『何度もお騒がせして申し訳ない。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ』
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ』
二代目ゼロ……否、鉄華兵団の行った放送から十分も経たずに再び全ての電子機器が恐らく先ほど桐藤ナギサが使ったのと同じか同型のテレビ中継車の中の様子を映した出す。
前の映像との違いは中央に座る白い皇帝の姿だけだ。
前の映像との違いは中央に座る白い皇帝の姿だけだ。
『まずは鉄華兵団諸君の情報提供に感謝する。
ブリタニアと日本……私の元居た世界と大差ない歴史を歩んだ世界を生きる君が一切の政治的しがらみを無視して周知してくれた情報は私の、そしてこの地に集ったあらゆるプレイヤーにとって有益なものだ。
私の民やその友人たちの命を救うことにもつながろう』
ブリタニアと日本……私の元居た世界と大差ない歴史を歩んだ世界を生きる君が一切の政治的しがらみを無視して周知してくれた情報は私の、そしてこの地に集ったあらゆるプレイヤーにとって有益なものだ。
私の民やその友人たちの命を救うことにもつながろう』
ルルーシュは穏やかな笑みを浮かべたまま、先ほどの意趣返しのつもりだろうか自分の信ぴょう性に盛大な亀裂を入れた二代目ゼロを褒めた。
そして少しだけ長く目をつぶり
そして少しだけ長く目をつぶり
『流石は初代ゼロの、黒の騎士団創設者であるこの私の後を継ぐ者と言ったところかな?』
またとんでもないことを口にした。
『正直に言おう。
今の私の言葉に以前ほどの重みがあるとは思えない。
だが、語らせてもらおう。
ルルーシュ・ランペルージの、初代ゼロの生涯を』
今の私の言葉に以前ほどの重みがあるとは思えない。
だが、語らせてもらおう。
ルルーシュ・ランペルージの、初代ゼロの生涯を』
こうして語り出したルルーシュの声には今までの高圧的な支配者の面影はなかった。
『私の母、マリアンヌはある日暗殺された。
巻き込まれた同腹の妹、ナナリーは両脚と両目を失い私たち兄妹は人質同然に日本に送られた。
そしてわずか数年で本国は日本侵攻作戦を実行。
私とナナリーは死んだことにされて皇族としての立場すら奪われた。
それから十年、私と妹は一ブリタニア人として生活していた。
一軒平穏な、だがいつ何時暗殺されてもおかしくない日々は生きながらに死んでいるに等しい生活だったよ。
博打だが一度亡命してからコーネリア姉上あたりに取り入って帝位争いに一枚かむことで妹と自分を守れるだけのポストを手に入れようかとも考えた。
だが、私に転機が訪れた。
当時エリア11の総督だった異母兄クロヴィスがシンジュクゲットーの「整地」を実行したその日、私はコードユーザーと呼ばれる不老の超能力者と契約しこのギアスを手に入れた』
巻き込まれた同腹の妹、ナナリーは両脚と両目を失い私たち兄妹は人質同然に日本に送られた。
そしてわずか数年で本国は日本侵攻作戦を実行。
私とナナリーは死んだことにされて皇族としての立場すら奪われた。
それから十年、私と妹は一ブリタニア人として生活していた。
一軒平穏な、だがいつ何時暗殺されてもおかしくない日々は生きながらに死んでいるに等しい生活だったよ。
博打だが一度亡命してからコーネリア姉上あたりに取り入って帝位争いに一枚かむことで妹と自分を守れるだけのポストを手に入れようかとも考えた。
だが、私に転機が訪れた。
当時エリア11の総督だった異母兄クロヴィスがシンジュクゲットーの「整地」を実行したその日、私はコードユーザーと呼ばれる不老の超能力者と契約しこのギアスを手に入れた』
そこからルルーシュが語ったのは黒の騎士団の創設秘話だった。
ギアスや自身の頭脳をフルに使い、如何に自分が黒の騎士団を造り上げていったか、ゼロのマスクや衣装は全部手作りで物凄くこだわって造り上げたこと、ギアスに翻弄されたか、ミレイ会長の思いつきや学園祭のハプニングが如何にくだらなかったか、ブリタニアと戦っていったかを専門的過ぎて理解できないのではないかと思わずにいられない程事細かに語った。
ブラックリベリオンで失敗し、一度は父のギアスでジュリアス・キングスレイという傀儡にされたこと。
偽の弟ロロを当てがわれただのルルーシュ・ランペルージとして生活したこと。
そして記憶を取り戻し再び立ち上がったこと。
シャーリーと言う少女と恋人になるもギアスに翻弄され結局失ったこと。
度重なる戦いの中親友であるスザクと決定的に決裂し、その直後の決戦でフレイヤという核兵器で妹を失ったこと。
最も警戒していた異母兄シュナイゼルの一計により黒の騎士団を追われたこと。
ロロが命を犠牲にしてでも自分を逃がしてくれたこと。
そしてついに直接対峙した父シャルル、そして自身のギアスにより精神体だけになって生き延びていた母が人類の意志を統一し、嘘偽りのない世界を作らんとしていたこと。
ギアスや自身の頭脳をフルに使い、如何に自分が黒の騎士団を造り上げていったか、ゼロのマスクや衣装は全部手作りで物凄くこだわって造り上げたこと、ギアスに翻弄されたか、ミレイ会長の思いつきや学園祭のハプニングが如何にくだらなかったか、ブリタニアと戦っていったかを専門的過ぎて理解できないのではないかと思わずにいられない程事細かに語った。
ブラックリベリオンで失敗し、一度は父のギアスでジュリアス・キングスレイという傀儡にされたこと。
偽の弟ロロを当てがわれただのルルーシュ・ランペルージとして生活したこと。
そして記憶を取り戻し再び立ち上がったこと。
シャーリーと言う少女と恋人になるもギアスに翻弄され結局失ったこと。
度重なる戦いの中親友であるスザクと決定的に決裂し、その直後の決戦でフレイヤという核兵器で妹を失ったこと。
最も警戒していた異母兄シュナイゼルの一計により黒の騎士団を追われたこと。
ロロが命を犠牲にしてでも自分を逃がしてくれたこと。
そしてついに直接対峙した父シャルル、そして自身のギアスにより精神体だけになって生き延びていた母が人類の意志を統一し、嘘偽りのない世界を作らんとしていたこと。
『私はそんな欺瞞に満ちた世界が訪れるべきでないと判断した。
故に覚醒したギアスを使って集合無意識に命じた!
「時の歩みを止めないでくれ」と!
結果的にあの愚かしい父と狂っていた母は、どうせ意識を統一した先で出会えるからと俺たち兄弟を捨てた者たちは滅んだ。
……そして後は狂ってしまった世界を私の統治で正すだけ。
これが私の世界の歴史だ』
故に覚醒したギアスを使って集合無意識に命じた!
「時の歩みを止めないでくれ」と!
結果的にあの愚かしい父と狂っていた母は、どうせ意識を統一した先で出会えるからと俺たち兄弟を捨てた者たちは滅んだ。
……そして後は狂ってしまった世界を私の統治で正すだけ。
これが私の世界の歴史だ』
ルルーシュが鉄華兵団に放った第一のカウンター。
それは今までになく正直に何もかもを話すことだった。
超能力どころか神の領域の力が跋扈するこの地獄変にあって今更超過額のロボットと超能力が同居した出来のいいフィクションとルルーシュの語った物語を一言で断じる者は流石にいないだろう。
それは今までになく正直に何もかもを話すことだった。
超能力どころか神の領域の力が跋扈するこの地獄変にあって今更超過額のロボットと超能力が同居した出来のいいフィクションとルルーシュの語った物語を一言で断じる者は流石にいないだろう。
『さて、恐らく多くの者にとって私が「初代ゼロ」だということは理解いただけただろう。
ここからは本題、私が道半ばで死んだ世界の後継者の見当違いの糾弾に対する答え合わせの時間だ』
ここからは本題、私が道半ばで死んだ世界の後継者の見当違いの糾弾に対する答え合わせの時間だ』
今までの理不尽に翻弄された悲劇のプリンスの顔が一気に傲慢不遜な悪逆皇帝のそれに戻る。
『まず九条マリヤの件に関してだが、君らが知らぬのも無理はないことだがプロトガシャットは元々とある悪漢の手により命を絶たれた九条アリサに支給されていたアイテムだ。
妹の遺した物を真に所持する権利を持つのは姉に他ならない。
この言い分にはほとんどのプレイヤーが納得してくれるものと考えている。
それでもなお私の言葉が足らなかったというのならまた別の場所を儲けて正式に謝罪しよう』
妹の遺した物を真に所持する権利を持つのは姉に他ならない。
この言い分にはほとんどのプレイヤーが納得してくれるものと考えている。
それでもなお私の言葉が足らなかったというのならまた別の場所を儲けて正式に謝罪しよう』
何だか上から目線な態度がはがれないままルルーシュは続ける。
『次にビスマルクとさとうに関してだが、両者ともに大罪人であると断言する!
ビスマルクは人類すべての意志を統一し明日を否定する我が愚父シャルルの計画の賛同者!
私の元居た世界の人類すべてに対する加害者である!
故にビスマルクを討った者は十二分な栄誉を受けるべきであるのだ!
ビスマルクを討った戦士よ!
いかなる殺人も是としない信念を持ち、名乗り出ず、私と出会ったとしてもその事を明かさないというならそれでもかまわないが、一切気に病むことではない!
そして松坂さとう!
先ほどの九条マリヤの話と繋がるが、奴は九条アリサを見殺しにして我が身可愛さから彼女の持ち物を奪って逃げ出した卑怯者だ!
挙句九条マリヤから妹を奪うに等しい蛮行を働きながら浅ましくも私に自身にとって最も大切な者の保護を求めて来た!
ビスマルクの罪と比べれば軽微ではあるが、とても許しておける者ではない!
ほかならぬこの私が!
……もし仮にナナリーがあのフレイヤの炸裂で死なずに生きていたら、今の皇帝の地位すら捨てて何をするか分からないと自覚しているからだ!
嘘だと思うなら枢木スザクに聞いてみろ!
俺は妹の為なら誇張抜きでなんでもするぞ!
松坂さとうも「そういうタイプ」だ!
同類(わたし)が断言する!』
ビスマルクは人類すべての意志を統一し明日を否定する我が愚父シャルルの計画の賛同者!
私の元居た世界の人類すべてに対する加害者である!
故にビスマルクを討った者は十二分な栄誉を受けるべきであるのだ!
ビスマルクを討った戦士よ!
いかなる殺人も是としない信念を持ち、名乗り出ず、私と出会ったとしてもその事を明かさないというならそれでもかまわないが、一切気に病むことではない!
そして松坂さとう!
先ほどの九条マリヤの話と繋がるが、奴は九条アリサを見殺しにして我が身可愛さから彼女の持ち物を奪って逃げ出した卑怯者だ!
挙句九条マリヤから妹を奪うに等しい蛮行を働きながら浅ましくも私に自身にとって最も大切な者の保護を求めて来た!
ビスマルクの罪と比べれば軽微ではあるが、とても許しておける者ではない!
ほかならぬこの私が!
……もし仮にナナリーがあのフレイヤの炸裂で死なずに生きていたら、今の皇帝の地位すら捨てて何をするか分からないと自覚しているからだ!
嘘だと思うなら枢木スザクに聞いてみろ!
俺は妹の為なら誇張抜きでなんでもするぞ!
松坂さとうも「そういうタイプ」だ!
同類(わたし)が断言する!』
そこまで一気に叫び出し、大きく息を吐いたルルーシュは再び画面をまっすぐに見つめる。
『失礼、衆目の前だというのにエキサイトしてしまった。
それから最後に、仮面ライダーの称号に関する話と、私の行動が不自然と言う話だったな。
前者に関しては私が最初の二時間で決めたことだ。
どのみちナイト・オブ・ゼロ以外の全てのラウンズを廃止するつもりだった。
それに代わる親衛隊の称号としてこの場で用意出来る物で一番都合がよかったのは仮面ライダーというだけの話に過ぎない。
それに仮面ライダー本人の、私に支給されたドライバーに宿る超知能アークの許可は取っている』
それから最後に、仮面ライダーの称号に関する話と、私の行動が不自然と言う話だったな。
前者に関しては私が最初の二時間で決めたことだ。
どのみちナイト・オブ・ゼロ以外の全てのラウンズを廃止するつもりだった。
それに代わる親衛隊の称号としてこの場で用意出来る物で一番都合がよかったのは仮面ライダーというだけの話に過ぎない。
それに仮面ライダー本人の、私に支給されたドライバーに宿る超知能アークの許可は取っている』
そう言ってルルーシュは右手に持ったアークゼロワンプログライズキーを見せた。
『そして後者に関しては……一体何が問題なのだ?
全ては過去などと二度と言うつもりはないが、仮に運営に踊らされていようと、その思考や行動を誘導されていようと、重要なのはこのバトルロワイヤルを打破すること!
まさかそのマスクをかぶり、ゼロに成る覚悟を決めたお前が本気で世界を変えようと思ったならばどんな手段でも使うべきだと分からないはずもないだろう?
なにせお前は元の世界にもどったらあのピザ大好き魔女と契約するなりなんなりして我が愚父のアーカーシャの剣をどうにかせねばならんのだからな!』
全ては過去などと二度と言うつもりはないが、仮に運営に踊らされていようと、その思考や行動を誘導されていようと、重要なのはこのバトルロワイヤルを打破すること!
まさかそのマスクをかぶり、ゼロに成る覚悟を決めたお前が本気で世界を変えようと思ったならばどんな手段でも使うべきだと分からないはずもないだろう?
なにせお前は元の世界にもどったらあのピザ大好き魔女と契約するなりなんなりして我が愚父のアーカーシャの剣をどうにかせねばならんのだからな!』
それはゆるぎない事実だろう。
シャーリーに超常の力はない。
ならばこの先世界の破滅に等しいなにかを阻害するために下法でも何でもやるしかないだろう。
シャーリーに超常の力はない。
ならばこの先世界の破滅に等しいなにかを阻害するために下法でも何でもやるしかないだろう。
『改めて宣言する。
我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!
神聖ブリタニア帝国第九十九代皇帝!
羂索たちに代わってこのバトルロワイヤルを支配し裁定する!
キシリュウジンでひみつ道具博物館を攻撃するような事も我が機装兵団を差し向けることもしない。
……だが、お前たち鉄華兵団は私と同じになった。
どんな手を使ってでも願いを叶えんとする者たちも、形はどうあれ私に一度でも協力した者たちを追い詰めたお前たちは間違いなく黒き神を始めとした単体でエリア一つを焦土に出来るプレイヤー……運営すらも冥黒の五道化という肝入りの兵隊を用意しておかなければ安心できほどの強さを持った者たち、私が四凶と呼ぶ者たちとの対立はもう避けられない。
精々我が名を継いだからには死力を尽くして戦い、泥を啜ってでも生き残っておくれよ。
もし途中で私が倒れれば、このバトルロワイヤルにおいて全てを動かす者は君たちなのだから』
我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!
神聖ブリタニア帝国第九十九代皇帝!
羂索たちに代わってこのバトルロワイヤルを支配し裁定する!
キシリュウジンでひみつ道具博物館を攻撃するような事も我が機装兵団を差し向けることもしない。
……だが、お前たち鉄華兵団は私と同じになった。
どんな手を使ってでも願いを叶えんとする者たちも、形はどうあれ私に一度でも協力した者たちを追い詰めたお前たちは間違いなく黒き神を始めとした単体でエリア一つを焦土に出来るプレイヤー……運営すらも冥黒の五道化という肝入りの兵隊を用意しておかなければ安心できほどの強さを持った者たち、私が四凶と呼ぶ者たちとの対立はもう避けられない。
精々我が名を継いだからには死力を尽くして戦い、泥を啜ってでも生き残っておくれよ。
もし途中で私が倒れれば、このバトルロワイヤルにおいて全てを動かす者は君たちなのだから』
そう言って放送が終わる
『いい加減敵しなさいよアンタぁ!』
より早くべちゃっ!と派手な水音がした。
ドアの向こうから中身がまだ入ったドリンクが投げつけられたからだ。
ドアの向こうから中身がまだ入ったドリンクが投げつけられたからだ。
126:その 名は ゼロ | 投下順 | 127:百地希留耶の羨望的皇帝糾弾 |
時系列順 | ||
105:真贋バトルロワイヤルZERO | ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア | |
花村陽介 | ||
イザーク・ジュール | ||
大河くるみ | ||
イチロー | ||
タギツヒメ | ||
糸見沙耶香 | ||
キャル | ||
桐藤ナギサ |