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勇者「魔王倒したし帰るか」

登録日:2026/10/06 Tue 06:55:05
更新日:2026/10/23 Fri 15:52:34
所要時間:約 4 分で読めます


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2011年 2ch RPG SS ※主人公です ※主人公の仲間です そして誰もいなくなった なんだよこの展開… アモル アンチRPG アンチテーゼの塊 グロテスク サニタス タイトル一本釣り タイトル詐欺 ダークファンタジー ネモ バッドエンド ファンタジー フォルティス ホラー小説 モンスターより人間の方が、生々しくて怖い…… ヤンチャンWeb リアリティ ループ 人間のエゴ 僧侶 勇者 名作 小説家になろう 後日譚ファンタジー 怪作 悲劇 悲劇の主人公 悲劇の連鎖 悲惨 惨劇 戦士 救いがない 検索してはいけない 検索してはいけない言葉 漫画 理想と現実 生々しい 秀逸な設定 繰り返す歴史 考えさせられる話 英雄譚 英雄譚←現実は非情 読む劇薬 閲覧注意 鬱展開の嵐 鬼畜 魔法使い




ゆうしゃは まおうを たおした
まおうは ゆうしゃに たおされた


王様チィーッス。勇者ですよーっと




勇者「魔王倒したし帰るか」とは『小説家になろう』に投稿されているネット小説である。作者は湯葉。



概要

初出は2011年に2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)のVIP掲示板で投稿されたもの*1と古く、台詞のみの対話型形式を取っているのが特徴。

本編は短く対話型SSという事もあり、かなりあっさり読めるが、
強力なアイテムの副作用や過酷な旅に精神をすり減らしていく勇者パーティの面々、
魔王城に近づくにつれての近隣住民や魔物たちなど動植物への影響などが描かれるなど
アンチRPGの色合いが非常に濃い凄惨かつ重厚な作風となっており、中編ほどの短さとは裏腹に非常に読み応えのある内容となっている。

そのあまりにも救いのない内容から検索してはいけない言葉にも含まれている。

帰還した勇者が語る本編と、魔王討伐の旅が僧侶視点で描かれる「僧侶の手記」の外伝で構成されており、なろう版ではさらなる外伝と後日談が掲載された。
そちらの方では旅の詳細がさらに書かれており、勇者だからと言って簡単に信用しない人間たちなど一種の善悪逆転要素も見られている。

2026年にはヤンチャンWebにてコミカライズが連載開始。漫画版ではタイトルから「勇者」が抜けている。作画は山森森木。
こちらでは勇者パーティに名前と明確なビジュアルが設定された。


あらすじ

ある日、始まりの国に勇者と名乗る男が帰還した。
容姿がだいぶ変わっていた事もあり、最初は疑われたものの勇者の印を持っている事から確かに勇者だと確信。
そして彼が王様に放った言葉は旅の仲間たちは勇者一人を残して戦死した報告だった。

城では勇者の帰還を祝した宴が開かれる。王は冒険の話をして欲しいと急かすが、勇者の口から語られたのは、
魔王討伐の旅路において、綺麗ごとでは済まされない数多くの衝撃の話であった。


登場人物

名前や一部用語などはコミカライズ版より。
  • 勇者 ネモ
よくできました───!! 勇者ポイント あげちゃいます!!

勇者パーティ一行のリーダー。主人公であり、この物語の語り部。
仲間たちが戦死する中で一人魔王を倒して城へと戻ってきた。

旅だった当初はいかにも勇者らしい爽やかな青年だったが、
魔王を倒して帰ってきた彼は汚れと傷だらけの装備を纏った小汚い容姿で無精ひげを生やすなど老け込んだかのような人相となり、
会話の際も人をおちょくってかかった態度となり、人前でも平然と葉巻をふかすなど、うらぶれた雰囲気になってしまっている。

  • 戦士 フォルティス
前に立つのが俺の仕事だしな!

戦士らしい大柄な体格の偉丈夫な男。
パーティにおけるタンク役であり、常に前に出て仲間たちへの攻撃も盾として受け止めていた。
メンバーの中では勇敢且つ仲間想いな性格で時にサニタスをイジるユーモアを見せるなどと、正しく戦士の身に恥じぬ心強い存在だったが…

+ ネタバレ
殺してくれ

ごめんな ネモ…頼む……

勇者パーティ最初の死者。
魔王城周辺で取れる強力な薬草を使った事で、勇者パーティの回復薬は千切れた腕も瞬時に生えるほどの効果を発揮したが、その強力な効果ゆえに副作用も強力であり、盾役として回復薬を多用していたフォルティスは幻覚を何度も見るなど精神を蝕まれていった。
ネモたちが薬の副作用の強さに気付いた時には既に取り返しのつかない状態に陥っており、最終的には髪の毛が抜け落ち常に独り言を喋るようになるなど廃人と化す。
最期は四天王の一人との戦いで身体に致命傷を負ったことで、勇者に向けて自ら「殺してくれ」と懇願する…

なお、姫からは「そんな状態にまでなるなら、なぜ移動用魔法で一旦戻って養生しなかったのか」と問われるが、
この世界の移動用魔法は魔法陣がある場所しか行けない事実上の片道切符であり、魔王城周辺にまで到達した状態でのやり直しは難しかった事情がある。
漫画版では、サニタスを魔物と誤認して斬りそうになったところをネモに止められて正気に戻り、大切な人に武器を向けてしまった自分自身に愕然とする描写が追加されており、心身共に壊れていく絶望が強調されている。

  • 魔法使い サニタス
ボーッとしてると一緒に燃やしちゃうかもね〜〜っ

戦士フォルティスと想い合う仲である魔法使いの少女。
緑色の髪と濃い紫色を基調とした衣装が特徴的でツンデレな一面が多い。
勇者曰く元は温室育ちの箱入りお嬢様であり、パーティの中ではフォルティスやネモから良くイジられ当人もお返しで魔法を用いようとするなどと
非常に微笑ましいムードメーカー的な存在だったのだが…

+ ネタバレ
あなたの握るわたしの手は、あの国で無抵抗の魔物もそうじゃないものも焼き払ったの。

勇者パーティ第2の死者。
戦士の死により精神に異常をきたし、魔物たちの苦しむ声聞きたさに毒や酸の強力な魔法を多く行使するようになるなど、殺人鬼となんら変わりのない状態にまで成り果てていた。
しかも魔物の集落へ向けて率先して放ったために阿鼻叫喚の地獄絵図が絶えなかったという。
具体的には
  • 火炎魔法で魔物を集落もろとも薙ぎ払う
  • 地盤へ穴が空く程の濃度をした酸性魔法で魔物を生きたまま溶かし殺す
  • 集落の井戸や付近の川へ魔法で生成した毒を仕込みわざと苦しませ殺害する
  • 亡骸となった魔物の頭部を無邪気に笑いながら蹴り上げ踏み潰し弄ぶ*2
……等とこれらの戦法で残虐を繰り返す姿は正しく快楽殺人的な狂人と言える。
動機は「(自分たちを含めた)世界の全てが憎かったんだと思う」と勇者は推測している。
死因はフォルティスの後を追っての自殺であり、死の直前に強烈な呪いが込められた血で描かれた絵を残している。現在は当時のアモルの尽力によって解呪されているが、宴の際に持ち帰り紹介したソレを見た時、姫は「人が描いた物と思えない」と恐怖のあまりに涙を流していた。

  • 僧侶 アモル
────神よ 我らを救い給え

僧侶らしく前線向きではない能力の持ち主であり、癒しの魔法を多く使用する。勇者とは相思相愛の仲でもあった。
メンバーの中では非常に仲間思いで心優しい性格だが、その分献身的になり過ぎてしまう心の弱さもある。
原作では実質的な本作のもう一人の主人公であり、生前に旅路の内容と自身の想いを書いた手記を残している。
本編よりも長く、人間不信になりかねない内容なのが特徴。

+ ネタバレ
もう二度と、勇者も勇者の仲間も現れない世界にしてください

勇者パーティ最後の死者であり、その最期も魔王の側近と相討ちになり薬指一本だけを残して*3粉砕された勇者をどうにか蘇生させるべく、
「強引な手」を使う事で自らの命と引き換えに勇者を蘇生させる。わずかに残った「自分だったもの」を勇者に託して。

手記の内容からは彼女の芯の強さが伺えるが、同時に悲痛な叫びを記すなどと狂っていく描写も容赦なく書かれている。

  • 王様
始まりの国の王であり、この物語の聞き手その1。勇者の語る旅の内容に衝撃を受けつつも冷静に受け止めていく。

  • 姫
この物語の聞き手その2。
冒険の旅に思いを馳せる純朴なお姫様であったが、勇者が語る旅の内容の凄惨さに次第に打ちのめされていく。


用語

  • 五つの国
本作の世界観となる人間たちによる国々。
勇者パーティが旅立った地の「はじまりの国」のほか、砂漠や雪などに王国が存在する。
また五つの国と記されているが、これは「はじまりの国」を除いた数え方であり、正確には6つの大国と魔王の支配下を舞台に構成されている。
主な出番は「僧侶の手記」。

+ 各地の概要
  • はじまりの国
主要人物である勇者一行の生まれ故郷であり、RPGにおける最初の舞台。
都市部は一般的な住宅街と王族が住まう城とそれらを囲う防壁で構成され、周囲は草原が広がっている。
都市部の平民達は不自由無く平和的に暮らしているが、その分魔物に対する防衛力や技術力は下位とされており、平野では貧困層が住まう農村が随所に存在している。
他国と比べて物価が安い事も特長だが、その体制故に旅の一幕ではとある選択を強いられる事となり…

  • 砂漠の国
文字通りに広大な砂漠の地帯に位置する国。
宮殿や住宅街のある都市部の周囲は乾燥地帯が広がっており、そこには魔物の集落と化した遺跡やミイラ状の遺体が転がる村の跡地などが存在する。
国の都市部は黒い噂が立っており、何でも王族は女性を食い物にし恩と政権を盾に服従を強要する利己的な方針の他、隣国との戦争を検討しているらしく…?

  • 海の国
海に面した港街に位置する国。砂漠の国の隣国でもある。
活気の良い街並みに反し他国と比べて国営力が低い規模が小さな国で、現に「海向こうの国」との貿易によって豊かな暮らしを保っているとの事。
国は女王1人のみで統治しており、民達からは良く慕われている。
砂漠の国とは貿易が物価の上昇から品薄となっている他、当国の水源豊かな環境から目をつけられている事から関係は険悪。
また外伝作品である「彼女たちの追憶」では、女王が国を統治したきっかけとその後の国の行く末が記されており…

  • 海向こうの国
海の国から出港した先にある大地へ位置する国。
海の国とは交易関係で王女と当国の王は恋仲であるとされていたが、実態は貿易の損害ばかりを意識する上辺だけの関係性。
女王の手紙による勧めで国を訪れた勇者の一行に対しては、保護するどころか逆に王族への詐称と戦争幇助と決め付け拷問紛いの尋問を行う始末であった。
だが後に当国は魔物達からの大規模な襲撃を受けて壊滅的な被害を受け、当時の国王も逃亡途中に殺害されるという因果応報と言える末路を辿った。

  • 魔法の国
雪の積もる寒帯へ位置する国。その名の通りに魔術や薬学へ精通している。
その方面の技術が発達している事から魔法使いや僧侶などの役職や資料が非常に重宝されている。
勇者一行が当国へ入国した経緯は、雨雪が激しい土地の環境に立ち往生した事から一度自殺し見つけて貰った街の人に蘇生して貰うという苦肉の策から。
しかも本作の蘇生魔法は「魔物が原因の死であれば蘇生できる」という性質なので、普通に衰弱死しそうになったので蘇生できるように魔物の毒を飲んで死んだという凄まじいものであった。
これ以外にも一行は複数回死んでは生き返っている。
その入国方法がきっかけで当国の王から巨額な礼金の支払いを命じられる事となり、持ち合わせが少なく母国の経済支援を受けれない勇者はとある条件で契約を結び…

  • 英雄の国
勇者一行が訪れた最後の国。RPG的にはギルドに近しい存在。
名の通りに様々な地域から嘗て魔物を倒し人々を守り救ってきた数多の英雄達が老若男女問わず集う大国で、国営力も技術力も国々の中ではトップクラス。
街は巨大な城壁で守られ国民達が魔物への対処などの知識に精通しており国民一人一人の自衛能力も高い事が特徴的。
ただし国民達は一律して「魔王を恐れ英雄である事を諦め、大義から同志としてただ国を守り民を救うだけ」という自暴自棄な側面が強い。
その事から国王は勇者一行を国民の一員として歓迎する事を提案していたが…

  • 魔物
ファンタジーRPGではお馴染み雑魚敵の皆様。
始まりの国周辺では「あばれイモムシ」や「どくウサギ」など動植物と大差がない魔物が主。
一応食べられるそうだが、下処理の大変さの割に味は微妙。ちゃんと知識がある人たちがいたらマシだったかもしれない。
しかし旅の兵糧に悩む勇者パーティは魔物を食べざるを得ない状況となり…

+ ネタバレ

泣きながら攻撃してきた奴を『殺さないで』と懇願してきた奴を食って 俺達は生きてきた
人食いとなんら変わりねぇ それがあんたらの言う "勇者" って存在だ


魔王城が近づくにつれて知能が上がる特徴を持ち、魔王城周辺に住む魔物は言葉を話し、感情を強く持ち、集落を持つなど
人間と何ら変わりのない種族へと進化していた。
だが、勇者パーティにとってはそんな魔物たちも生き残るために食べざるを得ず、
この話を聞いた王と姫、宴の参加者である国民たちは絶句してしまう。

漫画版では当時の様子が鮮明に描写されており、幼い子供を持つ母親の魔物を両者共に殺害し、
その肉を一行が後悔と悲哀の表情を滲ませながら飢えを凌ぐべく齧り付く凄惨な姿が描かれていた。
また、別の場面ではサニタスが集落で殺戮を働くのをよそに残り二人が遺骸の周りに転がった食料を拾って食べている様子もあった。

  • 超回復薬
RPG作品ではお馴染み且つ必需品であるアイテム。言わば回復のポーション。
ネモが冒険の中で実際に使った一つを持ち帰り宴の際に紹介していた。
材料は魔王城周辺に生えている薬草で、ソレを煮出し抽出した成分を濃縮して精製されている。
その効能は非常に高く、小瓶一本を飲んだだけで切り落とされた腕すらも元通りに再生する程で、身体なら簡単に治せてしまう優れ物だが…

+ ネタバレ
確かに上述の通りに身体ならすぐ簡単に治す事ができる。
ただしその反面に副作用が非常に高く、使用し続けると心や精神を簡単に壊してしまう危険性を秘めている。

作用は作中で確認されている物でもそれぞれ
  • 人を魔物と見間違う程の幻覚
  • 筋肉の弛緩
  • 幻聴
  • 身体中に虫が這いずり回る様な感覚
  • 発作的な行動や発話
  • 毛髪の抜け落ち
……と、生命維持の効果へ見合わない程の症状を複数発していた。

当然ながら、その様な状態が続けば並大抵の人間は廃人と化す程の生き地獄となるが、
フォルティスはパーティの中でも中心となって守り戦い傷を負い続けては必然的に回復薬を使用する為、やがて彼は…




さて、追記・修正したし帰るか

















































「ふぅ……最近は凶暴なニンゲンが増えてきたし、困ったもんだよ……」
「でも、きっとニンゲンの魔王を倒してくれる魔物がいつか……」

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最終更新:2026年10月23日 15:52

*1 このため、まとめブログなどでも掲載されており、そちらでも読むことができる。

*2 漫画版にて描写

*3 おそらく左だろう