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CR計画、最終段階へ移行す

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匿名ユーザー

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リベジオンがメタトロニウスに敗北を喫したその頃、世界における黒幕である5人の異端者が集まる『裏』では会議が行われていた。
これは実質彼らにとって最後の会議であり、余興でもある。

「あちゃーやっぱりボロ負けかー。」
「当然、あそこまでボロボロにやられてしまうと少し哀れみも覚えますけども…。」
「あまりに予定通りすぎて面白くないねぇ。」
「ねぇ、ねぇ、それよりも聞いてよ、秋常譲二の話だけどさ!」 
「あー五月蝿いな、オマエはそれ以外の事に興味はないのか…。」

5人が好き勝手に言葉を交わす。彼らの視線の先には大きなモニターがあり、そこには見るも無残に破壊されたリベジオンが映されていた。
それはある意味では予定通りの結末だった。
メタトロニウスと黒峰咲にリベジオンと黒峰潤也は勝てない。
機体スペックを引き出すための能力、至宝の相性、洞察力とそれを元にした戦術の組み立て。
その全てが黒峰潤也の敗北を指し示していたからだ。
だからある意味、この予定調和の結末は彼らにとって見れば刺激が足りないものであったとも言える。

「それで、メタトロニウスが計画通りアークとなった訳だけども…さて、困ったね。このままでは地上の人間が全員殺されてしまうよ。」

そういって苦笑したのは『現実主義者』だった。

「あら、素晴らしいじゃありませんの…結果人類の新生が始まる。ありとあらゆる人間が死という神に与えられた呪いを克服し、あらたな支配者としてこの世界を跋扈する。この結果に喜びを得なくて何とします?」

その結末を祝福のように『貴婦人』は言うのに対して『現実主義者』は頭を振る。

「それは君だけの望みだろう…確かに黒峰咲は適応値Sクラスの少女であるが、私はやはりたった一人の人間がその全ての思念を抱えて正気を保てるとはとても信じられないのだよ。」
「それはあなたのものさしが小さいだけでは?『ダグザの大釜』は文字通り最強の至宝ではありますが、あれを起動させる為には他の至宝の3倍のエネルギーを要します。それを可能としてる彼女の精神力のどこに疑いがあるんですの?」
「所詮、人間だしねぇ…同じことを続けてもその内ガタが来るんだ…わたしはその点に関しては信じられないな。」

『貴婦人』の問いかけに割りこむようにして『鉄の処女』が話に入った。
それに『貴婦人』はむっとした表情になった後、少しため息を吐いて

「『道化師』あなたの目から見て黒峰咲はどうですの?」

と尋ねた。
『道化師』は両手をあげて、頭を振るジェスチャーを取る。

「わからないさ、黒峰咲の精神力は確かに異常だ。僕らの最初の計画では彼女はダグザの大釜を起動した時点で廃人と化してしまう予定だった。だが、彼女は自意識を保ち、今もなお自身の望みを遂行しようとしている。これは驚愕の結果という他ない。さすがは兄弟の妹さんって所だね。ま、おかげでCR計画は当初のプランを二段階程前倒しにする必要が出てしまったわけだけど…。」
「当初のプラン?そもそもお前のプランに何か予定でも書いてあるというのか?気分屋の貴様に?」

毒づくのは『皮肉屋』だった。彼の言葉には『道化師』に対する怒りを憎しみといった負の感情が隠さずに込められている。

「そうはいうなよ、クリフ・ブラウン。これでも僕は計画というのものは結構綿密にたてるんだぜ?遠足の前準備みたいにさ、でも途中でもっと面白い事があるんじゃないかってすぐ計画を変更してしまうから、それが意味をなくしてしまうだけなんだよ。例えば、あーえーと、ごめん例に出そうとしたんだけど殺しちゃった君の奥さんの名前忘れちゃった。」
「―――貴様っ。」

歯ぎしりをしながら『道化師』を睨みつける『皮肉屋』。
それを見て『道化師』は腹を抱えて笑う。

「いやー殺せたらよかったのにね、僕を殺せたらよかったのにねぇ…そうすれば君はここでこんな所でいかにも黒幕ですみたいな痛い奴らに混ざって会議に参加しなくてもよかったんじゃないか、あはははは。」
「そう煽ってやるな『道化師』、彼の望みを知っていてその仕打ちは見るに堪えんよ。」

そう諌めるようにして『現実主義者』は言う。

「そうかい?『現実主義者』。君の望みはこの喜劇をずっと眺めている事だろう?君からしたって、僕がこうやって事態をかき回すのは歓迎の筈なんじゃないかい?」
「それはな…だが私は出来る限り長くこの楽しみが続くことを望んでいる。わかるかね?『皮肉屋』くんにこの時点で脱落してもらっては困るのだよ。」

そういって笑い合う2人。

「ゲス共が…。」
「そうはいうなよ、『皮肉屋』、君の望みは僕と一番近い所にある。僕の計画通りに事が進むのは君にとっても都合がいい筈だ。」
「叶いませんわよ、あなた達の願いなんて、我が主がその全てを無に帰しますわ。」
「あーあー、みんな本性だしちゃって…まったく…ま、私としては譲二くんの活躍さえ見れれば満足なんだけどね。」

そういう『鉄の処女』に『皮肉屋』以外の一同が笑う。

「まあ、ここまで我々が結束していたのも奇跡だという事だな。」
「僕らは所詮違う目的を持つ輩が、偶然途中まで通る道が一緒だからって相乗りしただけの関係だしね。」
「そ、それも黒峰咲がアークを手に入れた時点で終わり、わたしはもう自分のやりたいようにやるわ。」

アークが覚醒した時点で協定は終了。それがCR計画における彼らの協定だった。
CR計画というのは1つの目的に向かって行われる計画ではなく『裏』の5名がそれぞれの目的を持っている。
そして、その全てが相容れない。
つまり、ここからは彼らは協力ではなく競争を行う。誰が自分の目的にたどり着けるのか?
それがCR計画最終段階だった。

「とはいえ、最後の議題がある。これだけは決めて置かなければならないからな。」

と語るは現実主義者。まったく困ったことかのように頭に手をあてていう。

「まったく今まで放置してるから手が付けられない事になるんですよ。」

皮肉まじりにいうのは『貴婦人』、彼女からすれば早々にかたをつけたい話だった。

「いやいや、あれをどうこう出来るようになる可能性があるのは今だけだろう?」

笑うように言う『道化師』、しかし彼の表情は珍しく笑っていない。

「正直、私としてはどうでもいいんだけどねー。」

頬を肩肘に尽きながら興味なさそうにいうのは『鉄の処女』。

「ふん。」

そう応対する面々を侮蔑するように見つめ、なにか思案にふける『皮肉屋』。
それぞれの話を聞いて『現実主義者』は立ち上がって言う。
これこそが今回の議題の最大の論点だ。

「では、この『裏』の創始者であり、裏切り者。時峰九条の処遇を決めよう。」



5章に続く

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