ここは何処だ?
海上都市連合「正統日本」に所属する、旧式の小型海上都市「姫路」。
姫路守備隊、重歩兵小隊の隊長を務めている俺は、今日、一年に一度の実弾訓練を始める直前だったはずだ。
それなのに、何故見知らぬ建物の中にいるんだ。
この異常事態に対する回答を求めようと、「実験は成功じゃあぁぁぁぁぁッ」と狂喜乱舞している白衣を着た老人に話しかける。
「ここは何処だ?」
すると、老人はこちらを向いてこう言った。
「答えてもいいが、その前に君の名前を教えてくれんかね?」
外部音声越しに淡々と、静かに告げる。
「海上都市姫路守備隊重歩兵小隊隊長、清水静(しみず せい)」
それが最初のやり取りであり、全ての始まりだった。
海上都市連合「正統日本」に所属する、旧式の小型海上都市「姫路」。
姫路守備隊、重歩兵小隊の隊長を務めている俺は、今日、一年に一度の実弾訓練を始める直前だったはずだ。
それなのに、何故見知らぬ建物の中にいるんだ。
この異常事態に対する回答を求めようと、「実験は成功じゃあぁぁぁぁぁッ」と狂喜乱舞している白衣を着た老人に話しかける。
「ここは何処だ?」
すると、老人はこちらを向いてこう言った。
「答えてもいいが、その前に君の名前を教えてくれんかね?」
外部音声越しに淡々と、静かに告げる。
「海上都市姫路守備隊重歩兵小隊隊長、清水静(しみず せい)」
それが最初のやり取りであり、全ての始まりだった。
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ クロスオーバー作品
「凄いのお、この重装甲強化服という奴は!調べれば調べるほど奥が深い。噛めば噛むほど味が増すガムのようじゃ!」
「調べるのは構わないが、改造したり余計な真似はしないでくれ」
愛機である三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムに頬擦りしている悪山悪男に注意する。
元々一世代先の四式に近い性能を発揮出来るように、教授の手で改造が施されているのだ。
これ以上弄らないでもらいたい。
「分かった分かった。改造したりせんから、思う存分調べさせてもらうぞい。しかしこいつは本当に凄いのお。
思考制御とコンピュータ補助による操縦、あらゆる探知手段から逃れる遮蔽機能、何より凄いのはこいつに使われている材質よ。
高度複合素材!ダイヤモンドより硬くゴムよりも柔らかい。硬さと柔らかさ、相反する性質を兼ね備えた素材。
並大抵の攻撃ではかすり傷すら付けられん上に、とんでもなく軽量。じゃがそんなものは装甲としての、これの機能の一部に過ぎん!
この高度複合素材そのものが各種センサーであり、コンピュータであり、動力であり、電池であり、発電機であり、装甲でもある。
こいつを思いつき実用化した者は天才じゃな。心底感心するわい。しかもこいつが二世代も旧式の機体というから更に驚きじゃ!」
しばらく眺めていたが、悪山の興奮は治まる所かどんどん高まっていく。その様子に教授の姿が重なり、頭の中が少し痛くなった。
「調べるのは構わないが、改造したり余計な真似はしないでくれ」
愛機である三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムに頬擦りしている悪山悪男に注意する。
元々一世代先の四式に近い性能を発揮出来るように、教授の手で改造が施されているのだ。
これ以上弄らないでもらいたい。
「分かった分かった。改造したりせんから、思う存分調べさせてもらうぞい。しかしこいつは本当に凄いのお。
思考制御とコンピュータ補助による操縦、あらゆる探知手段から逃れる遮蔽機能、何より凄いのはこいつに使われている材質よ。
高度複合素材!ダイヤモンドより硬くゴムよりも柔らかい。硬さと柔らかさ、相反する性質を兼ね備えた素材。
並大抵の攻撃ではかすり傷すら付けられん上に、とんでもなく軽量。じゃがそんなものは装甲としての、これの機能の一部に過ぎん!
この高度複合素材そのものが各種センサーであり、コンピュータであり、動力であり、電池であり、発電機であり、装甲でもある。
こいつを思いつき実用化した者は天才じゃな。心底感心するわい。しかもこいつが二世代も旧式の機体というから更に驚きじゃ!」
しばらく眺めていたが、悪山の興奮は治まる所かどんどん高まっていく。その様子に教授の姿が重なり、頭の中が少し痛くなった。
「馬鹿な、ネクソンクロガネビームが効かない!?」
最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが放った最大の威力を誇る内蔵兵器、ネクソンクロガネビームは悪山の恐竜ロボに傷一つつけられなかった。
以前のようにバリアで跳ね返したのではなく直撃したはずだというのに。
「ふははははっ。どうじゃ、耐光熱防御と防御用振動熱発生機能のパーフェクトな防御力はッ!」
最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが放った最大の威力を誇る内蔵兵器、ネクソンクロガネビームは悪山の恐竜ロボに傷一つつけられなかった。
以前のようにバリアで跳ね返したのではなく直撃したはずだというのに。
「ふははははっ。どうじゃ、耐光熱防御と防御用振動熱発生機能のパーフェクトな防御力はッ!」
「祖父が迷惑をかけて、申し訳ありません」
「いや、別に構わない」
頭を下げようとした金髪碧眼の小柄な少女、悪山エリスを手で制する。
「ちゃんと元の世界、呼ばれたすぐ後の時間に戻してくれるという話だからな。少し長い休暇としか思っていないから、君が謝る事は無い」
「そうですか」
お互い卓袱台に向かい合って、正座で湯呑みの緑茶を口にする。
「清水さんは随分と落ち着いていますね」
「そうか」
「はい」
お茶を飲み終えたのか、エリスは湯呑みを卓袱台に置くと真っ直ぐこちらを見つめてくる。
「清水さん。少しいいですか」
「何だ」
ずずず、と緑茶をすする。
「兄さん、って呼んでもいいですか?」
変わらぬ物静かな口調でエリスはそう言った。こちらに向けられた真摯な瞳に、湯呑みを持ったまま答える。
「君がそう呼びたいなら、そう呼べばいい」
当人にとって余程嫌なものでない限り、どんな呼び方をしようが構わない、というのが自分の考え。
何故彼女が兄さんと呼びたいと言ったのか理由はよく分からなかったが、訊ねようとは思わなかった。
俺が教授を教授と呼ぶのと大差無い理由なのだろうなと、なんとなく思っただけ。
急須から緑茶を注ぎ、再び湯呑みに口を寄せる。
何故か、頭の奥で教授の罵声が聞こえた気がした。
「いや、別に構わない」
頭を下げようとした金髪碧眼の小柄な少女、悪山エリスを手で制する。
「ちゃんと元の世界、呼ばれたすぐ後の時間に戻してくれるという話だからな。少し長い休暇としか思っていないから、君が謝る事は無い」
「そうですか」
お互い卓袱台に向かい合って、正座で湯呑みの緑茶を口にする。
「清水さんは随分と落ち着いていますね」
「そうか」
「はい」
お茶を飲み終えたのか、エリスは湯呑みを卓袱台に置くと真っ直ぐこちらを見つめてくる。
「清水さん。少しいいですか」
「何だ」
ずずず、と緑茶をすする。
「兄さん、って呼んでもいいですか?」
変わらぬ物静かな口調でエリスはそう言った。こちらに向けられた真摯な瞳に、湯呑みを持ったまま答える。
「君がそう呼びたいなら、そう呼べばいい」
当人にとって余程嫌なものでない限り、どんな呼び方をしようが構わない、というのが自分の考え。
何故彼女が兄さんと呼びたいと言ったのか理由はよく分からなかったが、訊ねようとは思わなかった。
俺が教授を教授と呼ぶのと大差無い理由なのだろうなと、なんとなく思っただけ。
急須から緑茶を注ぎ、再び湯呑みに口を寄せる。
何故か、頭の奥で教授の罵声が聞こえた気がした。
「ありがとう」
落とした財布を一生懸命に探してくれた親切な少年に心からの礼を述べる。
「いえ、当然の事をしたまでです」
黒い詰襟制服の自分とあまり年は違わないだろう少年は、凛々しい爽やかな笑顔でそう答えた。
好印象の素晴らしい男だ。うちの小隊に欲しい人材だと、なんとなく思った。
「むっ」
ふと、少年が端正な顔を歪ませる。
「すみませんが急に用事が出来たので、これで失礼します」
「待ってくれ、何かお礼を……」
「困った人を見捨てるなど出来なかった。ただそれだけの事です」
「なら、せめて名前を教えてくれ。俺の名前は清水静。君は」
「俺は田所。田所正男です」
落とした財布を一生懸命に探してくれた親切な少年に心からの礼を述べる。
「いえ、当然の事をしたまでです」
黒い詰襟制服の自分とあまり年は違わないだろう少年は、凛々しい爽やかな笑顔でそう答えた。
好印象の素晴らしい男だ。うちの小隊に欲しい人材だと、なんとなく思った。
「むっ」
ふと、少年が端正な顔を歪ませる。
「すみませんが急に用事が出来たので、これで失礼します」
「待ってくれ、何かお礼を……」
「困った人を見捨てるなど出来なかった。ただそれだけの事です」
「なら、せめて名前を教えてくれ。俺の名前は清水静。君は」
「俺は田所。田所正男です」
自分の事を兄と呼んでくれた少女が連れ去られていくのをただ見ていただけ。
守れなかった。
生まれ故郷である姫路の守備隊。守る為に戦い、命を賭ける事を誓った俺にとって、筆舌に尽くし難い屈辱だった。
最早、手段など選んでいられない。
「悪山さん、頼みがある」
出来る事は何でもする。その為にはまず、
「俺の機体を改造してくれ」
守れなかった。
生まれ故郷である姫路の守備隊。守る為に戦い、命を賭ける事を誓った俺にとって、筆舌に尽くし難い屈辱だった。
最早、手段など選んでいられない。
「悪山さん、頼みがある」
出来る事は何でもする。その為にはまず、
「俺の機体を改造してくれ」
黒雲が空を覆い雷鳴が鳴る大都市で、巨大な人型ロボットと恐竜型ロボが共に敵の大軍団を相手に戦っている。
敵の数は途轍もなく多い。だが、決意と覚悟は微塵も揺るがない。
全高3mの機体には、悪山に製造してもらった弾丸が詰まった予備弾倉がこれでもかと取り付けてある。
「行くか」
足底の自在車輪が最大出力で唸りを上げ、地形に合わせて自在に形状を変化させる。
三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタム悪山改は全力でローラーダッシュしながら、25mm重機関砲の砲口を敵へ向ける。
次から次へと放たれた25mm振動熱徹甲榴弾は敵を塵すら残さず消し飛ばし、あるいは急所を射抜き、確実に一撃で葬っていく。
向かう先、立ち塞がる者は全て等しく排除する。プログラムされた機械の如く正確精密冷徹な戦闘。
その恐ろしさを理解した数少ない敵は戦慄した。あれは鬼神だと、触れてはならないのだと否応無く理解してしまったのだ。
触れ得ざる者。
敵の数は途轍もなく多い。だが、決意と覚悟は微塵も揺るがない。
全高3mの機体には、悪山に製造してもらった弾丸が詰まった予備弾倉がこれでもかと取り付けてある。
「行くか」
足底の自在車輪が最大出力で唸りを上げ、地形に合わせて自在に形状を変化させる。
三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタム悪山改は全力でローラーダッシュしながら、25mm重機関砲の砲口を敵へ向ける。
次から次へと放たれた25mm振動熱徹甲榴弾は敵を塵すら残さず消し飛ばし、あるいは急所を射抜き、確実に一撃で葬っていく。
向かう先、立ち塞がる者は全て等しく排除する。プログラムされた機械の如く正確精密冷徹な戦闘。
その恐ろしさを理解した数少ない敵は戦慄した。あれは鬼神だと、触れてはならないのだと否応無く理解してしまったのだ。
触れ得ざる者。
「貴様か。この我に一対一で戦いを挑もうという愚か者は」
巨大なビルが林立する都市で、二体の巨大なロボットが対峙していた。
どちらも黒い。
一方は禍々しく、邪悪にしか見えぬ機体であった。
「その無謀なる勇気は褒めてやろう。しかし、この大魔法機械巨神ダイジャークに敵う者は天地に存在せぬのだ」
「それはどうかな」
張りのある若者の声が、街中に響き渡った。
黒光りする重装甲は、武者の甲冑に似ている。黄金の模様は闇雲を引き裂く稲妻さながら。
カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。
「ふん……そうだな、名前ぐらいは聞いてやろう。名を名乗れいッ!」
重く太く低い怒声が、街中に轟く。裂帛の気合が込められた声はそれだけで天地を揺さぶる凄みがあった。
だが、彼は少しも動揺していなかった。彼の心には決して揺らぐ事の無い鋼(はがね)の如き想いがある。
「俺は、田所カッコマン」
勇気、愛、そして正義を超ネクソン黒鋼の巨体に宿したヒーロー。何故なら、彼は……
「この最強無敵ロボ・ネクソンクロガネのパイロットだ」
巨大なビルが林立する都市で、二体の巨大なロボットが対峙していた。
どちらも黒い。
一方は禍々しく、邪悪にしか見えぬ機体であった。
「その無謀なる勇気は褒めてやろう。しかし、この大魔法機械巨神ダイジャークに敵う者は天地に存在せぬのだ」
「それはどうかな」
張りのある若者の声が、街中に響き渡った。
黒光りする重装甲は、武者の甲冑に似ている。黄金の模様は闇雲を引き裂く稲妻さながら。
カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。
「ふん……そうだな、名前ぐらいは聞いてやろう。名を名乗れいッ!」
重く太く低い怒声が、街中に轟く。裂帛の気合が込められた声はそれだけで天地を揺さぶる凄みがあった。
だが、彼は少しも動揺していなかった。彼の心には決して揺らぐ事の無い鋼(はがね)の如き想いがある。
「俺は、田所カッコマン」
勇気、愛、そして正義を超ネクソン黒鋼の巨体に宿したヒーロー。何故なら、彼は……
「この最強無敵ロボ・ネクソンクロガネのパイロットだ」
今、強大なる正義と悪が激突する。
ぶつかり合う力と力、人の域を超えた神の戦い。
その先に待つのは何か。
答えは自身の目で確かめよ。
ぶつかり合う力と力、人の域を超えた神の戦い。
その先に待つのは何か。
答えは自身の目で確かめよ。
劇場版ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者
2009年○月×日公開予定
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