パラべラム!×ヴィルティック・シャッフル
氷よりもずっと冷たい――――――――凍えそうな雨が、私の身体に降り注ぐ。身体が、心が叫んでる。
痛い。痛いと、感情を抑え込めない赤ん坊みたいに、今までに無い叫び声を上げている。それでも、私は。
私は嗚咽しそうになるのを堪えて、雨水で滲む両目をキッと上げて、声を出す。呼び、掛ける。
「リシェル!」
どうして貴方と――――――――戦わなきゃ、いけないのと、心が叫ぶ。
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gun with the knight and the rabbit
『連続オートマタ強奪事件』
ぶつかり合い軋む、鉄と鉄。互いの熱をそのまま力へと転換するが如く、リヒターと神威はぶつかり合う。力強く神威を抑え込まんと踏み込む、リヒター。
リヒターの右手には今まで感じた事のない怒りが溶岩の如く湧いている。その怒りを嘲笑う様に、神威の放つ刃はリヒターの右手を切り付ける。
まるで人が血を流すかのように、右手より駆動を司る液体が噴出する。遥の絶叫が響く。
「リヒター!」
しかし、リヒターに怯む様子は無い。それどころか、液体を神威へと宣戦布告するかの様に振り撒く。
<何故だ>
得物を静かに振りおろし、佇む神威に、リヒターは問う。
<何故貴様達は、他人のオートマタを強奪した>
神威も、そしてマスターであるリシェルも口をつぐむ。否、リシェルは何か言いたげに、遥に目を向けている。
だが、その目にはかつて遥や隆昭、メルフィーと談笑していた優しく、儚げであった少女の姿は無い。
暗として濁り、少女らしい、いや、それ以前に人間らしくない暗い闇が二つ、覗いているだけだ。
<……何故かと、聞いているのだ!>
<あの男の、復讐の為だ>
口を開けたのはリシェルではなく、神威であった。
<あの、男……?>
『置き去りにしてきた過去』
リヒトはルガーに渡された写真に目を移す。その若干古びて茶色く変色している写真に映るのは、かつての自分達の過去。
今でも若いは若いが、肌も顔付きも今以上にヤングメンなルガー、正真正銘ロリだった頃のリタ、そして暴れん坊で若造であった頃の、リヒト。
後にやおよろずと呼ばれる面子の、置いてきた過去。そして、その過去に絡んでいる―――――――。
「レイン……ボウズ」
「リヒト、覚えてないのかい? レインボウズってかつて僕達が―――――――」
「俺はあいつにまだ、勝ててない】
【お前、名前は?】
ほどけた靴ヒモを編んでいると、見知らぬ声が俺に話しかけてきた。
いきなり初対面でお前呼ばわりなんて、トンデモねえ奴だな。呆れつつ、顔を上げる。
ここはキッチリ、礼儀を仕込んでやらねえとな。同じ傭兵として。
「人に名を聞く前に自分の名を言うのがマナーじゃねえか?」
俺が皮肉たっぷりにそう言うと、そいつはムッとする所か、大口を開けて笑った。
笑って、そりゃあそうだなと厳つい外見に見合うゴツい声で言った。
【俺の名はジャック。ジャック・トラインだ。宜しくな、若造】
『絡まり合う真実』
諸々あってやおよろずへと厄介になってしまったマシェリー。寝付けず、椅子に座り窓から見える月を見つめる。
こうして夜空をじっくりと見るのは何年振りだろう。月の丸さが、白さが、偉く新鮮に思える。
昔は、昔は姉と一緒にいつもこの月を見ていたのだ。屋根の上に昇り……。
「寝れないのか?」
後ろからリヒトが話しかけてきた。首だけ振り向き、自嘲的に呟く。
「こんな状況ですやすや寝れる程、私は図太くないんでな」
「お前が冗談を言うなんてな。何にせよ、遥の件は助かった。済まんな」
「いや、寧ろ感謝したいのは私の方だ」
そうして、マシェリーは再び月へと顔を移す。移して、ボソリと呟く。
「……姉さんの呪縛を解くのは、私じゃないかもしれない」
「お前がこんなことしてるのは、あの女の為じゃないのか?」
「違うんだ。私では……」
リヒトは気付く。マシェリーの声が若干、上ずっているのが。それとも震えているのか。
何にせよ、あの一件はマシェリーにとって大きな出来事だったようだ。そして恐らく……遥にとっても。
「私では、姉さんを止められない」
『暗躍する邪悪』
「ターゲットはこの二体。この二体を無力化して下さい。可能であるならば鹵獲も構いません」
嵐の前の静けさか、吹き荒んでいる野原を深く迅速に駆けていく、オートマタの群れ。
各々形状も所有する武装も違うが、課せられている任務は只一つ。やおよろずの奇襲。並びに―――――――対象オートマタの無力化。
その背後から事態を観察する様に、三機のオートマタが駆ける。
<つまんないなー。私達は戦っちゃいけないんでしょ? なんでこいつらのお守なんか>
<そう愚痴るな。あの方の命令だぞ>
<ま、私としては玉藻様の美しい姿が見れるだけでも……あ、鼻血が>
<何処から鼻血出しているんだ>
自らの腕を手術用のナイフでスーっと、レファロは切り付ける。一文字に切れた傷口からたらたらと、血が零れてくる。
その傷口にあろう事か、レファロは指を強引にぶち込んで、傷口を広げんとする。耐えがたい激痛に、頭部に何本も青筋が奔る。
だが、失神する所か力強く眼を見開き、レファロは、叫ぶ。
「きさ……貴様ぁらが何でも……吸収するのならば……」
「ワシを吸収してみろ、レギアス!」
『力と責任』
投げ捨てるヘッドギア。溜息が空中に舞っては淡く消えていく。駄目だ、このままじゃ。
このままじゃ駄目だと思いながらも、隆昭は自分自身のふがいなさが仕方ない。シュミレーションとはいえ、スネイルに何度してやられたか。
どうして、自分はスネイルに勝てないのか。何度も考えが巡っては、同じ着地を繰り返す。
経験が、足りない。圧倒的に、経験が。
「隆昭さん、どうしてそんなにイラついてるんですか?」
「イラついてなんかいないさ」
「嘘です。粗すぎます。何もかもが、雑になってます」
「しょうがないだろ。俺は……俺は君みたいに、戦場で戦っちゃいないんだ。只の学生だったんだよ」
「だから今こうしてスネイルさんと。……隆昭さん、もしかして」
「逃げてません? 戦う事から」
持ちたくなかった力。捨てたくなかった現在。何時までも一緒に居たかった、家族。
異常を異常と思わず正常だと思い込んでいた自分が、とうとう正常への反動を起こす。
「なら、なら君がヴィルティックに乗って戦えば良いだろ! もう沢山なんだよ、なにもかも!」
「お前は間違いなく弱くなったぞ、小僧」
届かぬ、右腕。動かぬ、左腕。
見上げる灰色の空。忘れていた、敗北という苦みがリヒトの口元に広がる。
「お前は弱くなった。守るべき物を持った代わりに、牙を削られちまった。お前は壊し屋で良かったんだ」
「うる……せぇ……」
見えているのは、幻か、現実か。
パートナーという言葉が持つ重みを、物理的に知る事になる。だが、それで潰れるリヒトではない。
寧ろ、リヒトにとってこの重みはある種の幸福であり、目覚めでもあった。
「俺は……」
改めて自覚する。自分の弱さ。未熟さ。そして、痛感する。
守るべき物がある、その意味を。何故、守らなきゃいけないのか。答えは驚くほど、簡単だった。
簡単すぎて気付かなかった。皮肉にもこの男に気付かされてしまった。
「俺の名は壊し屋じゃねえ、リヒト……」
「リヒト、エンフィールドだ! そうだろ、ヘ―シェン!」
『守るという事』
項垂れ、隆昭はただ、項垂れるしか無かった。涙を流すのは簡単だ。
だが、流してどうなる? 泣き叫び、嗚咽し、ジタバタと喚き散らせば、許されるのか?
そんな事をしたって――――――――したってもう、もう……。
「スネイルさん……」
「隆昭君。いえ、言い変えるわ」
「鈴木隆昭。貴方にはヴィルティックを降りて貰う。今の貴方に、ヴィルティックを扱う資格は無いわ」
「本当に後悔しないんだな?」
「師匠、私の心は変わりません。私、戦います」
「……師匠としてではなく、一個人として心配なんだよ、遥。俺にはお前が、迷っている様に見える」
「迷っているって何ですか」
「戦う相手が定まってるのかって話だ。俺にはどうしても、お前が迷ってるみたいに感じてな」
「確かに、今までとは全く違うタイプの相手だから不安はあります。けど」
「けど、戦わなきゃいけないんです。私にとってはやおよろずも、鈴木君達も皆、守りたい人だから」
『対峙』
<再び貴様と刃を交えられるとは……心が躍るぞ!>
<私は戦う為にここに居る訳じゃない>
<なら何故いる!>
<聞きたい事がある>
<神威、貴様に取って戦うとはなんだ?>
「隆昭。お前は俺と行動して貰う」
「俺を使ってくれるんですか……? でも俺、別に力も強くないし……」
「お前が今すべき事は、そこで延々とメルフィーに詫びをし続ける事なのか?」
「……分かりません」
「なら考えろ。甘えるなよ、隆昭」
「戦う事が重要なんじゃねえよ。誰の為に戦うかが重要なんだ。お前の娘は、誰の為に戦ったんだ?」
リヒト と ライオネル
『絆』
マシェリー と リシェル
『血』
スネイル と 隆昭
『力』
リヒター と 神威
『戦』
様々な思惑と、塞いでいた過去が交差し、一つの線となる。
そこにあるのは、絶望か。それとも
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第二部 近日投下予定
第20話 「雨」
――――――――ねぇ、一条さん。私達、友達になれたのかな?
――――――――なれたのかなじゃないよ。きっと、なれるよ。
「……ごめんね。一条さん」
リシェルはナイフを喉元に突き付け、笑った。
「やっぱり私、こうするしか、無かったんだ」
「リシェル!」
「さよなら」
―――――――私の、初めての親友。
氷よりもずっと冷たい――――――――凍えそうな雨が、私の身体に降り注ぐ。身体が、心が叫んでる。
痛い。痛いと、感情を抑え込めない赤ん坊みたいに、今までに無い叫び声を上げている。それでも、私は。
私は嗚咽しそうになるのを堪えて、雨水で滲む両目をキッと上げて、声を出す。呼び、掛ける。
「リシェル!」
どうして貴方と――――――――戦わなきゃ、いけないのと、心が叫ぶ。
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『連続オートマタ強奪事件』
ぶつかり合い軋む、鉄と鉄。互いの熱をそのまま力へと転換するが如く、リヒターと神威はぶつかり合う。力強く神威を抑え込まんと踏み込む、リヒター。
リヒターの右手には今まで感じた事のない怒りが溶岩の如く湧いている。その怒りを嘲笑う様に、神威の放つ刃はリヒターの右手を切り付ける。
まるで人が血を流すかのように、右手より駆動を司る液体が噴出する。遥の絶叫が響く。
「リヒター!」
しかし、リヒターに怯む様子は無い。それどころか、液体を神威へと宣戦布告するかの様に振り撒く。
<何故だ>
得物を静かに振りおろし、佇む神威に、リヒターは問う。
<何故貴様達は、他人のオートマタを強奪した>
神威も、そしてマスターであるリシェルも口をつぐむ。否、リシェルは何か言いたげに、遥に目を向けている。
だが、その目にはかつて遥や隆昭、メルフィーと談笑していた優しく、儚げであった少女の姿は無い。
暗として濁り、少女らしい、いや、それ以前に人間らしくない暗い闇が二つ、覗いているだけだ。
<……何故かと、聞いているのだ!>
<あの男の、復讐の為だ>
口を開けたのはリシェルではなく、神威であった。
<あの、男……?>
『置き去りにしてきた過去』
リヒトはルガーに渡された写真に目を移す。その若干古びて茶色く変色している写真に映るのは、かつての自分達の過去。
今でも若いは若いが、肌も顔付きも今以上にヤングメンなルガー、正真正銘ロリだった頃のリタ、そして暴れん坊で若造であった頃の、リヒト。
後にやおよろずと呼ばれる面子の、置いてきた過去。そして、その過去に絡んでいる―――――――。
「レイン……ボウズ」
「リヒト、覚えてないのかい? レインボウズってかつて僕達が―――――――」
「俺はあいつにまだ、勝ててない】
【お前、名前は?】
ほどけた靴ヒモを編んでいると、見知らぬ声が俺に話しかけてきた。
いきなり初対面でお前呼ばわりなんて、トンデモねえ奴だな。呆れつつ、顔を上げる。
ここはキッチリ、礼儀を仕込んでやらねえとな。同じ傭兵として。
「人に名を聞く前に自分の名を言うのがマナーじゃねえか?」
俺が皮肉たっぷりにそう言うと、そいつはムッとする所か、大口を開けて笑った。
笑って、そりゃあそうだなと厳つい外見に見合うゴツい声で言った。
【俺の名はジャック。ジャック・トラインだ。宜しくな、若造】
『絡まり合う真実』
諸々あってやおよろずへと厄介になってしまったマシェリー。寝付けず、椅子に座り窓から見える月を見つめる。
こうして夜空をじっくりと見るのは何年振りだろう。月の丸さが、白さが、偉く新鮮に思える。
昔は、昔は姉と一緒にいつもこの月を見ていたのだ。屋根の上に昇り……。
「寝れないのか?」
後ろからリヒトが話しかけてきた。首だけ振り向き、自嘲的に呟く。
「こんな状況ですやすや寝れる程、私は図太くないんでな」
「お前が冗談を言うなんてな。何にせよ、遥の件は助かった。済まんな」
「いや、寧ろ感謝したいのは私の方だ」
そうして、マシェリーは再び月へと顔を移す。移して、ボソリと呟く。
「……姉さんの呪縛を解くのは、私じゃないかもしれない」
「お前がこんなことしてるのは、あの女の為じゃないのか?」
「違うんだ。私では……」
リヒトは気付く。マシェリーの声が若干、上ずっているのが。それとも震えているのか。
何にせよ、あの一件はマシェリーにとって大きな出来事だったようだ。そして恐らく……遥にとっても。
「私では、姉さんを止められない」
『暗躍する邪悪』
「ターゲットはこの二体。この二体を無力化して下さい。可能であるならば鹵獲も構いません」
嵐の前の静けさか、吹き荒んでいる野原を深く迅速に駆けていく、オートマタの群れ。
各々形状も所有する武装も違うが、課せられている任務は只一つ。やおよろずの奇襲。並びに―――――――対象オートマタの無力化。
その背後から事態を観察する様に、三機のオートマタが駆ける。
<つまんないなー。私達は戦っちゃいけないんでしょ? なんでこいつらのお守なんか>
<そう愚痴るな。あの方の命令だぞ>
<ま、私としては玉藻様の美しい姿が見れるだけでも……あ、鼻血が>
<何処から鼻血出しているんだ>
自らの腕を手術用のナイフでスーっと、レファロは切り付ける。一文字に切れた傷口からたらたらと、血が零れてくる。
その傷口にあろう事か、レファロは指を強引にぶち込んで、傷口を広げんとする。耐えがたい激痛に、頭部に何本も青筋が奔る。
だが、失神する所か力強く眼を見開き、レファロは、叫ぶ。
「きさ……貴様ぁらが何でも……吸収するのならば……」
「ワシを吸収してみろ、レギアス!」
『力と責任』
投げ捨てるヘッドギア。溜息が空中に舞っては淡く消えていく。駄目だ、このままじゃ。
このままじゃ駄目だと思いながらも、隆昭は自分自身のふがいなさが仕方ない。シュミレーションとはいえ、スネイルに何度してやられたか。
どうして、自分はスネイルに勝てないのか。何度も考えが巡っては、同じ着地を繰り返す。
経験が、足りない。圧倒的に、経験が。
「隆昭さん、どうしてそんなにイラついてるんですか?」
「イラついてなんかいないさ」
「嘘です。粗すぎます。何もかもが、雑になってます」
「しょうがないだろ。俺は……俺は君みたいに、戦場で戦っちゃいないんだ。只の学生だったんだよ」
「だから今こうしてスネイルさんと。……隆昭さん、もしかして」
「逃げてません? 戦う事から」
持ちたくなかった力。捨てたくなかった現在。何時までも一緒に居たかった、家族。
異常を異常と思わず正常だと思い込んでいた自分が、とうとう正常への反動を起こす。
「なら、なら君がヴィルティックに乗って戦えば良いだろ! もう沢山なんだよ、なにもかも!」
「お前は間違いなく弱くなったぞ、小僧」
届かぬ、右腕。動かぬ、左腕。
見上げる灰色の空。忘れていた、敗北という苦みがリヒトの口元に広がる。
「お前は弱くなった。守るべき物を持った代わりに、牙を削られちまった。お前は壊し屋で良かったんだ」
「うる……せぇ……」
見えているのは、幻か、現実か。
パートナーという言葉が持つ重みを、物理的に知る事になる。だが、それで潰れるリヒトではない。
寧ろ、リヒトにとってこの重みはある種の幸福であり、目覚めでもあった。
「俺は……」
改めて自覚する。自分の弱さ。未熟さ。そして、痛感する。
守るべき物がある、その意味を。何故、守らなきゃいけないのか。答えは驚くほど、簡単だった。
簡単すぎて気付かなかった。皮肉にもこの男に気付かされてしまった。
「俺の名は壊し屋じゃねえ、リヒト……」
「リヒト、エンフィールドだ! そうだろ、ヘ―シェン!」
『守るという事』
項垂れ、隆昭はただ、項垂れるしか無かった。涙を流すのは簡単だ。
だが、流してどうなる? 泣き叫び、嗚咽し、ジタバタと喚き散らせば、許されるのか?
そんな事をしたって――――――――したってもう、もう……。
「スネイルさん……」
「隆昭君。いえ、言い変えるわ」
「鈴木隆昭。貴方にはヴィルティックを降りて貰う。今の貴方に、ヴィルティックを扱う資格は無いわ」
「本当に後悔しないんだな?」
「師匠、私の心は変わりません。私、戦います」
「……師匠としてではなく、一個人として心配なんだよ、遥。俺にはお前が、迷っている様に見える」
「迷っているって何ですか」
「戦う相手が定まってるのかって話だ。俺にはどうしても、お前が迷ってるみたいに感じてな」
「確かに、今までとは全く違うタイプの相手だから不安はあります。けど」
「けど、戦わなきゃいけないんです。私にとってはやおよろずも、鈴木君達も皆、守りたい人だから」
『対峙』
<再び貴様と刃を交えられるとは……心が躍るぞ!>
<私は戦う為にここに居る訳じゃない>
<なら何故いる!>
<聞きたい事がある>
<神威、貴様に取って戦うとはなんだ?>
「隆昭。お前は俺と行動して貰う」
「俺を使ってくれるんですか……? でも俺、別に力も強くないし……」
「お前が今すべき事は、そこで延々とメルフィーに詫びをし続ける事なのか?」
「……分かりません」
「なら考えろ。甘えるなよ、隆昭」
「戦う事が重要なんじゃねえよ。誰の為に戦うかが重要なんだ。お前の娘は、誰の為に戦ったんだ?」
リヒト と ライオネル
『絆』
マシェリー と リシェル
『血』
スネイル と 隆昭
『力』
リヒター と 神威
『戦』
様々な思惑と、塞いでいた過去が交差し、一つの線となる。
そこにあるのは、絶望か。それとも
beautifulworld
gun with the knight and the rabbit
第二部 近日投下予定
第20話 「雨」
――――――――ねぇ、一条さん。私達、友達になれたのかな?
――――――――なれたのかなじゃないよ。きっと、なれるよ。
「……ごめんね。一条さん」
リシェルはナイフを喉元に突き付け、笑った。
「やっぱり私、こうするしか、無かったんだ」
「リシェル!」
「さよなら」
―――――――私の、初めての親友。