ゲームエリアの一角に存在する、ファーストフード店。
当然この状況で営業しているはずはなく、店内は静まりかえっていた。
その静寂を破り、激しい衝突音が響く。
この場所に配置された参加者が、怒りにまかせて椅子を放り投げたのだ。
当然この状況で営業しているはずはなく、店内は静まりかえっていた。
その静寂を破り、激しい衝突音が響く。
この場所に配置された参加者が、怒りにまかせて椅子を放り投げたのだ。
「ふざ……けんなぁぁぁ!! なんで私が!!」
感情のままに、その少女は叫ぶ。
彼女の名は、新条アカネ。
怪獣をこよなく愛する女子高生であり、おのれの創造した世界を我欲のままにもてあそぶ神である。
彼女の名は、新条アカネ。
怪獣をこよなく愛する女子高生であり、おのれの創造した世界を我欲のままにもてあそぶ神である。
「この姿ってことは、アバターをこの世界で再現できるっていうのも本当なんだろうけど……。
私のこの姿は、別に戦闘用じゃないし! 元の姿で参加させられるのと、ほぼ変わんないわ!」
私のこの姿は、別に戦闘用じゃないし! 元の姿で参加させられるのと、ほぼ変わんないわ!」
今のアカネは、アイドルもかくやという美貌とスタイルを持ち合わせている。
だがそれは、彼女本来のものではない。
彼女が作り上げた世界、ツツジ台で生活するためのかりそめの姿だ。
この姿と彼女の神としての力は、別に紐付けされているわけではない。
アカネが神として振る舞えるのはそこが彼女の生み出した世界であるからで、外見とは関係ない。
つまり、ツツジ台の外でこの姿になったところでメリットは何もない。
強いて言うなら、見た目のよさを活かして男をたぶらかせるくらいだろうか。
だが、それも怪しいものだ。
ツツジ台では全ての人間が自動的にアカネに好意を抱いてくれるため、わざわざ誘惑した経験などないのだから。
だがそれは、彼女本来のものではない。
彼女が作り上げた世界、ツツジ台で生活するためのかりそめの姿だ。
この姿と彼女の神としての力は、別に紐付けされているわけではない。
アカネが神として振る舞えるのはそこが彼女の生み出した世界であるからで、外見とは関係ない。
つまり、ツツジ台の外でこの姿になったところでメリットは何もない。
強いて言うなら、見た目のよさを活かして男をたぶらかせるくらいだろうか。
だが、それも怪しいものだ。
ツツジ台では全ての人間が自動的にアカネに好意を抱いてくれるため、わざわざ誘惑した経験などないのだから。
「あー、ムカつく……。
アレクシス、助けに来てくれないかなあ……」
アレクシス、助けに来てくれないかなあ……」
ある程度落ち着いたのか、行儀悪くテーブルの上に寝そべってアカネは呟く。
彼女が思い浮かべるのは、共犯者であるアレクシス・ケリヴのこと。
自分を神にした超常存在である彼なら、この状況から自分を救出してくれるかもしれない。
一度はそう考えたアカネだったが、すぐに望み薄であると考え直す。
彼女が思い浮かべるのは、共犯者であるアレクシス・ケリヴのこと。
自分を神にした超常存在である彼なら、この状況から自分を救出してくれるかもしれない。
一度はそう考えたアカネだったが、すぐに望み薄であると考え直す。
「そもそも助けられるんなら、最初から私をさらわせないよねえ……。
あいつの性格からして、本当にヤバくなったら自分だけ逃げる可能性もあるし……」
あいつの性格からして、本当にヤバくなったら自分だけ逃げる可能性もあるし……」
自分に都合の悪い結論に、アカネは眉をひそめる。
「なんとか、自分で生き残るしかないか……。
いや、たぶん口で言うほど簡単じゃないんだろうけど……」
いや、たぶん口で言うほど簡単じゃないんだろうけど……」
わき上がる不安をどうにか考えないようにしながら、アカネは支給された荷物をあさる。
すると、ドラゴンの顔をした青い人形が出てきた。
すると、ドラゴンの顔をした青い人形が出てきた。
「はあ? おもちゃなんか、どう使えと……。
いや……違う……?」
いや……違う……?」
当初は不満をあらわにしたアカネだったが、説明書きを読み態度を変える。
この人形は決められた手順を踏むことで巨大化し、パワードスーツとして使えるらしい。
この人形は決められた手順を踏むことで巨大化し、パワードスーツとして使えるらしい。
「ほとんどロボットだけど……。まあ顔は怪獣っぽいから、よしとしておくかあ」
微妙な表情で、アカネは人形を乱雑に上着のポケットへと突っ込む。
「さて、次は……」
彼女が次の支給品を取り出そうと、カバンに手を突っ込んだその直後。
ガラスの割れる音が、店内に響いた。
ガラスの割れる音が、店内に響いた。
「ちょっ、なに!?」
慌てて荷物を背負い、アカネは音のした方に向かった。
◆ ◆ ◆
「うわあ……」
アカネの口から、感嘆の声が漏れる。
彼女が見たのは、入り口の自動ドアを突き破る巨大な生物だった。
上半身は毛皮に覆われ、哺乳類のように見える。
だが下半身に毛はなく、尻尾にいたっては爬虫類のような形状だ。
ついでに、頭には角も生えている。
明らかに、一般的な生物学では説明できない存在だ。
すなわちそれは、アカネにとって「怪獣」だった。
彼女が見たのは、入り口の自動ドアを突き破る巨大な生物だった。
上半身は毛皮に覆われ、哺乳類のように見える。
だが下半身に毛はなく、尻尾にいたっては爬虫類のような形状だ。
ついでに、頭には角も生えている。
明らかに、一般的な生物学では説明できない存在だ。
すなわちそれは、アカネにとって「怪獣」だった。
「ふんふん……。怪獣のデザインとしては、かなり異色だけど……。
これはこれでありだよねー」
これはこれでありだよねー」
弾む声で、アカネは呟く。
その表情は、このゲームが始まって以降もっとも輝いてた。
その表情は、このゲームが始まって以降もっとも輝いてた。
「あー、でも敵だとしたら、戦わなきゃいけないのか。
どうする? そっちがその気なら、私も迎撃せざるをえないけど」
どうする? そっちがその気なら、私も迎撃せざるをえないけど」
ポケットの中のドラゴンを握りしめつつ、アカネは怪獣に言う。
怪獣は反応せず、ただ大きな目でアカネを見つめ続けるだけだ。
怪獣は反応せず、ただ大きな目でアカネを見つめ続けるだけだ。
「戦う気はなさそうだねえ。
じゃあ、私と一緒に行く?」
じゃあ、私と一緒に行く?」
その言葉に、怪獣は少し考えるそぶりを見せてからうなずいた。
「よし! 一緒にがんばろうね!」
心底嬉しそうな表情を浮かべ、アカネは精一杯背伸びして怪獣の肩を叩いた。
◆ ◆ ◆
怪獣……「あのこ」は、アカネを「よくわからない生物」と認識していた。
ただ、何か自分と同じような雰囲気を感じた。
だから、一緒にいることにした。
ただ、何か自分と同じような雰囲気を感じた。
だから、一緒にいることにした。
今の自分がいやで、別の何かになった。
そんな二人が出会うのは、必然だったのかもしれない。
そんな二人が出会うのは、必然だったのかもしれない。
【新条アカネ@SSSS.GRIDMAN】
状態:正常、ハイテンション
服装:学校の制服
装備:青いダイナソルジャー@SSSS.DYNAZENON CHRONICLE
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:生き残る
1:怪獣(あのこ)と一緒に行動する
2:アレクシスになんとかしてもらいたいが、あまり期待してない
参戦時期:第2話終了時点
状態:正常、ハイテンション
服装:学校の制服
装備:青いダイナソルジャー@SSSS.DYNAZENON CHRONICLE
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:生き残る
1:怪獣(あのこ)と一緒に行動する
2:アレクシスになんとかしてもらいたいが、あまり期待してない
参戦時期:第2話終了時点
【あのこ@なんか小さくてかわいいやつ】
状態:正常
服装:なし
装備:なし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、ホットライン
思考
基本:やりたいようにやる
1:アカネと共に行動する
参戦時期:でかつよと出会った後
状態:正常
服装:なし
装備:なし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、ホットライン
思考
基本:やりたいようにやる
1:アカネと共に行動する
参戦時期:でかつよと出会った後
【支給品解説】
- 青いダイナソルジャー@SSSS.DYNAZENON CHRONICLE
ダイナゼノンの中核となる、竜人型ロボ……の色違い。
怪獣が生み出した「あらゆる可能性が混在した世界」に閉じ込められた際、なぜか本来のダイナソルジャーとは別に麻中蓬の手元にあった。
普段はおもちゃサイズだが、本来は「アクセスコード・ダイナソルジャー!」のかけ声で巨大化する。
このロワにおいてはモビルスーツなどの起動鍵と同様、パワードスーツに変化する。
怪獣が生み出した「あらゆる可能性が混在した世界」に閉じ込められた際、なぜか本来のダイナソルジャーとは別に麻中蓬の手元にあった。
普段はおもちゃサイズだが、本来は「アクセスコード・ダイナソルジャー!」のかけ声で巨大化する。
このロワにおいてはモビルスーツなどの起動鍵と同様、パワードスーツに変化する。