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  • 真贋バトルロワイヤル
  • Double-Action Full throttle

真贋バトルロワイヤル

Double-Action Full throttle

最終更新:2025年02月27日 19:30

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だれでも歓迎! 編集
◆


自身の挑発が堪えた様子は全く無い。
無骨な機械人形の仮面で覆われているも、動揺や強がりの類が浮かんでいないとは察しが付く。
ガチリと、左手がディヴァインオレ製の刀身を掴んだ。
引き抜こうにもどれ程の力が籠められているのか、びくともしない。
純粋なパワーなら、自分の方が上な筈なのに。
上機嫌へ水を差され顔を顰めるディケイドに気付いてかいないのか、構うものかと続ける。

「人が俺を愛さなくても、称賛しなくても、認めなくても構わない」

見返りが欲しいから戦っているのではない。
大勢に愛されたいから守っているのではない。
共に生きることを許されたいから、仮面ライダーになったのではない。
拒絶され、恐怖されようと、そんなものは戦いを放棄する理由にならない。

「俺が人を愛し、守れれば、それでいい」

人を守る正義のロボットであれという、000だった頃に与えられた存在意義が根付いている。
共に肩を並べて戦ってくれる、人間の戦友達がいた。
敵だった自分を救い、失恋の誇らしい痛みを教えてくれた女がいた。
ダチにはなれなかったが、命を捨ててでも守りたいと思えた男がいた。
幼き心に正義を宿し、自分を助けた少女がいる。
戦う理由はそれで十分だ。

「……つまんないな、お前」

ボソっと呟かれた言葉は、これまでの先生とはどこか違うものに聞こえた。
それこそ先生が真に隠し続けている本当の顔、とでも言うべきか。
籠められた感情は苛立ちだけではない、だがそれについて深堀りする場合じゃない。

「チッ!また邪魔か…!」

魔進チェイサーの戦意に呼応し、デイパックから大型の物体が飛び出す。
シフトカーにしてドライブ専用装備の一つ、トレーラー砲だ。
他のシフトカー同様に自律行動が可能であり、泊進ノ介の戦友を助けるべく参戦。
運転席部分よりビームを連射し、分身達を引き離す。

「ガラクタがぁっ!」

スクラップにしようと引き金に指を掛けるが、今度は魔進チェイサーが一手早い。
ブレイクガンナーのエネルギー弾で妨害、この隙に突破を試みるも本体と残りの分身が許さなかった。
四方八方より襲い来る刃を凌ぎ、金属同士の衝突音が木霊する。
トレーラー砲にも斬撃が襲い、頑強な車体を動かし弾き返す。

「……っ!」

戦う姿と、魔進チェイサーの声はナーゴにも届いた。
頭領ジャマトが振り回す斧をどうにか防ぎ、時には躱す。
忍者バックル使用時程でないとはいえ、高い俊敏性を持つビートフォームなのも影響したのだろう。
致命的となる一撃だけは回避に成功し続けている。

ライダーとしての戦闘経験はチェイスやデザグラの参加者に大きく劣るも、運動能力は同年代の少女と比べても高い。
加えて指示を受けた2台のチェイサーバイラルコアが、小さな車体で共に戦ってくれるのも大きい。
しかしあくまで死をギリギリ遠ざけているに過ぎず、このままではジリ貧だ。
まして頭領ジャマトは戦闘能力の高い個体、本当ならば今のナーゴ単独で相手取れる敵ではない。

(チェイスさん……!)

だがナーゴの戦意は揺らがない。
ヒーローとして怪人と戦うのは、想像していた以上に恐い。
テレビの中の物語では無い、現実に攻撃されれば痛いし死んでも不思議は無い。
後ろから斧で斬られた時の痛みはフィクションじゃない、もし生身のままだったら命を落としていた。
改めて自分が殺し合いに巻き込まれたと実感を抱き、最初に感じたのと同じ恐怖がぶり返す。

だけど、恐い以上に今自分はチェイスに言葉を届けたい。
彼が何を思って戦っているのかを、彼自身の口から聞いた。
多くは語られなくても、籠められた想いが嘘じゃないとは分かる。

「だから……あなたに勝ちます…!」

伝えたい言葉を届かせるには、立ち塞がる壁を突き破るしかない。
これまでのように演奏だけでは倒せず、敵の力は自分よりも上。
故に思い出す、ずっと前から大好きなヒーロー達ならこんな時どう戦うか。
多くの技を持っていても毎回同じ攻撃をしているのではない、時には工夫を凝らして勝利を掴むのも重要。

考える間にも頭領ジャマトは止まらない。
銀色のミニカー達を蹴散らし、ナーゴ目掛けて斧を投擲。
持ち主の意思一つで爆発させる事も可能な武器だ。
嘗ての宝探しゲームで脱落となったライダーと同じ末路が、幼い少女にも降り掛かろうとしていた。

『FUNK BLIZZARD』

終われない理由があるから、己に迫る死を自力で跳ね除ける。
ビートアックスの調律装置を操作し、弦を掻き鳴らす。
激しい音を出すだけがこの武器の全てでは無い。
調律装置によって音にそれぞれ異なる属性を付与し、攻撃に利用出来るのだ。
ギターの音色と共に冷気が放射、斧を凍結させ爆発を防いだ。

「やった…!」

目論見が上手くいったのを喜ぶのも束の間、頭領ジャマトが怒りの声を上げ突進。
得物を失おうと素手で十分、未だ健在の脅威にナーゴも急ぎ腹部へ手を伸ばす。

『REVOLVE ON』

時計回りにドライバーを回転し、レイズバックルの位置を反転。
するとナーゴ本体にも変化が起きる。
全身が宙へ浮かび、可動フィギュアのように変形。
上半身から下半身へと装甲の部位を変え降り立った。
デザイアドライバー共通の機能を使い、脚部に拡張装備を展開。
頭領ジャマトが突き出す拳へ合わせ、ナーゴも蹴りを放つ。

打撃同士の衝突に打ち勝ったのはナーゴ。
蹴りと同時に脚部のスピーカーから大音量を放ち、音圧を乗せて頭領ジャマトを吹き飛ばした。
反撃を受けジャマト語の悲鳴を上げる敵から視線を外し、自分の体を見下ろす。

「え、あ、あたし今なんか凄いことになった気が…あっ、それよりも…!」

装甲部位を変えた時、どう考えても人がやっていい動きじゃなかったと思うがそれどころではない。
頭領ジャマトが何かを叫びながら立ち上がり、再度襲い掛かって来た。
聞いた事の無い言語だけど、恨み言の類だろうとは流石に分かる。
敵の接近を阻もうと二台のチェイサーバイラルコアが突進。
援護へお礼を言いながら再び腹部へ手を伸ばす、ここが決着のタイミングだ。

『REVOLVE ON』

『BEAT STRIKE』

装甲を上半身に戻し、変形と同時にレイズバックルを操作。
鍵盤を弾いた後、ディスクのスクラッチを経て必要なエネルギーを充填。
胸部スピーカーから大量の音波状エネルギーを発生させ、ビートアックスに纏わせる。
切れ味の強化が済んだら直接ぶつけるのみ。
疾走するナーゴに敵が気付いた時にはもう遅い、煌びやかな刃が胴体を駆け抜けた。

「はぁ…はぁ…か、勝てました…!…あれ?」

背後では苦戦させられたNPCが、ジャマトの言語で絶叫し爆発。
肩で息をしながら勝利を噛み締め、ふと地面へ奇妙な物が落ちているのが見えた。
こんなものはさっきまで無かった筈、不思議に思い拾い上げる。
が、これについて深々と考えるのは後。
優先するべきは今も戦っている彼の方である。

『METAL THUNDER』

駆け出しながらビートアックスを掻き鳴らす。
先程とは違うエレメンタルを付与し、電撃を伴った音を放つ。
冷気よりも範囲が広く、複数人のディケイドを巻き込み痺れさせる。
憎たらし気に睨み距離を取った破壊者達へ怯まず、仲間の元へ駆け寄った。

「チェイスさん!大丈夫ですか!?」
「果穂…すまない、助かった」
「いえ!チェイスさんがミニカーさん達を送ってくれたおかげで、あたしも勝てましたから!ありがとうございます!」

少々苦し気だがチェイスは無事。
礼を口にすると、彼が寄越した二台のミニカーも持ち主の元へ戻る。
だがまだ一番言わなきゃいけなことを伝えていない。

「さっき、チェイスさんが言ったこと…あたしにも聞こえました」

たとえ人から拒絶されようと構わない。
人からの愛を得られずとも、自分は人を愛し守る。
大声で叫んだのではない、悲痛な声色でもない。
だけどこれまでに話したどの言葉よりも、譲れないものが秘められてると思えた。

「チェイスさんにとって一番大事なことなんだなって、そう思ったから、だから…」

悲しい決意だと思わなかった訳ではない。
けれど彼を突き動かす最も大きな理由なら、チェイスという存在を形作る信念なら。
それは間違ってる、もっと違う考え方はできないのかなんて言いたくない。
彼にとって譲れないその正義を、自分の正義で否定したくなかった。

「だからあたしはっ!チェイスさんが一人で頑張り過ぎて倒れないように、傍で支えたいって思いますっ!」

彼がヒーローとして人を守るのなら。
自分もヒーローとして、何よりアイドルとして彼を助ける側になりたい。

ヒーローを応援する側から、応援されるアイドルになった。
ヒーローに勇気をもらう側から、ファンに勇気を与えるアイドルになった。
ライブで、ショーのステージで、或いはファミレスに立ち寄った日常でも。
果穂ちゃんのおかげで元気がもらえたと、そう言ってくれる人達がいたから。
苦労も辛い経験も時にはあるけど、全部背負って選んだ道を突っ走ろうと心から思えた。

ヒーローとしてもアイドルとしても、まだまだ駆け出しなのは否定できない。
けど、手を伸ばしたいと思った気持ちはきっと嘘じゃない。
だから大変な道を進む彼の心に、少しでも元気をあげられるのなら。
恐怖を乗り越えてでも戦おうと、強く決意できた。

そして、まるで少女の宣言に呼応するかのように、一つの力がロイミュードの掌に収まった。

これはチェイスに与えられた最後の支給品。
見覚えがあるがしかし、己が使う機会は生前一度も訪れなかった代物。
自分に今以上の力を齎す、なのに龍騎の時も今も使用を渋った理由は一つ。
敵味方関係無く猛威を振るうリスクの存在、守るべき人間を逆に傷付けるなどあってはならない。

「……果穂」

だがそのリスクは、使用者の精神次第で乗りこなせるものでもあった。
先程までのチェイスなら、使うのに大きな抵抗を感じただろう。

「先に謝らせてくれ。俺は、お前の強さを見誤っていた」

なれど考えを変えたのは、彼が守ると決めた幼い少女の言葉。
今でも守るべき対象と見ているのは変わらないが、もうそれだけじゃない。
破壊者を前にして怯まず、守られるだけではいられないという覚悟。
自分の知る人間達と同じ強さを間近で見せられた以上、今更臆してなどいられない。

果穂は誰かに言われてでは無い、れっきとした己の意思で戦うと決めた。
ならば次はこっちの番だ、自分を支えると言ってくれた彼女に恥じない戦いをするまで。

「……変身!」

『NEXT DRIVE SYSTEM DEAD HEAT』

仮面ライダーにではない、彼女の仲間としての変身を行う。
赤い車と白いバイク、二つが一つになったシフトカーを装填する。
ブレイクガンナーの機能は、魔進チェイサーへの変身や武装の展開だけではない。
プロトドライブのシステムを組み込まれている為、シフトカーやシグナルバイクの情報も読み込める。
故に、此度はドライブとマッハの力を魔進チェイサーの新たな能力として行使。
電子音声が告げるは、正史では存在しなかった戦士の名。

紫のボディを染め上げる、炎の如き真紅。
魔進チェイサー・デッドヒート。
ロイミュードの王、ハートへ対抗すべく開発されたシフトデッドヒートの力を引き出した形態。
仮面ライダーではなくとも、人類の守護者として破壊者を打ち倒すべくここに変身を果たす。

「チェイスさんそれって…凄いです!パワーアップして、カッコイイですっ!」

目を星のように輝かせる少女を見る。
自分の心を強く動かした、もう一人のヒーローを。

「果穂、お前の覚悟は確かに聞き届けた。ここからは――」

無茶をするな?それは間違っていない。
改めて守らせて欲しい?それも正解。
しかし今本当に言わねばならないのは違う。
彼女の決意に応える為の言葉は――

「一緒に、戦ってくれ」
「――はいっ!」

『SET』

頭領ジャマトが落としただろう、赤いレイズバックルを装着。
会場に配置されたNPCは倒すと稀に何らかのアイテムを落とす。
まるでゲームのようなルールが今回は果穂の助けとなり、見事引き当てた。
バイクのパーツを思わせるハンドルを捻り、炎を噴出させナーゴの姿が変化する。

「もう一度、変身っ!」

『DUAL ON』

『BEAT&BOOST』

下半身へ纏う新たな装甲。
膝、足首、大腿に装備されたアーマーから伸びるは、バイクのマフラー。
デザグラで数多くあるアイテムの中でも、特にレアなブーストレイズバックルだ。
これも主催者の狙い通りか、或いは果穂の持つナニカが引き寄せたのかはさておき。

『READY FIGHT』

反撃の用意は整った。
ヒーロー達と破壊者、相容れぬ善と悪の最終ラウンドが幕を開ける。

「…っとにつまんないなぁ!お前らは!!」

粗暴な口調は自身が隠した■■を引き摺り出されたが故か。
本体の合図と同時に分身達が殺到。
標的が多少姿を変えて二人に増えただけ、正義だなんだと馬鹿げたものをいつまで口にできるのか。
余裕を口にしようとするも、ささくれ立った内心までは誤魔化せない。

「ここからは、あたし達で先生を止めてみせます!」

『BOOST TIME』

ハンドル部分を二度捻り、変身時以上の火炎を噴射。
全身に力が漲ったのは気のせいじゃない、変身中の能力を大幅に強化する破格の機能だ。
敵が真正面から来るなら、こちらも真っ向勝負で勝ってみせる。
脚部のマフラーが炎を吐き出し、ナーゴの走力が爆発的に増加。
ディケイドの元へあっという間に到達、懐へ潜りこむや否や両手を振り被った。

「テメ…!」

横薙ぎの刃はエレキギター型の拡張武装、ビートアックスによるもの。
胸部を走った斬撃に遅れて痛みが追い付き、堪らず呻くディケイドへ今更動揺はしない。
続けてビートアックスを振るうも、そう何度も食らうものかと敵も反撃。
刃同士の激突に打ち勝ったのはディケイド、やはりパワーではナーゴが劣る。

たたらを踏んだナーゴの立て直しは待ってやらない。
このまま斬り刻んでやろうとし、だが剣を振るった先に敵の姿は見当たらなかった。
どこへ行ったと周囲へ視線を向けるより早く、死角からの敵意に肌が泡立つ。
慌てて飛び退くも完全には避けられず、左肩を痛みが襲う。
小娘如きが自分に傷を付けるなど、全く持って気に入らない。
他の分身をこちらに向かわせ、複数同時に刃がナーゴへと襲来。

「させん…!」
「ごが…っ!?」

凶刃を届かせまいと、守りし者の拳が叩き込まれた。
顔面直撃のストレートは本体のみならず、分身数体を纏めて殴り飛ばす。
小賢しい真似に出た相手への怒りは刃に乗せ、無事だった分身3体が斬り掛かる。
これを魔進チェイサー、ブレイクガンナーと左拳の打撃で迎え撃つ。
スパイクが刀身を叩き、拳が斬撃を押し返す。
互いの得物をぶつけ合いすぐにディケイドは気付いた、先程よりも一撃が重いと。

数で勝るのは自分の方だが、魔進チェイサーは拳を突き出す度に威力が上昇。
遂にはライドブッカーで防いで尚も殺し切れない衝撃と、装甲越しに炙られるような熱が叩き付けられる。
一度怯めば立て直される前に隙へ入り込み、三体の破壊者へ殴打の嵐を放つ。
ライドブッカーを使い防ぐも拳は重く、体勢が崩れるのを抑えられない。
真紅の光が迸った鉄拳が直撃し、とうとう分身の1体が消滅へ追いやられた。

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

たかが一体倒した程度、何の痛手にもならない。
しかし不快感は感じているのか、2体同時にカードを乱雑に叩き込む。
次元エネルギーが解放され、小癪なヒーロー気取り共を殺す道を形成。
レーザーを放った時と同じだ、一枚一枚を駆け抜ける度に威力を強化し必殺の技へと昇華。
分身達がカード状の道を疾走し刃の到達まで後僅か。

『FUNK BLIZZARD』

『TACTICAL BLIZZARD』

そのほんの少しの猶予さえあれば反撃は可能だ。
インプットトリガーを押し、音に宿ったエネルギーを刃に掻き集める。
頭領ジャマトを凍らせた時以上の力で以て、破壊者を迎え撃つ。
ビートアックスを豪快に振り回し、より広範囲へ冷気を撒き散らす。
ナーゴへ刃が届く寸前、分身は両方共に凍結し奇怪なポーズの氷像へと早変わり。

「もう一度いきます!」

『ROCK FIRE』

『TACTICAL FIRE』

動きを止めたなら、次に何をするかは決まっている。
付与するエレメントを氷から炎に変更。
火炎を纏った刃が氷像を叩っ斬り、一瞬で溶かし消滅。

「ク…ソが!」

『ATTACK RIDE BLAST!』

短時間で分身を半数消され、残るディケイドは3体。
怒りを隠そうともせずに、銃撃強化のカードを勢い良く装填。
複数に増えた銃口が睨み付けるのは当然ナーゴ。
しかし肝心の光弾が発射される機会は訪れなかった。

『TUNE CHASER BAT』

『GUN』

『EXACTLY!』

重低音が二つと陽気な声が一つ。
電子音声が告げたのは、魔進チェイサーが重武装を行ったこと。
右手にはブレイクガンナー、右腕にはレーザーニードル発射武器ウィングスナイパー。
そして左手には沢神りんなの発明品の一つ、トレーラー砲を装備。
本来は両手持ちを想定しているが、現在の魔進チェイサーなら片手で扱える。

ディケイドの光弾を超える数のエネルギー弾が殺到、マゼンタ色を覆い隠す。
ただでさえ本体よりも耐久性が低い分身に、これ程の銃撃を耐える手立てはない。
為す術なく弾幕の餌食と化し、一斉掃射が止んだ時にはもう影も形も見当たらなかった。
分身は残り1体、流れは確実に自分達が掴んでいると実感を抱く。

「っ……!」

が、突如として魔進チェイサーの動きが止まる。
苦し気に短く呻き、自分の体でありながら別の何者かに支配権を奪われた感覚。
全身に走る熱も急上昇し、思考が焼き切れん程の熱さが襲う。
異変は彼の仲間と敵、両方の目にもしかと見えた。

「ハッ!何だよ、カッコ付けといてもう限界か!?」

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

敵にとってのアクシデントは自分にとっての朗報。
大口叩いておきながら結局はこうなる。
嘲笑を聞かせながらライドブッカーに次元エネルギーを収束、数度目になるカード状の道を出現させた。
もう一人のガキが何か言ってるが聞く価値もない戯言だ。
心配で駆け寄るつもりなら、二人纏めて馬鹿な的にしてやる。

「チェイスさん…!」
「っ!問題…ない…お前の覚悟を聞いたなら…俺も乗りこなすだけだ…!」

膨大な熱が支配せんと侵食する。
壊せ、目に映る者全てを壊せ、ただ殺し尽くせ。
己に宿った信念とは真逆の破壊衝動が蝕み――鋼の如き意思で捻じ伏せる。

通常形態の仮面ライダードライブを上回る攻撃性能の強化形態、それがシフトデッドヒートの力だ。
反面、一定時間が経過すると制御不能な状態に陥り、周囲へ無差別に襲い掛かる欠点を持つ。
しかしこの大きなリスクは決して乗り越えらえない壁に非ず。
一度は迷走から喪失した自信を取り戻し、デッドヒートを完全に乗りこなした詩島剛のように。
チェイスもまた、自分を支えると誓った少女の決意に恥じぬよう、果穂の覚悟に応えるべく己が試練を突破。
剛に続きデッドヒートの力を我が物へ変えたのである。

『EXECUTION BAT』

こうなれば最早恐れるものはない、怯み後退する理由はどこにもない。
ウィングスナイパーを飛行形態に変え、背部へと装着。
自身を狙うレーザー相手に逃げも隠れもしない、真っ向より蹴りを放つ。
加速の勢いに加えデッドヒートの影響もあり、破壊者の光線を掻き消し突き進む。
強化ブーツが装甲を貫き、遂に全ての分身が消滅。

「クソがっ!お前らは本当に…!!」

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

本体の苛立ちは最高潮に達する。
戦闘を有利に進めていたのは自分、なのにこれは何だ。
ヒーローだ正義だと、殺し合いを理解できてないような戯言に追い詰められている。
人と化け物が手を取り合い、自分はそんな三流芝居の踏み台か?
冗談じゃない、こんなものは望んだ光景に掠りもしない。

ディケイドライバーが最後のカードを解放し、再び破壊の為の道を生みだす。
ディメンションキック、威力を高めた蹴りを放つシンプルながらディケイドを代表する技。
他のライダーの力は用いないが、現在使えるカードの中では最も強力。
嘗てのライダー大戦時の数倍のキック力を、必殺の技に昇華し叩き込むのだ。
小娘一人と機械人形一体を破壊するのに、十分な凶器だろう。

「チェイスさん!あたし達も一緒に…!」
「ああ…!」

なれど退かない、悪が目の前にいるのならヒーローは逃げない。
破壊者の強さは身に染みて理解している。
しかし肩を並べて戦う者が、住まう世界も種族も何もかもが違おうと。
断ち切れない信頼を結んだ仲間がいるから、負ける気がしない。

『BEAT BOOST GRAND VICTORY』

『フルフルデッドヒート大砲!』

二つの炎が迸る。
邪悪を断つ刃へ、邪悪を撃ち抜く弾丸へ。
善を踏み躙る破壊者を決して逃さぬ、英雄達の正義が力となる。
視界を焼き、胸の奥へ奥へと閉じ込めた感情を炙り出す熱さ。
それがどうしようもない程に心を掻き毟る。
ディケイド、否、先生、否否、■■■■■を苦しめたあの焔とは違う。

復讐よりずっと熱い、人の持つ輝きが『嫉妬』すらも焼き潰した。

「がああああああああああああっ!!!」

吹き飛び、地面へ叩き付けられても終わりじゃない。
数度のバウンドを経て学園の壁をぶち破り、それでようやく止まった。
衝撃で外れたベルトが足元に転がるのも、気にする余裕が無い。
ディヴァインオレの装甲でも防げない痛みに苛まれる。

いいや痛みはどうでもいい、どうせすぐに治る。
たった一つしかない命を後生大事にする、ちっぽけな虫けらとは違うのだ。
体の痛み以上に、精神を焼く熱さの方が余程忌々しい。

『先生』の姿を使って遊ぶ気だったが、こうも舐められては予定変更。
怒りが冷静な判断を奪い去り、目の前の連中に借りを返す方を優先しろと叫ぶ。
その為に変身するのはディケイドじゃない、自分の本来の力であり嫌悪する姿。
アレにならねばならないストレスも纏めてぶつけようとし、

「――あ?」

目の前に現れたカードに意識を割かれた。
ディケイドライバー共々足元に落ちたライドブッカーから、見慣れぬ数枚が飛び出たらしい。
反射的に掴んだカードを眺め、訝しく思うのも数秒。
ややあってこの不可思議な現象の理由を思い出す。

(ああそういや……こいつの力を取り戻す方法だかってのが書いてたっけ)

ディケイドライバーの説明書をペラペラ捲った際、失われたライダーの力を使う方法も記されていた。
正直意味不明の単語も多かった為流し読みだったが、見事に一つを取り戻したということか。

「チッ、まあいいや。何かシラケちゃったし」

いざ殺すタイミングで水を差され、怒りを削がれてしまった。
ただここで『あの姿』になるのは早計と考え直す程度には頭も冷え、一旦は殺意も引っ込める。
何より仕込みは済んだ、後は連中が勝手に踊って混乱を引き起こすのみ。
高みの見物と洒落込むか、もう少し色々と爆弾を投げ込むか。
自分がどう動くかはその時の状況次第。
この場で戦闘を続ける気も薄れており、長居する理由も見当たらない。

「はあ、ダッル…変身」

『KAMEN RIDE KUUGA!』

『FORM RIDE KUUGA DRAGON!』

萎えた気分を前面に出し、手に入れたばかりのカードを二枚続けて読み込む。
纏うのはマゼンタ色の装甲ではない。
赤い鎧から青へ、頭部にはクワガタを思わせる角。
両目も鎧に合わせて変色した戦士の名は仮面ライダークウガ。
ディケイドを象徴する能力、他世界のライダーへの変身を行いこの姿になった。
瓦礫を蹴飛ばしながら外へ戻ると、案の定ナーゴ達は驚きを隠せない。

「さっきと全然違う見た目です…!あれも、先生が持ってるベルトの力なんですか!?」
「分からん、あんなライダーは俺も初めて見る」

シフトカーを使うドライブや、ロックシードなる錠前を使うアーマードライダー。
記憶にある戦士達は専用の装備を使って強化形態になったが、敵はベルト以外丸っきり別のライダーになっている。
ディケイドが持つ力は未だ未知数、ここから先は更なる激戦になってもおかしくはない。

と、すっかりやる気になっている二人を鼻で笑う。

「熱くなってるとこ悪いけど、私はここらで退かせてもらうよ。君達も覚悟しておくと良い。私に手を出したと知れば、生徒達も黙っていない。
 アハハハハハハ!キヴォトスを敵に回して、無事で済むとは思わないことだ!」
「待て…!」

制止の声を振り切り跳躍。
校舎の屋根へ飛び乗り、続けて付近の建造物へと移動。
先生が変身中のクウガは別名ドラゴンフォームと呼ばれる、スピードとジャンプ力に特化した形態。
耐久力を削ぎ落とし抜群の身軽さを発揮、屋根から屋根へと跳びあっという間に遠ざかる。
愛用のバイクがあれば追跡も可能だが、無い物ねだりに過ぎず。
結局ディケイドの逃走を見送るしかなかった。

「先生…行っちゃいました……」

ここで止めるつもりで戦ったのに、当の相手には逃げられる始末。
苦い終わりだが切り替えるしかない、戦うべき相手は先生一人ではないのだから。
相手の話が真実だとすれば、自分達はキヴォトスの関係者を敵に回したらしい。
先生同様の性根の持ち主達なら、確実に戦闘は避けられないだろう。

ともかく無事生き延びた以上は、これからどうするかを考えねばなるまい。
変身を解いたチェイスに倣い、果穂も生身へと戻る。
そこでようやく、見慣れないバックルを使っているのへ首を傾げた。

「お前の支給品には無かった筈だが、どこから出て来た?」
「これはさっきの…頭がこう!なってる怪人さんが落としたみたいです!」

頭領ジャマトの頭部の形状をジェスチャーで伝え、改めてブーストレイズバックルを見やる。
あの時はチェイスと共に戦うことで頭がいっぱいだったけど、これを使った時は自分の体とは思えないくらい速く動けた。
ヒーローのパワーアップアイテムというやつだろうか、さっきの赤い装甲になったチェイスと並んだのを思い出す
「カッコよかったなぁ」と仲間の姿にまたもや胸が熱くなり、無意識の内にかハンドルを持つ手に力が籠る。

『BOOSTRIKER』

「ひゃっ!?な、何か出ました!」

偶然の操作で現れたのはブーストレイズバックルの拡張武装。
バックルと同じ色が特徴のバイク、ブーストライカーに驚くのは一瞬のこと。
思いもよらぬギミックへ興奮が高まる。

「か、カッコいいですっ!ジャスティスレッドと同じ、ヒーローの赤です!」
「そうか?……そうか」

考えてみればドライブの装甲も赤なので、ヒーロー=赤の図式は間違っていないのかもしれない。
ふと呑気なことを考えるも、バイクが手に入ったのは好都合だ。
移動時間を短縮できるし、追跡や撤退時の足にも使える。
何より機械の自分と違い果穂は疲労も溜まる、徒歩以外の移動手段はあって困らない。

「だがこれには問題がある。ヘルメットが一つしかない」
「…あっ!た、確かにそうです…これだとあたし達二人でバイクに乗れません……」
「ああ、ノーヘルは人間の定めたルールに違反している。恐らく霧子達がいても同じ事を言う筈だ」
「えっ?どうして霧子さんが…あ、チェイスさんの仲間の霧子さんですね!」

一瞬アンティーカの幽谷霧子が婦警姿になっている絵面が浮かんだが、すぐ同名の別人と勘違いに気付く。
他の者がいればそんな場合かよと言われるだろうけれど、二人にとっては大真面目だ。
果穂の好きな特撮ヒーロー達だって、変身前はヘルメットを被ってバイクに乗っている。
ヒーローを目指す者として自分だけルールから外れて良いものだろうか。

「そういえば、チェイスさんって免許は…」
「免許は既に習得している」

免許はあった。

その後、悩みはしたが非常事態なのもあって仕方ないという事で話は落ち着いた。
人間以上の耐久力を持つ自分よりはと、ヘルメットは果穂が被ることに。
アッシュフォード学園に留まり、参加者の来訪を待つのも一つの手。
しかしやって来るのが友好的な者のみとは限らず、今の戦闘を聞きつけ危険人物が訪れるのも考えられる。
よってここを離れるのを選択、問題はどこへ向かうかだがチェイスには気になる施設があった。
久留間運転免許試験所。
特状課のオフィスの設置場所兼、仮面ライダードライブの活動拠点。
主催者がどこまで内部を再現してるかは不明だが、地下にドライブピットがあるのか確かめておきたい。
流石にトライドロンは無いだろうがしかし、念の為にも見て損は無い筈。

果穂の知る施設としては、自身の所属する283プロの事務所がある。
気にはなるし、偽物と分かっていても殺し合いで利用され良い気分にはならない。
もし自分以外のアイドルやプロデューサーも巻き込まれていたら、彼女達が行くかもしれないと目的地に希望しただろう。
とはいえ実際には283プロの関係者は自分一人、その為現状の優先度はそこまで高く無かった。

目的地は決まり、後は道中で協力できる参加者の捜索も並行して行う。
現状の最優先は仮面ライダーガッチャード。
人柄については最初のやり取りを見る限り信用出来る。
加えて彼はルルーシュから提示されたターゲットの一人、最悪の事態になる前に見付けておきたい。

バイクに乗り込み、果穂が自分の腰に手を回すのを確認しエンジンを吹かす。
ライドチェイサーではないマシンだ、独自のクセには早急に慣れておかねば。
マフラーが火を吹き発進、闘争の場となった学園を後にした。

運転に集中しつつも、チェイスには先の戦闘でずっと疑問があった。
何故先生は自分がロイミュードだと知っていたのか。
特状課や警察関係者は一人も参加しておらず、ロイミュードは自分しかいない。
一体どこから情報を手に入れた。

(……まさか。いや、有り得なくはないのか?)

可能性の一つとしてふと思い浮かぶ。
参加者にチェイスを知る者はゼロ、だが他の方法で殺し合いに関われる存在に心当たりがある。
それは仮面ライダーとロイミュード共通の宿敵、蛮野天十郎が参加者の支給品という形で島のどこかにいる可能性。
クリム・スタインベルト同様、蛮野は人間の肉体を失いデータ化した意識のみの存在だ。
チェイスの記憶通りならブレンが管理していたタブレットから、ゴルドドライブのドライバーへ意識を転送している。
つまりブレイクガンナーや果穂のデザイアドライバーのような変身道具として扱われ、誰かに支給されたんじゃあないか。
先生が自分の正体を知っていたのも、どこかで蛮野が支給された人物と遭遇し話を聞いたから。
或いは先生に実は蛮野が支給されていたとも考えられる。

確実にそうだとは言えない。
しかし消滅した自分のコアを復活できるなら、蛮野の意識を復元するのだって不可能ではない筈。
仮に本当に蛮野がいるならば苦戦は免れないだろう。
ゴルドドライブの力はもとより、あの男の悪辣さはよく知っている。

龍騎や先生、そして因縁深い狂気の科学者。
主催者以外にも立ちはだかる壁は多く、自分達が巻き込まれた事件の重大さに改めて身が引き締まる思いだった。


【エリアG-4/アッシュフォード学園近辺/9月2日午前6時00分】

【小宮果穂@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
状態:疲労(中)、ダメージ(小)、乗車中
服装:私服(いつもの)
装備:デザイアバックル&コアID(ナーゴ)&ビートレイズバックル@仮面ライダーギーツ、ブーストレイズバックル(2時間使用不可)@仮面ライダーギーツ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1、ホットライン
思考
基本:ヒーローとして皆を助けますっ!
01:新米ヒーローですが、チェイスさんと一緒に戦いますっ!
02:先生は本当は殺し合いに乗ってる人だったんですか…?
03:仮面ライダー…本当にヒーローがいたなんて凄いです…!
04:どうして283プロの事務所まであるんでしょうか…
参戦時期:不明。少なくともW.I.N.G.の優勝経験あり。
備考

【チェイス@仮面ライダードライブ】
状態:ダメージ(中・メカ救急箱の効果で回復中)、運転中
服装:紫のライダースジャケット(いつもの)
装備:ブレイクガンナー&チェイサーバイラルコア@仮面ライダードライブ、シフトデッドヒート@仮面ライダードライブ、ブーストライカー@仮面ライダーギーツ
令呪:残り三画
道具:トレーラー砲@仮面ライダードライブ、メカ救急箱(使用回数4/5)@ドラえもん、ホットライン
思考
基本:人を守り、殺し合いを止める
01:守るべき人間として、共に戦う仲間として果穂と行動。
02:久留間運転免許試験所へ向かう傍ら、協力可能な参加者を探す。
03:先生や学園都市キヴォトスの関係者を警戒。
04:蛮野もこの島にいるのか?
参戦時期:死亡後。
備考
※制限により重加速は短時間で強制的に解除。連続使用は不可。


◆◆◆


「ったく、いきなり萎えさせてくれるよアイツら……」

ビルの屋上にて悪態を吐くのは、破壊者の仮面を脱ぎ捨てた参加者。
自らを先生と名乗りチェイス達と一戦交えた男。
だがその情報は誤っており、ここにいるのはそもそも先生ではない。

確かに羂索達が始めた殺し合いに、先生と呼ばれる参加者はいた。
外の世界からキヴォトスにやって来た大人。
生徒たちの間で起こる様々なトラブルを解決した、シャーレの先生が。
尤も、先生はラウ・ル・クルーゼの放送を聞く前に殺し合いから脱落。
本来であればチェイス達と会える訳が無い、何より本物の先生なら彼らと戦闘に発展もしなかった。
殺し合いに抗う者同士、心強い仲間になれただろうが所詮はたらればだ。
大人の義務を果たそうとした『彼』は、嫉妬の罪を冠する怪物の手で葬られたのだから。

「ま、すっかり騙されてたのは笑えるけどさぁ」

くつくつと笑いを漏らす、先生の皮を被った別のナニカ。
フラスコの中の小人が創った四番目のホムンクルス、エンヴィー。
それこそがチェイス達を襲った先生の正体である。

「アンタも運が悪いよなぁ先生?大事な生徒達のことはなーんにも教えなかったってのに、全部無駄になっちまったよ!」

最初に先生を見付けた時の印象は、如何にもチョロそうなお人好し。
別にいきなり殺しても良かったが、ある程度情報を引き出せば後々の遊びに使えるだろうと考えた。
そこで自分の知る人間、リザ・ホークアイ中尉に変身し接触。
以前ラストがマスタングの部下相手にやったのと同じ、女相手なら向こうの口も幾らか緩むだろうというのが理由の一つ。
後は因縁のある人間への嫌がらせもそれなりにあった。

と、お互い名乗り情報の開示に持ち込めたまでは良い。
問題はエンヴィーの予想と異なり、先生は強かさと鋭い観察眼を持ったかなりのやり手だったこと。
昼行燈のような雰囲気の癖して生徒に関する情報はロクに明かさず、却ってこちらがボロを出しそうになった。
その内エンヴィーの方が先に面倒になり殺害を決行。
先生も当然黙って殺されるつもりは無く、ディケイドライバーを使い抵抗を試みた。
なれど今回は相手が悪かったのだろう。
お父様と呼ぶ創造主の下で、百年以上もの間汚れ仕事を担当して来たのがエンヴィーだ。
剣に変えた腕に貫かれ、一手遅れたと先生が理解した時には全てが後の祭り。

『――――』

彼が最期に何と言ったのか。
生徒に向けてか、だとすれば特定の個人か、それとも関わった生徒全員にか。
何であれ伝えたかった相手には届かず、耳へ入れたのは殺害者であるエンヴィーのみ。

「しっかし羂索だかクルーゼだか、どっちでも良いけど意地が悪いよねぇ」

取り出したホットラインを起動し、表示された名簿に目を通す。
同じ世界出身で並べた名前が載っている、他の参加者の名簿はそうだがエンヴィーは違う。
名前をタッチすると、その参加者に関するプロフィールページに切り替わったではないか。

何故エンヴィーは、先生が明かさなかったキヴォトスの生徒達の情報を持っていたのか。
何故チェイスの正体が人では無くロイミュードだと知っているのか。
その答えこそ、支給品の一つとしてダウンロードされた特殊名簿。
参加者全員の簡易なプロフィールが見れる機能が、手元にあったから。
学園都市キヴォトスのどの学校所属かまで、ご丁寧に書かれてあるのを見た時はつい吹き出したものだ。
生徒の名前を迂闊に出さないよう先生は気を付けたのだろうが、しかし、

「全くの無駄な努力ご苦労さんってね」

一足先に脱落となった先生を鼻で笑うエンヴィーだが、簡易プロフィールだけでは把握出来なかった情報もゼロではない。
例えば先の情報交換の際、捜索中の人物として名前を出した梔子ユメ。
名簿によれば彼女もキヴォトスの学生らしく、なら先生とも浅くない関係の持ち主だろうと判断した。
だが事実は少々異なり、先生が赴任した時には既に故人となっている。
名簿にはそれらの旨は書かれていなかった為、勘違いも無理はなかった。

「行き先は…結構離れてるじゃん。次の放送までに間に合うのかよこれ」

先生の姿で暴れてキヴォトス関係者の悪評を流すのは楽しい。
同じく先生に変身したまま、生徒達に会って遊んでみるのも悪くない。
彼女達が集まりそうな場所と言えば、ここから北東にあるアビドス砂漠だろうか。
特に小鳥遊ホシノや黒見セリカ、梔子ユメにとっては出身校があるエリア。
高確率で向かうだろうが、次の放送が始まる前に彼女達と接触できるかが問題。
定時放送で先生の死が発表されれば、その時点でエンヴィーの変身は意味が無くなる。
放送後に生徒達と会ったとて、動揺は誘えるにしても偽物だとすぐに見破られるのは間違いない。
先生の姿で遊べるのはこの6時間限定だった。

(こいつを使うのも手か?)

支給品袋の中を覗き込み、先生に与えられたアイテムを瞳に映す。
ピンク色に塗りたくったドアは、22世紀のひみつ道具。
参加者でもあるドラえもんが、タケコプターと並んで使用頻度の高いどこでもドアだ。
これを使えば行きたい場所名や、会いたい人物のいる所と言うだけで即座に移動可能。
但しドラえもんが元々使っていた時と違い、一度の使用毎に時間を置かねばならない制限が付けられている。
それに好きな場所へ一瞬で行けるというのは、エンヴィーからしても相当な利便性。
使うタイミングはもう少し考えてからでも損は無いと、そう思わなくも無かった。

一先ず目的地はアビドス砂漠で決まった。
道中で先生と、ついでに仮面ライダーの悪評も振り撒いておく。
ディケイドに変身し被害を出していけば、参加者間で仮面ライダー=危険の図式が自ずと完成。
ガッチャードや先程の二人組など、善側のライダーにとっては望ましくない光景が出来上がる。
一応もう一つのメリットとして、戦闘を重ねればその分ディケイドの力も増していく。
クウガのカードが良い例だ、チェイス達との戦闘は意味があったと言えるだろう。

「なーんでこんなめんどい仕様にするかねぇ…」

最初から全部のカードを使わせても良いだろうにと、姿の見えない主催者へ愚痴を零す。

通りすがった世界のライダーと絆を結ぶ、門矢士の時とは全く異なる方法。
殺し合いを加速させる効果も期待出来ると、ライダーカードの仕組みに手を加えたのかもしれない。

不満は消えないがメリットゼロでもない。
正義を気取った連中が徐々に追い詰められ、守ろうとする相手に狙われる。
そんな愉快極まる光景が見られるならば、多少の重労働は許容してやってもいい。
さっきの二人組もいずれは――

「……」

想像した傑作と言える光景から一転、つまらない三文芝居を思い出す。
現実を見れていない、鋼の錬金術師のような甘ったるい戯言を吐くガキ。
自分と同じ怪物のくせに、人を守るとほざいた機械人形。

互いへの敵意も無ければ嫌悪も、恐怖だってない。
抱くのは心を許し合い、背中を預けられる信頼感。
絆と、そう呼べるモノ。

「はぁ……」

人だけが持つ忌々しい輝きを、人ならざる者と分かち合ったあの場面は。

「ほんっとに……つまんないな」

一度滅んで尚も燻り続ける嫉妬/羨望を、腹立たしい程に意識させた。


【エリアF-5/租界エリア/9月2日午前6時00分】

【エンヴィー@鋼の錬金術師】
状態:先生@ブルーアーカイブに変身、疲労(中)、苛立ち(中)
服装:先生の服装
装備:ネオディケイドドライバー@仮面ライダージオウ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~3、どこでもドア@ドラえもん、ホットライン(簡易プロフィール付き名簿@オリジナルがインストール)
思考
基本:好きにやる
01:アビドス砂漠方面に向かい、この姿でこいつの生徒に会って遊ぶ。
02:先生と仮面ライダーの悪評を広める。
参戦時期:死亡後
備考
※先生の支給品はエンヴィーが回収しました。
※ネオディケイドライバーは戦闘を重ねる毎に、一枚ずつライダーカードが解禁されるよう細工されています。
 現在クウガのカードが使用可能です。



【ブーストレイズバックル@仮面ライダーギーツ】
デザイアグランプリの参加者が使用するレイズバックルの一つ。
ドライバーにセットしブーストフォームへ変身可能。
またハンドル部分を二回捻るとブーストタイムが発動し、各種アビリティを数倍強化する。
ブーストタイム発動後はバックルが火を噴き飛び去ってしまう欠点がある。
但し今回はデザグラと大きく形式の異なる殺し合いの為、上記のリスクは発動しない。
その代わりブーストタイム発動後は、2時間変身不可能となるよう制限されている。
拡張武装ブーストライカーの召喚は変身前後で可能であり、こちらに制限は無い。

【ブーストライカー@仮面ライダーギーツ】
上記のブーストレイズバックルの操作で召喚可能なバイク。
戦闘時には召喚したライダーのモチーフに対応した姿へ変形する。
水素を動力源にしており、車体は高い耐久性と運転時の安定性を両立。

【シフトデッドヒート@仮面ライダードライブ】
仮面ライダードライブ及びマッハが使うシフトカーの一種。
ハートに対抗する為に開発された。
変身者の攻撃性能を高めた形態、タイプデッドヒートに変身可能。
一定時間経過で暴走するリスクがあるが、詩島剛のように自力での克服した例もある。

【どこでもドア@ドラえもん】
22世紀のひみつ道具の一つ。
行き先を告げドアを開けると望んだ場所へ行ける。
本ロワでは一度の使用後、6時間使用不可能。

【簡易プロフィール付き名簿@オリジナル】
クルーゼの放送後、エンヴィーのホットラインにインストールされた特殊名簿。支給品枠を一つ消費。
名前欄をタッチすると該当人物の簡単なプロフィールが見れる。
(例:元の世界での所属、種族、どの仮面ライダーや魔法少女・他該当する戦士に変身するか等)。
顔写真などはない。

『NPC紹介』
【頭領ジャマト@仮面ライダーギーツ】
宝探しゲームに現れたルークジャマトの一種。
盗賊ジャマトを率いており、部下想いな一面を持つ。
爆発する手斧が武器。



026:悪の巣窟キヴォトスとはなにか 投下順 027:隠した秘密は■の味
時系列順
小宮果穂 029:波瀾Ⅰ:その戦いはなぜ始まったのか
チェイス
エンヴィー 058:ファントムパレード(前編)

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