登録日:2026/10/06 Tue 01:40:00
更新日:2026/10/06 Tue 02:10:19NEW!
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戦力外通告とは主に
プロ野球において、プロ野球選手が自チームの来季の戦力構想から外れている状態を該当選手に通告することである。
【概要】
プロ野球選手の大半はドラフト会議で指名され入団することになる。しかし、支配下選手の人数は各球団上限が70人と定められているため、ドラフト会議で誰かが入団するということは、既存の支配下選手から次年度以降に契約しない選手を決めて新たな枠を作らなければならないことを意味する。
これが戦力外通告で、一言で言えばプロ野球界の『リストラ』である。
プロ野球選手は成功すれば、一般サラリーマンの生涯年収を一年で稼ぐことも夢ではなく、自分から引退を選択でき華やかな引退試合をしてもらえる…というスター選手が目立ちがちであるが、そんな選手は約800人程度いる支配下選手でも限られたごく一部で、大多数のプロ野球選手はこの言葉からは避けて通れないのである。
【戦力外通告の基準】
1、単純な能力不足(将来性や見込みがなく、使い物にならない)
2、年俸の問題(現状の年俸とチームへの貢献度が見合ってない、俗に言う『コスパ』が悪い)
3、起用法でのキャラ被りが多い(スリム化させる必要がある)
4、自球団では起用が難しいため飼い殺しを防ぐための親心。
の4パターンに分類されるらしく、無論この4パターン以外の原因も存在しており、『本人の心身の問題』、『極端な素行不良』、『コンプライアンスに関わる重大な違反を犯した』など理由は多岐に渡る。
入団して2~3年で戦力外通告を受ける選手も少なくなく、二軍で長らく在籍する俗にいう『
二軍の妖精』という選手も一昔前には少なからずいたが、最近では減少傾向にある。
【戦力外通告を受けると】
球団が戦力外通告を選手に行う時期は、第一次と第二次に分かれており日程は定められている。
第一次は、『
二軍の全公式線終了翌日~クライマックスシリーズ(CS)開幕前日まで』
第二次は、『
CS全日程終了~10月30日まで』
とされている。
戦力外といっても2パターンあり、完全にチームからの退団を余儀なくされる場合と、育成選手への降格を球団から告げられる場合である。育成選手への降格はかつては一軍主力としてバリバリ活躍していたが、現状では怪我で来季の戦力としては見込めない選手に通告される場合もある。
戦力外通告を受けた選手は、現役続行を希望する選手が多いが、戦力外通告を一つの区切りとして引退を決断する選手も多い。
現役続行を希望する選手は他球団からのオファーを待つのが基本線になり、オファーがなければNPBでのプレーは当然できないため、社会人野球に戻る、海外野球への挑戦、一般就労などその後の選手の進路は千差万別である。
12球団合同トライアウトに参加することも可能だが、このトライアウトで結果を残しても、ぶっちゃけ合否にはほぼ関係ないらしく、アピールの場というよりは、プロ野球選手として家族に見せる最後の姿としてこのトライアウトを利用する選手が多い。
そのためトライアウトに参加しない選手も最近は主流になっている。
尚、トライアウトに参加できるのは原則2回まででNPBでのプレー経験があることが条件である。
【戦力外通告を受けた後に蘇った選手】
戦力外を受けても、他球団から支配下選手としてのオファーがあり、そのチャンスを生かして戦力外通告から蘇ってチームの戦力となった事例も少なくない。そんな選手を一部紹介する。尚、現役選手は2026年シーズンに顕著な活躍をした者のみとする。
現役
2020年オフにソフトバンクから戦力外通告を受けるが、阪神が拾い、阪神移籍後も2022年と2023年の2年は貴重な救援投手として活躍し、2023年の阪神38年ぶりの日本一に貢献した。2024年オフに阪神から戦力外通告を受けるが、楽天が拾い、2025年と2026年は2年連続で40試合以上に登板するなど中継ぎとして復活しており、
ゾンビのような驚異的な復活力でプロ野球ファンから驚かれている。
2023年オフにソフトバンクから戦力外通告を受けるが、ヤクルトが拾い、移籍後は出番を大幅に増やす。
2026年は規定打席に到達するなどレギュラーに定着。打率も規定打席ランキングで佐藤輝明、森下翔太に次ぐセリーグ3位(293)に位置しているなど完全にブレイクした。
尚、2023年オフにSBの監督に就任した小久保裕紀は彼の能力を買っており、小久保自身は彼を使うつもりであったことから戦力外には驚かれると同時に残念がられていた。
2022年オフに涌井秀章との
トレードで楽天に移籍したが、チームの若返りのために2025年オフに戦力外通告を受けてしまう。だが手薄な内野手を補強したい中日が獲得を表明し、古巣に復帰。古巣復帰後は代打の切り札としてチームを救う活躍を幾度と見せた。
阪神時代はこれといったセールスポイントがなかったため、2023年オフに戦力外通告を受けたが、中日移籍後は複数ポジションを守れることや打撃が向上したのもあり出場機会を増やし、2026年は6HRを放つなどキャリアイハイの成績を残した。
2025年オフに西武から戦力外通告を受けたが、ライバルの
木浪聖也、
小幡竜平、
熊谷敬宥がチーム弱点である
遊撃のレギュラーを掴めず、更に、遊撃のレギュラー候補として期待された新外国人の
キャム・ディベイニーが
全く使い物にならなかったため、その中では高出塁率を誇ることを買われシーズン後半はレギュラーに定着し、球団初の連覇に貢献した。
OB
1996年オフに横浜から戦力外通告を受けるが、移籍先の阪神では救援投手としてチームに欠かせない存在となり、1997年~2001年まで50試合以上に登板した。特に2000年はリーグ最多の71試合登板、3勝、防御率1,86と圧巻の成績を残した。2002年オフに当時監督であった
星野仙一が試みた
血の入れ替えによる戦力外通告を下記の遠山と共に受けたことで2002年限りで引退。
1997年オフにロッテから戦力外通告を受け、阪神の入団テストに合格。移籍一年目の98年は振るわず戦力外候補であったが、翌年監督に就任した野村克也が『
チームに左投手が必要』と主張したことで首が繋がる。
翌99年は野村に救援投手として見出されて活躍し、当時
巨人の主砲であった
松井秀喜を13打数無安打に抑えたことから『
松井キラー』として話題を呼び、当時のチームが暗黒時代に沈む中、上記の伊藤と共に数少ないチームの光であった。
2001年までは救援投手として活躍したが、2002年に星野仙一が監督に就任すると出番が激減し、上記の伊藤と共に02年オフに戦力外通告を受け同年限りで引退。
ダイエーで主軸打者として活躍していたが、高額年俸や故障もあり、1995年オフにダイエーから戦力外通告を受け入団デストを経て近鉄に入団。1996年のオールスターではMVPも受賞し、96年と97年は二桁HRを放った、1999年は当時無敗を誇っていたダイエーの篠原貴行にその年唯一の負けをつける本塁打を放ち、『これ以上の感動を与えるプレーは無理だろう』と1999年に42歳で現役を引退した。
2002年オフに西武から戦力外通告を受け、金銭トレードでヤクルトに移籍。当時レギュラーだった岩村明憲が故障したのもあり、
三塁のレギュラーとして活躍し、夏場までは首位打者争いをする活躍を見せ、最終的にカムバック賞とベストナインを受賞。翌年2004も規定打席に到達したが、2005年以降はアダム・リグスにレギュラーを奪われ、2007年限りで引退した。
2004年オフに
球団合併を機にオリックスから戦力外通告を受けるが、2005年から楽天が新規参入したこともあり、新監督に就任した田尾安志に誘われ、楽天に入団。田尾や翌年に就任した野村克也との指導もあり、2007年は43HRで本塁打王になるなど不死鳥の如く復活し、黎明期の楽天の主軸打者としてチームを支えた。
とこのように復活した事例もあるが、戦力外通告を受けた選手は悪く言えば『前所属球団から見限られた選手』であるため、増田珠、山崎武司、鈴木健のように戦力外通告を受けた野手が一軍レギュラーとしてバリバリ活躍するというのは稀であり、準レギュラーや代打要員として復活することが多く、投手は先発ローテをバリバリ守るというより、救援投手や敗戦処理もこなす便利屋としてチームを支えるというパターンが多い。
元プロ野球選手の今波隆博氏によると、戦力外通告を受けてから獲得した選手は、自球団でドラフト指名して入団した所謂『生え抜き選手』よりも、愛着や情などがないため切られやすく、生え抜き選手以上に結果を残し続けなければ生き残れないシビアさがあるのは否めないとのこと。
ただ、このような選手の活躍は
FAと違い、自らの意思で球団から出て行ったわけではないので、前所属球団のファンからも肯定的に見られることが多い。
戦力外雇用選手はFA選手や新外国人より圧倒的に低コストで獲得可能であり、円安やマイナーの待遇改善などにより、優秀な新外国人を獲得しにくくなりつつあるため、他球団から戦力外通告を受けた選手は補強策としてどの球団も以前以上に注目&重視されている。
【NPB以外の戦力外通告】
- MLBでは主にDFAと表され、40人枠のロスターから外すことを意味し、選手が海外の球団も含む他球団と自由に契約可能な状態になることを表す。
- Jリーグでは選手が来季の戦力構想に入ってない場合は、翌年の年俸が0円であることから『ゼロ円掲示』と言われることが多い。
- Mリーグでは同一のメンバーで2年連続でセミファイナルシリーズに進出出来なかった場合、そのチームのメンバーを最低1人は入れ替えなければならないため、これが事実上の戦力外通告にあたる。
【その他・余談】
- TBS系列では2004年以降『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』というドキュメンタリー番組が毎年放映されており、好評であったためか20年以上継続している長寿番組となっている。ナレーションは初代が東山紀之、2代目が日野聡、3代目が堂本光一である。家族にも密着することも多いので、出演を拒む選手も珍しくなく、受けるかどうかは当然選手次第である。
- シーズンが終盤に差しかかるとプロ野球ファンの中では、来期の戦力外要員を予想する人もいるが、この予想は不快感を露わにする人も珍しくなく賛否両論である。
追記、修正は戦力外通告を受けた選手を応援してからお願いします。
最終更新:2026年10月06日 02:10