いのかを考えた結果だ。
彼がコンピュータであるが故の、経験と言うものを知らなかったため起きた結果だ。
もし計算をし続けていればウルフウッドの狙いが何かわかったのかもしれない。
だが止めた。
人間の言う所の油断と言う奴だ。
彼自身は油断などしたつもりは無いだろう。
ただ自分が勝つために何をするのが効率が良いのかを考えた結果だ。
彼がコンピュータであるが故の、経験と言うものを知らなかったため起きた結果だ。
もし計算をし続けていればウルフウッドの狙いが何かわかったのかもしれない。
だが止めた。
ウルフウッドの経験はコンピュータの計算を上回ったのだ。
マスターCの銃でガードしようとすれば掴まれてまた電撃が来る。
かと言って防がなければ致命傷になりかねない。
ならば方法は一つ。
銃で防ぎつつ電流を流されないように仕向ければいい。
全身を縮めると、足の裏がこれから拳が来るであろうコースへと置かれる。
そして彼の両足と右拳が重なる瞬間、その空間に投げ捨てたはずのマスターCの銃が現れていた。
かと言って防がなければ致命傷になりかねない。
ならば方法は一つ。
銃で防ぎつつ電流を流されないように仕向ければいい。
全身を縮めると、足の裏がこれから拳が来るであろうコースへと置かれる。
そして彼の両足と右拳が重なる瞬間、その空間に投げ捨てたはずのマスターCの銃が現れていた。
「ナニ?」
マシン番長が気づいた時にはすでに彼の右腕はマスターCの銃へと当たり、挟み込むようにウルフウッドの足が反対側から蹴りつけられる。
響き渡る重厚な金属音。
同時にウルフウッドの両足に激痛が走る。
響き渡る重厚な金属音。
同時にウルフウッドの両足に激痛が走る。
(こりゃイっちまったようやな……しゃーない……かっ!)
反動を利用し宙を回りながら浮かんだままのマスターCの銃を掴む。
マスター・Cの銃につけられた切り札とも言っては過言ではないだろう。
普通の人間は持つことも出来ない重さのマスターCの銃。
殴りつけただけでもただではすまない凶器となりうるそれの銃身を覆った部分そのものが弾となり一直線に射出された。
マスター・Cの銃につけられた切り札とも言っては過言ではないだろう。
普通の人間は持つことも出来ない重さのマスターCの銃。
殴りつけただけでもただではすまない凶器となりうるそれの銃身を覆った部分そのものが弾となり一直線に射出された。
「ナンダトッ」
マシン番長は咄嗟に残った左腕を前に出しガードの構えを出すものの、銃身は左腕ごと彼の身体を大きく吹き飛ばして行った。
「おまけや!」
残された細身の銃身から再び放たれる銃弾。
ウルフウッド渾身のブラフが、マシン番長の身体へと吸い込まれていった。
ウルフウッド渾身のブラフが、マシン番長の身体へと吸い込まれていった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
激痛に受身を取ることも出来ず、ウルフウッドの身体は地面へと叩き付けられた。
「ごっ……」
衝撃に思わず噎せ返る。
「ったくポンコツのクセに調子に乗りくさりおって、ほんだらぁ」
粉塵で周囲がよく見えないが何かが動く様子は無い。
さすがにこれで終わらなければ今の身体の状況では手詰まりだった。
だが一向に変化が無いことに安堵し、脱力感に襲われ大きく息を吐く。
口元からこぼれる血を乱暴にぬぐいながら先程逃がした少年の姿が思い出されていた。
さすがにこれで終わらなければ今の身体の状況では手詰まりだった。
だが一向に変化が無いことに安堵し、脱力感に襲われ大きく息を吐く。
口元からこぼれる血を乱暴にぬぐいながら先程逃がした少年の姿が思い出されていた。
「あいつ無事やろうなあ」
逃がすためとは言え少々強引な手段をとったことは否めない。
今みたいな奴が他にも居ないとも限らないのだから。
丸腰の身体で同じようなことになったらひとたまりも無いだろう。
それにあの性格だ。一人逃げたことを悔やんでいるかもしれない。
今みたいな奴が他にも居ないとも限らないのだから。
丸腰の身体で同じようなことになったらひとたまりも無いだろう。
それにあの性格だ。一人逃げたことを悔やんでいるかもしれない。
「さっさと追いついて安心させてやるかいな」
新八の逃げた方角に目を見やる。
今から全力で追いかければ自分の脚力ながら追いつけるはずだ。
そう考え立ち上がろうと力を込めるが、足に激痛が走り力が入らない。
今から全力で追いかければ自分の脚力ながら追いつけるはずだ。
そう考え立ち上がろうと力を込めるが、足に激痛が走り力が入らない。
「やっぱイっとったかいな……」
軽く触ってみる……が、やはり激痛が走る。
両足の骨が折れているのは間違いなかった。
両足の骨が折れているのは間違いなかった。
「あっちゃ……こりゃしばらくは動けへんか」
再生速度がどのくらい落ちているかはわからないがここでしばらく足止めを食らうのは間違いないようだ。
こうなると名も知らぬ少年の事はもう神様にでも祈るしかしょうがなかった。
こうなると名も知らぬ少年の事はもう神様にでも祈るしかしょうがなかった。
「けったクソ悪い神なんやろうけどな」
自分達をこんな場所に呼んだ者に祈るのもおかしな話か、とウルフウッドは苦笑する。
強く風が吹き始め、無事だった木々が大きく揺れる。
覆っていた粉塵がようやく晴れ、視界がようやく見渡せるようになって来た。
強く風が吹き始め、無事だった木々が大きく揺れる。
覆っていた粉塵がようやく晴れ、視界がようやく見渡せるようになって来た。
(……んなアホな)
直撃はした。
終わったはずだ。
ウルフウッドの目が驚愕に見開かれる。
粉塵が完全に晴れた地には、辺りかまわず抉られた地面と、そして左腕を無くしたマシン番長が立ち竦んでいたのだから。
終わったはずだ。
ウルフウッドの目が驚愕に見開かれる。
粉塵が完全に晴れた地には、辺りかまわず抉られた地面と、そして左腕を無くしたマシン番長が立ち竦んでいたのだから。
「損害状況32%確認。損害ニオケル影響微々。対象排除ヘノ影響――問題ナシ」
言うや否やマシン番長がウルフウッドへと間合いをつめる。
銃を探す――が先程の激突でどこに飛ばされたのか、見当たらない。
銃を探す――が先程の激突でどこに飛ばされたのか、見当たらない。
(ちいっ!)
足を引きずりながらも交わそうとするが、一歩遅かった。
残った右手でウルフウッドの頭を持ち上げるとギリギリと握り締める。
残った右手でウルフウッドの頭を持ち上げるとギリギリと握り締める。
「ぅが……」
締め付けられる痛みに襲われながらも、ウルフウッドは右拳をマシン番長へと叩き付ける。
不十分な体勢からの拳に、何の力も入らなかったのは別っていた。
それでも何度も、何度も、何度も繰り返す。
不十分な体勢からの拳に、何の力も入らなかったのは別っていた。
それでも何度も、何度も、何度も繰り返す。
「無駄ダ、モウ終ワル」
締め付けられる力が強まり、全身から力が抜ける。
嗚咽すら出せないし、意識も遠くなってきた。
嗚咽すら出せないし、意識も遠くなってきた。
(終わる時はこんなあっさりなんなんか……)
白みがかる視界にゆっくりと目を閉じようとした。
刹那、ドンっと自分の頭に広がる振動。
潰されたものではない。
そうだとすれば最早こんなことを考えていられるはずも無いだろう。
そして頭から圧迫感が無くなりそのまま地面へと落とされた。
刹那、ドンっと自分の頭に広がる振動。
潰されたものではない。
そうだとすれば最早こんなことを考えていられるはずも無いだろう。
そして頭から圧迫感が無くなりそのまま地面へと落とされた。
揺れる頭を抑えながらウルフウッドは思わず目を開け……そして叫んだ。
「なんで戻って来たんやっ!!」
今まで自分を掴んでいたマシン番長の右腕。
それは大空へと向けて仰ぐようにまっすぐと伸ばされていた。
だが、その伸ばされた腕に掴まれ抱えられていた一人の少年の姿。
見覚えのあるその姿は今しがた別れた少年、新八の身体。
両手で抱えた大きな石がドサリと地面へと落ちる。
先程の衝撃はこれでマシン番長を殴りつけでもしたためか……ウルフウッドはそう推測しながらも理解出来ない新八の行動に毒づいていた。
それは大空へと向けて仰ぐようにまっすぐと伸ばされていた。
だが、その伸ばされた腕に掴まれ抱えられていた一人の少年の姿。
見覚えのあるその姿は今しがた別れた少年、新八の身体。
両手で抱えた大きな石がドサリと地面へと落ちる。
先程の衝撃はこれでマシン番長を殴りつけでもしたためか……ウルフウッドはそう推測しながらも理解出来ない新八の行動に毒づいていた。
「クソガキが……逃げろ言うたやないか……あんなんでわいを助けに来たつもりか? 大馬鹿やでホンマ」
「マッタクダ、オ前ノ行動モ全ク理解出来ナイ」
「マッタクダ、オ前ノ行動モ全ク理解出来ナイ」
問われた新八はと言うと、罰が悪そうにウルフウッドから視線をそらし
「逃げましたよ、全力で……。
怖くて……助けてもらって……逃げて……」
怖くて……助けてもらって……逃げて……」
ボソッと呟くと一転、抱えながら不思議そうに呟いたマシン番長を鋭く睨み付ける。
「でもそんなんじゃ姉さんに怒られるって事に気づいたんです。
こんな情けない姿を見せるために僕は万事屋に入ったんじゃない。
あの人に少しでも追いつきたかった! 彼のような侍になりたかった!」
「……オ前ノ回答ハ理由ニナッテイナイ。理解不能」
こんな情けない姿を見せるために僕は万事屋に入ったんじゃない。
あの人に少しでも追いつきたかった! 彼のような侍になりたかった!」
「……オ前ノ回答ハ理由ニナッテイナイ。理解不能」
新八の言葉にメモリー内で何かが暴れだす感覚を受けた。
「うるさい! ここで逃げたら命は助かっても僕の魂は死ぬって事に気づいたんだよ!」
「命……魂……同意義。死……生命活動ノ停止。統合性……0。理解不能理解不能」
「命……魂……同意義。死……生命活動ノ停止。統合性……0。理解不能理解不能」
そのままガタガタとマシン番長の身体が痙攣する。
いきなりの挙動に暴れていた身体を休め、マシン番長の姿を覗き込んだ……瞬間。
いきなりの挙動に暴れていた身体を休め、マシン番長の姿を覗き込んだ……瞬間。
「……大量ノ不安因子発生……可能性ヲ排除スル」
ギロリと新八を睨み付け、同時に新八の身体が開放される。
重力のままに地面へと落ちる新八の身体。
だが彼の身体は地面に付く事も無く、回転されたマシン番長の右腕が新八の腹を突き破っていた。
重力のままに地面へと落ちる新八の身体。
だが彼の身体は地面に付く事も無く、回転されたマシン番長の右腕が新八の腹を突き破っていた。
「ガキイイイィィィッ!!」
スローモーション再生のように真っ赤な鮮血が周囲に飛び散る。
目の前の光景にウルフウッドの絶叫が響き渡った。
同時にマシン番長は腕を振り払い、新八の身体をウルフウッドへと叩き付ける。
衝撃に二人の呻き声が重なり、開いた目に飛び込んだ新八の姿。
一目で致命傷なのがわかった。
目の前の光景にウルフウッドの絶叫が響き渡った。
同時にマシン番長は腕を振り払い、新八の身体をウルフウッドへと叩き付ける。
衝撃に二人の呻き声が重なり、開いた目に飛び込んだ新八の姿。
一目で致命傷なのがわかった。
咽返り、口から血反吐を吐きながらも新八の目は強く光っていた。
ウルフウッドの胸倉を強く強く掴みながら、新八は謝罪の言葉を告げる。
ウルフウッドの胸倉を強く強く掴みながら、新八は謝罪の言葉を告げる。
「僕が最初っから逃げずに戦っていればこんなことにはならなかったかもしれないですよね……」
本当に……ごめんなさい……」
本当に……ごめんなさい……」
耳に届いた新八の言葉に二の句も出ない。
自分に対して恨み言を言うわけでもなく、紛れもなく訪れている死の恐怖に怯えるわけでもなく、
出てきたのは自分の不甲斐無さを恥じる言葉。
自分に対して恨み言を言うわけでもなく、紛れもなく訪れている死の恐怖に怯えるわけでもなく、
出てきたのは自分の不甲斐無さを恥じる言葉。
そこでようやく自分が新八を助けようと取った行動が、結果彼の信念を殺す道だった事に気づいた。
恐怖と戦い、自分の弱さに絶望しながらも新八はそれに抗い、戦う道を選び戻ってきた。
それを否定することは彼への侮辱だとウルフウッドは悟った。
恐怖と戦い、自分の弱さに絶望しながらも新八はそれに抗い、戦う道を選び戻ってきた。
それを否定することは彼への侮辱だとウルフウッドは悟った。
「……おいガキ、そういやお前の名前聞いとらへんかったな。……聞かしいや」
「……え?」
「名前や、名前」
「……志村……新八です」
「そうか……なあ新八。すまんがわいには侍ちゅうのがなんなのかようわからん。けどやな、少なくともお前が目指してるもんにはなれてると思うで」
「……え?」
「名前や、名前」
「……志村……新八です」
「そうか……なあ新八。すまんがわいには侍ちゅうのがなんなのかようわからん。けどやな、少なくともお前が目指してるもんにはなれてると思うで」
その言葉に新八は目を見開きながら驚いた表情を見せ、薄く微笑む。
同時に彼の身体から力が抜けていったのがわかった。
同時に彼の身体から力が抜けていったのがわかった。
そして――
一切の表情の変化を見せず二人を観察していたマシン番長が歩を進め、ウルフウッドを見下ろすように立ち止まった。
「オ前ニハ今ノ言葉ノ意味ガ理解ッタノカ?」
「当然やろ」
「何故ダ。私ノデータベースニ一切該当シナイ」
「説明したところで機械風情に理解るわけあらへんわ。もっとも説明する気もさらさら無いけどな」
「……ソウカ。ヤハリオ前トノ会話ハ時間ノロスト判断スル」
「ああそうしとき。せやかてワイももう動けそうにない。好きにしたらええわ」
「当然やろ」
「何故ダ。私ノデータベースニ一切該当シナイ」
「説明したところで機械風情に理解るわけあらへんわ。もっとも説明する気もさらさら無いけどな」
「……ソウカ。ヤハリオ前トノ会話ハ時間ノロスト判断スル」
「ああそうしとき。せやかてワイももう動けそうにない。好きにしたらええわ」
新八を貫いた手刀が同じようにウルフウッドの身体へと迫る。
逃げようにも自分の意思ではピクリとも動かない身体。
逃げようにも自分の意思ではピクリとも動かない身体。
(トンガリ……お前ならどうしたんやろな、ああ言う場合)
鈍い衝撃と共にマシン番長の手刀がウルフウッドの胸を貫いていた。
胸を貫かれた衝撃に全身を震わせながら彼は思う。
自分と正反対だった青年のことを。
胸を貫かれた衝撃に全身を震わせながら彼は思う。
自分と正反対だった青年のことを。
(まあ今更考えてもしゃああらへんか……先に行っとる。お前はしばらく来るんやないで……)
その思考を最後にウルフウッドの意識は闇に落ちていった……。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「対象沈黙生体反応0――任務継続……可能」
このまま続けるのに支障は無いものの、左腕の損傷がやはり気になる。
どこか修理出来そうなところがあれば良いのだが、そう判断した彼は地図を取り出し開く。
「データベース照合……研究所……該当」
このまま続けるのに支障は無いものの、左腕の損傷がやはり気になる。
どこか修理出来そうなところがあれば良いのだが、そう判断した彼は地図を取り出し開く。
「データベース照合……研究所……該当」
二人に背を向けると彼は歩き出した。
任務を遂行するために、目的はただそれだけ。
一刻も早くこのノイズを取り除かなくては。
任務を遂行するために、目的はただそれだけ。
一刻も早くこのノイズを取り除かなくては。
「死トハ何だ? 生体反応ガ停止スル以外ニ何カ意味ガアルノカ?」
夜空を見上げボソリと呟きながら闇に消えるマシン番長。
彼はまだ気づいていない。
死の間際の二人のやり取りを見てノイズが以前より強くなっていることを……。
彼はまだ気づいていない。
死の間際の二人のやり取りを見てノイズが以前より強くなっていることを……。
【I-4/中心部/黎明】
【マシン番長@金剛番長】
[状態]:左腕損失 メモリー内にノイズ
[装備]:
[道具]:不明支給品1~2(未確認)基本支給品一式
[思考]
1:殺し合いに勝ち残り脱出。Dr.鍵宮の指令を遂行する
2:研究所へと向かう
[備考]
※参戦時期は四番長(居合、卑怯、剛力、念仏)殺害後、Dr.鍵宮の指示で月美の部屋に行くまでの途中。
【マシン番長@金剛番長】
[状態]:左腕損失 メモリー内にノイズ
[装備]:
[道具]:不明支給品1~2(未確認)基本支給品一式
[思考]
1:殺し合いに勝ち残り脱出。Dr.鍵宮の指令を遂行する
2:研究所へと向かう
[備考]
※参戦時期は四番長(居合、卑怯、剛力、念仏)殺害後、Dr.鍵宮の指示で月美の部屋に行くまでの途中。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
マシン番長が立ち去ってから数分後――
「これは酷い事になってるわぁん」
凄惨な戦場と化した森の中に響き渡る暢気な声と共に現れた妲己。
言葉とは裏腹に荒廃した惨状を見回しすその目は凛々と輝いており、愉快気にスキップさえ踏んでいる。
言葉とは裏腹に荒廃した惨状を見回しすその目は凛々と輝いており、愉快気にスキップさえ踏んでいる。
「あらあらん?」
一際被害の大きな一角に横たわる二人の人間の姿が目に留まった。
何の躊躇も無く近づくと、まずは小さな身体の方からつんつんとつついてみる。
まったく反応がない。
何の躊躇も無く近づくと、まずは小さな身体の方からつんつんとつついてみる。
まったく反応がない。
「ご愁傷様かしらん」
けして死者に向けるべきものではない笑みをうっすらと浮かべながら続けてもう一人の身体をも試してみる。
やはり反応はない。
小さくため息を吐くと興味を失ったように二人の身体から離れようとした直後。
やはり反応はない。
小さくため息を吐くと興味を失ったように二人の身体から離れようとした直後。
「……ぅ……」
微かに響いた声に思わず振り返っていた。
「驚いた……そんなのでまだ生きてるのん?」
呼吸は荒く、息も絶え絶え。
胸には大きな風穴を開け、全身は細かい傷と火傷で無事な部分など残ってもいない状態でありながらも
ウルフウッドの身体はまだ彼が休むことを許さなかったようだ。
開かれる瞳がうつろに翳りながらも彼は口を開く。
胸には大きな風穴を開け、全身は細かい傷と火傷で無事な部分など残ってもいない状態でありながらも
ウルフウッドの身体はまだ彼が休むことを許さなかったようだ。
開かれる瞳がうつろに翳りながらも彼は口を開く。
「……奴は?」
その問いにどう反応すべきか少し考え込み……悲しげに表情を一転させた。
怪我をした人間を不安に思い気遣う仕草も忘れない。
怪我をした人間を不安に思い気遣う仕草も忘れない。
「うぅん? 誰のことかは知らないけど、ここにはわらわしかいないわよん?」
「……そうなんか」
「あなたも殺し合いをしてたのん?」
「するつもりなんかさらさら無かったわい。けど向こうさんに殺る気満々で襲ってこられたらしゃあないやろ」
「……そうなんか」
「あなたも殺し合いをしてたのん?」
「するつもりなんかさらさら無かったわい。けど向こうさんに殺る気満々で襲ってこられたらしゃあないやろ」
ともすると少なくとも自分の敵ではないと言う事か。
でもこの様子では負けたんだろう。
生き残ったのは良いが弱いんじゃどうしようもないと妲己は溜息を漏らす。
でもこの様子では負けたんだろう。
生き残ったのは良いが弱いんじゃどうしようもないと妲己は溜息を漏らす。
「ふぅん、で負けちゃったのん?」
「うっさい」
「うっさい」
苦々しげに呟くウルフウッドを見て悲しそうな演技を続けながら妲己は言う。
「やっぱり殺し合おうなんて考える人もいるのねん」
「あんたはちゃうんか?」
「まさかぁん? こんなか弱いわらわがそんなこと出来るわけないわん」
「嘘やろ」
「あんたはちゃうんか?」
「まさかぁん? こんなか弱いわらわがそんなこと出来るわけないわん」
「嘘やろ」
一瞬眉をひそめかけるが、そ知らぬ顔で妲己はとぼけ続ける。
「嘘? なんのことかしらぁん?」
「隠しとったって空気でわかる。弱いようには感じられへん」
「買い被り過ぎよん。わらわは弱いから誰か強そうな人を探してるのん。心当たりとかないかしらん?」
「隠しとったって空気でわかる。弱いようには感じられへん」
「買い被り過ぎよん。わらわは弱いから誰か強そうな人を探してるのん。心当たりとかないかしらん?」
平静を装う妲己にたいし、呆れ返りながらウルフウッドは答えた。
「……まあええ、強い奴だったら赤いコート着たつんつんした金髪の頭の目立つ奴探せばええ。勿論いたらの話になるけどな」
「あらぁん意外ねえ。そんな素直に教えてくれるなんてえ。その人の事嫌いなの?」
「大っっっっっ嫌いやな!」
「あらぁん可哀想」
「んま……そうじゃなくても隠す必要も無いと思ったからや。ワイの知る限り人間であいつに勝てる奴はまずおらんやろ。
殺し合うつもりならあいつがあんたを止めるやろうし、そうで無いなら教えても問題ない、それだけのこっちゃ」
「ふうん、そのお友達のお名前は?」
「友達ちゃう、ただの腐れ縁や。……まあええわ。有名人やから名前ぐらい知っとるはずやろうけどな。ヴァッシュや。ヴァッシュ・ザ・スタンピート」
「知らないわねん……でも、ありがとぉん」
「あらぁん意外ねえ。そんな素直に教えてくれるなんてえ。その人の事嫌いなの?」
「大っっっっっ嫌いやな!」
「あらぁん可哀想」
「んま……そうじゃなくても隠す必要も無いと思ったからや。ワイの知る限り人間であいつに勝てる奴はまずおらんやろ。
殺し合うつもりならあいつがあんたを止めるやろうし、そうで無いなら教えても問題ない、それだけのこっちゃ」
「ふうん、そのお友達のお名前は?」
「友達ちゃう、ただの腐れ縁や。……まあええわ。有名人やから名前ぐらい知っとるはずやろうけどな。ヴァッシュや。ヴァッシュ・ザ・スタンピート」
「知らないわねん……でも、ありがとぉん」
ウルフウッドの首筋をなでるような感覚が伝わる。
遅れて襲い掛かった鋭い痛みと同時に噴出す鮮血。
遅れて襲い掛かった鋭い痛みと同時に噴出す鮮血。
「やっぱりかい……」
反射的にそれを抑えようと両手で首を押さえるが、隙間から流れる血は留まる事を知らない。
自身の手についた血を舐め取りながら妖艶な笑みをこぼす妲己の顔。
一瞬美しいとさえ思ってしまった自分を卑下しながら。
それがウルフウッドの見た最後の光景となった――。
自身の手についた血を舐め取りながら妖艶な笑みをこぼす妲己の顔。
一瞬美しいとさえ思ってしまった自分を卑下しながら。
それがウルフウッドの見た最後の光景となった――。
動かなくなったウルフウッドを見ながら妲己は微笑む。
「そう言う訳じゃないけどねぇん。ただ、わらわって壊れた玩具にも使えない兵士にも興味ないのよん」
その言葉を聞くものは最早誰も居ない。
返ってこない返事に少し不満げな表情を見せながら妲己はその場を後にした。
返ってこない返事に少し不満げな表情を見せながら妲己はその場を後にした。
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム)】死亡
【志村新八@銀魂】死亡
【志村新八@銀魂】死亡
※以下のものは二人の死体のそばに、妲己が回収したか放置のままかはお任せします
マスターCの銃(残弾数0%・銃身発射済)@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数8/12)@現実
支給品セットx2(ウルフウッドと新八の分)
上記の中にマスターCの銃の予備弾丸4セット 不明支給品0~2
マスターCの銃(残弾数0%・銃身発射済)@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数8/12)@現実
支給品セットx2(ウルフウッドと新八の分)
上記の中にマスターCの銃の予備弾丸4セット 不明支給品0~2
【I-4/中心部/黎明】
【妲己@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら
[道具]:支給品一式、再会の才@うえきの法則
[思考]
基本方針:神の力を取り込む。
1:デパートに向かう。
2:対主催思考の仲間を集める。
3:太公望ちゃんたちと会いたい。
4:この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る。
5:獣の槍と、その関係者らしい白面の者と蒼月が気になる。
※胡喜媚と同時期からの参戦です。
※みねねと情報交換をしました。未来日記の所持者(12th以外)、デウス、ムルムルについて知りました。
【妲己@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら
[道具]:支給品一式、再会の才@うえきの法則
[思考]
基本方針:神の力を取り込む。
1:デパートに向かう。
2:対主催思考の仲間を集める。
3:太公望ちゃんたちと会いたい。
4:この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る。
5:獣の槍と、その関係者らしい白面の者と蒼月が気になる。
※胡喜媚と同時期からの参戦です。
※みねねと情報交換をしました。未来日記の所持者(12th以外)、デウス、ムルムルについて知りました。
【獣の槍@うしおととら】
春秋・戦国時代に中国で作られた、白面の者を殺すための槍。
両親を白面の者に殺されたギリョウ、ジエメイの兄妹が命を込めて作成した。
(妹、ジエメイが溶鉱炉に身を投げ、それを材料に剣を打った兄の体が融合し槍となった)
獣の槍に選ばれた者が使うことで、使用者の魂と引き換えに身体能力、治癒能力が向上する。
ただし、魂を与えすぎると使用者は、とらや紅煉同様の字伏という妖怪に変化する。
選ばれていない者以外が使用した時、選ばれた者でも妖以外と戦う時はその変化は起きない。
妖怪のみを殺す槍であり、人間を刺してもダメージは普通の槍より少ない。
(正確には斬れないため人間を強打や無機物を切り裂くことはしていた。)
ただし、上記の性能がロワ中でなんらかの変更が加えられているかは不明。
獣の槍を封印する布は巻きついている。
春秋・戦国時代に中国で作られた、白面の者を殺すための槍。
両親を白面の者に殺されたギリョウ、ジエメイの兄妹が命を込めて作成した。
(妹、ジエメイが溶鉱炉に身を投げ、それを材料に剣を打った兄の体が融合し槍となった)
獣の槍に選ばれた者が使うことで、使用者の魂と引き換えに身体能力、治癒能力が向上する。
ただし、魂を与えすぎると使用者は、とらや紅煉同様の字伏という妖怪に変化する。
選ばれていない者以外が使用した時、選ばれた者でも妖以外と戦う時はその変化は起きない。
妖怪のみを殺す槍であり、人間を刺してもダメージは普通の槍より少ない。
(正確には斬れないため人間を強打や無機物を切り裂くことはしていた。)
ただし、上記の性能がロワ中でなんらかの変更が加えられているかは不明。
獣の槍を封印する布は巻きついている。
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| 032:神の座を探す君の名を、誰もが心に刻むまで | 雨流みねね | 050:Escape ~逃逸~ |
| 026:ザ・パニッシャー | 志村新八 | GAME OVER |
| 032:神の座を探す君の名を、誰もが心に刻むまで | 妲己 | 050:Escape ~逃逸~ |
| 026:ザ・パニッシャー | ニコラス・D・ウルフウッド | GAME OVER |
| 026:ザ・パニッシャー | マシン番長 | 063:セイギニッキ |