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先生…
62 :創る名無しに見る名無し:2011/02/06(日) 12:12:30 ID:jWSbZguh
「先生……」
細く消えそうな哀願を含んだ声。放課後の保健室。カーテンで仕切られたベッド。吐息と微熱で構築され閉ざされた空間。
「先生……お願い…」
再び許しを請う声。だけど、止まらない。
彼女の涙で濡れた瞳そして掠れそうな声、それらは私を冷静にさせるどころか熱を帯びた体を更に火照らせる。
彼女の涙で濡れた瞳そして掠れそうな声、それらは私を冷静にさせるどころか熱を帯びた体を更に火照らせる。
馬乗りになり彼女の両腕を右手で封じる。唇を彼女の胸元からゆっくりと這い上がらせて行き首筋で一舐め。
押さえきれずこぼれる可愛らしい乳白色の息。解っているんだ全部。
押さえきれずこぼれる可愛らしい乳白色の息。解っているんだ全部。
「こんなの…ダメだよ……先生…」
彼女の声はもう私にはほとんど聞こえない、制服の彼女と触覚と単細胞生物。単純化された思考、原始の営み。
左手をスカートのなかに潜り込ませようとしたその時だった。
左手をスカートのなかに潜り込ませようとしたその時だった。
「湖の……鳥たち…夕焼けが……焦がしたクッキー」
彼女の呟き……聞き覚えのある言葉、何か聞いたことのある……。
「収穫祭を悲しむ……少女」
……そうだ、これは、私の好きな詩集の一節だ。いつだったか彼女に読んで聞かせてあげた……。
思い浮かぶ彼女の笑顔。私の肩にもたれ掛かり幸せそうに聞き入る彼女の笑顔。
思い浮かぶ彼女の笑顔。私の肩にもたれ掛かり幸せそうに聞き入る彼女の笑顔。
もう彼女を拘束する力は失せていた。
「………ごめん」
「先生……」
「先生……」
彼女の上に倒れる。
「……ごめん……ごめん」
「もう……大丈夫です」
「もう……大丈夫です」
強く抱き締められる。白くて細くてか弱い腕、子犬みたいに震える胸。
それでも私は身をあずけて泣いた。
それでも私は身をあずけて泣いた。
彼女の腕のなかでまるで少女のようにいつまでも泣き続けた。
【END】