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「少女機甲録・イナバが大陸奥地に送られるようです・4

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ティアーナは遠くから響く轟音と振動によって目を覚まし、仮眠ベッドから飛び起きると即座にM1A1の開けっ放しの
後部ハッチへとタラップを駆け上った。
いつでも発進出来る様、機体は待機状態にしているし、パイロットスーツは着たまま眠っている。
常在戦場の心がけは海兵隊の基本であるし、ましてやここは敵地である。
休んでいてもいつでも戦闘体制に入れるよう訓練を受けているのだ。
ハッチを閉じ、ヘッドマウントディスプレイを装着したティアーナはすぐにM1A1と、リンクしているコンテナ外周に設置した
幾つかの監視装置から送られて来る情報をチェックする。
3重にコンテナを取り囲んだ監視装置および地雷は、その幾つかが信号を送ってこない状態であることをモニターに表示させていた。
これは、接近した何物に破壊されたか、動作不具合が起きたことを示す。

「15~28番まで監視装置の信号途絶。 A6~A11までの地雷、作動。 
……でも変ね、赤外線にも電波にも生体センサーにも、ワームらしき影は捉えられてない。
地雷は作動したのに、動いてるものも無い。 地雷にひっかかったんじゃなく、爆破処理された?
以前アグレッサー訓練で意地の悪い教官にそんな事をされた事があったわね」

野営地の周辺に設置した地雷を一つ一つ遠距離からの精密な狙撃によって爆破して全て解除。
訓練生たちは何事があったのか、と警戒するが、それ以上は何も無い。
翌晩も、同じ事をする。 そこでもまだ教官たちは何も仕掛けてこない。
本命はその次の晩で、こんども地雷を爆破してくると思って警戒していた訓練生たちの裏をかくように
静かに接近してきた教官たちは地雷を音も無く解除し、奇襲を仕掛けてきたのだ。

ワームたちにそのような高度な心理戦を挑んできたというような報告事例は無い。
しかし新たに一つ、監視装置がまた信号を送ってこなくなった。 さらに、また一つ。
正体不明の敵は、どう考えても監視装置を発見しこれを排除しているのだ。

「地雷に引っかかるだけならともかく、監視装置を潰しているのは明らかに意図的なものね。
ドローンや無人偵察機をタイプG・タゲスが破壊する事は今までもあったけど、それはあいつらの「飛行するものを襲う」
っていう習性だからだし、タゲスは鳥でも飛行機でも、中~低高度を飛んでるものは何でも撃ち落すわ。
でも、他の地上型ワームが監視装置なんかの機械を識別し、破壊するっていうのは前例がない……
新型・新種でも出てきたかしら?
なんにせよ、監視装置にひっかからない様に行動できる時点でただのワームじゃない。
直接出ないと、監視装置を全部破壊されるだけで単なる損だわ。

装備変更。 両肩装備をAGM-114L 180ミリ誘導弾ならびに150ミリ誘導弾CKEMに。 Mk-14ブラストトーチは予備の1本を追加。
UICW用予備マガジンを一つ、マーカーペイント弾装填のものを追加」

ティアーナの音声入力によってコンテナ内部の整備アームが稼動し、M1A1の装備を交換していく。
換装作業そのものは40秒で完了。 コンテナの扉を開放し、ティアーナの駆るM1A1はまだ明けぬ夜の暗闇の中に飛び出して行った。

…直後、M1A1は激しい猛火に晒される。

「ぐっ!? ちょ、何これ何処から撃ってきたの!? 全然反応無かったし射撃地点不明ってどう言う事よ。
……足を止めたら不味いわね。 煙幕用意! 発射! 一気に突っ切る!!」

アクセルペダルを踏み込むと同時に音声入力でM1A1に煙幕発炎筒を発射させ、撹乱しながらジグザグにランダムに走って回避行動を試みる。
しかし、針弾や生体ロケットの弾着は正確にティアーナのM1A1を追尾していた。

「正確な射撃……こっちを完全に補足しているわね。 その割りに射撃地点が掴めない……。 うん?
どういう事よ。 普通これだけ撃ってくれば対砲迫レーダーで発射地点を計測して予測が可能なはず……。
いったいどれだけ長距離からこっちを撃って来てんの? 着弾観測はどうやってんのよ、それらしき偵察タイプすら
レーダー上には検出されない。
タイプF・カルキノスだって擬態による透明化は可能でも熱センサーに引っかかるの……に……」

回避を続け、M1A1を走らせ、地面を蹴り、起伏を飛び越えながらティアーナは思索する。
妙だ。 奇妙すぎる。 こっちのレーダー・センサー範囲外の長距離から砲撃してきたとしても、着弾までの時間差がある。
こんなにもこちらのランダムな回避走行を正確に追尾して着弾地点の迅速な修正ができるわけはない。
明らかに敵はこっちを直接捉えて射撃できる距離にいる。
にも関わらず、レーダーにもセンサーにも影すら引っかからないというのは……。

「UICW、榴弾、超信地旋回しつつ360度全周射撃!! ファイア!!」

ティアーナは素早く音声入力すると同時にアクセル・ブレーキペダルと左右の操縦グリップを巧みに操作し
その場でM1A1の脚を踏み替えつつ見事なステップで一回転し、40ミリ榴弾を周囲に向けてばら撒いた。
着弾した榴弾は炸裂し、周囲に鉄の破片を撒き散らす。
そして、表示されるHMDの視界の中に、確かに「手ごたえ」があった。

至近から破片を浴び、傷つき体液を噴出し身悶える、しかしモニター上ですら「透明」な、確かにそこに居る何かが。
そこには何も居ない筈なのに、榴弾の破片によってついた傷と流す体液だけが見えている。
だがそれも、次の瞬間にはモニターから消えて透明に戻った。

「見つけたぁ!! 距離1100、CKEMロックオン……不能! ちっ、無照準で打ち込む。 ファイア!!」

高速ミサイルが闇夜を照らす猛烈な炎の尾を引いて飛翔し、一瞬とはいえモニターに姿の痕跡を晒した敵に
必殺の致死の槍となって襲い掛かる。
果たしてそれは……命中!! 突き刺ささり炸裂したミサイルの弾頭が、モニター上に今度こそ明らかな、
ミサイルの炸薬と燃料の燃える熱分布とコントラストになって浮き上がる、その透明な敵のシルエットを映し出していた。

胴体の三分の一が弾け飛び、炎に全身を包まれて倒れ伏すその透明な敵。
しかし、その姿すら次の瞬間またも「透明」化し、モニター上から消えて周囲は何も動くものの無い地形だけが表示される。

「っ!? ミサイルの爆発で生じた炎ごと消えた!? ……そうか、擬態による透明化じゃないのね。
今までに無かった新型。 タコのバケモノにこっちのシステムを理解する知能があるなんて思っても見なかったけど、
ぐっ!! 後ろか!!」

突然背後から襲った衝撃に、ティアーナは呻く。
やはりレーダーにもセンサーにも反応は無いが、M1A1を後ろから襲って組み付いているのは紛れも無く、
今倒したばかりの敵と同様の「ワーム」だ。
タイプAのような格闘戦用に対応した脚を備えているらしく、M1A1の右腕、胴体、両足に脚を絡ませ圧し掛かりつつ締め上げてくる。
変則コブラツイストで四肢を無理矢理引き千切るつもりのようだ。

「そうは……いくかっての!!」

ティアーナはM1A1の左腕に装備したブラストトーチ、HAET弾頭と同様のモンロー効果によって対象の装甲を貫通し
内部にメタルジェット噴流を叩きつける「白兵武器」を背後のワームに向けて叩きつけた。
M1A1に圧し掛かってくるほどの大きさを持つそのワームもブラストトーチの一撃を食らえば流石にただでは済まないのか、
トーチの先端部弾頭の炸裂と衝撃にひるみ、絡めていた脚を離して離脱する。
だがすかさず、ティアーナはUICWにペイント弾を装填し未だ「見えない」ままのそれに砲弾を撃ち込んだ。
特殊塗料によるペイントは、付着した対象の位置をモニター上にマーカーとして表示させる。
見えるようになった敵に対し高速徹甲弾を再装填、砲弾を1マガジン分たっぷり撃ち込んで撃破した。
その死骸もまた、モニター上から消える。

「…戦術データリンクシステム、カット! こっちの監視装置や地雷との情報リンクから割り込んできて、情報を改竄して
表示上では『透明』になった様に見せかけていたってわけね。 頭足類のくせに高度な電子情報戦をしかけてくるじゃない!!」

果たして、ティアーナの推測したとおりデータリンクが切断されると邪魔の入らなくなったM1A1のセンサーは
正常に機能して、撃破した2体のワームのまだ炎を上げている死骸をモニター上に表示させる。
だが、今度は画面にノイズが走り、レーダーと幾つかのセンサーに機能障害が生じた。

「データリンクに割り込めなくなったら、今度は単純にECMによる撹乱か。
強力な指向性電波を浴びせられたら電子機器が破壊される恐れもあるし、厄介に進化してくれちゃってること!
でもね、ECMってのは電波を目標に照射するわけだから、発信源を探知すんのは容易いのよ!?」

M1A1の肩に装備されたもう1種類のミサイル、AGM-114Lのケースが稼動し保護していたミサイル弾体を露出させる。
45度の仰角を向いて発射されたミサイルはゆるい弧を描いて飛翔し、2km先の電波発信源に向かって突入、着弾した。
自分から目立つ電波を発していたのだから、回避の仕様がない。
突き刺さった弾頭が炸裂すると同時に、その電子戦型ワームもモニター上に姿を現した。
大きな胴体の上面部左右に盛り上がったコブを持つシルエット。 明らかに、今までに見たことの無い新型だった。
そして、炎に包まれながら8本の脚を崩れさせ、支える力を失って地面に這い蹲るように伏す。

これで3体のワームを倒した。 だが、まだ正確な砲撃を加えてきたワームが残っている。
ティアーナは赤外線センサーで周囲の地形の熱分布を捜査。
電子戦型を倒したおかげで今度は隠れているワームをすんなり発見する事が出来た。
地面に穴を掘り、半ば以上体を埋めるようにして隠れていた2体のワームは自分たちが発見された事を悟ると
足を踏ん張って立ち上がりM1A1の前に姿を現した。
1体は先ほど倒した2体と類似点が多く確認できる同タイプ、もう1体は、これもやはり初めて見る新型だ。
M1A1の両肩の二種類のミサイルが、同時に発射される。
だが、ワームのうち前者は胴体正面から針弾を発射して高速ミサイルを迎撃、もう1体である後者は
ミサイルをギリギリまでひきついておいて、俊敏なバックステップで回避する。
そして同時にニ方向から反撃を開始してきた。

針弾を発射するほうの新型ワームは正確な射撃でティアーナの操るM1A1の回避走行を補足し、ついに肩部に命中弾を与えた。
タイプBの針弾よりも太く、貫通力を増したその1発1発は、M1A1の複合装甲板を容易に貫き肩関節を破壊する。
ティアーナは舌打ちして毒づいた。

「20ミリ機関砲に耐える装甲でも紙と同じか。 なんて威力、伊達に新型じゃあないわね。
胴体に1発でも食らったらゲームオーバーだわ」

ジグザグ走行に加えてアクセルとブレーキを巧みに操り、緩急をつけた回避行動を続けながらUICWで走行間射撃を試みる。
何発かは命中したが、撃破には至らなかったようだ。 向こうも装甲を強化している。
ティアーナも先ほどのように至近から40ミリ機関砲弾を叩き込まなければ有効打にはなるまいと分析した。

一方、もう1体の新型は張り出した胴体側面部に開いた複数の生体ロケット発射腔から十数発のロケット弾を放つ。
直接照準射撃とは言えやはり狙いは正確で、しかも従来のタイプDのものよりロケット弾の飛翔速度が速い。
M1A1の脚部が、回避し切れなかったロケット弾の破片によって多少の損傷を受けたことを示すモニター内表示がされた。

「それぞれタイプA「スキュラ」・タイプB「ヒュドラ」、タイプD「オルトロス」の発展改良型か。
どっちも厄介だけど、タイプD改良型は懐に飛び込んでしまえば対処できなくはないわね。
先にタイプA・B改良型を……うわっと!!」

突如、ティアーナは驚愕の叫び声を上げてM1A1を横っ飛びさせて新型ワームの攻撃を回避した。
直進あるいは曲射弾道しか描けないはずの生体ロケット弾が、M1A1を追尾し空中で軌道を変えてきたのだ。
そのロケット弾は飛翔速度こそ比較的遅いものの、米軍のTOWミサイルと同程度の追尾性能は確実に有していた。
それを、ティアーナのM1A1はすんでの所でかわす。

……化学反応による燃焼で推進する生体ロケットの後尾部には、細い糸の様なものがくっ付いて伸びていた。

発射地点で8本の脚を踏みしめている新型ワームはロケットと自身を繋いでいる細い糸を切り離すと、
自分の体の左右にある発射腔の内部に次のロケット弾を自己生成した。
右に8個、左に8個の計16個の直径120ミリ程度の発射腔全てに急成長したロケット弾が満たされると、即座に
発射腔から煙を上げてロケット弾は発射される。
それら全ての後尾部から、細い神経糸がくっ付いていた。
新型ワームの感覚器官で捉えられた目標の位置情報から、神経糸でロケット弾に指示を送り目標が移動すれば
噴射方向を変えて随時軌道を修正、追尾する。
新型ワームが有していたのは、通常型高速ロケット弾と有線誘導型ミサイルの、武装切り替え機能だったのだ。
16発の生体誘導ミサイルがM1A1を襲う。 とても回避しきれない。
ティアーナは悪あがきのように右腕に装備しているUICWの40ミリ機関砲をミサイルに向け、迎撃を試みた。
着弾。
M1A1を爆音と土煙が包み込み、機士の姿は見えなくなった。
だが、2体の新型ワームはその感覚器官でしっかりと捉えていた。 M1A1の熱反応と、モーターの駆動音が消えて居ないことを。
土煙の中で膝を付いて身を隠し、反撃の態勢を整えているのを。

「……左腕部完全破損。というか肩の付け根から脱落。 まあ楯代わりにしてミサイル受け止めさせたら、
吹っ飛んでなくなるわね当然の話として。
胴体部装甲表面破損、内部に損害無し。 脚部破損、12%の速度低下、走行機能に異常なし。
左腕部の欠損の影響による機体重心バランスの再調整は自動で設定中…あと4秒。
右腕部ならびに武装、機能異常無し。 残弾、徹甲弾28発、榴弾14発、ブラストトーチ1本、戦闘続行可能。
ただし、本来なら撤退が最善の損耗状態だわね。 撤退ったって、こんな大陸奥地でどこに撤退するんだかって話しだけど。
あーあ、ここはイオージマかってーの。 ジリ貧なのに孤立無援で援軍は二日も先、逃げる事も出来ないし
目の前の敵を倒すか玉砕以外に道はなし、ってあたしゃ旧ジャパン軍か。

まあ愚痴吐いてもしょうがない。
ファッキン糞オクトパスフィッシュ野郎をぶち殺してその死体に星条旗ぶち刺して立てるのが海兵隊流よ。
細切れにされてサシミのテンプラにされる覚悟はいい? あたしは出来てる」

操縦室内でティアーナは牙をむき出しにして笑った。
そして、
”It's not 'fire then maneuver.' It's not 'fire or maneuver.' It's 'fire and maneuver.' You move and shoot in this battalion.”
という、1969年にウィリアム・ドラムライト中佐という人物が述べた一文を小さく、呪文のように呟いた。
そして、次の瞬間大声で叫び、M1A1を立ち上がらせた。

「Semper Fi! Gung-ho! Gung-ho! Guuuuuung-hooooooooo!」

M1A1の右腕にマウントされているUICWに装填された40ミリ徹甲弾が重い連射音とともに発射され、
土煙を突き破って新型ワーム達の周囲に着弾した。
撹乱だ。 そう判断したワームたちは、土煙越しの射撃など命中するものではないと考え、動じなかった。
土煙の向こうの存在を、彼らは正確に捉えることは出来ない。 ワームの最も鋭敏で正確な感覚器官である嗅覚は
立ち上る土ぼこりの匂いで麻痺してしまっているからだ。
それよりも、土煙が収まるか、収まる前に飛び出してきて姿を見せるニホンアシヒトデモドキを確実にしとめるべく、
針弾と生体ミサイルの発射準備をして待ち構えていた。
この射撃が終わったらM1A1は一気に飛び出してきて、接近戦を挑んでくるはずだ。
だから、新型ワームのうち格闘戦に対応できる方が、より前へと出ていた。

しかし、射撃が終わるよりも前にM1A1は土煙を破ってワームたちに猛然と突撃した。
射撃はまだ続いている。 ワームたちは混乱した。 M1A1は1体だけだったはずだ。
その仕掛けは単純なものだった。 UICWをフルオートに設定して固定し、正面に向けて自動射撃させた、それだけである。
そしてM1A1本体は、別方向から飛び出して虚を付く。
そもそもM1A1のセンサー類は、土煙程度では妨害されるほど低性能ではない。 煙幕越しでもワームの位置と距離は把握できていた。
ティアーナの操縦するM1A1は走りながら、右手にブラストトーチを構えさせ中世の騎士のランスチャージのように突貫した。
強力な針弾も、格闘用の脚も生かす暇すら与えない。
胴体前面にある針弾発射腔に付きこまれたブラストトーチは内部で炸裂し、新型ワームの肉片を周囲に盛大に飛び散らせ、絶命させた。
もう1体のタイプD改良型は遅ればせながら、M1A1に向けて誘導ミサイルを発射する。
だが、ティアーナはそれを今さっき撃破したばかりのワームの死骸を楯にして、しのいだ。
ワームは急いで次のロケットを体内で生成させようとするが、M1A1の接近する速度の方が速い。
弾倉から取り出した40ミリ榴弾の尻をM1A1の装甲に叩きつけて、起爆信管を作動。
それを、ワームに叩きつける。 炸裂した40ミリ榴弾はワームのうろこ状の装甲表面を融解させ、発声器官を持たない
生物であるワームは叫び声こそ上げないものの、苦痛を感じているのか体をうねらせて悶えた。
そして、それによって生じた傷口にM1A1の拳が突き込まれる。

「”You don't hurt 'em if you don't hit 'em.”(君が奴らを殴らなければ、君は奴らを傷つけられない)
誰の言葉か知らないけど、けだし明言ね。 地獄に落ちろ、ファッキンアスホール」

ブチブチという肉を引き裂く不快な音とともに、M1A1はワームの肉と内臓の塊を掴み出し、引き千切って捨てた。
傷口から多量の体液を撒き散らし、二度三度ほどその巨体を痙攣させると、重い音を立ててワームは腹を地面につけて倒れる。
そして、返り血を全身に浴びた、左腕を失い満身創痍のM1A1がようやく登り始めた弱い朝日を背中に受けて立っていた。




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